迷子の果てに何を見る 第七話 |
第七話 教授
side レイト
艦隊を沈めてから一週間が経ち、ようやくアリアドネーに到着しました。
昼過ぎに到着したのでとりあえず宿を取りエヴァたちと街を散策しています。
エヴァがとりあえず酒が飲みたいというので酒場に行きテーブル席に着いて酒を注文する。ふと賞金首の情報が載っているボードを見るとオレの賞金が変わっていた。
100万$→2000万$
(;゜Д゜)
(゜Д゜;)
(;つД⊂)ゴシゴシ
(゜Д゜)え?20倍?
隣でエヴァも同じ様な顔になっていた。
待て待て待て、注意事項が書いてあるぞ。
生け捕りに限る。死亡時は100万$
「さて次は何を飲もうか」
「現実逃避をするな」
「いや、だってさぁ」
「言いたいことは分かるが現実をしっかり受け止めろ」
「分かってる。分かってはいるんだが」
「諦めろ、それだけお前の魔法は特殊なんだ」
こんな会話をしているが周りにはたわいのない会話に聞こえる様にしている。
しているはずなのになぜか黒服の人たちに囲まれてしまいました。
「失礼ですがエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル様とレイト・テンリュウ様ですね?」
「そうだと言ったらどうする」
「学園長がお会いしたいと申されております。できればご同行願います」
「それは『形なきもの』にですか」
「いえ、『教授』にお会いしたいと」
「エヴァはどうする?」
「私も行こう」
さってと鬼が出るか蛇が出るか。
とりあえず 色々用意だけはしときますか。
side out
side アリアドネー学園長
儂の目の前に今世間を騒がせている二人の賞金首がいる。
一人はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。真祖の吸血鬼だ。賞金額は1200万$過去最高額の賞金首だ。
そしてもう一人、レイト・テンリュウ。正体は不明。賞金額は100万$。ただし生け捕りの際は2000万$。
二人がこのアリアドネーに来た理由は不明だがこちらから手を出さない限りは安全というのが儂の見解だ。特にレイト・テンリュウに関しては命の保証だけはされておる。だが機嫌を損ねてはどうなるか分からない。さて目的は何なのだろうな。
「はじめまして、儂はここの学園長だ」
「はじめまして、こちらの自己紹介はふようだろう。早速だが本題に入って欲しい」
「ふむ、ならば率直に聞こう。ここには何の用で来たのかね」
「私たちの研究の場を求めてだ」
「研究の許可と衣食住をくれれば代わりと言っては何だがオレが『教授』として教壇に立っても良い」
「ほう、それは」
「無論、世間を騒がせている技術の一部だ」
話がおいしすぎる。一番最初に思ったのはこれだった。そして裏があるのではと思ったが必要性が思いつかなかった。
「一部というのはどういうことかね」
「難易度が高すぎるものだ。これに関しては素質のあるものには伝授するつもりです」
「そうですか。できれば何を研究するのかを教えていただけるとありがたいのですが」
「申し訳ありません。これについてはお話しすることが出来ません」
「どうしてもですか」
「どうしてもです」
これは此所で退かないと交渉は決裂しそうじゃな。
「わかりました。エヴァンジェリン殿はどうされるので」
「私か?そうだな、私は研究の一部を提出しよう。教壇に立つかどうかは知らん」
「では部屋の方等は用意させておきますので明日お越し下さい」
「了解した。ではまた」
二人が部屋を立ち去ると同時に部下に指示を出す。
あの二人がこれから何をなすのかじっくり見届けさせてもらおう。
side out
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何かを世に残すなら オレは思いや信念、技術を残したいね。 byレイト |
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