真・恋姫†夢想 呉√外史 一輪の蓮は天より来りし刀と翔ぶ 第3席 |
真・恋姫†無想 呉√外史 一輪の蓮は天より来りし刀と翔ぶ
第3席 一刀、孫呉の将になる?のこと
−一刀side−
今は夜明け直前、この世界に来る前から続けていた鍛錬を俺はしていた
一刀「・・・・っ」
襄陽での奇襲時に借りた弓を俺はそのまま貰い受けていた。
ここの弓は弦に対して弓が円弧になっている。俺は『和弓』独特の円弧状の竹をそり返したものに弦を張ったものに似せている。
つまり弓を裏返して弦を張りなおしただけだ。
そうすることで、和弓にある程度感じを似せている。
一刀「次。・・・・・っ」
『番えてから的を射抜くまでのタイムラグを可能な限り減らす』俺の今の鍛錬の目標だ。
元の世界の和弓は番えてから放つまでかなりの時間、矢を持ったままだ。そんな構えで戦うとなると間違いなくやられる。
そのために最速で番え一瞬で放つ。ただし精度は落とさずに。
一刀「・・・・・ふぅ・・まだまだだな。」
10本程射た後、的を確認する。的の大きさは10センチほど、距離は50メートルだ。
ど真ん中は3本、中心の黒丸は5本、後は外の白いところだ。
これだけ距離のある的に10本中8本当てているだけでも十分だと思うのだが・・・・・
??? 「・・・・・・・」
一刀「・・・・誰だ?」
的の調整をして再び番えようとしたとき、誰かに見られている感じがした。
??? 「・・・・・・・」
見られているのは感じではなく事実のようだ。
どうあっても出てこないらしい。
一刀「・・・・出てこないなら・・・・っ」
鏃を潰し、気配のする方向へ矢を放つ。
??? 「きゃっ!」
当たらないように放ったから大丈夫だろう。
それより、どこかで聞いた声がしたような・・・・・?
(どっしーん!)
一刀「あ・・・・・・落ちた。」
落ちてきたのは雪蓮だった。
雪蓮「痛たた・・・・もぉ何すんのよ!」
腰を打ったのか、涙目で俺を睨んでいた。
一刀「なんだ・・・・雪蓮か。」
一瞬ホっとした。少なからず『天の御遣い』は建業には噂が立っている。それは――――
雪蓮「なんだとは何よ・・・音がするから来てみただけよ!悪い?」
――――敵国にも情報が流れている可能性があるということだ。
その安堵が言葉に出た所為で雪連に逆ギレされたのである。
−孫策side−
雪蓮「ふぁ・・・・何でこんな時間に目が覚めるのかしら・・・」
夜明け前に目が覚めるなんて何年ぶりかしら?
(カン!)
雪蓮「何かしら?・・・・・あれは一刀?」
的に近寄り、何かしている見たい。
私は近くの木に登り、こっそり様子を見ていた。
歪な形の弓を構えているところを見つけた。
予備の兵装から譲り受けたって聞いたけど、あんな弓あったかしら?
雪蓮「・・・・・」
しばらく見せてもらおうかしら。
一刀「・・・・誰だ?」
そう思った矢先だった。
(って、なんでバレてるのよ!)
とりあえずこのまま逃げちゃお。
雪蓮「・・・・・」
逃げようとした瞬間だった。
(ガッ)
鏃の潰された矢が足に絡まった所為で落ちた。
雪蓮「きゃっ!」(どっしーん!)
雪蓮「痛たた・・・・もぉ何すんのよ!」
八つ当たり気味に一刀を睨む。
一刀「なんだ・・・・雪蓮か。」
少し安堵の混じった言葉が聞こえる。
その言葉を聴いた途端に私はこう言い放っていた。
雪蓮「なんだとは何よ・・・音がするから来てみただけよ!悪い?」
心配されるより呆れられたことに対する逆ギレである。
一刀「別に悪くはないけど、影から見られるのがね・・・」
昨日の自己紹介のときに聞いたことを思い出した。
明命(この時まだ一刀は合っていない)のような環境下に近い生活を経験していたことを。
一度、明命に合わせてみるのも良いかも。
雪蓮「そ。鍛錬、邪魔しちゃったみたいね・・・」
軽い謝罪の意味もこめて私はその場を離れた。
(弓ねぇ・・・・一度祭に相手させてみましょうか)
そんな呟きを放ったとき、一刀は相当な寒気に襲われたとか。
−周喩side−
冥琳「朝から何事だ?」
朝から雪蓮が『一刀の武を試したい』などと言って、将を片っ端からたたき起こしていた。
雪蓮「さっき一刀の鍛錬を見てたんだけど、結構いい動きしてるのよ〜」
こやつはこう言い出したら翔蓮様同様、絶対に意見を曲げないから困るのだ。
おそらく北郷の立ち回りでも見ていたのだろう。
冥琳「・・・それで祭殿・翔蓮殿と一戦交えろと?」
言いたいことは分かる。長い付き合いだからな。
少々呆れ気味に言い放ったのだが、こやつは全く気にしていない。というか聞いていないようだな。
雪蓮「あら♪よくわかったじゃない。あとで中庭に呼んでおいてね〜」
私も戦ってみたいから〜と言って祭殿や翔蓮殿の部屋の方へ向かっていった。
どうしたものか・・・私とて北郷の『武』は見てみたい。
呉の猛将を相手にどれほど持ちこたえるか、軍師としてより一人の将として楽しみでもあるのだ。
しかし、急ぐ必要はないと私は思うのだが・・・ただ―――――
冥琳「・・・ふむ。・・・誰かある!」
――――ただ雪蓮が戦いたいだけだと言う回答が正解なのかも知れんな。
とりあえず北郷に話をつけるとするか。
兵士「ここに!」
冥琳「北郷に自分の部屋で待つように伝えろ。私が行くともな。」
北郷の武。弓を操るとは聞いていたが・・・・
兵士「はっ!失礼します!」
丁度いい少しばかり試させてもらおう。
(ククク・・・・)
兵士が去った後、こらえることのできなかった笑みが零れた。
時を同じくして、一刀はまた寒気に襲われたそうな・・・
−黄蓋side−
祭 「腕がなるのぉ」
理由は至極簡単。北郷と一戦交えることになったからじゃ。
冥琳「ただし、翔蓮殿も交えますので、全力の北郷とは限りませんので悪しからず。」
その程度なら問題なかろう。
堅殿を守り抜いた男じゃからその程度で体力がなくなるとは思えん。
それはそれで楽しそうじゃが。
祭 「わかっておるわ!」
早うせいとばかりに言いつけてやる。
朝早くから弓の鍛錬をしていたとは策殿から聞いている。
見たことのない歪な形の弓だったとも。
冥琳「では後ほど中庭で」
祭 「おう!」
そういって儂は得物を取りに部屋に向かうことにした。
北郷が堅殿と交えているのを静観していたが、あの不思議な動きから目が離せなくなってしもうた。
歪な形の弓から放たれる正確かつ素早い矢で堅殿は儂らの予想以上に苦戦しているようじゃしのぉ。
祭 「・・・・不思議な動きじゃな・・・いろいろ厄介じゃな。」
近接戦で有利な筈の剣が苦戦を強いられる状況を作り出すとは・・・
これは儂も厳しいかも知れんのぉ。
そうしている内に北郷の矢が尽きた。
弓でよくここまで戦えたもんじゃ。儂も堅殿相手にここまで持ったことはないのぉ・・・。
流石に矢が尽きては戦えまい。
(なっ!?)
北郷は弓で切りかかっていた。
弓の端で相手の剣筋を流すように避け、反対側の端で突く。
もしじゃ。もし、弓の両端に刃があれば堅殿の負けが決まっていたとこじゃった。
しかし弓は竹製。氣でしっかり覆わない限り金属に勝てるはずもなく折れた。
冥琳「そこまで!」
獲物が壊れてはもう戦えん。
流石に北郷も諦めたようじゃった。
翔蓮「あ〜危なかった♪一刀って意外と強いのね」
一刀「これでもまだまだだよ。まだ弓の癖に慣れなくて・・・」
そんな堅殿の笑顔はどこか引き攣った感じが見受けられた。
次は儂の番じゃ。
さて、あれほどの者を相手にどう戦うか。
おそらく距離をとれば儂の射程圏外から射てくるじゃろう。逆に近接とてあの武がある。
本当に厄介な相手じゃ。
冥琳「用意はよろしいか?北郷・祭殿」
双方矢の数30。当然鏃は潰してある
弓は北郷が兵装のものを、儂は愛弓『多幻双弓』で交えることとなった。
北郷の弓はどう見ても兵装のものとは思えんのじゃが、予備に兵装のものが2本置いてあった。
歪な形の理由を知りたいのじゃが、仕合が始まる。後で聞くとしようかの。
祭 「いつでもかまわんぞ」
一刀「祭さんに同じく。」
儂は矢を番えて、北郷は弓を低くし構えた。
なぜ矢を番えん?
冥琳「では・・・・はじめ!」
その疑問は仕合が始まってからすぐ解決することとなった。
儂は合図と同時に矢を放ち先制をとった――――――。
祭 「なっ?!」
――――はずじゃった。
儂が矢を放つと同時に2本の矢が飛んできた。
(ガッガッ)
右の脛と左の肩に1本ずつ命中する。北郷が番えた瞬間には矢が飛んできていた。
当然儂も応戦する。しかしながら、見事にこちらの矢を避ける・射落とすなりして隙を突いてくる。
祭 「儂も押されたままで終わるわけにもいくまい・・・」
儂の方が受けた傷は多い。ここからどう戦う?
脛をやられ肩、おまけに大腿まで矢を受けているが刺さっているわけではない。痣ができている程度だ。
いつもの状態なら近接も平気じゃが・・・・
そうこうしている内にお互いに矢を使い果たした―――――ように見えた。
一刀「残念だけどまだ俺の矢は残ってるよ?」
北郷は儂の放った矢を数本回収していたのだ。
今度は矢を番え、儂の負けを武で言い渡してきた。
祭 「これまでのようじゃな」
初めて堅殿以外との仕合で負けた。
冥琳「それまで!!勝者、北郷!」
冥琳の掛け声と共に、堅殿や策殿、穏も集まってきた。
−一刀side−
一刀「祭さん。お疲れ様〜」
こっちも危なかった。
何せ矢を放った直後しか隙がないもんだから、飛んでくる矢を避けるか射落としてさらに1本追加で放つ必要があったのに、急所を狙われた。
少しでも番えるのが遅ければ俺も直撃を受けていた。
祭 「おう。前から聞きたかったのじゃが、お主の弓は本当に兵装の弓か?」
そんな疑問をぶつけられた。
なるほど。仕合中の妙な氣の揺れはこれだったのか。
冥琳「そのことに関しては私も気になるな」
雪蓮「私も〜」
翔蓮「襄陽に居た時からそれだったわよね?どうやったの?」
皆が皆、口をそろえて聞いてくる。
一刀「・・・祭さん。もしかして、仕合中ずっと気にしてなかった?」
確認のために一応聞き返す。
まぁ、この形だけ見れば疑うのは当然だけど。
祭 「・・・そうじゃ。何か悪いか?」
雪蓮と似た感じの逆ギレをされた気がする。
一刀「悪くはないけど・・・祭さんの氣が少し揺れてたからさ・・・」
そんなやり取りをして、本題の『弓の形』の話題になった。
一刀「――――要は、竹のしなる力を最大に活かすのが目的なんだ。
円弧よりそれをそり返したほうが、弦の張りが強くなるでしょ?」
いつも使ってたのに、和弓って説明するの面倒だな。
黄蓋「ほぉ・・・これは確かに弦の張りが強くなっているようじゃな」
案外好評みたいだ。
兵装にこれを導入させてもいいかも。
一刀「作り方は簡単だから、兵装もこれにしてみない?少し力は要るけど・・・」
俺は自分の弓を作れたらいいな〜なんて思っていた。
獲物の話が終わり、冥琳と翔蓮さんが話を始めた
冥琳「北郷、そなたの武しかと見届けた。しかし、我らとて外部の人間を内部深くに入れていることを知られるわけにはいかん」
翔蓮「そこであなたに孫家の将として、我らが孫呉に身をおいて欲しいの。武将でなく軍師でも構わないけど」
そんな話が出てきた。それにも関わらず、周りは動揺していない。
たぶん俺を試したんだろう。
わざわざリレーして言わなくても・・・いや、翔蓮さんが台詞を奪ったのかな?
一刀「・・・・半日ほど考える時間が欲しい。街も見に行きたいし」
腹を括る時期が来るとは思っていたけど、こんなに早いとは・・・
敵の命を奪うだけなら多少は耐えれるけど兵を持つとなると無理かも知れない。
単騎にするか?・・・時間がもらえたら考えてみるか・・・
冥琳「普段はここで軍議をしている。明日の朝、答えを聞かせてくれればいい」
一刀「そう言ってくれると助かる。じゃあ俺は街に行ってくるよ」
そういって俺は自分の部屋に向かった。
あとがき
霧龍「第3席いかがだったでしょうか?」
霧龍「結構時間がかかってしまいました・・・・」
霧龍「ここで第3話あとがきのゲストさんです! どうぞこちらへ」
穏 「はぁい♪姓は陸、名は遜、字は伯言こと穏です〜」
霧龍「相変わらずのまったりですねぇ・・・」
穏 「放っておいてくれるとうれしいです〜」
霧龍「今回の穏さんの出番が非常に短かったのですが、次回は活躍いただけると思います」
穏 「次回ですかぁ?穏的には非常に気になりますねぇ・・・はぁん・・」
霧龍「そこで興奮しない!(ゲシッ)」
穏 「はぅ・・・・」
霧龍「前回の予告であった『冥琳のあのシーン』ですが、急遽予定変更になりましてもう少しあとになります。スイマセン・・・」
穏 「冥琳様がお怒りにならないといいですねぇ・・・」
霧龍「うぐっ・・・恐ろしいことを・・・・・次回予告です!」
霧龍「『真・恋姫†夢想 呉√外史 一輪の蓮は天より来りし刀と翔ぶ』
第4席 一刀、雪蓮に振り回されるのことです!お楽しみに〜」
穏 「ではまた次回お会いしましょ〜♪」
卑弥呼「ぬぅぅ・・・・この外史の作者は儂を除け者にするつもりなのか?・・・今日はとりあえず引き上げるとするか・・・次回は・・・むふふふ」
霧龍「(ゾクッ)・・っ?!」
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第3席、一刀、孫呉の将になる?のこと です。 結構早く書けましたが、いろいろ変な文があるかも知れません 指摘等おねがいします。 |
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コメント | ||
犬と一郎太の神隠しさん>やはりありますよね? 次回の投稿でアンケートとりますね。(霧龍) 素朴jな質問ですが、何故セリフ前のキャラ名はダメなんでしょうか、「これ誰が言ってるの?」と混乱することがあるので凄く助かってるのですが(ギミック・パペット ヒトヤ・ドッグ) だが男ださん>そうですか・・・ 書いている側としての意見ですが、誰の台詞かわからないことが稀ですがあるのです。それを防ぐためにと思っていたのですが。(霧龍) 骸骨さん>故意的にしていたのですが、やはり気になりましたか・・・祭さんの話方を再現するのが難しいので 訂正しました(霧龍) 最後の卑弥呼の台詞にお尻がキュッとなった・・・((( ;゚Д゚))) 5p「本に厄介な相手じゃ」→「本当に厄介な相手じゃ」では?(量産型第一次強化式骸骨) |
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