【腐向け】Lucent Blue【bsr伊達就】 |
◆宴CDネタバレ含んでいますので、ワンクッション
◆2ページ目は宴CDドラマのかいつまみ導入部分(+妄想)なので、知っている方は飛ばして頂いても
◆既出でしたらすみません
突如現れた、西川と云う男。
いきなり、そんな名も知らない男からの招待状を受け取った。
いざ書かれていた場所へと出向いてみれば、真田幸村と出会う。
招待した、この場を掌握しようとしている者だけが、得体も知れない人物である。数々の戦場を渡り歩いてきた政宗も、はじめて聴く名前だった。小十郎に調べさせもしたが、詳細不明ということだった。
宴席へいざなわれるとそこには、見知った顔がいくつも並んでいた。
東軍・西軍ともに大将。
中央の戦よりも、互いの利権を奪いあっている瀬戸内の両雄。
King of UTAGE――いや、King of Partyを名乗るその男に、最初はいい気はしなかった。
だがこの男には、どこか面白いと思えるものがあった。だからこそ、最後までつき合った。それに――。
このような席には必ずと云っていいほど、姿を見せることがない男がいる。
それにも、興味があった。
この集まりには何かがある。そう思ったからこそ、好きにさせていた。
案の定、展開は面白い方へと運んだ。
この宴は、まだ終わらない。むしろ、始まったばかりだ。
宴もたけなわ。
臣下の者たちも大勢混じって、宴席ではちょっとした騒ぎになっている。
政宗は、頃合いとばかりにそっと立ち上がって部屋を出る。
少しばかり、酔いが回った。触れた指先には、確かな熱が伝わる。雪国出身特有の雪白の頬には、朱が差していた。
酒の席は嫌いではない。むしろ好き好んで参加する。
だが、己がザルと云うほど強くはないことはよく解っているから、ほどほどに切り上げることが多い。
政宗よりも年下の幸村などは、まだまだ加減を知らないのか、それとも勧められると断れないのか……たまに酔いつぶされているのを見かけることもある。
ほうほうと、梟の声がこだまする。
晩秋に差し掛かった夜の、冷えた空気が心地よい。月下――。
灯りがなくとも、明るい夜である。
見上げる紫紺の空には、そこだけまるく切り取ったような、銀色の月が浮かんでいる。
視線を縁側に戻すと、そこには先客が居た。
薄萌黄の衣装を身に纏い、湯呑を手に、背筋をぴんと伸ばして正座している男。
立っていようと座っていようと……相変わらず姿勢が非常によい。
それだけでも、他者を寄せ付けない雰囲気が見て取れる。
厳島では何度か世話になっており、世間よりもどちらかと云うとそれほどまでに批判的ではない。
何故なら、政宗はこの男に惹かれていた。気づくまでに随分と時を要したが、気ついてしまえば行動はひとつしかない。
モノにする。……ただそれだけだ。
だが未だ、よい返事をもらえた試しがない。ここで出会ったのは、云わば千載一遇の機会であった。この機会を逃すはずなどない。
少し足早に男へと近づいた。
「よう、――毛利」
にこやかに――だがどこか、からかう様な響きを含んだ笑みを浮かべて声をかける。
「……何用だ」
相手をするのも面倒なのか、ちら、とこちらへ視線のみを寄越す。
「アンタ、そんなところで何をしている?」
「何も」
「少しはつき合い、ってもんもあるんじゃねえ?」
「我には慣れ合う趣味などない」
一刀両断。
己が領地のみにしか興味がないこの男にすると、本来でならば用が済めば、早々にでもこの場を脱したいのだろう。
だが、この城の佇まいがそれを許さない。
誰か懇ろな者がいるわけでもなく、宴席においても皆が知らぬうちに場を辞したのだろう。騒がしいのが得意ではないのも知っている。
「OK。……アンタらしい回答だ」
「ふん」
つい、笑みが洩れる。
気分を害したのだろうか、そっぽを向いている。
軽くため息を吐き、その場に腰を下ろす。
一瞬だけ、非難するような鋭い琥珀がこちらへと繰られるも、政宗が動じる筈もない。
「アンタ……さっきは随分と面白いマネしてくれたな?」
「……単純な策よ。あの者の脇が甘い故だ」
「まあオレも、アンタがあの場に黙って座ってるなんざ……思ってはいなかったがな」
にや、と笑う。
「それにまず。アンタはこんな騒ぎには、興味がなさそうなんでな」
「ふん。……確かに貴様らなど、路傍の石にすぎぬ。だが、貴様らのうちの誰かが頂点を取り、それによって我の策を脅かすことになろう。それが解っておって、そのまま放置はできぬ」そうだ。
先ほどから変わらぬ毛利の主張……。
ざわざわと、胸が熱くなる。
「……だからこその先手必勝、ってわけか」
「貴様とてそうであろう」
わざとらしく告げるものの、冷えた言葉のみで返される。
「Ha!オレはわざわざそんな手を打たなくても、人望があるからな」
「捨て駒如きに担ぎ上げられたところで、大して変わらぬ。我は貴様らの思想さえ阻止できればそれでよい」
「Hum……ま、アンタはそれでいい」
襟元に腕を伸ばし、ぐい、と強引に引き寄せる。
怪訝そうに、せっかくの柳眉にしわを寄せる。
「貴様……何のつもり、」
云い終わらないうちに、少し高めの熱で言を塞がれる。
まるで、噛みつくように強く。
細い指から湯呑が滑って、高い音とともに砕け散る。土の上に、残っていた白湯が染み込んでいく……。
「……うかつ……っ」
熱が去ると強く口元を袖で拭い、ぎり、と強く睨みつける。
「イイ表情だ」
ひゅう、と高い口笛を吹く。
「次にまみえるまで、その首、大事に致せっ!我が真っ先に狩ってやるわ……!」
「Ha!そのpartyまで楽しみに待ってるぜ」
悔しいのだろう、声を荒げて告げる。
鋭く悪態をついて、足早にその場を去っていく。にこやかな笑みでもってその背を見送った。
「次は……アンタの腰が砕けるまで、オレに溺れさせてやる」
に、と楽しそうに口角を上げた。
説明 | ||
◆伊達×毛利です。むしろ伊達→毛利 ◆宴CD・Bバージョン派生(ネタバレ含む)そしてバックステージ妄想ネタ…のはずが…ちょっとずれてきました ◆個人的にものすごく宴CDは…毛利総受フラグでした… ◆支部にも同じものをupしています | ||
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