魔法少女リリカルなのは 〜とある兄妹の転生物語〜 序章
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―――――そして、とある兄妹は、転生し………“姉妹”になった―――――

 

 

 

[ドンッ!!!]

「グッ!!? ってて……………あぁ?」

 

彼らは、神と名乗る男に転生され、ビルの屋上のような場所に降りて………否、落ちていた

 

「クソ、結局転生って奴をされたのか……………」

 

彼は周りを見渡したが、そこはどう見ても近代的な日本の街並みだった。ビルが立ち並び、道路はちゃんと整備されており、そこには車や通行者、そしてコンビニなど……………平成の日本の姿だった。看板も見え、日本語圏だと分かった。日の位置や気温、道路に行き交う人の量から、朝方だと分かった

 

「……………異世界ってんだから、どんな場所かと思ったが………割と普通だな……………」

 

そう安堵した直後

 

「きゃあぁぁぁ〜〜〜〜〜ッ!!!?」

[ゴンッ!!]

「アイタァッ!!?」

 

……………彼の背後に、一人の女が落下してきた

 

「ッ〜〜〜〜〜!!!!! さっすが転生モノ。まさか落下して異世界に来るとは……………(>_<;)」

 

……………誰? と言っても、言動で把握した。コイツは、あのクソ妹だ。そうだ、そうに違いない

 

妹の容姿は、前世(?)と明らかに違っていた。太股位まで伸びた銀髪をストレートにし、金色と蒼色の虹彩異色の瞳をし、顔立ちはさっきいたあの女神達と変わらない位美しく整っていた。身長は変わらないが、痩せすぎでは無く、逆に無駄な部分も無く、スタイル抜群と言ってもいい。言うなら、美少女と呼ばれるだろう。ま、興味ないけど

 

「イタタタ(>_<)………はれ? まさか、お兄ちゃん?」

 

だから、その顔文字をやm………まて、まさか? まさかって、まさかっつったなコイツ………まさか自分の容姿も変わってんのか!?

 

[キィィィンッ……………]

 

「「?」」

 

自分の容姿を確認しようとした瞬間、なにかの気配を感じた……………つか、なんなんだ? この感覚は。なんでこんなモンが感じるんだ? だが、そう考える暇も無く、俺たちは変な感じがした方向を向いた……………

 

その方角に、光の柱が立っていた。そして、それが伸びている場所の地面に……………

 

「人が、光の中から出てきた……………」

 

あり得ない展開だった。まさに常識はずれな現象が、目の先に……………

 

「……………つーか、なんでこんな遠くの場所がはっきり見えるッ!? 明らかに2キロメートルぐらいはあるだろ………なんで、そんな遠い場所が?」

 

「あぁ、それ? 神様に頼んで貰ったチート能力の一つ!! “万能の魔眼”ッ!!! 見た事無い文字でも瞬時に理解できたり、どんなに遠い場所でも見えたり、障害物ですら透かして見えたり………あとあと!」

「もういい……………」

 

なんだそれは………明らかにおかしいだろ、そんなん。そんな目をしていれば、私生活に支障が出るだろう………

 

「大丈夫! 任意でon・off出来るし、見たいモノも選べるようになってるから!! えっと、意識すれば、出来ると思うから」

 

……………めんどくせぇ。って、ホントだ。見たくねぇって思ったら、普通の視界になった

 

「……………っていうか、なんでいきなり人が光の中から………ってかアイツら、どこかで見た事あるような……………」

 

なんか、見た事ある連中だった。しかし、会った事は無い。なのに、知っている。そう、最近だ。最近見た事ある。だいたい、二か月ぐらい前に、だ。そう考えていたら

 

「“フェイト”ちゃん?」

 

は? “フェイト”?………あぁ、そういえば

 

「昨日、お前がリビングのテレビを占領してた時に見てた、あの映画のキャラの一人に、そんな名前の奴がいたな………………っていうか、そいつがいるってか?」

 

まさか、な………んな訳、あるはずが……………

 

「そのまさかだよ。隣にいるのは、“アルフ”に、KYで有名な“クロノ”君……………あの姿にこの背景、間違いない!」

「な―――――」

 

ま………マジ、かよ………マジで、アニメの世界に来ちまったって言うのか………? そ、そんな……………

 

「……………最悪だ」

「やったぁぁぁ〜〜〜〜〜ッ!!!! リリなの世界に私、転☆生!!!! ばんざぁぁぁぁぁいッ!!! ありがとう神様ッ!! 私、この御恩、一生忘れないからッ!!!」

 

なんでそんなに喜んでるんだ!!!

 

「ハッ!!!!(゜д゜!) まさか、この展開……………無印の最終場面! 交換リボンのシーンジャマイカ!!!! よし!!! 決定的な瞬間をぜひこの目に!!!」

「もう知らん……………」

 

とにかく、もう色々と諦めたほうがいいのかもしれないと本気で思い始めた………っていうか、どうやって生きていこうかと、真剣に考えないといけない気がしてきた………コイツは何も考えてないだろうし、目先の事に喜んでいるだけだし………つぅか、アニメの世界に来て、何をするつもりなんだと思う……………

 

そういえば、このアニメは何がしたかったんだ? 明らかにタイトルと内容が一致していない印象がある。ガキが見るようなモノかと思ったが、明らかにおかしい部分がある。魔法が可愛げの無い、そこらのゲームの必殺技の演出よりも派手で、戦闘の部分が熱血バトル………と言えばいいのか? なんかそんな感じだったし。色々と、ツッコミ所が多かったモノだったのは間違いない。だが、強引に見せられたあの時は、本当に辛かった………なんでこんなもん見なきゃならんのだと、な……………

 

「さぁ、あともう少しで魔王の登場のはず……………あ! 来た!!」

 

そして、妹の野郎がなんか訳の分からない事を言い出した。どうやら、なんか動きがあるみたいだ。そこで俺は、ここが本当にアニメの世界なのかを確認するために、このバカみたいな目を使ってそのシーンの再現を見た……………

 

 

 

 

 

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本来なら、出会うはずもない因果を持った二人が、こうして出会った………

 

“災厄の種、ジュエルシード”。それによって出会った二人。ソレを巡り、二人の少女はぶつかり合った

 

彼女達は、互いにぶつかり合った………互いに、譲れないモノがあったが故に………その二人の少女は、互いにぶつかり合う道を歩み、その道の中で互いの事を知った。そして、ソレをめぐる戦いは、幕を閉じた

 

そして、互いにぶつかり合った少女達は今、話しをするために、出会っていた………ようやく始まった、二人の絆を、確かめるかのように……………

 

会いたいと言ったのは、金色の少女………“フェイト・テスタロッサ”。それに答えたのは、<友達になりたい>と言った桜色の少女………“高町なのは”

 

何のために会いたいと言ったのか………それは、暫くの別れと、あの時の返事の答えを言うため………ようやく、本当の自分を始められる。そのきっかけを与えてくれた少女に、自分の意思を伝えるため………しかし、金色の少女はそれに答えられずにいた

 

「どうすれば、友達になれるのか……………」

 

少女は、何も知らなかった。いままで、母親だった人の人形として育てられた故に、友達の作り方など、知るわけがなかった………しかし、そんな少女に、何度も語りかけた少女の言葉で、それを知った

 

「名前を呼んで」

 

始めはそれだけでいい。君とか、アナタとかじゃなくて、ちゃんとした名前で呼び合うのが友達なんだと……………

 

「私、高町なのは、なのはだよ」

「……………なのは……………」

「うん……………」

 

二人は、互いに呼びあった。金色の少女が名前を呼び、桜色の少女はそれに何度も応えた………お互いの目には、涙が零れた………いつしか、二人は手を握り合っていた………互いの絆を、確認するかのように………二人の“契り”が、しっかりと結ばれるように……………

 

「少しわかったことがある。友達が泣いてると、同じように自分も悲しいんだ……………」

「フェイトちゃん!」

 

桜色の少女は、金色の少女に抱きついた………離れ離れになる友達の存在を、慈しむのように………しっかりとその存在を、確認するかのように……………

 

「ありがとう、なのは。今は離れてしまうけど、きっとまた会える……………そうしたら、また、君の名前を呼んでもいい?」

「うん! うん!!」

 

そうして、互いは暫く抱き合ったまま、時を流した……………

 

別れを告げる声の後、抱き合っていた二人は離れ………桜色の少女は、自分の髪を結んでいる白いリボンを取った

 

「思い出に出来るの、こんなのしかないけど」

「じゃぁ、私も……………」

 

そう言って、金色の少女は自分の黒いリボンを外し、桜色の少女の前に出した

 

 

 

そして、互いのリボンを………交換した……………

 

 

 

 

 

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……………こうして、友達となった二人を、遠くから見ていたある二人は……………

 

「ううううう………やっぱり、やっぱり………! このシーンは神だよぅ………うっ、うぐっ………感動だよぅ……………(T_T)」

 

……………分からん。どこが感動するんだ? これ………まぁ、話の筋を知っていれば、分かるんだろうがな

 

「しかし、なんで二人とも頬を染めてたんだ? あれじゃぁ、恋人同士にしか見えねぇじゃねぇか………つか、女同士であんな顔になったら、同性愛者に間違われんぞ………?」

「あの二人は恋人同士だよ? まぁ、近い未来に何だけどね」

「レズビアンか?」

「百合って言ってよ、レズなんて生々しいから(;一 一)」

「あっそ」

「まぁ………私の恋人にしちゃうけど、ね………うふふっ」

「……………はぁ」

 

そうだった。こいつはそうだった。そう………このゲス妹は、“レズ”だ。物心がついた時から、女にしか興味を抱かなかった。っていうか、男全般が嫌いだとか………だが、俺に対しては、なぜか友好的だったが………まぁ、今は別にいいか

 

とにかく、自然にため息を吐いてしまい、そのまま足元のほうへと、視線を向けた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

[ついんッ]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――――は?」

 

なにやら、見慣れないモノが目の前に………いや、自分の“胸”にあった

 

「……………ナンダコレ?」

 

いや、ナンダコレという言葉は間違っているだろうな。あぁ、知ってる。知っているぞ、コレ。うん、知らねぇ訳がねぇからな。あまりコレに対して興味と言うものが無いのだが、どういったものかは知っている。うん、知っている。知識として知っている

 

だが、ここで重要なのはそこじゃねぇ

 

 

 

なんで、コレが、俺に、付いているのか……………

 

 

 

「なんで胸が膨らんでんのォォォォォォォォォォォォーーーッッッ!!!!!!???」

「ひゃぁッ!!? び、びっくりしたぁ……………」

 

ちょっと待てッ!! なんなんだコレはッ!!? なんで? なんで俺こんなモンもってんだッ!!?

 

「あれ? まさか、気付いてなかったの? てっきり、気付いてるんだとばかり思っちゃってたんだけど………?」

「あ………あああ、あ……………」

 

って、つーか………確かコイツ、俺の事を始め認識してなかったな。っていうか、まさかとか言ってたよな………それってつまり、姿が変わってるってことだよな………それが、なんでこうなっているんだッ!!?

 

「ちょっと、待てよオイ……………」

 

自分の体を触ってみたら、明らかに違っていた。丸刈りにして無かったはずの髪は生えており、しかも腰の位置まで伸びてる。それに、腰辺りの間接が明らかに男のそれとは違って―――――

 

「……………ま、まさか……………」

 

恐る恐る、股の所に手を伸ばして、あるモノが有ることを確認しようとした………ら

 

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!?????????」

 

 

 

有るはずのモノが、そこになかった……………

 

 

 

「凄い綺麗だよ、お兄ちゃん………いや、この場合は………“お姉ちゃん”かな?」

「――――――――――そ、そん、な……………」

 

 

 

 

 

俺は、“女”になっていた……………

 

 

 

 

 

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「なんでこんな事になってんだッッッ!!!!!!??? 説明しやがれこのクソ妹ォ!!!!!」

「お、お〜ち〜つ〜い〜て〜(*_*;」

 

この状況で落ち着ける奴がどこにいるッ!!!! 性別がまるっきり変わって落ち着いていられる訳ねぇしッ!!!!

 

「声は前のままだが、服はいつの間にか女モノになってるし………つか、これだとまさか、下着まで女物なのかッ!!?」

 

とにかく、自分が元男だと言えるのは声だけで、それ以外はすべて女になっていた……………

 

「テメェのせいだろ!!!! どう考えてもお前以外に考えられんのだが!!!!??」

「わ、私、知らないよ〜〜〜〜〜!! だって、お願いした能力欄に、“性転換”なんて書いてないし〜〜〜(― ―;)」

 

じゃぁなんでこん事態が起きてんだ!!!

 

「多分、神様の気まぐれ?」

 

もしそうだったらあのクソ神、いつかブッコロス!!!

 

「クソッ!! なんてこった……………」

 

転生なんて訳の和からない事されたまま、そんで生き返ったらこんな場所に落とされて、そんでアニメの世界だぁ? そして、女にされた………何がどうなってんだッ!!? 夢かコレはッ!!!? 夢であってくれっ!!!!

 

「ナンテコッタイ/(^∀^)\」

 

笑ってんじゃねぇッ!!!!

 

[ゴチンッ!!!]

「イッターーーーーーーーイ!!!!?(>_<)」

 

まったく、どうしようもない妹だな、毎度毎度………つーか、今後俺はどうすればいいんだ? このまま女として生きていくのか?

 

「そうなんじゃない?」

 

嫌だ!!! 絶対にんな事はご免だ!!! 何とかして、男になりすますしか……………

 

「……………無理、だな……………」

 

こんな大きな胸(ってか、どんだけあるんだ? この胸。意識し出したら、急に重くなってきた……………)じゃぁ、隠そうにも隠せんし、便所だって、男用のは無理あるし………つか、もし銭湯とか行った時には……………

 

「諦めたら〜?」

 

……………くっそぅ……………

 

「しかし、なんで俺が女なんかに?」

 

いったい何があったんだ? 考えられるのは、あのクソ神の仕業か………もしくは、コイツの考えた能力に関係しているのか………いったい、なにg

 

[ぐぅぅぅ〜〜〜っ]

「あ(゜o゜)」

 

……………腹減った

 

「しょうがない、腹ごしらえでもするか」

「んじゃ、ファミレスにゴー!!!」

 

なんでファミレス?

 

「こういう時は、しっかりと食べた方がいいんだよ。ほら、言うじゃん、“腹が減っては戦は出来ぬ”って」

 

あっそ。んじゃ、適当に行くか

 

 

 

 

 

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んで、ファミレス(24時間営業の)に着き、注文して、飯を食っていたのは良いが……………

 

「金、あんのか?」

「\(◎o◎)/!」

 

おい……………

 

「だ、大丈夫だよ! きっとなんとかなるよ!………多分(^_^;)」

「………はぁ、前途多難だな」

「妙に冷静だね。犯罪を犯しそうな所まで来てるってのに」

「知らねーよ」

 

まぁ、この無一文の事態は何とかなりそうだと感が訴えている………ので、とりあえず現状確認をしておこう

 

「“敵を知り、己を知れば百戦危うからず”、だね(^^)」

 

五月蠅い、黙れ、そして心を読むな、死ね

 

「……………まずは、テメェが考えたっていう特殊能力って奴がどんなのか、教えてもらおうか」

 

まずは、自分達がどんな力を持っているかを知るのがいいだろう。もしかしたら、その中に俺が女化した理由があるはず……………

 

「えっと……………あ、紙があるから、それに書くね」

「どうでもいいから、さっさとしろ……………」

「はぁーい(^−^)カリカリカリカリっと♪」

 

キメェ……………

 

「カリカリカリ………でけた!!」

「貸せ」

 

キモい妹からそれを引っ手繰って紙を見てみる……………

 

「……………なんなんだ、コレは」

 

内容はかなり異常なモノだった。“膨大なエネルギー”? なんか明らかに変なモノだし………“魔導の心得”と“武道の心得”ってなんだ? いったいなんの心得だよ。んで……………

 

「……………コレ、か」

「なにが?」

「俺が女になった理由。多分これが原因だ」

 

俺は、紙に書かれた(バカみたいな)能力の一覧の一つを指差した

 

「ん?……………あぁ!!!! なるほど!!」

「なるほどじゃねぇよ、ったく……………」

 

そこにある一つの能力………俺の記憶が正しければ、それは確かあるゲームの能力で、女性限定の力だったはず。故に、女でなければ都合が悪いのだろうと思ったあのクソ神は、俺を女にしたのだろう。迷惑な話だ

 

「はぁ、不幸だ……………」

「上条さんマジぱねぇッス!」

 

訳分からん事をほざくな。しかも会話になってねぇし………しかし、今自分にある能力は分かったが、どれもこれも生活に役に立たないモノばかり。もっとマシな能力考えろ、ったく……………

 

「まぁまぁ。色々すれば、多分使えるようなモノも出てくるよ、きっと(^−^)」

「その前に、この飯代をどうするのかを考えないとな。ってか、結構頼みやがって……………」

「あ……………」

 

忘れてたなコイツ……………

 

「はぁ。さて、どうしようか……………」

 

金もなければ家も無い。っていうか、戸籍すらないのか? だとすれば、法的関係に助けを求めようにも、まず無理だ。なら、今後どうやって生きていけばいい? このまま野垂れ死になるのは勘弁だし、どうしようもないな……………

 

頬杖をしながら、今後の事を考え出した………本気で不味い。そう考え出した時に

 

「あれぇ? 姉ちゃん達? こんな時間にお食事かい?」

「つか、一人はお子ちゃまみたいッスよ、兄貴」

 

チンピラみたいな奴が4名、絡んできた

 

「(こんな朝っぱらにも、こんな人間はいるんだな……………)」

 

ちなみに、現時刻は8時16分。しかも平日。だから客も少ないし、周りを見たら俺達とこのチンピラ組と、あと一組の男女(多分カップル)がいるだけだった

 

「姉妹かな? 二人揃って綺麗でいいねぇ……………」

「なぁ、お兄ちゃん達と遊ばない? 仕事で疲れてしょうがないんだよぉ」

 

こんな時間にナンパか。さすがアニメの世界、普通じゃないな………ははっ、笑いすら出てくる

 

「(だけど、めんどくせぇ連中に絡まれたな……………)」

「(ど、どうしよどうしよ!! どうすればいいのお兄ちゃん!!?)\(゜ロ゜)/」

 

とりあえず、どうするべきか………なんとか穏便にいきたいが………ん? そういや、体が女なんだから、アレも女なのか?………かなり嫌だが、やってみるか……………

 

「なぁなぁ、いいだろう? 姉ちゃん」

「(お、お兄〜ちゃ〜ん!!!)(T_T)」

 

さて、やってみますか

 

「ッん………えぇ、いいわよ」

「え?(◎_◎)」

「「「「うほ///」」」」

 

―――――出た、女声………まさかと思ってやってみたが、やはり声帯も女になっていたようだ。だが、何故女の声帯で前の男声が言える? まぁ、それはどうでもいいか。つーか、キメェ………仕方ないとはいえ、コレはキツイ………まぁ、やるしかないか

 

「いいわよ、付き合ってあげる。代わりに、これをお願いできるかしら………?」

 

と言って、チンピラのリーダーらしき奴にあるモノを突き付けた

 

「へっへ、これぐらい安いもんよ」

 

そういって、男はソレを受け取った。バカでよかった

 

 

 

 

 

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そして、チンピラ四人に囲まれながら、店を後にした(ちなみに分かっているとは思うが、食事代はこのチンピラ共に………気持ち悪くて仕方なかったが………色仕掛け? して奢らせた。おかげで、あの状況からは脱する事ができた)

 

《ね、ねぇ………だ、大丈夫なの?》

 

例によって、このクソ妹が話しかけてきた。しかし、その言葉は頭に響くモノで、このチンピラ共には聞こえていないようである………なんか、もうこんな事が起きても、驚かなくなってきていた

 

《あ、コレ念話ってやつね。“魔導の心得”のおかげで、どんな魔法も使えるんだよ。簡単だから、お兄ちゃんもやってみれば?》

 

なんだそのファンタジーな能力。まぁ、そんなモノがあるなら好都合だ

 

《いいか、こいつ等を人目のない場所………まぁ路地裏でいいや。そこに行くだろう。そしたら、また指示を出す》

《ま、まさか……………(一_一;)》

 

まぁ、これも生きるためだ。こいつ等には悪いが、ちょいと痛い目にあってもらう

 

 

 

 

 

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そして案の定、こいつらは俺たちを路地裏へと連れ、何かをしようとしたらしいが、その数秒後……………

 

「「「「きゅ〜〜〜〜〜……………」」」」

 

あの時のチンピラ共は、伸びていた。コイツが考えた“武道の心得”って奴を使い、こいつ等をどこぞの格闘術でブッ飛ばして、気絶させたのだ。どうも、身体能力も強化されているためか、呆気なく倒れた

 

「……………ねぇ、お兄ちゃん」

「なんだ」

「“お姉様”って、呼んでいいですか?」

 

……………もういい、好きにしろ

 

「さてと、今のうちにコイツらの財布から金をふんだくるとするか」

 

犯罪をしているというのは自覚しているが、こんな状況で生きるためにはしょうがないことだ。なにせ、警察なんかに行っても、何も信用しちゃくれないだろうしな。俺たちには戸籍が無いかもしれんし、考えてみれば、これは不法入国みたいなモンだ。だから、世間的にはこっちが悪者だしな………しかたない、もう割り切ろう。生きるためにな

 

「さすがお姉様!! 私には想像もつかない事を平然とやってのける!! そこに痺れる憧れる〜!!!」

 

……………とにかく、コイツを早く黙らせたい……………

 

 

 

 

 

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そして、チンピラから金を巻き上げた後、とにかく今後住む家を探そうと思い、自分たちがいる街………海鳴市って名称らしいが………そこの隣町である遠見市という街のあるマンションへとやってきていた

 

「わぁ………やっぱり良いよねぇ、このマンション! すっごく快適〜(^−^)さすがフェイトちゃんが使っていただけはあるね」

「あっそ」

 

俺は男声………どうも、男声と女声、変えられるようだ………で冷たく答えたが、コイツは反論してこない。こうして考えてみると、“普段通り”な感じに思えてきた。生前(?)でも、こんな感じだったし

 

「はぁ〜、このベッドイイに〜お〜い〜………これが、フェイトちゃんの匂いなのか!?」

 

変な趣味を持つ妹は放っておこう

 

「にしても、お姉様の力でお金をポンポン作り出して、さらに管理人を魔法でだましてこのマンションに住むとは………越後屋、そちも悪よのうw」

「さてと、まずは家具をそろえねぇとな……………」

 

そう………この場所に到達するまでには、そう苦労はしなかった。まず、住む場所について、この妹と相談しようとしたら……………

 

〜〜〜「アースラスタッフが使うマンションに先回りしてご近所になるか………廃ビルを利用して住んじゃうか………ハッ(゜ロ゜) フェイトちゃんが使っていたマンション!!」〜〜〜

 

という事で、フェイト・テスタロッサ………だっけか?………が使っていたマンションに住む事になった。どうやらまだ契約が切れていなかったので、そのまま自分達がその名義で居座ろうとおもってたが………管理人が俺達を怪しみ、警察を呼ばれそうになった所を、俺が精神操作(いわゆる洗脳)魔法を使って強引に黙らせた。しかし、タダで住むのは気が引けた為、チンピラから巻き上げた金全てを献上し、入居費にしたのだ………因みに、あの時巻き上げた金額は、しめて40万円………なんでそんな大金を持ち歩いていたんだろうとは、気にしていない……………

 

それからまた無一文状態に戻ってしまったが………妹の発案で、俺の能力を使えば金を作れるのでは? という考えが生まれ、やってみた結果、見事金を作りだす事が出来た。犯罪だが、ばれなきゃ問題ない(ちなみに、出来た金を自販機に通してみたら使えた。だから、問題なく使用できると判断した)……………

 

そうして、生活の場と、食べ物、衣服を買う金………衣食住の確保は難なく終えた。それらを整えるのに、たった一日で済ませてしまうとは………便利だな、魔法って

 

「後は、何して過ごすか、か……………」

「もちろん、介入行動に決まってんじゃん!」

 

介入? つまりあれか? アニメの世界の出来事に関わるってか? は、冗談じゃない。俺は関わる気なんてないからな………勝手にしてろ

 

「えっと〜………あのシーンが今朝だったから、無印が終わった直後ってことだよね。そいで〜、今からA,sが始まるまでの空白の半年間、か………う〜ん……………」

 

……………本当に勝手にやり出したよ、コイツ………まぁいいや。何か適当に過ごすか

 

「ダメだよ! お兄ちゃんもキッチリ介入行動に参加してもらうからね!!」

「……………は? なんで俺もそんなメンドイ事しなきゃならんのだ」

「だって、面白いじゃん!!! アニメのキャラクター達とドンパチ出来るんだよ!!! 話せるんだよ!!! 触れられるんだよ!!! こんな機会、絶対に無いんだよ!!! オタク共やマニア共も経験したがる行為が出来る可能性を持ってるんだよ!!! トキメクような体験が出来るんだよ!!!?」

「興味ねぇし」

 

はっきり言って、アニメなんかに興味はないしな………っていうか、なんにも興味がない。無趣味と言ってもいいな、あぁ………前までは、暇つぶしにゲームしてたくらいだしな

 

「枯れてるなぁ………一般人でも喜ぶような内容なのに(;一_一)」

「知らん、んな事」

「う〜ん………やっぱり、この時期からの介入だと、はやてちゃん達ヴォルケンズに味方するべきかなぁ………でもでも、なのはちゃん達に敵対するのはなんか嫌だなぁ………なんかいい案無い?」

 

俺に聞くな。と言いたいが………実はこの“魔法少女リリカルなのは”っつうアニメのことは、だいたいの事は“知っている”

 

理由は簡単、ここにいるクソ妹がそういう話をいつもしているのを、無理やりに聞かされ続けていたので、嫌でも覚えてしまったのだ。そして、極めつけには映画館まで行って、それを一緒に見た……………

 

「(あん時映画館にいた連中、キモ過ぎたな………思い出しただけで、怖気が走る)」

 

……………もう、思い出すのすら嫌になったわ。さて、思考を変えよう

 

「自分の好きにすればいいだろ。ったく、俺を頼んな」

 

いつも通りに、冷たく突き放すのであったが

 

「お兄ちゃんの意見が欲しいの。私だけじゃどういう風にしていくか、全然決まんないから………やりたいことが有りすぎて、どれから手を付けるべきか、ちょっと………わかんないから」

 

……………はぁ。しょうがねぇなぁ………なぜか、こういう態度取られると、俺はコイツに対して甘くなってしまう

 

「ならこうすればいいだろうよ。お前がアレ………“A`s”だったか? それを見てお前は何が不満に思ったのか、何が気に食わなかったのか、改善したいと思った所は何だ………それをまず上げてみろ」

「う〜ん………色々ありすぎる(;一_一)」

 

……………あぁ、ダメだこりゃ。煩悩の塊か? ってか、どれだけやりたいことがあるんだ、コイツには……………

 

「なら、一番、これだけはなんとかしたいって思う事を上げてみろ」

「う〜ん………まずは、リィンフォースの救済。あれは悲しすぎるから………リィンフォース、彼女には、はやてちゃんの傍にいて欲しい。私は、そう思う」

「あれか………アレはアレで重要なシーンだろう? そして、ソレが無ければ、後に生まれてくる奴の存在が無くなる事になるぞ」

「そこはなんとかするよ」

 

はいはい………ま、勝手にすればいいしな。アニメの出来事なんざ、いくらでも変えていいだろうしな。なにしろ、現実としてあるんだからな……………

 

「次は、五話のあの戦いの時のヴォルケンズ。あの時、はやてちゃんを一人ぼっちにさせていたのを後悔してた………ううん、その時だけじゃない。あの時もあの時も………ようやく訪れた幸せがあんな風になるのは、嫌だよ……………」

「……………」

 

なんだ、考えて無いようで、色々考えてあんだな………家族、ねぇ……………

 

「そして、あのクッソ忌々しいリーゼ姉妹!!! アイツらの介入はマジあり得ない! KY過ぎる!! さすがクロノ君の師匠、あのKYさは師匠譲りだったんだね(-_-メ)」

 

……………くだらねぇ……………

 

「アイツらはKILLする!! KILLしないと気が済まない!!!」

「……………んじゃ、それらを回避させるにはどうするべきか、考えな」

 

ここまでヒントを言ったんだ。いくら馬鹿でも、ここまで伝えれば妙案の一つや二「となると、ヴォルケンズサイドに決定だね。まずは、はやてちゃんに接触。そして、私がはやてちゃんの住み込み介護ヘルパーになるっと」

[ドンガラガッシャーン!!!]

 

―――――はい??

 

な、なにいってんのこのイカレ娘、頭の螺子ちゃんとしまってんのか? つーか、何故にどうして介護ヘルパー? 何故に住み込み?

 

「“ギル・グレアム”は確か、はやてちゃんへ生活援助をしている。アイツの名前を使えば一発で信用してくれると思うし。それに、はやてちゃんは揉み魔。こんな上等な胸を見せつければ、絶対に………グッフッフッフ(*^_^*)」

 

……………そういや、コイツも胸デケェな、10歳のくせに

 

「そうすれば、第五話のあの悲劇は回避可能! それに、ヴォルケンズとも早い段階で接触出来る。まさに一石二鳥! いや、はやてちゃんと友達になれるから三鳥!! いや!! はやてちゃんに胸をもまれるから、四鳥!!? やばい、鼻血出そう(*>_<*)」

 

マジで出てるって、おい………どんだけ興奮してんだ? つーか、キモイ。そんなことでいちいちんな事すんな………知ってはいるが、やっぱ変態だよコイツ

 

「あー、はいはい、分かりました。んで、その猫姉妹? は、どうすんだ?」

「私がグレアムの名前を出せば、多分即座に行動する。その時に潰す。それでも行動を起こさなかった場合は、アイツらが行動を起こした時に潰す!!! オメェーらの出番ねぇから〜w って(*^_^*)」

 

なんだそれ………んで、救済については?

 

「結局、そこだね………防衛プログラムを何とかすればいいんだけど、無限再生プログラムの削除か………まぁ、コレは今はいいかも(・_・)」

「そうだな、確か………あと半年近くあるのか? それまでに考えておけ」

 

しかし、その間までに打開策を考えられるのかが、勝負だな………って、なんでここまで考えてんだ俺………どうせ俺が関わるようなことじゃないんだ、ここまで真剣に考えてどうする?

 

「うっし!! じゃぁ今日は準備して、明日ははやてちゃんに接触して、いきなり住み込む!!! 作戦名、“私とはやてちゃんのドキドキ同妻生活!?”作戦、開始〜!!!\(^o^)/」

 

アホここに極まれり………もう知らんと思いつつも、なぜか構ってしまう………はぁ、なんで俺は、こんな奴に甘いんだろうか……………

 

「はぁ、鬱になる……………」

 

まぁ、暫くは好き勝手させておこうと、そう決めたのであった……………

 

 

 

 

 

 

説明
―――――そして、とある兄妹の新たな人生が、始まった……………―――――

死んで神様と出会い、転生をすることになったとある兄妹。兄は嫌々と、妹は喜々として転生。そして、降り立った場所は、なんと妹がオタクとなった元凶ともいえる作品………“魔法少女リリカルなのは”というアニメの世界だった。そして、転生したことによってか、兄の身には、異変が起きていた
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魔法少女リリカルなのは オリジナルキャラ 兄妹 転生 性転換 

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