黒天編 外伝 プロローグ |
黒天編 外伝 プロローグ
今から語られる物語
それはある男の物語
未来を守れなかった物語
自らの明日を託した者・・・
未来を託した者を守りきれなかった物語
親友を・・・
初めての親友を失ってしまった物語
外史に・・・
弄ばれた男の物語
ここは大陸の極東に存在する小さな島
大陸とは全く違う文明が築かれ、独自の文化が発達している。
その国の中心地の町の名前は大戸(おおど)
雄大な城郭「大戸城」を中心に発達したその国で一番大きな城下町
そこから少し離れたところに、とある男の姿があった。
その男は大きな樹から聳え生える枝に体を寝かせ、足を組みながら広大な青い空を眺めていた。
寒い季節に入ったというのに特に防寒もせず、寒さも全く気にしていないようだ。
「本日も晴天なり。いい戦日和だぞっと・・・」
男は何度も足を組み替えながら、両手を頭の後ろに回し、枕の代わりにして静かに目を閉じる。
それと同時に冷たい風が運んできた自然の香りが鼻腔をくすぐる。
「お〜〜い!!草(くさ)〜〜〜」
「あん??」
袴を着た明らかに武士という姿をした男が樹の下から寝転がっている男のことを呼ぶ。
「なんだよ。吉之助・・・せっかく今から寝ようと・・・」
草と呼ばれた男は面倒くさそうに体を起こし、樹の下にいる吉之助を見下げる。
「やっぱりここにいましたか・・・若様に剣術指南をする時間でしょう?」
「何っ!!もうそんな時間か!!」
男は体を勢い良く起き上がらせると、そのまま樹の枝から飛び降りる。
「おっ、おい!!!あぶな・・・」
吉之助は叫ぼうとするが、その言葉が言い終わる前に草は優雅に吉之助の前に着地する。
「ったく・・・あなたは・・・私を冷や冷やさせないでください」
「お前だってこれぐらいのことできんだろ。心配性め・・・ハゲすぎて髷が結えんようになるぞ」
「私達の体は直由(なおよし)様を守るため、若様を守るためにあるのです。その重要な体を傷つける真似はよしてください」
吉之助ははぁ〜とため息をつきながら、草に説教をする。
「もうあなたは流浪の身ではないのですよ。その辺りをしっかりとわきまえてください」
「また小言が始まりやがった・・・おっと、若を待たせちまうわけにいかん!!もうオレは行くぞ」
吉之助の話が長くなることを察した草はそそくさと理由を述べた後、勢い良く町の方へと走り出す。
「話はまだ終わって・・・はぁぁ」
吉之助は最後に大きなため息をついた後、草の後を追いかけていくのであった。
草と呼ばれた男は大戸の町でも特に大きな屋敷の門の前で立ち止まる。
その門の前には門番が二人立っており、男に向かってビシッと敬礼をする。
「お疲れ様です!!草薙(くさなぎ)殿!!!若がお待ちです!!!」
「おうっ!!」
草薙は豪快に手を振りながら門番に挨拶すると、そのままある建物に向かっていく。
その建物に近づくにつれ、バシッ、ビシッという竹刀の音が聞こえてくる。
草薙が門を開けると、そこには体が小さな少年と初老を迎えようかという男が稽古に励んでいた。
「草!!遅いじゃないか!!!もう父上じゃ稽古にならないんだよ。早く!!竹刀持って!!!」
「おいおい・・・ひどい言われようだな」
「そうだぞ。父上をそんな風に言うことはあまり良いことじゃない・・・らしいぞ?」
草薙は首をかしげながら少し語尾を上げてしまう。
「どうしました?草薙殿?」
初老の男が草薙に問いかける。
「いや・・・、直由様はいつも正直にあれと言う・・・。直由様が弱いことはどうしようもない事実・・・なら、今オレが言った言葉はおかしいんじゃないかと・・・」
「・・・・・・、くっふふふふふっ。本当にそなたは面白い」
初老の男直由はすこしポカンとしたあと、笑いながら草薙の両肩をパンパンとたたく。
「こらっ!!あなたはまた直由様に無礼なことを!!!!」
草薙の後ろから追ってきた吉之助が大声を上げながら、草薙のほうへと近づいていく。
「かまわんよ、吉之助。いや、全く持ってそなたはおもしろい。ワシはそなたと会ってから日々が楽しくて仕方がない」
「それは・・・よかった。何か失礼なことをしてしまったんじゃないかと・・・」
「あなたの態度は日々!!何時!!如何なる時も!!!失礼極まりないです!!!!」
「あんだとぉ!!直由様は良いって言ってんじゃねぇか!!お前は黙ってろ!!!」
草薙は吉之助の胸倉を掴むと、吉之助も草薙の胸倉を掴み返す。
「ほっほぉっほ〜、若者は元気があってよろしい。さて、草薙殿、後は頼みましたよ?」
「どこかお出かけですか?」
吉之助は草薙の胸倉を突き放しながら、直由に問いかける。
「ちょっと、城までな」
「なら、私がお供に・・・」
「構わん、構わん。護衛はもう頼んでおるからな。お前も子来(しらい)の事を見ておいてくれ」
「承知しました。いってらっしゃいませ」
「い・・・いって・・・らっ・・・」
「言い難いならいつもの調子で構わんよ。草薙殿」
「おう!!気ぃつけてな!!!」
「うむっ!!」
直由は後ろ手を振りながら、屋敷の方へと戻っていった。
「もう話は終わりましたか?なら、草!!はやくっ!!はいっ!!竹刀!!!」
若と呼ばれている直由の息子「子来(しらい)」は竹刀を草薙に渡す。
「わかっとりますよ。若」
草薙はそれを受け取りすぐさま構えると、二人は稽古を始めていくのであった。
「はぁ〜〜〜、やっぱり草は強いですね。尊敬します!!今日も一本も取れませんでした」
日は傾いており、外は茜色に染まっている。
若と呼ばれている少年は額いっぱいに汗を浮かばせながら、吉之助が用意した水を一気に飲んでいる。
「若の上達振りにはオレも驚いてんだ。若ならすぐに一流の剣士になれる!!」
「本当ですかっ!!」
「ああ、もう少しオレが教えたら、吉之助から一本取れるな」
「そうですね。がんばってください。若様」
吉之助は優しい笑みを浮かべながら、若の方を見ている。
「謙遜はよしてください、吉之助。僕の腕なんてまだまだです」
若は少し顔を伏せがちにして、しょんぼりしているようだ。
「・・・・・・、おい・・・オレ・・・なんか若を悲しませるようなこと言ったか?」
「ん??どうしてです?」
「若・・・悲しそうだ・・・」
「ちっ、違いますよ!!草!!」
「本当か?」
「はい、ただ、自分はまだまだだなって思っただけですから」
若は水をクイッと一口含む。
「ねぇ、草・・・吉之助・・・。僕はいつになったら草や吉之助のように強くなれるのかなぁ」
「また、いきなりどうしたのです?」
「僕はこの国を・・・守りたい。そして、いい世の中になるように変えたいんだ」
若は勢い良く立ち上がると、夕日をバックにして吉之助、草薙に向かって話を始める。
「だから、僕は将軍になりたい。現将軍の茂富(もちとみ)様のように・・・立派な・・・」
「将軍ってなろうと思ってなれんのか?」
「はぁ〜〜何を言っている。お前は・・・、子来様は次期将軍候補として有力な方なんだぞ」
「でも、将軍って世襲制じゃなかったか?」
「・・・・・・・・・、あなたの馬鹿さ加減は本当にどうしようもないですね。茂富様は高齢で若い頃から体が弱かったこともあってご子息がいらっしゃらない。だから、政府の大老に就いてらっしゃる直由様の息子『子来様』と老中に就いている成明(なりあき)様のご子息『麻呂様』のどちらかを養子にして、自分の後を継がせようとしてらっしゃるのです」
「へぇ〜〜」
「だからね、草。僕は選ばれるように一生懸命がんばってるんだよ」
「なるほど・・・いまいちよく分からん」
「だと思いました・・・その顔を見てれば・・・」
吉之助はあきれた表情を浮かべているが、若はクスクスと楽しそうに笑っている。
「でも、若。吉之助はともかく、オレのように強くなることはそれじゃあ無理だな」
「えっ・・・どうして?」
「若は剣術の稽古の他にいろいろと勉強しないといけねぇんだろ?」
「うん。そうだよ」
「オレは頭が悪い。だから、書を読んでる暇があるなら稽古をする。オレが稽古をすれば若との力の差が広がる。いくら若が一生懸命、稽古で剣を振るおうとも、その差を埋めることはできない。若が書を読んでる限りな」
草薙の言葉を聞いて、若は少しシュンとしてしまう。
「その辺にしなさい。若、気にする必要はありません。若は若のやるべきことをなさればいいのです」
「でも・・・僕は・・・強くなりたい!!!」
「若・・・」
「吉之助のように・・・草のように・・・強くて・・・立派な・・・」
若の目には涙がたまっており、どれだけその気持ちが真剣で純粋な物なのかが伝わってくる。
その言葉を聞いて草薙は少し考えたそぶりを見せた後、勢い良く立ち上がると
「よしっ!!ならば、若!!!オレを若の一番の家来にしてくれ!!!!」
「えっ・・・?」
若は草薙の言っている意味が分からなかったようで、ぽかんとしている。
「おいっ・・・どういう・・・」
吉之助も草薙が突然何を言い出すのかと思い、草薙のほうへ顔を向ける
「オレが若に仕えれば、オレの力は若の力だ!!!若が思うようにオレを使ってくれれば、オレは若の剣にも盾にもなれる!!いまは剣術指南役として直由様に世話になっているが、今後は若に仕えさせてくれっ!!」
「でもっ!!・・・いいの?」
「応ッ!!それにオレが何時も傍にいれば、いつでも若に稽古をつけてやれる!!」
「いいのかな・・・吉之助」
「いいのではないでしょうか。もちろん、私も若様に仕えさせていただきますよ」
「本当!?」
「はい」
えへへっと若は照れくさそうに頭をかいている。
「だから、若はこれからもしっかりといい世の中にできるように勉強をしてくれ!!そして、立派な将軍になってくれ!!!」
「うんっ!!!」
若の元気な声が道場の中にこだまする。
その日の夜、草薙は道場の屋根で一人、酒を飲んでいた。
「こんな所で何をしているのです?」
「うんっ?なんだよ・・・吉之助か・・・」
草薙が後ろを振り返ると、屋根の上を容易く歩く吉之助の姿が目に入る。
「隣を失礼しますよ」
「勝手にしやがれ・・・」
了解を取った吉之助はそのまま草薙の隣に座る。
それを横目に見ながら、草薙はめいいっぱい注がれた酒を一気に煽る。
「・・・・・・本当に良かったのですか?」
「なにがだよ」
「正式に・・・子来様の家来になるということですよ」
「ああっ、それか。あたりまえだ」
「あんなに辞めたがっていたではありませんか。剣術指南役」
「いつの話をしてんだよ。古い話持ち出してんじゃねぇ」
「つい二ヶ月前の話ですよ」
「そうだったか?」
草薙は手酌をしようとするが、吉之助はそれを奪うと草薙に酌をしてやる。
「あんなに流浪の身に戻りたいと言っていたあなたが、なぜ・・・心変わりを成されたのかと思いまして・・・」
吉之助のこの言葉に、草薙は空を仰ぐかのように天を見上げる。
そこには大きな満月が浮かび上がっている。
「惚れたんだよ・・・若の・・・心意気に・・・」
「心意気・・・ですか」
「まだ十代そこそこになったばかりの子供が、いい世の中のために、一番楽しいであろう時間を投げ打って、勉強や剣術の稽古をしてんだ。こんなどうしようもないこの国のためにな・・・」
「どうしようもない・・・国ですか・・・」
「この大戸の町は平和だ。時代が時代なのかも知れねぇが滅多に盗みや辻斬りをする野郎がいねぇ。だが、ちょっと裏に回ってみりゃ、人身売買だの、薬だのなんだのが流通してやがる。オレも・・・流浪している間にいろいろ見てきたからな」
草薙は酌をしてもらった酒をちょっとだけ口に含む。
「若はそんな裏の世界のことなんか何もしらねぇだろ?なのに、何回もこの国を変えて見せるとか何とか言っちゃって、子供は良いねぇとか思ってたよ。最近までな」
草薙は右足だけを抱え込むようにして座り、酒の入った器を隣に置く。
「だが、若の姿を見てると、この人なら・・・できそうな気がしてきたんだよ。この人はきっといい世の中を作ってくれる。そんな気がな・・・。今日の言葉を聞いて・・・オレも手伝いたくなったのよ」
「そうですか・・・」
「若のもとにいれば、どうしようもないオレも・・・何というか・・・役立てると・・・思ったんだ」
「ふふふっ、ガラにもなく照れているのですか?」
「うっ・・・うっせぇ!!」
「私も、若様なら・・・きっと良い世の中を作ってくださると思っています。共にがんばりましょう!!我が親友よ」
「きっ!!気色悪いこというんじゃねぇ!!!」
「いや、あなたは私の親友です。前までは正直言って、あなたとは合わないと思っていましたけどね」
「だったら何でだよ」
「がさつで適当に世の中を生きているようなあなたなど、何故、直由様は仕えさせたのかと常に疑問に思っていました。でも、共に過ごしているうちに・・・私とあなた、似ている部分があると思うようになりました」
草薙は黙って、吉之助の話に耳を傾ける。
「私も昔は孤独でしてね。誰も私と友になろうという者はおりませんでした。寺子屋で学ぶ学問や道場で学んだ剣術で一番をとり続けていると、そういうのを妬む輩が出てくるんですよ。そういうのに限って町の有力者とかでね・・・。私の家は何もしていないはずなのに村八分の状態ですよ」
吉之助はどこか遠い目をしながら、昔の生い立ちを話していく。
「そんな状態だったにもかかわらず、若気の至りといいますか・・・自意識過剰でして・・・私は特別な人間なんだと思い込んで、一人で過ごしていたのですよ。私を認めないこの世の中など・・・消えてしまえばいいと思いながらね」
吉之助は草薙が置いた酒の器を取ると、残っていた酒を一気に飲み干す。
「そんなときに出会ったのが直由様と若様でした。直由様はこんな私に共に働いてくれないかと誘ってくださいました。初めはこんなジジイに私が扱えるものかと思っていたのですが・・・」
「ひでぇ言いようだな」
「ふふっ、すぐに思い知らされましたよ。この方には勝てない・・・上には上がいるとね。直由様の交渉術を見て、感服どころか尊敬の念さえでてきました。若様の姿を見て、本当の天才・・・神童とはこの方を指すのだと思い知りました。そして、こんなろくでもない私を拾ってくれた・・・直由様の役に立ちたい・・・若様を守りたい・・・そう思ったのですよ」
「だから、いまは直由様の私兵団の隊長を勤めてるって感じか」
「ええっ、傍にいればいろいろと学べると思いましてね。剣術においても私よりも強い人物はこの大戸にいままでいませんでした。あの剣術大会であなたに負けたのが生涯で初めての負けなのですよ」
「そうだったのか」
「そこで改めて上には上がいるということを思い知らされたわけです。・・・・・・共に同じ理想を持ち、切磋琢磨できる相手ができて、私は本当にうれしい限りです。だから、あなたは私の親友に認定されました。覚悟してくださいね?」
「なんだよ、それ」
「共に・・・若様を・・・守っていきましょう」
「・・・ああ、親友さんよ・・・」
その夜は二人で飲み明かすのであった。
次の日の早朝
草薙は直由に呼び出され、直由の屋敷へと訪れていた。
いつもどおり門番に挨拶した後、女給さんに直由の部屋まで案内をしてもらう。
「こちらが直由様のお部屋です」
「あんがとさん」
草薙は右手を挙げたあと、女給はお辞儀をし、すたすたとその場を立ち去っていく。
そして、扉の前に立つと
「直由様。オ・・・私です・・・、草薙・・・です」
扉の向こうにいるであろう直由に声をかける
「ふむ、入ってきなさい」
中から本人の声が聞こえると、草薙はおっかなびっくりといった感じで扉に手を掛け、ゆっくりと開いていく。
「し・・・失礼します・・・」
草薙は言い慣れない言葉すぎて、言葉からはぎこちなさが感じ取れる。
「草薙殿から話とはこれまた珍しいな。して・・・どうしたのだ?」
「直由様に・・・その・・・聞いてもらいたい・・・話が・・・あの・・・」
「ほぉっほぉほぉっ、そんなに硬くなりなさんな。いつもの調子で構わんよ」
「でっ、ですが・・・」
「構わんと言うておる。それに草薙殿がそんな話し方をするとこちらがむずがゆくなるわい」
直由は豪快に笑い飛ばしながら、草薙の肩を比較的強めにバシバシと叩く。
「だったら、そうさせてもらおうか。んじゃあ、まどろっこしい話も全部飛ばして、単刀直入に言わせてもらう。オレを直由様の正式な部下にしてくれ!!職務は子来様警護の任で頼む」
直由は一瞬だけ驚きの表情を浮かべたように見えたが、すぐにいつもの表情へと戻る。
「それはつまり、ワシに仕えるという事か?」
「いや、微妙に違う。オレは若に仕えたいんだ!!」
草薙はまっすぐ直由の眼を見据える。
直由はその視線を真っ向から受け止めている。
「ふむ・・・吉之助からの報告によると、早く流浪の身に戻りたいとごねていた時もあったそうじゃないか。どうして突然そんなことを?」
「若なら・・・きっと立派な将軍になって、この世の中を立派な物にしてくれると俺は信じてる!!オレはその若の助けになりたいんだ!!!」
「・・・・・・、つまり将軍候補の子来にいまのうちに取り入っておこうということか?」
「っ!?違う!!!!!!!」
草薙は屋敷中に響き渡る大声を発し、直由の胸倉を掴みかかる勢いだったが、それをグッと堪える。
直由はその草薙の態度にピクリとも動じず、ずっしりと草薙を見つめている。
「すまねぇ・・・。でも、そんなんじゃねぇんだ」
草薙はやってしまったという表情を浮かべながら、直由に対して頭をたれる。
草薙は頭を下げながら直由の表情を伺うと、なぜか直由の口角がピクピクと動いている。
そして、耐え切れないといった感じで大笑いし始めた
「ふぁ〜〜〜っふぁっふぁっふぁ〜〜〜ああ〜可笑しいっ。草薙殿が頭を下げるとは・・・それほど真剣ということじゃな。だが・・・あ〜〜〜可笑しい」
「なっ!?何が可笑しいんだ!!!オレは真面目に・・・」
「わかっておるよ。草薙君に権力だの金だのそんなことに興味がないことはな。だがな、将軍の傍にいるとそんな話が山のように転がってくるもんだ。いやでものぉ」
「だから、そんな奴を若によせつけぇようにオレを雇って欲しい・・・頼む」
「いやいや、こちらから是非ウチで働いてくれないかとお願いしたいと思っておったのじゃ。それに剣術の腕なら前の剣術大会の時にみておるし・・・申し分ないわい」
「本当かっ!!恩にきるぜ!!!金なら少しでいい!!いや、いっそいらねぇ!!!」
「いや、それはできん。それ相応の給与を支払わせてもらう」
「だが・・・」
「気にするでない。おぬしは子来のために貴重な時間を費やしてくれるのだろう?ならそれ相応の対価を支払わねば、わしの気が収まらぬ。それにもしその金を・・・子来のために使こうてくれるなら・・・ワシは嬉しい」
「お・・・応ッ!!当たり前じゃねぇか!!」
「これから・・・子来のこと・・・よろしく頼むぞ!草薙殿」
END
あとがき
どうもです。
TINAMIでは恋姫無双以外で初の作品です。
どうだったでしょうか?
今回はプロローグということで、エピローグを含んで後3回はこの外伝の投降になると思います。
この作品を書きつつ、残りの後編と第2部の執筆を開始していくつもりです。
気長にお待ちいただければと思います。
では、今回はこのあたりで失礼します。
説明 | ||
どうもです。 前回のあとがきで書いたとおり、これからはすこし長めの外伝を書いていきたいと思っています。 黒天編という外史をより知れる話になっていくつもりです。 もちろん読まなくても真・恋姫無双 黒天編の内容に影響はありません。 興味を持たれた方はどうぞ読んでやってください。 |
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