全ての終焉 10
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第10話『委員長の別荘と明日菜の自覚?』

 

〜ネギの部屋〜

 

 

「もう朝か……」

 

目が覚めた僕は起き上がり下に降りた。

 

「あれ? 終了式はどこ?」

「ネギ君、おじいちゃんが終了式を寮のモニターとか紙でするんやって!」

「え?」

 

どんな学園になったんだ?

もしかして、木乃香さんと僕のアレのためと考える。

木乃香さんが頬を赤く染めて話す。

 

「おじいちゃんがウチとネギ君のためとか言い出して」

「え、ええ!?」

「どうしたの……ネギ」

 

アルバイトから帰って来て二度寝をしていた明日菜さんがベットから下りてきた。

僕は明日菜さんに話してた事を聞かせた。

 

「はあ? 学園長はなんて理由でこんな事を」

「ウチもわからへんけど」

「この学園ってフリーダムすぎますね」

「ネギ君を修行の理由で教師にさせるぐらいやもんなぁ」

「学園自体が魔法で守ってるようなものよね」

 

実際に結界はあるし、侵入者を倒す魔法使いなど色々いる。

結界と言っても侵入しまくれるし何のための結界何だか。

 

「とりあえず、委員長の家に行きましょうか」

「ネギ君、いこ」

 

腕を絡ませてきた。

何か木乃香さんが凄く可愛く見える。

気のせいじゃない……。

 

 

〜委員長の別荘前〜

 

魔法を使ってここまで来たので疲れている訳が無い。

玄関前に来た僕たちは周りを見た。

相変わらず広いけど、色が変わってる?何で金色の屋根があるの……。

一番大きい屋根には金色でキラキラと輝いていた。

 

「まるでお城の一部みたいな感じかな?」

「ネギ君、お城とか見た事あるん?」

「ええ、前に」

 

この時間に来る前に嫌なほど見たことがある。

特に、魔法世界にあったあのお城とか。

あの時は夕映さんの記憶が無くなっていたんだよね。

懐かしく浸っていると、なぜかドレス姿の委員長さんが出迎えてくれた。

 

「ようこそいらっしゃいましたわ。ネギ先生」

 

目をキラキラと輝かせながら僕を見る。

明日菜さんと木乃香さんはその様子に溜息を吐いていた。

いつの間にかメイドさんもいるし。

 

「何でドレスなのよ」

「気になさらないでくださいな」

「まさか、ネギをどうにかしようってんじゃあ」

 

さっそくケンガ腰になって警戒する明日菜さん。

どうにかしようって何の事だろうと最初思った。

 

「そんなことはしませんわ」

「ふ〜ん、ショタコンだから信じられないわね」

「明日菜さんこそおかしな趣味をしてますわ……」

 

だんだんケンカ腰になっていく2人を僕は注意する。

 

「明日菜さんも委員長さんもやめてください」

「ガーン」

 

なぜか委員長さんが落ち込んだ。なぜに?

 

「あやかとお呼びになって、ネギ先生」

「え? あ、はい。じゃあ、あやかさん」

「はい。もう悔いがありませんわ」

 

あの世へ行こうとしてるあやかさんを明日菜さんがハリセンで叩く。

ハリセンで叩かれたあやかさんが明日菜さんに聞く。

 

「何をするんですの!?」

「それぐらいであの世に行ってどうすんのよ……」

「……では、中に案内いたしますわ」

 

コホンと咳ばらいで誤魔化したあやかさんは別荘へ歩いて行く。

僕達もあやかさんの後を付いて行った。

 

 

〜別荘・あやかの部屋〜

 

 

「ここが私の個室ですわ」

 

綺麗に整頓されていて置いてある物が高級品ばっかだった。

さすがお金持ちなだけある。

僕は高そうな椅子に座った。

明日菜さんや木乃香さんも適当な席に座る。

執事さんの人がテーブルにお菓子と紅茶を置いてくれた。

 

「これってハーブティーですか?」

「そうですわ。ネギ先生は紅茶系がお好きなんですよね?」

 

自己紹介にそんな事言っていないんだけどな。

もしかして、調べたのかな? 僕の情報を。

 

「ネギ」

「何ですか?」

「一つ目の用件言ったら?」

 

さっさと帰りたいという表情が見える。

そんなに嫌なのかな? 別に僕はいてもいいのに。

用件を早めにして靴禄と決めた僕は明日菜さんに呟く。

 

「ああ、アレですか」

 

明日菜さんと僕の会話を聞いていたあやかさんが聞いてくる。

 

「何ですか? ネギ先生」

「このテーブルぐらいのサイズを1つ貰いたいんですが」

「構いませんわ。ネギ先生のためならばテーブルの1つだけじゃなく何でも」

 

ハイテンションすぎるあやかさんに僕も苦笑いした。

こんな雰囲気も久しぶりだからね。

紅茶の入ったティーカップに口を付けた。

 

「おいしいですね」

「高級品ですもの」

「別に高級品の意味では言ってませんよ? 僕自身が好きなだけです」

「確かにそうね」

「テーブルは何時頃準備するん?」

「今すぐできますわ」

 

「ありがとうございます」

 

感謝の気持ちとして、僕はあやかさんの手を両手で握る。

すると、あやかさんが僕の手を握ってきて返事をしてくれた。

 

「どういたしまして」

「じゃあ、帰るわよ」

「え?」

「そうやな」

 

握っている途中で明日菜さんと木乃香さんが僕を連れ出そうとする。

何か変な様子だよ、2人とも。

 

「要件ってそれだけですの?」

「それ以外はないわよ」

「それだけやもん」

 

2人とも最初っからそのつもりだったみたいだ。

というか親友じゃなかったの?明日菜さん

 

「もう少しゆっくりとするのはないんですの? 私とネギ先生の優雅な」

「そんなものないって」

 

明日菜さんがあやかさんの言葉を遮った。

いや、勝手に決めないでと僕は明日菜さんに呟く。

 

「僕は何も言ってないんですが」

「何言ってるのよ」

「ネギ君」

 

何か怒っているような態度になっている明日菜さんと

目を細めてムッとする木乃香さんが僕を見ていた。

 

(……もしかして、ヤキモチ?)

 

僕は念話で言ってみようと実行してみた。

ネギの念話にビクンとなった2人は顔が赤くなった。

けど、明日菜はネギの言葉にむかっと来て文句を言う。

 

「なら、勝手にすれば!」

 

と出て行ってしまった。

 

「今のはネギ君が悪いで……」

 

そう言った木乃香さんが悲しそうな表情で僕を見た。

 

「ウチ、明日菜の所に行くから」

(ゴメンなぁ、ネギ君)

 

念話を残して木乃香さんは明日菜さんの後を追った。

あれ? 明日菜さん……

何か悔しい様な色んな感情が渦巻いていた。

出て行った方向を真剣な表情で見ていたあやかさんが僕を呼ぶ。

 

「ネギ先生……」

「何ですか? あやかさん」

「明日菜さんの方へ行っても宜しんですのよ?」

「でも……」

「じゃあ、こうしましょう」

 

と言って、いきなり、あやかさんが近づいて僕の唇を奪った。

僕、キスされてる? 

10秒ほどそのままの状態だったが、あやかさんが離れて礼を言う。

 

「ネギ先生、今日はありがとうございました」

「……あやかさん」

「テーブルは夜にお届しますから安心してください」

「わかりました」

 

僕はあやかさんに言われた後、急いでこの別荘から出た。

一人になったあやかは外にいる明日菜さんや木乃香さんを見て決心した。

 

「あの明日菜さんが……はぁ〜、頑張らないといけませんわね」

 

この言葉の意味は一体何なのか、当然ネギは知る由もない。

前の世界よりフラグは立っているようだ。

 

 

〜別荘前〜

 

 

僕は部屋に戻ろうと急いで向かおうとしたが、門前で明日菜さんと木乃香さんが待っていた。

 

「ネギ……」

「テーブルは今日の夜に来るそうです。行きましょう」

 

明日菜がネギに何か言おうとしたが、ネギによって遮られて俯きながら答える。

木乃香もそんな2人に何もできなかった。

 

「え? ええ」

「ネギ君……」

 

僕は影のゲートを使い、明日菜さんと木乃香さんの手を握って移動した。

 

 

〜ネギの部屋〜

 

 

戻ってきた僕は赤いソファーに座り、本を読んでいた。

この本は木乃香さんが貸してくれた漫画。

コメディがありシリアスもある魔法バトル系だった。

それを読んでいると、明日菜さんが隣に座ってきた。

 

「ネギ、その……」

「何ですか?」

 

一体何の用なんだろう?

それに何か様子が変だった。

 

「さっきは……その、ゴメン」

「どうして謝るんですか?」

「だって……」

「僕は気にしてません。悪いのは僕なんです、ごめんなさい」

 

あんな事を言ったから明日菜さんが怒った。

明日菜さんがそれを聞いて笑みを浮かべた。

 

「あ、そっか……はぁ」

 

何か悟った様な表情になった。

そして、僕にいきなりこんな事を言い出した。

 

「ねえ、委員長とキスしたの?」

「ええ?」

「だって、委員長の付けてる香水が密かにあるし」

 

香水でバレるものなの!?

確かに香水の匂いはしていたけど。

 

「ふ〜ん、したんだ……」

「あ、はい」

 

何を正直に答えてるんだ?

否定しろよ! 僕

そんな事を考えていると明日菜さんが僕の肩を掴んだ所で

 

「明日菜、何をしとるん?」

 

木乃香さんが明日菜さんとは違う僕の横に座った。

僕が中心だからやばい…… 

 

「え? 別に何もしてないわよ!」

「ネギ君」

「何ですか?」

「委員長とキスでもしたん?」

 

あなたもですか!!

香水ってそこまで読めるものなんですか?

誰か教えてください。それが僕の望みです。

まるで遺言な事を心の中で呟く。

 

二人の突き刺さるような視線に耐えられない。

だから、限界になった僕は呪文を唱える。

 

「ラス・テル マ・スキル マギステル……」

 

詠唱キーを呟いた瞬間、明日菜さんが止めようと叫ぶ。

 

「ちょっと待って!」

「ウチもその気やないんやって!」

 

木乃香さんも何か言っていたが気にしない。

僕のこの気持ちを解消するために詠唱する。

 

「光速詠唱短縮 セット 雷の暴風!」

「嘘やん!?」

「ここで!?」

 

僕は結界を張り、2人に雷の暴風を撃った。

当然、部屋は全壊していた。

他所の被害は一切無いのはネギの結界。

服がボロボロになっている明日菜さんと木乃香さんはダメージを受けて倒れていた。

 

「うう……」

「聞いただけやん……」

 

2人が何かを呻いていた。

 

「明日菜さんの魔法無効化は既に僕の魔法を無効化できませんからね」

 

それも無効化を消す事が出来るようになった。

だてに千年も生きてはいない。

とりあえず、僕の膨れ上がった感じが消えたのでこの部屋を戻した。

 

「部屋がボロボロだ。復元魔法、えい!」

 

杖を呼び出し、持って横に振ると、壊れた部分が全て修復されていった。

ああ、久しぶりに復元魔法使ったから眠たくなっちゃった。

もう駄目、この魔法を使うと朝まで起きない……かも。

 

僕は復元した赤いソファーに体を寝かせて目を瞑った。

 

その後……、

 

あやかさんの執事さんが来てテーブルを明日菜さんと木乃香さんが受け取り、地下に置いた。

2人は僕を起こしても起きなかったらしい。と翌朝に聞く事になる。(その部分はないが)

 

 

 

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