そらのおとしもの 全裸王(ゆうしゃおう)、君臨す |
「う〜ん……」
智樹は部屋で少し頭を抱えて考えていた。
「どうしたんですか? マスター」
イカロスが部屋に入って来る。
「ああ、イカロス。実は最初にお前と会った時のことを思い出してな…」
「私とマスターの出会い……」
「そんでさ、俺その時に『世界征服』したいって言ったらイカロス、カードを使ってそはらとか皆消しちまっただろ。
それで考えたんだけどさ、あの時はああなったけど、他に使い方ってかやり方なかったのか?」
「と言いますと?」
「いや、なんていうのかな〜……」
「要は皆を消さないで、何とか従わせたいってことでしょ?」
そこにニンフも部屋に入って来る。
「そう、それ! 前にイカロスがやったカードの力じゃなくてそう言ったカードってない?」
「ニンフ……」
「あるわよ」
ニンフがカードを出す。
「それくれ!」
「嫌よ、だってこれ渡したら何されるか……」
ニンフは何やら妄想に浸る。
「いや、お前に何しようとか俺考えてないから」
「なんですって!」
ニンフが怒り出す。
ニンフの気がカードからそれた隙を智樹は見逃さなかった。
「いただき!」
智樹はニンフの手からカードを盗る。
「あ!」
「それ、いくぜ!」
智樹はカードを起動させた。
カードは光り輝くのであった。
そらのおとしもの 全裸王(ゆうしゃおう)、君臨す
智樹はカードを使い、支配者となっていた。
「ひょひょひょひょ」
智樹は思いっきり調子に乗って、豪華な椅子に乗ってその椅子を学校の男子生徒や男の先生に担がせ、空見中学校に向かって行進していた。
「智ちゃん、そこまでだよ!」
そこにそはら達空見中学の女子生徒とアストレアが立ち塞がっていた。
「桜井君の行進もここで止まるのよ〜」
「桜井智樹、覚悟!」
そはらはチョップ、アストレアがchrysaorを構える。
それだけでなく女子生徒も銃なり、バットなり武装していた。
「全員突撃〜〜〜♪」
美香子が指令を下し、女子全員が智樹に向かって突撃していくが……。
「女子は全員武器を下して気をつけ!」
智樹がそんなことを口にするとなんとそはら達女子全員が武器をその場に落として気をつけをした。
『!』
『これって……』
「体が……」
「勝手に…」
女子全員は体が勝手に従ってしまう。
そはらや美香子にアストレアが抵抗しようにも抵抗できなかった。
「ふふふふ、女子全員は整列!」
智樹は女子全員を並べさせた。
「女子全員そのままの体勢を維持! 俺が何しても維持だ!」
智樹は椅子から降りる。すると手を何やら奇妙な動きをする。
「ふふふふふ」
「ま、まさか……」
そのまま智樹は女子全員の胸や尻を触りまくる。
『いやああああああああ!!!』
しかし女子達は抵抗は愚か、反撃すらできない。
ただ叫び声をあげるしかなかった。
「ひょひょひょひょ! このままこの空見町を支配してやるぜ!」
智樹の調子はさらに乗り、空見町全てを支配するに至った。
智樹が商店街を行進すると商店街の皆が跪く。
「マスター……」
「トモキ、調子に乗ってるわね〜」
イカロスとニンフもカードの力に逆らえなかった。
「ニンフ先輩、どうにかならないんですか〜?」
「智樹があのカードを手離さない限り、私達でもどうすることもできないわ」
「そんな〜」
アストレアが落胆する。
そんな時であった。
「な〜にしてるんだお前ら?」
智樹の行進の前に一人の男が立ち塞がった。
秋山であった。
『秋山(さん)!』
「そう言えばあんたがいたな、ちょうどいい。俺の前に跪け」
智樹は秋山に命令した。
「何様のつもりだお前?」
皆が気づいた瞬間、秋山は智樹の頭を踏んづけていた。
「な、何故……」
「あのな…俺をなんだと思ってるんだ? 闇の神の魂持ってるんだぞ。
神クラスの奴を命令できると思ってるのか?」
「ふぐ…」
「まあ闇の魂曰く、俺は元々こういう強制命令系は効かない体質らしいけどな」
「?」
秋山は語る。
「闇の魂が入ってすぐのことだったな。あちらが俺に語りかけたことがあってな……。
その時あいつはこう言ったんだ。『お前は自分が一番偉いと思っているタイプだな。正確には自我が強い、強すぎる。
お前を選んだ失敗の理由の一つだった』ってな。
まあ確かに言われてみれば、俺、法律とかには従っても人には従うタイプじゃないわ。
どこかの秘密道具とかでも命令されても、『俺はお前より偉い!』とか思って無茶苦茶反抗するだろうな」
秋山は智樹を踏んづけたまま語っていた。
「その足どけてくれないか?」
「どけてやるのは構わんぞ。俺がわざとスリッパを脱いで裸足で踏んでるのに気づかなかったか?」
「秋山! 智樹からそのカードを取りあげて!」
ニンフが秋山に命令する。
「カード? ああ、これで従わせてわけか。だが断る!」
「えええ!?」
「なんで!?」
「俺がそんなことしなくてもいいからだ。後……1分くらいで来ると思うぜ」
「来るって…」
「誰が?」
「さあってな」
秋山は智樹の頭から足を離し、椅子の神輿から降りる。
「じゃ」
秋山は適当に歩いて行く。
すると空から……。
「お兄ちゃ〜〜〜〜〜ん」
空からカオスが降ってきて智樹に抱きつく。
「うわっ! カオス……」
「お兄ちゃ〜ん」
カオスはいつもより甘えて智樹に抱きつく。
「カオス、離れろ」
「え〜、もう少し〜」
「いいから離れ……」
智樹はこの時気づいた。
「カオス」
「な〜に、お兄ちゃん」
「俺の言葉聞いてもなんともないのか?」
「なんともって?」
「例えば……体が勝手にその通りに動くとか」
「ううん」
「……なんで?」
智樹は理由を一生懸命考えた。
(あいつに踏まれたから? いや、あいつはその気になればカードを破壊してる。けどしてないってことは違う。
じゃあ何だってんだ?)
智樹は混乱しだす。
「ニンフ、お前なら理由分かってるんじゃないのか?」
ニンフの隣に秋山がやって来る。
「どういう意味?」
「おや、分かってなかったようだな。ならばヒントだ、カオスはなんだ?」
「カオスってエンジェロイドだけど……」
「カオスはいつ造られた?」
「いつって………」
「そう言うことね!」
「そうそう」
「分かりました」
「え、え、どういうことですか?」
アストレアは分かっていなかった。
「お前にも分かるよう簡単に言えばあいつの第二世代だから性能が高くて、カードの力を寄せ付けないってことだ。
だから智樹の命令にも反抗できる。俺とは別の意味で王とかの命令を無視できるというわけだ」
「ならカオス! 智樹からカードを取りあげて!」
「え、うん」
カオスは智樹からカードを取り上げようとする。
「待て、カオス! これがあれば思うがままだぞ!」
智樹はよくあるRPGで魔王が主人公を惑わすことを言うが……。
「う〜ん……」
カオスは考え込む。
「カオス……」
「でもいいや」
カオスはそう言うと智樹からカードを取りあげた。
「な、なんで!?」
「う〜んとね、秋山お兄ちゃんが言ってたの。
『こんなものに頼るな、自分で何とかしろって。その方がお兄ちゃんも喜ぶからって』」
「秋山ーーーーーーーー!!」
智樹は秋山の方を見て叫ぶと秋山は笑っていた。
「ははははは」
「カオス、それをこっちに投げて!」
「うん」
カオスはニンフの方にカードを投げる。
「パラダイス=ソング!!」
ニンフのパラダイス=ソングによりカードは消滅した。
それからと言うものの……。
「桜井、次は職員室に来い」
「は〜い」
智樹は皆をこき使った罰としてしばらくは学校内で雑務をさせられるようになった。
「くそ〜、あのカードが使えれば……」
智樹はまだ愚痴を言いながら、職員室に行く。
「よう、智樹。これ、生徒全員に配れ」
秋山が大量のプリントを智樹に手渡そうとする。
「これ全部!?」
そのプリント用紙は10枚ほどの紙がホッチキスで止められているのが、200組ほどあった。
「これ全部だ」
「あんたも少しは手伝ってくれよ」
「罰にならんだろ。それに俺はお前が持てる数しか渡してないからさっさと配ってこい。
ただし教室以外にいる生徒にも配る様にな」
「そんな〜、それじゃあもう帰ってる奴もいるんじゃ……」
「届けてこい」
秋山の強制により智樹は大量のプリントを運ぶことになった。
智樹が職員室を出ていくのを見て、職員室の外に出る。
「少し許してあげたら?」
ニンフが秋山に声をかけてきた。
「俺はいいけど問題は俺達以外の連中だ。
それに智樹のことだ。こんなことになったって懲りる気ないだろ」
「……確かに」
「マスターならまた……」
「だったらもう少し灸を据えさせてやるのがいいだろ」
窓から一生懸命プリントを配る智樹を眺めるイカロス、ニンフ、そはら、秋山であった。
終わり
おまけ
作者「今回は特別のおまけだ」
智樹「どうしたんすか?」
作者「いや、そろそろ『そらおと』系のストックがなくなってきた。
一応今日書き終えた奴も含めてストックは3つだ」
智樹「すくねえな。なんで書いてねえんだ?」
作者「ネタが思いつかないというのもあるけど、ほかごとをいろいろしてるからだ」
智樹「他事って?」
作者「メインで動いてる他の二次小説もんを書いたり、RPGツクール系で追加したいキャラの技とか性能テストしたり、格ゲーしたりだ」
智樹「小説はともかく、ほかの二つはお前の自業自得だろ!」
作者「まあ今日書き終えた奴は普通なら3回あとの予定だが、旬なこともあるから次にでも投稿するさ」
智樹「旬って? 冬がモチーフなのか?」
作者「いや。単純に最近放映されたアニメの話を基にしたり、そのアニメを見てふとあるMADを思い出してそこから連想させたものにしたりさせたものだ」
智樹「なんだそりゃ」
作者「まあ次回はそれ投稿だが、明日にでもしようかな〜。
とまあ気分次第と言うことだ。
とりあえず次回の奴を投稿したらしばらくは別の連載物を書きたいから『そらおと』系はお休みと言うことだ。
それでは!
追記
そういえば、言いたいことが一つあった」
智樹「なんすか?」
作者「今回は『ドラえもん』を見て思ったことを基にしたけど、こういう王様とかになって絶対服従とかあるけど、本当に絶対ってあるのかな?」
智樹「? どういうことすか」
作者「だって王様なら王様相手じゃ普通効かないでしょ。
それに命令とかに縛られたくないとか色々自我と言うのか体質上効かない人間もいる気がするんだよな。
だから今回の作品をあんな感じにしたんだけど…」
智樹「? 何が言いたいんだ?」
作者「いや、それ以上はない。ただああいう絶対服従系は確実に誰か一人は従わせられない体質とかいるだろうと思った俺の答えを書きたかっただけだ。
今度こそそれでは!」
説明 | ||
今回の作品はドラえもんを見て思ったことを基にした作品となっております。 また作者の分身となるオリジナルキャラ(秋山総司郎)も出てきます。 |
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コメント | ||
服従も何も、何でも言うことを聞いてくれる無口系エンジェロイドがいるのに……智樹の欲望の向かう果てはよくわかりませんなあ(枡久野恭(ますくのきょー)) トモ坊、もう少し自重というものを覚えようか… 話は変わりますが、私なんて話をストックした事すらありませんよ?(自虐) ネタはあるけど書く余裕が無いという事ですが。(tk) |
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