全ての終焉 11
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第11話『始まり』

 

   〜????〜

 

 

復元魔法を使って眠りに入ったネギは不思議な夢を見ていた。

その夢の中でボーっと座っている。

 

「夢見るのは良いんだけど何で何もないの?」

 

暗い、暗すぎる。何も見えず何もない世界。

世界と言うか夢だから気にしていない。

 

「……暴れてみるか?」

 

僕は立ち上がり魔力を全開にする。

魔力を全開にした影響でこの空間が揺れまくる。

揺れていると感じた僕は空中に浮く。

 

「効果あり? 広範囲魔法いってみるか?」

 

僕は詠唱もせず魔力をさらに開放する。

あの呪文を使うためには全魔力を利用しなきゃいけない。

フフフ……準備完了。

 

「ラスト……ディメン――」

 

続きが言えない! 最後まで言わせろ!!

せっかくほとんど使う事が無さそうな魔法使おうと思ったのに!

と願っても続きの言葉や行動が何もできなくなった所で現実に戻された。

 

 

 

〜ネギの部屋〜

 

 

僕は目が覚めると赤いソファーでいつの間にか寝ていたようだ。

今日は始業式だから終了式みたいな事は絶対にない。

 

「何なんだ? あの夢は」

 

暗闇のある夢は初めてだ。

魔力を全開にした所、何にもなかった。

僕が魔力を全開にすれば世界のバランスが崩れるから現実にはやらない。

 

「起きたんや」

 

木乃香さんが朝食を持ってきた。

今日は普通に和食だった。

 

「はい。今日から3年生ですね」

「夕映っちにバラすん?」

「向こうから言ってきたら」

「夕映がネギに言うかしら?」

 

明日菜さんが隣に座ってきた。

何かやけに積極的な気がする。

まあ、修行以外や2人きりになったら態度変わるし。

 

「明日菜も変わったなぁ」

「あの夢のせいね」

「そうなんですか……」

「別にそういう意味じゃないって!」

「何かウチだけ置いてけぼりな気がするんやけど?」

 

ジト目で見る木乃香さんに明日菜さんが慌てて

 

「木乃香を除け者なんてする訳ないじゃない!」

「木乃香さん」

「何〜」

 

構ってくれるの?と僕の方へ見ていた。

刹那さんの事を聞いておかないといけない。

 

「刹那さんの事どうするんですか?」

「……せっちゃん、ウチはせっちゃんと仲良くなりたい!」

「木乃香さんは僕の事を気にせず考えてください」

「いいん?」

「僕としては親友だった人と仲違いは嫌ですから」

「わかったえ」

 

僕の言った言葉に木乃香さんが頷いた。

これでいいんだけど、可能性が低い。

今は木乃香さんの事は置いておこう。

 

「そろそろ出ますか」

 

僕は朝食を済ませてから、この部屋から転移魔法で消えた。

残った木乃香と明日菜はネギが転移した後、こんな話をしていた。

 

「明日菜〜、休み期間、ネギ君と修行したん?」

「ここの時間なら100時間ぐらい」

「ウチは120時間や」

「多いわね」

「ネギ君って何であんなに強いんやろ?」

「そうね、気になるの?」

「そりゃあ当り前やん」

「でも、聞いたじゃない」

「ウェールズの魔法学校の事やろ?」

「うん」

「ま、私たちも強くなればネギが楽になるでしょ?」

「ら、楽になるん? ネギ君って問答無用で攻撃するえ」

「私や木乃香がいても変わらない気がする」

「そろそろ学校にいこか?」

「そうね」

 

明日菜と木乃香は鞄を持って部屋から出て行った。

 

 

 

 

〜学園長室〜

 

学園長室に来た僕は驚いた。

マスターと桜咲刹那さんがいたからだ。

 

「あ、エヴァンジェリンさんに桜咲さん、おはようございます」

 

僕は丁寧に挨拶をする。

マスターは顔を引きつり、刹那さんはペコリと礼をする。

 

「学園長、桜咲さんはいいとして、どうしてエヴァンジェリンがいらっしゃるのですか?」

「ワシに言われてもな〜」

「おいじじい! 嘘をつくな! 侵入者が入ってきたからここに呼んだんだろ?」

「ああ、僕も参加してもいいですか?」

 

学園長にお願いをする。

僕の言葉に悩んでいたから、右手に魔力の剣状を作り学園長に向けた。

 

「ネギ君!? 何をする気なんじゃ?」

「え〜と、筆みたいな髪の毛ごと頭部を切るだけです」

 

平然とした態度で言う僕にマスターがいきなり止めてきた。

 

「ちょっと待て!」

「どうしたんですか?」

「私と桜咲刹那に頼んできたのは生徒だからだ。初日に休むのはまずいんじゃないのか?」

 

学園長に助けの船を出すマスター

何のために助けてるの?

その理由が一番知りたかったが、そういう理由に剣を消す。

 

「うう……仕方が無いですねえ、次は呼んでくださいね!」

「わかった」

「絶対ですよ? そうじゃないと学園長の髪の毛を全部切り落とす」

 

危険な目を光らせて笑みを浮かべる僕を見て学園長が慌てて頷いた。

何か関係が逆になってる気がするがまあいっか。

 

「じゃあ、僕はこれで」

 

呑気な事を考えてから、

僕は教室に行く事にして出口に向かう途中で呆然としていた刹那さんにこう言い残す。

 

「木乃香さんと仲良くしてくださいね」

「え?」

 

刹那さんは目を見開いて僕の方を見る。

それに反応するように笑みを浮かべた後、ここから出て行った。

これで向こうからの行動が起こるだろうと半分期待した。

 

 

〜3−Aの教室〜

 

 

僕は新しくなった教室に入った。

別にメンバーも変わってる訳でもない。

刹那さんとマスター以外は全員がいた。

 

「一応、正式に言います。今日から3年A組の担任になりましたネギ・スプリングフィールドです。1年間よろしくお願いします」

 

自己紹介をした僕を見ていたクラス全員が驚きの声が上がる。

 

「おおおおおおおお!」

 

やっぱり、何かテンションが違う。

 

「ネギ先生!」

「何ですか? 柿崎さん」

「こんな噂知ってますか?」

「噂?」

 

何だろう?

この時期に噂って言ったらアレしかないな。

吸血鬼ぐらいしか思いつかない。

 

「満月の夜になると寮の桜並木の所に吸血鬼が現れて血を吸われるんだって」

「そんな噂を信じる方がおかしいわよ」

「噂じゃないの?」

 

神埼さんの言った噂に疑問を呟く明日菜さんとハルナさん

うん、あのガキ吸血鬼……約束破りやがったのか?

顔を引きつらせて無理矢理な笑みを浮かべる。

 

「今日は身体測定ですので、今すぐ脱いで準備してくださいね」

 

話を逸らして今日の行事を全員に伝える。

その後、僕は教室から出て廊下で待つ。

 

待っている間、僕は考えをまとめていた。

 

「まき絵さんがいなかったけど、僕の言葉を無視したか」

 

それはそれで面白いすぎる。久しぶりの戦闘に興奮が止まらない。

すると、廊下から走ってきた亜子さんが僕に説明をする。

 

「ま、まき絵が、桜並木に倒れてた!」

 

それが聞こえたのか教室の窓から明日菜さん達が驚きの声を叫ぶ。

 

「「「えええええええええ!?」」」

「桜並木って吸血鬼に襲われたの?」

 

誰かの言葉に頷く亜子さん

僕が把握するの面倒だから誰か扱いにする。

面倒という理由で匿名扱いにするネギだった。

 

「本当にいたんだ……」

 

亜子さんの話を聞いたハルナさんが驚きの声を上げていた。

そう言えば、ハルナさんに隠すとロクな事がなかったっけ?

怪しまれたり色々とあったような……

ハルナさんの事を問題として頭を抱えるが現状を優先する。

そう決めた僕は亜子さんにまき絵さんの場所を聞いた後、その場所へ向かう。

 

〜保健室〜

 

なぜか明日菜さんと木乃香さんが付いてきた。

付いてくる人数が少なくなってるけど、なぜこの2人何だ?

おまけにしずな先生がいないし……。

そんな事を気にせずベットで寝ているまき絵さんを見る。

 

「え〜と、明らかに吸血鬼かな?」

「ネギ君、吸血鬼って居るん?」

「いますよ、エヴァンジェリンさんがそうです」

「ええ!? そうなんや〜」

「エヴァちゃんって吸血鬼だったんだ」

 

明日菜さんと木乃香さんの反応薄ッ!

あまり驚かない2人を見て呆れていた。

まき絵さんの首筋を見ると噛まれた跡が残っていた。

 

「フフフ……僕に喧嘩売ってるのか? 封印を解いて叩くしかないか」

 

そんな怪しく笑うネギに対し、この場にいる2人は青ざめて逃げ腰になる。

 

「ネ、ネギ? もしかして」

「ネギ君?」

 

完全に嫌な予感がした2人はここから出ようとするが、透明な壁で出口を塞がれた。

僕は意味もなく透明の壁を叩く2人に聞く。

 

「協力してくれませんか? 

こんな事をする不良生徒エヴァンジェリンさんをいじ……いえ更生させるためにも」

「今、いじめやらいじるやら聞こえたような」

「明日菜、余計な事を言うたらあかんって!」

 

もう逃げようともしない明日菜さんと木乃香さんに今後の事を説明した。

説明中、明日菜さんと木乃香さんが嫌そうな表情で否定していたが、

修行メニュー2倍にしますよ?って言ったらあっさり肯定に変わった。

 

身体測定が終わり、帰る時間になった。

マスターも刹那さんも途中で参加していました。

それほど雑魚だったのだろうけどやってみたかった……。

 

 

〜桜並木通り〜

 

僕と明日菜さんとその他が道を歩いていた。

周りには桜の木があってとても綺麗だ。

暗くなった影響で満月がよく見える雲も全くない快調な夜。

これはマスターにとっては都合が良い。

 

「明日菜さん、木乃香さん、行きましょうか」

「本屋ちゃんが襲われるん?」

 

木乃香さんがのどかさんをチラッと視線を向けて呟く。

聞かれた僕は

 

「ハルナ、夕映は先に行ってて」

「それは別に良いけど」

「ハルナ、行きましょう」

「え? 夕映」

 

夕映さんは僕を見た後、口パクしてハルナさんを連れて立ち去った。

口パクの内容を読んだ僕は驚いた。

驚いて硬直していたが、明日菜さんが僕に心配の声を呟く。

 

「どうしたの? ネギ」

「ネギ君、のどかが行ってしまうで?」

「夕映さんが僕にのどかをよろしくですって口パクしてました」

 

よろしくですってある意味癒されるのは僕だけ?

そんな事を思っていると木乃香さんが確信したように人差し指を立てて断言した。

 

「やっぱりバレてるんやろ?」

「バレてるんだとしたらどうする気?」

 

うう、僕の計画だと停電後にと思ったけど仕方がないか。

ってその時、のどかさんの悲鳴が聞こえた。

 

「しまった! 誰ものどかさんを見ていない」

 

僕は慌ててのどかさんの方へ走った。

そう言ったネギが走ったのを見た木乃香と明日菜がネギを追いかける。

 

倒れているのどかさんを見かけた僕は様子を見る。

今回は服が破けなかった。

向こうが攻撃しない事もあるが。

 

「噛まれてる……ふう」

「嘘、のどかが襲われたの?」

「エヴァちゃん、どういうつもりなんやろうか?」

「とりあえず、魔法の射手1」

 

のどかさんが寮に戻ろうとしている先に魔法を放った。

マスターの影響か知らないが先が見えない場所に貫通するとようやく景色が見えた。

 

黒いマントを纏った金髪の少女がその場にいた。

やっぱりマスターか。

 

「あんたはエヴァちゃん!」

「誰がエヴァちゃんじゃ! というか何で近衛木乃香と神楽坂明日菜がいる」

「ウチはエヴァちゃんが吸血やってしってんねんで!」

 

木乃香さんがさっそくばらした。

駄目だ、僕の計画がってのどかさんが起きようとしている。

 

「エヴァンジェリンさん、何でこんな事をしてるんですか?

もしかして、そんなに封印を解いてほしかったんですか?」

「当たり前だ!こんな馬鹿げた封印が無ければこんな事をする必要もない!」

「へえ〜、ところで封印って何なの?」

 

「そこのバカ先生の父親が私に登校地獄という呪いをかけたんだ」

「僕の父さんに惚れて付きまとったストーカーでもあります」

「誰がストーカーだ!」

 

ネギの言葉にエヴァが違うと否定して怒鳴る。

はあ、もう素直じゃないな〜。

ニヤッとあくどい事を思いついた僕は真・魔法の矢エイトを展開。

 

「とりあえず、今日の所は引いてくださいね」

「何を言って……!?」

 

真・魔法の矢8発分を誰もが見えないほどの速度でエヴァの横を沿って背後が爆発した。

 

「ネギ、大丈夫なの?」

「何がですか?」

「あそこ、木が数本消えてるんだけど」

「あ、ホントや。木が8本ほど消えてる」

 

木乃香さんの言葉に反応したマスターは後ろを見て青ざめる。

後ろの状況は地面に100Mのクレーターが出来ていて木と通り道ごと抉れていた。

 

「ちょっと魔力を抑えすぎたかな?」

 

頭をかきながら失敗したと溜息を吐く。

我ながら制御を間違えるから大変だ。

 

「あれで抑えてるだと?」

「ネギ君が言うには雷の暴風でこの学園が消えるやって」

「あの水晶に入って見せてくれた時、全滅したわね」

 

明日菜さんが言ってるのは初めて入って普通の魔法呪文を教える時の事。

その時、見本として雷の暴風を見せた。

出力も十分抑えていたが、全範囲を巻き込んで爆発した。

寿命が伸びた影響の副作用なのか、そういう効果が付属されていた。

それを明日菜さんと木乃香さんが説明した所、マスターが大声で叫ぶ。

 

「絶対にありえんじゃないか! 雷の暴風ごときでそんな事出来るか!」

「気持ちはわかるけど、実際見たんだからしょうがないじゃない……」

「あの時は死にかけたんやけどな……」

 

その状況を思い出した2人が顔を引きつらせながらマスターに呟く。

マスターはむ〜と唸って何かを考えていた。

考えがまとまったのか僕を誘ってきた。

 

「ぼうや、私の別荘に来ないか?」

「はい?」

「うう……」

 

間抜けな返事をした瞬間、寝ているのどかさんが目を覚ました。

あ〜あ、目が覚めてしまった。

 

「こ、ここは……」

「大丈夫ですか?」

「ネ、ネギ先生!?」

 

すぐに起き上がるのどかさんを見る。

 

「これは一体……」

「あれはね、ネギの魔法で出来た残骸かな?」

「明日菜、それを言うなら残骸やのうて被害や」

「魔法!?」

「アホか」

 

まったくであります。

明日菜さんと木乃香さんの言葉で認識しちゃったじゃないか。

うん、絶対にわざとだね、あはは……。

とまでは思ったが、のどかさんが僕の前に立ち

 

「ネギ先生って魔法使い何ですか?」

 

それを聞いた僕は木乃香さんと明日菜さんをじーっと見つめる。

見つめていると2人の顔がちょっと赤いってそういう意味で見つめてないっての!

愚痴りたかったが目の前にいるのどかさんに決めさせましょうか。

 

「のどかさん、僕は見ての通りの魔法使いです。

そこにいるエヴァンジェリンさんはのどかさんを襲った百合的な吸血鬼です」

「ちょっと待て! 誰が百合だ! 私は同性に興味がなく正真正銘のノーマルだ!!」

 

テンションが高くなって叫ぶマスターだった。

自覚しながら頭を抱えて叫んでたらグッと何だが。

意味のわからない事を思うネギ。

そんなことより現状を優先する。

 

「一応、魔法は秘匿扱いらしいので一般の方は記憶を消さなきゃいけないんです」

「一般の人じゃなかったらいいんですよね?」

 

はい? 今回、のどかさんとそんなに接点がないぞ?

一纏めに考えていた僕を木乃香さんがのどかさんの手を両手で包みこみ

 

「仮契約したら関係やで」

「仮契約?」

「ネギ君とキスするんや」

「ええええ!?」

 

驚いて赤くなるのどかさん。

何を言ってるの? この天然娘は。

口調がだんだん20歳以上の頃に戻っていくがさすがに表までは出せない。

僕達を傍観しているマスターを見ると楽しそうに笑みを浮かべていた。

助けの神はいないのか?

そう願うがいる訳もなく、のどかさんから離れて僕の前に立つ。

 

「ネギ君、のどかもしたいんやって!」

「何時の間に聞いたんですか?」

「ネギ君がボーっとしてるあたりから」

「さいですか……」

 

僕の計画がちょっとずれていく。

これくらいで崩れる計画は立てていない。

本当はもっとすごい事も考えている。

それは学園祭まで内緒だけどね。

現実逃避のつもりで木乃香さんの言葉を無視するが、こんな言葉が耳に入った。

 

「のどか、こうやってな」

 

と言ったとたん、いきなり木乃香さんが僕と唇を重ねる。

それを見ていたのどかさんは赤くなりつつ見ている。

明日菜さんは木乃香さんの行動に溜息を吐いた。

 

数秒後、木乃香さんが僕から離れてのどかさんを見る。

 

「とにかくここを直しますね」

 

僕は杖を呼び出す。

呼び出した杖が上から降ってきた。

いろんなパターンがあるな〜、まだ2つ目なんだけど。

今の僕では復元魔法の副作用が出るため、明日菜さんに頼んだ。

 

「復元させたら僕は眠ってしまうので後の事はお願いします」

「眠るって?」

「長く使ってなかった影響で起こる迷惑的な副作用です。

のどかさん、すみませんがこの話は後でお願いします」

「わ、わかりました」

 

のどかさんの返事を聞いた僕は杖を被害に遭った部分へ向ける。

今回は記憶を元に思考しながらなので朝まで何が起ころうと目が覚めない。

だから、明日菜さんに頼んだ訳。

 

「何で明日菜なん? ネギ君」

「……なんとなくです。エヴァンジェリンさんも停電までおとなしくしてもらえますか?」

「わかった」

「しないと父さんの呪いをさらに強くして赤ちゃんまで姿を変えますからね」

「わかったからそれだけはやめてくれ」

 

表情を青ざめるマスターが了承した。

これで手間が省ける。

了承してくれた感謝の気持ちとしてマスターに一部を教える。

 

「病気になる事がない様にしておきますね」

 

復元魔法の魔力を集中させながら

マスターの耐性能力を指を鳴らして解除した。

すると、マスターの魔力が少しだけ膨れ上がり以前よりも強くなっていた。

 

「ぼうや……」

「約束ですよ? では行きます。 復元魔法・第2修正」

 

ネギの持っている杖先が光った瞬間、クレーターになっていた部分が修正されていった。

修正と言ってもフィルムの様に時間が巻き戻っている現象と言った方が良い。

修正されている光景を見てのどかさんが「すごい……」とその光景を見つめていた。

 

「これ本当に魔法なのか?」

「エヴァちゃん、どういう意味なの?」

「魔力が全く感じない」

 

さすがマスターは魔力が感じない事に気付いたか。

この魔法は自然を元に使ってるので分かる訳もない。

 

「明日菜さん……」

「ネギ!」

「ネギ君!」

「ネギ先生!」

 

僕は副作用により意識が薄れていく中、明日菜さん達の声が聞こえたが眠った。

倒れそうになった所で木乃香と明日菜が支える。

 

その後、エヴァはネギの言う通りにして家に帰り、

明日菜達は寮に戻ってネギのベットに寝かした。

 

 

 

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今回から3年生編に入りますが、省略されている出来事がいくつか存在します。
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