真・恋姫†無双〜恋と共に〜 #66 |
#66
戦後処理も着々と進んでいる。袁紹は華琳を除く皆が思っているよりもよくやっているようで、河北の政治は安定していた。
「貴方の影響もあるのでしょうけどね」
「え、俺?」
その事について華琳に言われた時、一刀はその意味をよく理解していなかった。
そして、他領の情報に関しても報告が上がってきている。
雪蓮は呉の地を取り戻し、袁術の経済的な後ろ盾もあってか、ますます繁栄を見せていた。また桃香は、荊州から益州に入り、広大な土地のほぼすべてをまとめつつある。
「我々の相手となるのはあと2つですね」
「えぇ。もうすぐ華琳様が大陸を制する時が来るのね」
「気が早過ぎです。足下をすくわれますよ?」
「分かってるわよ」
軍師である稟と荀ケも、内政を進めつつ、次の戦への準備を進めていた。
これは、そんな戦時下の日常のお話。
拠点 凪
「警備隊と?」
その日、一刀は華琳に呼び出されて、彼女の執務室へとやって来ていた。近くの机でに座る稟と荀ケが竹簡に筆を走らせる横で、彼は華琳からひとつの命を与えられる。
「えぇ。貴方も知っている通り、ここの警備体制は天水を真似たものよ。元々は貴方の考えでしょう?」
「まぁな」
「それで、凪たちと一緒に街を回り、警備隊の改善点を見つけて欲しいの。1日では流石に難しいでしょうから、1週間ほどお願いしたいのだけれど」
言われて一刀は納得する。それと同時に、疑問も浮かんだ。
「俺もよく街を回っているが、特に問題点なんかは見当たらなかった気がするぞ?」
「それは民の視点でしょう?外からではなく、中から見た意見を聞きたいの」
「そっか。わかったよ」
彼の返事に華琳は頷き、扉に向かって声を掛けた。
「と、いう訳だから、明日から一刀と一緒に回って貰うわよ?」
『ば、バレてるのー!』
『なんでや!?』
『ふ、2人共声が大きいぞ!』
扉の外から聞こえてくるくぐもった声に、一刀は苦笑した。
※
――――――翌朝。
「おはようございます、師匠!」
「お、兄さんやん。おはよーさん」
「一刀さん、おはよーなのー」
「あぁ、おはよう」
朝食を終えた一刀は腰に刀を差し、秋蘭から貰った眼帯を装着し、中庭にやって来ていた。彼の姿を認めた凪がいち早く挨拶をし、真桜と沙和も手を振っている。彼は片手を上げて返しながら、3人に近づいた。
「これからよろしくな」
「いえ、師匠こそ、よくお越しいただきました!」
生真面目な性格故、凪は監察官の立場である一刀に対し、いつも以上にきびきびとした様子で腰を曲げる。
「凪は張り切っとるなー」
「ねー」
「ううううるさいっ!お前達こそ、師匠がいるのにサボったりしたら………」
からかうような口調の友に、凪は鋭い視線を向ける。
「わかっとるって」
「凪ちゃんは心配性なのー」
本当に分かっているのやら。真桜と沙和は、いつものように応えるのだった。
「さて、それじゃぁ行こうか」
「はいっ。まずは詰所に行き、隊員と朝礼を行ないます」
「それはまた大仰だな」
きっと沙和や真桜なんかは動かず、主に凪が隊員を動かしているのだろうな。そんな事を考えながら、一刀は歩き出した3人についていく。
――――――警備隊本部。
「それでは朝礼始める」
凪の声に、本部に集まった各詰所の小隊長たちは姿勢を正して耳を傾ける。流石に、真桜と沙和も部下の前では真面目な表情を見せている。
「――――――以上だ。何か質問はあるか?」
割り振りも終え、凪が放った最後の言葉に、隊員たちは眼だけを動かして一刀の方を向いた。だが、誰も口を開かない。聞きたい事はあるのだが、聞いてもよいのか。そういった疑問が、みなの顔に浮かんでいた。
「それでは最後に、本日より我々の警邏に参加する事になった方を紹介する。………どうぞ」
告げて、凪は一歩下がった。一刀もその意図を理解し、入れ替わりに前に出る。
「………………」
彼の前に居並ぶ隊員たちは、みな一様の表情をしていた。笑顔を堪えきれず、それと同時に何かを期待している瞳。その様子に気づいた一刀は、思わず苦笑するも、ひとつ咳払いをして口を開いた。
「本日から1週間、皆と共に警邏に参加させて貰う事になった。ほとんどが見知った顔の中で自己紹介をするのもなんだかおかしいがな」
その言葉に、とうとう彼らははっきりと笑みを漏らす。反董卓連合が招集された際には、武器を向けられ、武器を向けた相手だ。だというに、彼らはかつての友をしっかりと受け入れる。
「名前に関しては、北で頼む。色々疑問もあるだろうが、名前に関しての質問は禁止だ。勝手に想像してくれていい。………本題に戻ろう。
曹操殿から、警備隊の改善点を見つけて欲しいと頼まれた。気合を入れるのは構わないが、今回は視察官という立場だからな。いつも通りの仕事をして欲しい。今日だけ出来て、明日以降は出来ないものを見せられても、困るのは街の住人だ。各区域を順番に見させてもらうが、いま言ったように変に気負う必要はない。いつものみんなの仕事ぶりを見せてくれ」
彼の目がある時だけの仕事をして、その後も同じものを要求されても実行するのは難しい。彼らもそれが分かっているのだろう。彼の説明に、一斉に頷いた。だが。
「………………まぁ、皆の仕事ぶりは、街に出かけている時によく目にしているからな。違うところがあれば、すぐに分かるぞ?」
そう言ってニヤリと笑みを浮かべる一刀に、とうとう隊員たちは笑いを洩らしてしまうのだった。
※
紹介と挨拶も終え、各隊の小隊長は三々五々と自分たちの詰所へと戻っていく。そんななか、早速沙和が一刀に近づき、声を掛けた。
「やっぱり一刀さんは人気者なのー」
「そうか?」
「せやで。アイツら、兄さんが入ってきた瞬間からこーんな風に目ぇキラキラさせとったで?」
言いながら、真桜は凪の顔を指差す。
「………………わ、私かっ?」
凪自身は気づいていないようだが、彼女の表情は他の隊員よりも一層憧れを浮かべていた。それを指して真桜は言ったのだが、凪の様子に腹を抱えて笑い出す。逆に沙和は、彼女に抱き着いていた。
「いやーん、凪ちゃん可愛いのー!」
「なっ、ちょ、放せっ!?」
からかいの度合いが少ない為、無下に引き離す事も出来ず、凪は顔を真っ赤にする。一頻り沙和に頬擦りをさせたところで、ようやく一刀が止めに入った。
「沙和もそろそろ離れような。俺達も仕事に行かないといけないだろう?」
「はーい」
返事をし、沙和は凪から離れる。
「それで、今日の割り振りはどうするんだ?俺は好きに見回っていいのか?」
「いえ。師匠には我々と一緒に警邏に参加して貰います」
「4人で?」
「いつも南北に別れて警邏をしておりますので、今回もそのように致します。本日は、師匠にはその、私と組んでもらいますので」
「そうか、よろしくな」
どうやら、一刀と凪、真桜と沙和の組に別れるようだ。
「にししー、凪、ちぃとどもったな」
「なのー」
「そこ、うるさいぞっ!」
真桜のからかいに、凪は真っ赤になる。
「一刀さん、聞いて聞いて。昨日クジ引きでこの組合せを決めたんだけど、一刀さんと組むって決まった時の凪ちゃん、すっごい喜んでたの!しっかりえすこぉとしてね、なのー」
「何を言ってるんだ、沙和!警邏をするんだぞ!」
「きゃー、凪ちゃんが怒ったのー!」
「おぉ、怖い怖い。馬に蹴られる前に退散や!」
「一刀さん、またね、なのー」
騒ぐだけ騒いで、沙和と真桜は警備隊の本部から走り去った。
「まるで嵐のようだな」
「うぅ…お恥ずかしい限りです」
ぼそりと呟いた言葉に、凪は再度赤くなり俯いてしまう。そんな彼女の様子に笑いながら、一刀は彼女の頭を撫でた。
「気にすることはないさ。いつもの仲がいい3人じゃないか」
「ですが、師匠に、その……」
「気にしたらダメだって。それじゃ、俺達も行こうか」
「はぃ……」
小さく返事をし、凪は一刀と連れ立って仕事へと向かった。
凪と並んで警邏をする一刀だったが、足を止める事が多かった。
「北さんじゃないですか。おひとつどうですか?蒸し上がったばかりですよ」
「おっ、いいの?」
「駄目です、師匠。いまは警邏の最中です」
点心の店では店主に呼び止められ、出来立ての肉まんを勧められるが、凪にそれを止められる。
「あぁ、北さん。張遼将軍に溜まったツケを払ってくれるように言ってくれませんかい?」
「え、霞の奴、こっちでもそんな事してんの?………ちなみにどのくらい?」
「3か月分なんですが………このくらいですね」
「………とりあえず俺が立て替えておくよ。霞の方にも言っておくから」
「駄目です。警邏の最中です」
とある居酒屋では、開店前の準備をしていた店主に頼まれ事をするも、凪に注意を受ける。
「おや、北さん。ちゃんと着けてくれているんですね。お似合いですよ」
「あぁ。ありがとうな」
「いえいえ。お礼なら夏侯淵将軍に言ってください。それより、お返しの品なんてどうですか?」
「そういえば、何か返したいよな。何がいいと思う?」
「そうですねぇ……将軍は服も無地のものですし、あまり派手なのは好まれていないのではないかと」
「あ、やっぱりそう思う?」
「えぇ。ですので、髪飾りなど如何でしょう?」
「髪飾りって派手じゃないの?」
「もちろん品によりますよ。この白地に金の模様の入ったものなど如何ですか?それほど派手ではありませんし、将軍の青い髪によく映えると思いますが」
「なるほど………凪はどう思う?」
「いまは警邏の最中だと思います」
秋蘭から贈られた眼帯を仕立て屋では、お返しを勧められるも再三凪に止められる。
「………………師匠」
「えと………なんでしょう?」
仏の顔も三度まで。とうとう凪は俯き、次いで肩が小刻みに震え始め、
「いい加減にしてくださいっ!!」
「すいませんっ!?」
彼女の怒号が通りに響き渡った。
※
それから一刀は、真面目に警邏を再開、
「なぁ、凪。機嫌直してくれよ」
してはいなかった。ずんずんと肩を怒らせて先を歩く凪の機嫌を取ろうと、声を掛け続けている。
「凪、俺だってサボろうとしてる訳じゃないんだよ」
「………………」
「だってさ―――」
「師匠!」
「はいっ!」
ようやく凪が反応を示す。
「師匠は寄り道をし過ぎです。街の安全を守るのが我々の仕事なんです!」
「そりゃそうだけどさ………」
「食事は昼に取ればよいではないですか。買い食いなど以ての外です」
「いや、確かに…」
「それに、霞さまの借金は、霞様本人が返さなければ意味がないではないですか」
「まぁ…確かに……でも店主も困ってたし………」
「極め付けには贈り物を選ぶなど!というか秋蘭様に貰ったものとは何ですか!」
「えと………これ、だけど?」
左眼にあてられた眼帯を人差し指で引っ張る。
「私だって師匠に何かして差し上げたいと思っているのに、まさか秋蘭様に先を越されてしまうなんて………だが、よく似合ってらっしゃる。さすが秋蘭様といったところか………………いやいや、そうではなく!」
「………凪?」
「ひゃいっ!?」
ヒートアップするうちに、本題からずれてしまっていた。
「とにかく!もう少し真面目に警邏をしてください!仕事なのですから!」
「………………はい」
結局、警邏を行なう事に落ち着いた………のは凪だけで、一刀は違った。
凪の真面目な性格はわかる。これから警邏を真面目に行なえば、きっと機嫌を直してくれるだろう。だが、それは時間に逃げただけのようで申し訳がない。という訳で。
「凪」
「なんでしょう?」
一刀からかかる声に、凪は振り向くことなく応える。やはり険が抜けていない。
「凪の次の休みって、いつだ?」
「3日後です」
「そっか………久しぶりに、修行しないか?」
「えっ?」
ここでようやく、彼女は振り返った。
「よろしいのですか?」
「あぁ。袁紹との戦から戻ってきても、なかなか時間が取れなかったからな。午後からなら大丈夫だから、凪さえよかったらなんだが」
「はいっ!是非お願いいたします!!」
先程までの険しい雰囲気は霧散し、彼女の顔が晴れやかになる。
「じゃぁ、3日後な」
「はい!」
目を輝かせて警邏を再開する愛弟子に、一刀はほっと胸を撫で下ろした。
――――――3日後。
1日分の政務を全力以上の力で終えた一刀は、練兵場へと訪れていた。凪は先日の言葉の通り1日休みだったのだろう。そこには既に、武具を装着した凪が待っていた。
「お疲れ様です、師匠!」
「あぁ。気合入ってるな」
「当然です!師匠が陳留を去ってから、もうこの機会はないと思っておりましたから」
一刀の言葉に、凪は両手の武具をガチとかち合わせて威勢よく答える。
「そうか。凪の腕を見せて貰うのは連合以来だから楽しみだよ」
「はいっ」
「じゃぁ、早速―――」
「お願いしますっ!!」
2人は1度距離を空け、次いで互いに飛び出した。
※
「――――――ここまでだ」
「押忍っ!」
都合三度の組手を終え、2人は構えを解く。威勢よく返事はしたものの、わずかに荒い息を吐く凪とは異なり、一刀は特に疲れた様子も見せず、彼女に近づいた。
「さて、それじゃぁ今日の修行の内容だが………その顔は決めているようだな」
「もちろんです」
見れば、凪は一刀の目をまっすぐに見つめている。その瞳は迷いがなく、一刀もまた彼女の意図を理解した。
「水関で受けたあれは、とても効きました。是非、あの技を教えてくださいっ」
「あぁ。だが、出来るかどうかは凪次第だからな。覚悟しろよ」
「はい!」
力強い返事を聞き、一刀は手を差し出した。首を傾げる凪にそのまま手を握るように指示する。稽古で触れるのとは別の、初めて触れる一刀の肌に、凪はほんの少し顔を赤らめる。
「いきなりやろうとしても難しいだろうから、まずは俺が誘導するよ。手に意識を集中して」
「…あ、はい」
言われてようやく、凪は一刀の手を握る右手に意識を向ける。
「え……」
そして気づく。手のひらが、一刀の手とは別に熱が伝わってきた。その熱はじんわりと広がり、次第に手首、腕へと浸透していく。
「凪…」
「はい……」
ゆっくりと、一刀は彼女の名を呼ぶ。
「そのまま少しずつ手に気を流すんだ」
「はい…」
言われるがまま、丹田に力を籠め、気を流していった。腹から胸、肩を通じ、肘へと伝ったところで2人の気がぶつかる。その瞬間、腕の中、骨の芯のさらに奥が鈍い痛みを発した。
「ぐっ……」
「異なる気が同時に存在しているから反発しているだけだ。すぐに合わせる。凪も意識してくれ」
「意、識……」
じくじくと痛む腕を敢えて無視し、肘より先に満ちる気を感じる。
「あ…れ……?」
そして気づいた。先ほどまでの熱が消えている。だが、気それ自体がなくなったわけではない。まるで一刀の気が凪の気に溶けてゆくように、じんわりと浸み込んでくる。
「……隊長?」
「そろそろいいだろう。今度は手のひらまで気を送れ。ただし、いつものように放出しようとはするな。いま腕にある気を、手のひらまで押し、留めろ」
「はい」
一刀の誘導に従い、じわじわと気を押し出す。腕を伝い、手首まで届く頃、一刀は凪の手を握る指の力を緩めた。ただし、手のひらは離さない。彼女の手を押し上げるように腕を動かし、そのまま手のひらを指の先までぴたりと重ねさせた。
「止めろ!」
「っ!」
何をとは言わない。だが、凪は理解する。指先まで込められた気が、今まさに放出されようとしていた。それでもその止める方法は分からない。にも関わらずそこで留まったのは、一刀が凪と同じ質の気で、同量の気で押し返している故。
「ここからが違うぞ。いいか、俺が押す力を弱めるから、そのまま俺の手に気を流すんだ。押し返すんじゃない。注ぎ込む事を考えろ」
「………」
そして次の段階に移ろうとしたその瞬間、
バヂンッ!
ブレーカーが落ちる時のような、目に見えない何かが弾ける音が合された手から鳴り、同時に2人の手を弾いた。
「………………」
弾き上げられた腕が重力に従って落ちてくるなかで、茫然とする凪の視界に己の手のひらが映った。
「………」
血が滲む程ではないが、ところどころ薄皮が破れている。
「師匠、今のは………師匠っ!?」
次いで、凪は衝撃的な光景を目にした。だらりと下げられた一刀の右手から、ぽたりぽたりと地面に血の滴が落ちている。
「だっ、大丈夫ですか!?」
「気にするな。大したことはない」
「そんな訳ありません!待っていてください。すぐ軟膏と包帯を持ってきます!」
師の身体から流れる血の赤に動転し、凪は練兵場を駆け足で出て行った。
戻ってきた凪は、しっかりと包帯と薬を手に持っていた。出て行く時と同じ場所で立ったままの一刀を認め、駆け寄った彼女はすぐに治療を始める。
「………申し訳ありません」
裂けた手のひらに薬を塗り込みながら、凪は謝罪の言葉を口にする。
「何を謝る必要があるんだ?」
「私が、もっとうまく出来ていれば………」
「そんな事はない。凪は上手に出来ていたよ。俺の予想では、俺の気を受け入れられないと思っていたからな」
「そうなんですか?」
まったくそのような気はしなかったと、凪は目を見開く。
「あぁ。最初に俺と凪の気がぶつかった時、その場所が痛んだだろう?どれだけ合わせようとしても、結局は異物だ。身体が拒否反応を起こしてもおかしくない」
薬を塗り終わり、包帯を準備しながら、凪はその時の事を思い出す。確かに肘は痛んだが、すぐにその鈍痛も消えた。むしろ、一刀の気が溶けていく時は心地よさを感じたほどだ。
解いた包帯を彼の手に巻きつけながら、彼女は問う。
「それより、どうして師匠の手がこのようになってしまったのですか?」
「俺の気が、凪の気に圧し負けたからだ」
「圧し負けた?」
手のひらを終え、次いで指の1本1本に包帯を巻いていく。
「あぁ。簡単な事だ。2人が押し合った場合、力の強い方が勝つだろう?気も同じさ。凪は俺の言葉に従おうとしたが、まだ難しかったみたいだ。俺の中に入ってくる事はなく、むしろ手のひらから放出された。
凪は気づいていなかったが、実際、かなりの量の気がこもっていた。少し漏れたところで残りの気も流れに乗って引き摺り出され、そうして俺の氣を、俺の手ごと弾き飛ばしたんだ」
「そうだったのですか………」
包帯を巻き終えると、凪は立ち上がり、そして頭を下げた。
「やはり、私にはまだまだ到達できない域だったようです。もっと精進してから、また教わりにきます」
腰を直角に曲げ、言葉を述べる凪の様子に、一刀は思わず苦笑する。
相変わらず生真面目だなと呟きながら、彼女の銀色の頭に手をかざした。
「そんな事はない。さっきも言っただろう?むしろ俺の予想よりもよく出来ていた、って。凪ならきっと使えるようになる。だからそんな事を言わないでくれ」
「ですが……稽古の度に師匠に怪我をさせたくなどありません」
「だったら、その為に上達するんだ。コツは掴めたと思うから、今度は立ち木で練習するといいだろう」
こんな風にねと立ち上がり、一刀は練兵場の端にはる1本の立ち木に向かった。無傷の左手を掲げ、その木に手のひらを当てる。そして。
「………………どうだ?上手くできれば、こうなる」
「すごい……反対側が裂けるなんて………」
凪の言葉通り、立ち木の表側―――一刀が手を当てていた側は傷一つないのに対し、反対側へ回れば、内側から何かが飛び出したかのように、木が裂けていた。
「これなら俺の手を心配する事もないだろう?」
「はいっ!」
ようやく笑みを取り戻した凪の頭を、一刀は優しく撫でた。
――――――事件は夕食の時に起きた。
「師匠、いらっしゃいますか!」
「ん?」
食堂にて、妹たちと食事を摂ろうとしていた一刀のもとに、凪が訪れた。
「あれ、凪ちゃん。凪ちゃんもご飯食べに来たの?だったら一緒に食べよう。流琉がいま作ってるんだ」
「あ、その、そういう訳では………」
「?」
どこか視線を逸らす凪に首を傾げる一刀と季衣の耳に、待望の声がかかった。
「お待たせしましたー。出来ましたよー」
厨房から出てきたのは流琉だ。両手と頭にデカい皿を乗せ、そのいずれにも料理が山と盛られている。
「青椒肉絲と麻婆茄子と棒棒鶏ですよー」
「お、こりゃまた美味そうだ。流琉、ご飯もくれるか?」
「分かってますよ、兄様。季衣はどうする?炒飯も作ってあるけど、兄様みたいに白米にする?」
「どっちも!」
「はいはい」
一刀の注文と季衣の返事に笑顔を向けながら、流琉は凪にもその注意を向ける。
「凪さんはどうしますか?一緒に食べていきます?」
「その……お邪魔ではありませんか?」
「そんな事ありませんよ。では、凪さん用に激辛麻婆作るんで、ちょっと待っててください」
「ありがとうございます」
厨房に戻る流琉に凪は礼を言うと、彼女は一刀の右隣に座る。
「はーい、ご飯と炒飯でーす」
「来た来た。やっぱ白い米だよなー」
「兄ちゃんも変わってるよね。でも、美味しいから僕も好きだよ」
「この味を分かってくれるか。季衣は味の分かる女だな」
「えへへー。大人の女の人っぽい?」
「んー、もう少し背が伸びたらな」
「ちぇー」
言いながらも、季衣は早速箸を手に持った。
「こら、待ちなさい。まだ凪の分がないし、流琉も戻ってきてないだろ」
だが、一刀はそれを諌める。とはいえ、声音に厳しい響きなどあるはずもない。
「えー、お腹空いたよー!流琉ー!!早くしてーっ!!」
もう少し待っててー、と厨房の方から流琉の返事。残念そうな顔をしながらもちゃんと一刀の言いつけを守る辺り、しっかりと彼は兄役をこなしているようだ。
「お待たせしました。季衣と兄様もお待たせしました。どんどん食べちゃってください」
それからしばらくもしないうちに、流琉は戻って来る。その手に持った真っ赤な麻婆の皿は、凪の前に置かれた。
「あ、流琉。レンゲ貰えるか?」
「ちゃんとありますよ。どうぞ」
「ありがとな」
流琉からレンゲを受け取り、一刀はそれを左手に持った。
「「いただきまーす」」
一刀と季衣の声が食堂に響き、4人は夕食を開始する。その時だった。
「あの、師匠………」
「ん?」
ガツガツと勢いよく料理を口に運ぶ季衣の横で、一刀が慣れない左手での食事を進めようとすると、横合いから声がかかる。
「………ど、どうぞ」
「え?」
振り返れば、青椒肉絲の肉とタケノコを箸に摘まんだ凪が、左手を添えて、それを彼に差し出していた。
「凪?」
「その……師匠は利き手を怪我していますので………私が食べさせて差し上げようと………………」
自分が言っている事の意味を理解しているのだろう。言葉が進むとともに彼女の頬の朱色は増し、声もだんだん尻すぼみになっていた。
「………………」
「………………」
思わず固まってしまう。風あたりなら面白がってやりそうだが、凪に面白がる気持ちはない。純粋に師が困っているから手伝おうとしているのだろう。だが、いつまで経っても口を開かず、また返事もしない一刀に、凪の表情は、今度はどんどんと暗くなっていく。
「その…失礼しました………私などが師匠に食べさせて差し上げるなんて………」
ようやく一刀は我を取り戻す。慌てて手を振りながら、その言葉を否定した。
「そんな事はないよ。ありがとう。お言葉に甘えさせて貰おうかな」
「あ……はいっ!」
一刀の言葉に、よやく彼女は笑顔を見せる。そして、再度箸を差し出し。
「では師匠。あーん」
「………………」
苦しい食事もあるんだなと、彼は初めて思った。
私室。午後に届いた竹簡に―――といっても、軍師3人や、ましてや華琳が見るには簡単すぎて時間を割くのが勿体ないと言えるような内容だが―――目を通し、筆を走らせ、最後の1枚を終えた所で扉が叩かれた。
「空いてるよ」
「邪魔するでー」
「お邪魔するのー」
やってノックの主は、真桜と沙和だった。筆を置いて2人を迎えたところで、一刀は首を傾げる。
「あぁ、真桜と沙和か………って、凪はいないのか。珍しいな」
そう、いつも一緒で、三羽烏とさえ呼称される仲良し3人組の、残りの1人がいなかった。
「あー、一刀さんひどいのー。沙和たちはいつもいつも一緒にいる訳じゃないのー」
「せやで?いくら仲のいい親友がいたかて、1人になりたい時くらあるで」
でも今は2人でいるけどな。
軽いツッコミを隠しつつ、一刀は問うた。
「ごめんごめん。それで、何か用か?」
「うん、全員お風呂に入り終わったから、一刀さんもどうぞなの」
「そっか。わざわざありがとうな」
「ほんじゃ、おやすみー」
言われてみれば、確かに2人の髪は少し露に光っていた。彼女達が最後で、それで報せに来たということだろうか。
彼女たちの挨拶にまた明日と返し、一刀は立ち上がった。タオルや着替えを用意し、彼は風
呂に向かう。どうやって右手を庇いながら風呂に入ろうか。そんな事を考えながら。
※
悪戯好きの真桜がいた為、実は誰かが残っている可能性も考えたが、それはなかったようだ。彼女たちの言葉通り、風呂場は無人。一刀も心置きなく湯に入る事が出来る。
「さて、左手だけで出来るかな―――」
桶に湯を張り、そこに湯を浸した時だった。
「しししし失礼しますっ!」
「ぬぉっ!?」
バタンと入口の扉が開き、緊張によって堅くなった声。
「凪っ!?」
凪だった。
「もしかしてまだだったか?すまん、すぐ出て行くから少し待っててくれ」
振り返らずに声を掛け、一刀は返事を待つ。だが、その返事はあまりにも想定外で、彼は思わず背後を振り返ってしまった。
「いえ、そのままでいてください!」
「………………………は?」
そこにいたのは、裸体にタオルを巻いて、胸から脚の付け根までを隠しただけの凪の姿。その顔は周羞恥に紅く染まり、視線を石畳に落としている。
「その、左手だけでは身体を洗うのも大変だと思ったので、背中をお流ししに来ましたっ」
そして凪の言葉の意味を理解し、一刀も慌てだす。
「いやいやいやいや、そんな事させるわけにはいかないだろう。なんとか自分でやれるから、そんな気は遣わなくていいんだぞ?」
「いえっ、これも弟子の務めなれば!」
「でも――――――」
反論をしようとして、彼は夕食の時の事を思い出す。断ってしまえば、きっと彼女は悲しげに謝罪するだろう。真面目な彼女の事だ。いくら一刀が違うと言っても、自分との修行で出来た傷に責任を感じずにはいられない。
そうしてしばらくの沈黙ののち、一刀は深い溜息を吐く。もう、断る気にはなれなかった。
「………わかったよ、凪。だったらお言葉に甘えさせてもらおうかな」
「あ………はいっ!」
「でも、少し向こうを向いていてくれないか?」
「?」
「とりあえず……隠させてくれ………」
その言葉にようやく凪は一刀のはっきりと視認し、失礼しましたと叫んで脱衣所へと戻って行った。
「―――痒いところはないですか?」
「もう少しいいか?」
「はいっ」
風呂場に、2人の会話と背中を擦る音だけが反響する。擦っては聞き、擦っては聞きという事を繰り返し、背中を洗い終える。
「ありがとう、凪。気持ちよかったよ」
「いえ。それでは前の方も洗わせて頂きますね」
「あぁ、頼む………って、おい!?」
「?」
一刀のノリツッコミに、凪は心の底から首を傾げる。どうやら、師に尽くすという状況に、彼女のモードが切り替わっているらしい。
「前は自分でやるからいいよ」
「ですが、左手だけでは難しいと思います」
「いや、出来るから」
「いえ、無理です」
「ぬー」
「むー」
このままでは堂々巡りになってしまう。そこに思わぬ助け舟。
「おー、凪。ちゃんと兄さんの身体洗えてるかー?」
「お邪魔しまーす、なのー」
凪にとっての。浴場に現れた真桜と沙和は、凪と同じようにタオルを身体に巻いていた。
「なっ、お前ら何しに来たんだ!?」
「何って、風呂やで?」
「さっき入ったって言っただろ!」
「そうやったか、沙和?」
「覚えてないのー」
ねー、と2人で頷き合う。どう考えても確信犯だ。
「で、凪。もう終わったんか?」
「いや、まだだ。背中は終わったが、師匠が前を洗わせてくれないんだ」
凪は特に驚いたという風も見せず、真桜の問いに答える。
「なんや、大変やな」
「大変そうなの」
そう言って、真桜と沙和は、今度は2人で笑い合う。
「………おい、まさか」
それを見た一刀は、顔を青くした。これから起こる事が容易に想像出来たのだろう。
「にしし、親友が困ってるんやから、こら助けんとな」
「うん。凪ちゃん、沙和たちがお手伝いするのー」
「あぁ、頼む」
凪はそれに気づくこともなく、ただ純粋にお願いした。その言葉を聞いた瞬間、
「うし、じゃぁ兄さんの身体抑えるで。沙和は左、ウチは右や!」
「了解なのー!」
2人は飛び出し、一刀の両腕を抑える。
「いや、やめて!というか腰のタオルがとれる!?」
「たおる、ってなんや?」
「凪ちゃん、今のうちに一刀さんの身体を余すところなく洗っちゃうのー」
「あぁ!」
「ちょ、待て!いや、いや………いやぁぁぁああああああっ!?」
風呂場に、一刀の叫びが木霊した。
「うぅ……」
シクシクとすすり泣く声が風呂場に静かに響く。
「弄ばれた………うぅぅ………………」
声の主は、北郷一刀。『天の御遣い』にして、年下の女の子3人に弄ばれる事を悦びとする男………などではない。右手は湯に浸けぬまま、左手で右眼を覆う。
「凪ちゃんにだけいい想いはさせないのー」
その斜め前には、普段は結んでいる髪を解き、眼鏡を外した少女。
「な、私はそんなつもりなんか………」
彼の正面には、先ほど彼の背中だけでなく全身―――右手以外―――をくまなく洗い上げた少女。
「それにしても、兄さんはいい身体しとんなぁ。腕とかガッチガチやし」
その隣で、一刀の右腕を指先でつつく少女。
上から沙和、凪、真桜だ。彼女たちは風呂の淵にもたれ掛る一刀の正面に並んで腰を下ろし、本日2度目の風呂を堪能していた。
「もう、一刀さんもいい加減機嫌を直すのー」
「せやで。せっかく美少女3人と風呂に入っとるんや。興奮してあーんな事やこーんな事をするくらいの気概見せんかい」
「ま、真桜っ!?」
3人はきゃっきゃとじゃれ合う。その様子に、ようやく一刀は顔を上げた。
「はぁ………もういいよ。洗ってくれて助かったのは事実だし………」
「おっ、やっと復活してもうたか。兄さんも人並みなとこがあっておもろかったんやけどなー」
「うるせぇ」
「わぷっ」
小さな抵抗とばかりに、一刀は真桜に向けて湯を弾く。
「か…顔にはかけんといて、って言うたのに………」
「いやーん!いまの真桜ちゃん、凄い色っぽかったのー!」
「アホか」
先程とは別の意味で、一刀は顔を手で覆う。
「まぁ………たまにはこういう風呂もいいのかもな」
「あー、一刀さんもなんだかんだ言っても男の人なのー」
「そういう意味じゃねぇよ」
「言うても?ウチらと風呂入れて嬉しいくせにー」
それにしてもと、真桜は首を傾げる。
「兄さんもけっこう辛抱強いんやね。ウチらの裸見てもあんま興奮しとるようには見えんし………もしかして、不能?」
「違ぇよ!ったく、俺がどんだけの苦行を強いられてると思ってんだ」
「あ、やっぱり我慢してたんだ。一刀さんってば硬派なの」
「その……流石師匠です………」
凪のよく分からないフォローが入った。
「でも、前は恋や風とも入ってたからな。ある意味では慣れてるんだよ………哀しい事にな」
「そうなんですか!?」
「うわぁ、やっぱり風ちゃんは沙和たちの先を行ってるのー」
一刀の言葉に凪は驚きを露わにし、沙和は何故か感激していた。真桜はといえば、そんな2人を他所に一刀の右隣に移動し、彼と同じように湯船の淵に背中を預ける。
「いやー、それにしても気持ちえぇなぁ。火照った体を、風が程よく冷ましてくれるで」
「そうだな」
軽く返し、一刀は右手を真桜の頭に乗せて、ぽんぽんと軽く叩く。
「ん?」
「いや、丁度いい位置に頭があったからな」
「なんや、それ。でも……なんかえぇな。季衣が『兄ちゃん頭撫でてー』ってせがむ気持ちがわからんでもないわ」
「そうか?」
そんな事を言いながら、真桜はもっと撫でろと言わんばかりに、一刀の肩に頭を傾ける。
「あー、真桜ちゃんだけずるいのー。一刀さん、沙和にもしてー!」
「はいはい」
その光景を見て黙っていられないのが1人。沙和は自分もして欲しいと、一刀の左側に寄り添う。
「えへへー」
「沙和も甘えん坊なんだな」
「あ、ひどーい。女の子はみんな甘えたいのー。この間だって、秋蘭様が一刀さんに甘えてたもん」
「あー……まぁ、な」
秋蘭の名前に森での事を思い出し、何とも言えない気持ちになる。
「秋蘭様も?春蘭様は見て分かるけどなー」
「ねー。最初は沙和も吃驚したんだから」
「お前ら、秋蘭をなんだと思ってるんだ………」
そんな会話のなか、一刀が気づく。
「あれ、どうしたんだ?」
「いや、その……」
見れば、凪は顔を赤らめ、そしてどこか物欲しげな眼で3人を見つめていた。
「なんや、兄さんも気が利かんな」
「そうだよ。凪ちゃんも仲間に入りたいに決まってるの!ね、凪ちゃん?」
「へっ!?私は、その……」
「ほら、凪。兄さんの前が空いてるで?」
「そうなの。凪ちゃんは、そこに座ればいいのー」
友人の言葉に、凪は上目遣いに一刀を見た。
「………よろしいのですか、師匠?」
「いいよ、おいで」
一刀の言葉に再度顔を赤くし、ぱちゃぱちゃと水音を立てながら一刀の脚の間に移動する。
「もっとくっつくのー。えいっ」
「うわぁっ!?」
それでも前屈みになって触れようとしない凪に痺れを切らし、沙和が凪の肩を後ろに引いた。予想外の力に加え、水の中という事もあって、凪は背中から一刀の胸に倒れ込んだ。
「あ……うぅ………」
「凪、真っ赤やなー」
「ほんとだー!いまの凪ちゃん、すっごく可愛いのー」
そして、今日1番の赤さを見せる凪だった。
あとがき
というわけで、凪ちゃんの一人勝ち。
もげろの※禁止な。
物語を進展させたいけど、もう少しゆっくりさせておくれ。
ではまた次回。
バイバイ。
説明 | ||
というわけで、#66です。 3人分書こうと思ったら、凪ちゃんが可愛過ぎたので彼女だけに。 真桜ちゃんと沙和ちゃんはまた次回。 ではどぞ。 あ、もげろの※禁止ね。 |
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コメント | ||
>>motomaru様 感謝感激也や!(一郎太) >>ロッカー様 恐縮です!(一郎太) 尋常ではないくらい最高(motomaru) 最高www(ロッカー) >>天空の犬ヒトヤ様 記憶にございません。すべて秘書がやった事でございますwww(一郎太) >>叡渡様 気のせいですよー(一郎太) >>M.N.F.様 なんだその顔はwww(一郎太) >>アルヤ様 アッーーー!?(一郎太) >>あるるかん様 風ちゃんは稟ちゃんときゃっきゃうふふしています(一郎太) >>shukan様 変わらせないぜ(一郎太) >>シグシグ様 この外史にはまだ出てきてません(一郎太) >>氷屋様 やめてぇっ!?(一郎太) >>NSZ THR様 恋ちゃんは遠くの地にいます(一郎太) >>jonmanjirouhyouryuki様 そんな事はないさ1(一郎太) >>骸骨様 身体の一部がひゅってなった(一郎太) >>eitogu様 ねじ切れませぬ(一郎太) >>summon様 でもやっぱ凪ちゃんがメインだぜ(一郎太) >>アロンアルファ様 爆ぜねぇよ!?(一郎太) >>azu様 風はみんなの先を行ってるからたぶん許して………くれないな(一郎太) 以前「カリ濡らし」はダメだと一郎太に言われ現在の名に変えた、だが!忘れてはいけないよ、「狩り暮らし」を名乗っていた俺をカリ濡らしと言ったのは君であることにーーー!!!!(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ) ×神回 ○凪回 <(?ヮ?)> (M.N.F.) 凪のワンコっぷりはかわいいなぁ♪ なら掘られろ!(アルヤ) 凪は可愛いなぁ。 あ、風ちゃん。 一刀君なら風ちゃんを放置して三羽鳥とお風呂に行ってますよぉ。 おや?風さんが黒い氣纏って風呂場の方へ・・・。 よしこれで一刀は逝っただろw(あるるかん) 凪かわいいよ〜!!とりあえず一刀、今すぐ俺と代われ〜! m9(`・д・´) (shukan) 汚染兵器発射だ!ゆけ貂蝉!お前の愛を存分に一刀に見せつけて殺れ!!(シグシグ) ここで風が乱入してきたらどうなってたやらwwwとりあえず・・・すりおろすか・・・(氷屋) 最終鬼畜兵器 ここに風と恋召喚(NSZ THR) 凪可愛いよ凪w ならば潰れろ!(量産型第一次強化式骸骨) 凪は可愛いよ 種馬のはねじ切れろ!(eitogu) 凪はもちろんですが、他の二人も可愛いですなぁ。(summon) 凪は可愛いなぁ〜 じゃあ…爆ぜろ!(アロンアルファ) 凪は可愛いなぁ・・・沙和、真桜は友達思いのええ娘や。一刀は・・・うん、風に説教されればいいと思うよw(azu) |
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