全ての終焉より戻りし1000歳のネギ 2 |
第2話『魔法バレがあまりの速さ』
〜学園女子寮・明日菜木乃香の部屋(今後はネギの部屋に省略します)〜
明日菜さんと木乃香さんの部屋に着きました。
まったく同じ状況だったから安心した。
明日菜さんの性格が変わってたらどうしようかと、
「ところで僕の寝所はどうするんですか?」
どう見ても、厄介者としてここに来たのだからしょーがない。
最初はもう魔法で部屋を作りそこに住む予定だった。
ところが、前と同じ展開だったから戸惑った。
せっかくしたい事も出来なくなる。
「僕がいては迷惑じゃないんですか?」
「別に迷惑じゃないわよ」
「ネギくん」
「はい?」
いきなり呼んできた木乃香さんが抱きついてきた。
何で抱きついてくるの? そりゃあ10才なんだから問題ないかもしれない。
僕も中学生の子をどうする気も起きないけど、これは……。
悶々と考える僕を明日菜が荷物をもう一つ上の場所に投げた。
それに気づいた時には荷物の中身が粉砕されているような気がして梯子をよじ登って調べる。
「う〜ん、え?」
僕は荷物の中身を探って調べてたら無い物が多すぎた。
コレクション系が全て無い事だ。
これが無いとエヴァンジェリン戦が再現できないじゃないか!
いや、待てよ……今の僕は闇の魔法やら色々できるからいらないんじゃない?
当然、弟子フラグもって待って! それだと……
「意味があるのかなぁ、いや、ないかも」
「何をぶつぶつ言ってるの?」
明日菜さんが上に登ってきて僕の所まで来た。
魔法関連が無いから木乃香さんにバレる事もないんだろうけど、
僕としては面白くも何ともなかった。
「いえ、なんでもありません。ただ、荷物がここに来た時減ってるな〜っと思いました」
「それって窃盗に遭ったんじゃあ……」
気楽に答える僕の発言を明日菜さんが普通に返してくれた。
窃盗か……僕がここに来る前の僕は一体何をしてたの!っと怒鳴りたいけど、
何か無駄だから荷物の入ったリュックを隅っこにやった。
「ねえ、木乃香」
「何? 明日菜〜」
「ネギの分の茶碗とか買わないと駄目ね」
え?明日菜さんが僕の食器を買ってくれる?
前に無かった事が次々に起きるのは何故だろう。
木乃香さんも頷いている所を見ると買ってくれるらしい。
明日菜さんが下に降りた。僕も下に降りて木乃香さんにこう言った。
「夕飯作るの手伝いましょうか?」
「別に手伝わなくてもええんよ。今日は初めてなんやし」
「ネギは後でね」
「夕飯作るからちょっと待ってな〜」
と言ってから、木乃香さんが台所までパタパタと足音をやって行ってしまう。
明日菜さんと2人になったけど、明日菜さんは僕の事をじーっと見ていた。
なぜ見ているのか聞いてみるか。
「明日菜さん、さっきから僕を見てますが、顔に何か付いてますか?」
その言葉に反応した明日菜さんが僕から目を逸らして
「別に見てないわよ! ちょっとアレについて聞きたいだけ」
「アレって?」
アレってのはもちろん魔法ってのはわかってる。
知っててわからない振りをする。
明日菜さんがなぜか怒った表情になり叫んだ。
「わかってるでしょ! 魔法の事よ!」
台所にも聞こえるような音量だった。
ここで木乃香さんが聞こえても別にかまわなかった。
その分、木乃香さんの親友だった刹那さんもと考えながら明日菜に返答する。
「ああ、忘れてた。魔法の何が聞きたいの? オコジョになりたいとかだったら大歓迎」
「違うわよ!!」
笑顔のまま、親指を立てて準備はできてるよ!と意思表示したが、
僕の頭に新聞紙で作ったハリセンで突っ込まれてパシン!と良い音が鳴った。
「魔法使いが現実にいるってことは別の魔法使いもいるってことでしょ?」
「うん、いますよ。この学園に」
「ネギ以外にいるの!?」
驚きの声を上げた明日菜さんのせいで戻ってきた木乃香さんが僕に
「ネギくんって魔法使いなん?」
単刀直入に言った。
まだ魔法使う所を見たわけじゃないから誤魔化せるね。
だから、木乃香さんにこう誤魔化す。
「ゲームの話ですよ。ですよね? 明日菜さん」
僕が明日菜さんに念話で話を合わせてください。と送ったら頷いてくれた明日菜さんが、
僕の言った事を同意するように頷いて言い訳のような雰囲気で言う。
「そうよ!! 木乃香、ゲームの話よ」
「へぇ〜、そうなんやぁ……って誤魔化せると思ってるん?」
「ばれたああああああ〜〜!!」
ばれた〜って普通言うのか?
それより、明日菜さんがバレ宣言したせいでどうするか考える。
僕の頭の中には選択肢があった。
1、仲間に入れる。
2、記憶を消す。
2つの選択しかない事に気付いた。
木乃香さんって人に内緒にできる方だっけ?
記憶を思い出そうと記憶の中を探ったけど該当なしと出た。
「木乃香さん、僕は寝ますね」
とにかく話を逸らして眠るに限る。
僕はその場で寝ようとするが、木乃香さんが乗っかって来た。
上が木乃香さんで下が僕なんだけど、これはまずい。
「ネギ君は魔法使いなん?」
「はい、そうです!!」
あっさり認めることにした。
認めた後、その場から瞬動である程度離れた。
木乃香さんは何が起こったのかさっぱりだと首を傾げていたし、
明日菜さんも早すぎて見えなかったみたい。
そういえば、今調理中だろう。何か妙な匂いがするから、
僕は台所に人差し指を指して木乃香さんに警告する。
「いいんですか? 夕食」
「そうやった!!」
思い出し、急いで台所に向かった。
置いてあったソファーに座り込み、明日菜さんを見る。
明日菜さんがこちらを見て両手を合わせて謝った。
「ゴメン」
「構いませんよ。おかげで魔法をこの部屋で使う事が出来ます」
悪魔と表現してもいいほどの笑顔を明日菜さんに捧げる。
明日菜さんは苦笑いしていた。
笑顔をやめて下に俯き真剣に考える。
何を考えるか?そんなの決まっている魔法の事。
「ねえ、ネギ」
「何ですか?」
「何の魔法を使えるの?」
そうそれだ。現在でどんな魔法を使うかが問題。
未来で作った魔法はほぼ封印でいいだろうと普通なら考える。
だが、僕にはどうでもよく、普通に使おう。
明日菜さんに指を向けて返事をする。
「まず一つ、魔法の矢ですね。2つ、雷の暴風」
「雷の暴風?」
「はい。ここで使えば、学園は軽く消し飛ぶのは間違いないです」
「……はい?」
「それすごいやん」
明日菜さんが間抜けの声を上げて木乃香さんが3人分の料理を持ってきて褒めてくれた。
褒めてくれるのは良いんですが……木乃香さん、学園が消し飛ぶって事はあなたもですよ?
明日菜さんも青ざめてますし、木乃香さんは天然だから考えてても仕方がない。
赤いソファーと青いソファーの間にテーブルがあるから、そこに食事が置かれた。
「明日菜、ネギくん、食べよ?」
「わかったわ」
「はい」
木乃香さんと向かい合わせになり、
明日菜さんが斜め横にいた。
やっぱり魔法の事なんだろうけど仕方がないか。
「ネギくん、魔法の事教えて」
「いいですよ。まず、木乃香さんのおじいちゃんも魔法使いです」
明日菜さんが「え?」と呟き、木乃香さんの反応がかなり違い大声で
「えええええええ!?おじいちゃんって魔法使いなん!?」
と叫び驚いていた。
それは驚くし、あの箒頭も納得する。
腕を組んで考えていた明日菜さんが疑問を呟く。
「この学園ってもしかして、魔法でできた学園って事?」
やっぱりそこを突きますか……でも、明日菜さんはバカレッドでしょ?
心の中で真面目に本気でそう思った。
とりあえず、木乃香さんにある部分だけ伏せて魔法の事を教えた。
話した後、木乃香さんが意外な事を言い出した。
「ネギくん、そのパートナーってどうやったらできるん?」
「パクティオーっていうお試し契約があってその契約をするとカードが入手できる。
そのカードは本人の適性された能力を元に構成される。
そのアイテムの事をアーティファクトって言います」
「ウチもほしい!」
「木乃香、巻き込まれるのよ? いいの?」
明日菜さんが木乃香さんを心配して止めようとしている。
これはまずい。ここで教えて拒否されたら僕の夢が!じゃなくて未来の影響が悪くなる。
明日菜さんに切り札を出す。
「明日菜さん、タカミチも魔法関係者ですよ?」
今の明日菜さんには有効の手段だ。
タカミチに好意している以上、僕の言うことに納得するはず。
あくどい事を考えているネギだった。
明日菜さんが僕の言葉に悩んだ結果、
「わかったわ。私もパクティオーする」
断念した。でも、断念した理由はタカミチの事ではなかったみたい。
だって、明日菜さんは木乃香さんを見て溜息を漏らしている。
あれ? 明日菜さんってタカミチの事……え?まあいっか。
それでいいのか?ネギよ。
「じゃあ、魔法陣を生成しますね」
「どこに作るん?」
「70センチ範囲あれば十分です」
「そうなんや〜」
明日菜さんも興味があるのか生成する所を見ている。
僕は左手を地面に翳して唱える。
「仮契約フィールド展開」
緑色の魔法陣が地面に映る。
ネギの仮契約というか契約魔法陣は緑色。
これから出てくるかも知れない下等生物の補助が無くてもできる。
僕は魔法陣の中に明日菜さんと木乃香さんに入ってくるように手招きする。
明日菜さんと木乃香さんは普通に魔法陣へ入る。
「これでどうするの?」
「キスするだけですけど?」
「え?」
それを聞いて明日菜さんはなぜか頬を赤く染めていた。
木乃香さんは僕の両肩に手を置き、唇にキスをした。
その後、魔法陣が光った。光が収まった後、木乃香さんが離れるとカードが発生した。
僕はちゃんと発生した事に安堵の息を吐く。
「ネギくん、カード出たんやけど、これどうするん?」
「明日菜さん」
「あ、うん」
明日菜さんは呼ばれた事に肩が飛び跳ねるように反応した。
魔法陣の中だからスカートがヒラヒラ上がっているが、
短くないと見えないのでネギも興味が失せていた。
やっぱり、カモの事を思い出す。
「じゃあ、いくわよ」
「はい」
明日菜さんが唾を飲み込み、明日菜さんの唇と僕の唇が重なった。
先ほどと同じ現象が起こる。恥ずかしそうに離れた明日菜さんが浮いているカードを取ってソファーに座る。
僕は明日菜さんと木乃香さんを同じソファーに座らせ、僕は2人の向かい側でカードを出す。
「カードの使い方はアデアットで展開、アベアットで閉じる。
後は僕が召喚できるのとカードを頭に添えて念話するぐらいです」
「へえ〜」
「それはすごいと思うんだけど念話より携帯電話使った方が良くない?」
「明日菜!それは邪道やで!」
「あ、でも……通話代かからないし圏外にもならないわね」
木乃香さんはカードをポケットの中にしまい、明日菜さんは胸ポケットの中にしまう。
これでだいぶ変わったかな?エヴァンジェリンの時、かなり有効になる事は間違いない。
今後の事を思うと楽しみで仕方がない。
「お風呂入らな…」
さすが女の子は一日でも入らない訳にはいかない。
その辺は同意している。
「そうねってネギはどうするの?」
「ネギ君も一緒に入らへん?」
「木乃香、ここは女子寮よ?どうやって……」
「今の時間は誰もおらへんやろ? その隙に」
まずい……嬉しい状況だけど、ここは断っておこう。
明日の朝、学園長にこの話を持ち込んでみるか。
そう考えた僕は2人に断りを入れる。
「すみません、遠慮します。明日からちょっとどうにかします」
子供だからと言って気楽に女の子と入れる訳がない。
それに僕は中身が1000年だぞ?
それはもう駄目に決まっている。
「どうにかってどうするのよ」
「おじいちゃんに言うん?」
「それしかないじゃないですか」
2人の答えとして苦笑いながら答える。
答えた後、木乃香さんが明日菜さんに耳打ちしている。それに頷く明日菜さん。
何に頷いたのかよくわからないけどもういい。
「僕はもう寝ます」
あまりに眠くて堪らない状態で布団状のフワフワした何かを魔法で作り出し、横になり目を瞑る。
もう疲れた……ここに戻ってきた初日にアスナのドジで2人になった。
これからはある程度違うと予想した方がいいかもしれない。
「お休み」
そう呟くと、僕は深い眠りに落ちた。
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