番外編 ムッツリーニと遊園地
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アニスサイド

 

 

〜〜♪〜〜♪

 

 

「……ふみゅ……電話……?」

 

 

朝、俺は自分の携帯の着信音で目が覚めた。

うぅ、誰だよ〜……俺は朝が苦手なんだ……。

仕方がないので、俺は電話に出る……。

 

 

ピッ。

 

 

「……はい……こふぃら、アニフでふ……好きな食べ物は……汁物でふ……九歳でふ……」

 

 

《……もしもし、土夜です》

 

 

「……ふぁ……ムッツリーニ……?……どうふぃたの?」

 

 

《……今日俺と、遊園地行かない?》

 

 

「……ムッツリーニ……冗談は……君の性癖だけに……してください……」

 

 

《……それは心外。俺は、普通だ》

 

 

「……ふぁ……そうでふね……それで……どうふぃて、俺なの?」

 

 

《……単純に、アニスと行きたいと思ったから》

 

 

「……わふぁりまふぃた……でふぁ……何時に……集合しまょう……?」

 

 

《……今が朝の六時半くらいだから……九時半に……海鳴公園で、待ってる……それじゃ》

 

 

ブツッ……ツー、ツー……ピッ。

 

 

……はぅ、どうやら……ムッツリーニ君は……俺とデートしたいみたいです……。

……どうしましょう……下着は……勝負下着の方が……良いですかね?

……まぁ、……俺はいつも……スパッツの下は……何も……穿いてないんですけどね……。

 

 

「zzzzzz……」

 

 

そして俺は、また眠りについてしまった……。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「おい、アニス。起きろ!!」

 

 

「……ふぁ……アンふ?……もう少し……」

 

 

「何言ってんだ!もう八時半だ!いい加減寝すぎだ!」

 

 

「……八時半……」

 

 

はっ……思い出した……確かムッツリーニから電話がかかって来て、遊園地行く約束してたんだ。

危ない危ない。このままアンクが起こしてくれなかったら、ずっと寝てたよ。

 

 

「……おはよう……アンク……」

 

 

「あぁ……それより、顔洗って来い。もう朝飯だ……。あ、ちゃんと服着てから来いよ!」

 

 

「……はーい……」

 

 

バタン……。

 

 

「……さて……何を着て行こう……」

 

 

とにかく、今は顔を洗う事よりも優先すべき物はそれだな。

何を着て行こう……取り敢えず、最近某幻想郷の祟り神様の帽子を買ったので、それを被って行こう。

次に上……いつも通りパーカーで良いんだけどな〜……どうせならクドリャフカみたいにマントでも羽織る?

よし、採用。

次に下……よし、ジーンズで決定だ。

 

 

「……すっげぇ痛い子に見える……特にマント……帽子は良いね。何かぴったりだ」

 

 

想像できない人は……そうだね、可愛い男の娘が、マントを羽織って、ジーンズ穿いてて、パーカー着てて、ケロちゃんの帽子を被ってるのは想像してみれば良いよ。

 

 

「さて、行きますか」

 

 

俺はそのままリビングに向かう。うん、まだ中に入ってないのに、朝食の良い匂いがしてくる。

 

 

「おはよー」

 

 

「あ、アニス君おはよう。どないしたん?そんなにめかし込んで?デートでも行くん?(笑」

 

 

「まぁ、そんな所だね」

 

 

ピシッ……。

 

 

空気が固まる音がした……何でだろう?あ、アンクが凄い形相でこっち見てる……。

何か近づいてきた、つうかこっち来た……。

 

 

「誰だ……何処のどいつとだ!」

 

 

「キャッ!?ア、アンク!?何々!?ちょっと……いたっ……痛いよ……」

 

 

「うっ……すまん……」

 

 

「全く……別に、デートって言うのは言葉の綾だよ。今日はムッ……じゃなかった。土夜君と遊園地で遊んでくるだけだよ」

 

 

「な……何や……男の子か……って……土夜君って誰や?」

 

 

「……俺は却下だ!何であんな変態と遊園地に行くんだよ!」

 

 

「えぇ!?その子変態さんなんか!?」

 

 

「いや、確かに変態だけども……あれでも結構面白い人だよ?まぁ、行くなって言われても行くけどね」

 

 

「……はぁ、何かされそうになったら電話しろよ?そいつ殺してやるから」

 

 

「あはは……アンクさん物騒やなぁ……許可するで」

 

 

おぉう……ムッツリーニ……君に死亡フラグが立ったよ……どうしましょう。

……まぁ、お触り程度なら怒らんけど、流石にムッツリーニも男。俺をどうこうしようと思うわけないでしょうに。

たぶん、俺の写真とか撮って、ムッツリ商会で売りさばくつもり何だろう。

 

 

「まぁそんな事より、朝ご飯にしよ?俺なら大丈夫、いざとなったら大声出して助けを求めるさ」

 

 

ごめんムッツリーニ……流石に俺は君の事を庇いきれないわ……なんてったって、ムッツリーニなんですもん。

まぁ、ムッツリーニは変態という名の紳士なので、そういう事は全くしないから大丈夫。

だから好きなんです。彼は別に、俺をどうこうしようと企んで遊園地に誘ったわけじゃないはず!

 

 

取り敢えず、飯食お……。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

キング・クリムゾン!!

 

 

時を……結構消し飛ばした。既にアニスは待ち合わせ場所に着いている。

 

 

「つっちや〜!!おっはよー!」

 

 

「………おはよう」

 

 

「もぅ、いきなり誘わないでよ。もし俺に用事とかあったらどうする気だったの?」

 

 

「………その時はその時」

 

 

「……はぁ……駄目だよ?ちゃんと一日前とかに言ってよ〜。今度からはそうする事!良い?」

 

 

「……把握」

 

 

「ん、分かればよろしい。さて、行こっ!俺、遊園地とか初めてなんだ!エスコートお願いね」

 

 

「……任せて」

 

 

相変わらず、口数が少ないねぇ。

まぁ、そこがムッツリーニか……。

 

 

「……それよりも、着る物は統一した方が良い」

 

 

「あ、分かる?まぁ、これしかなかったんだ。似合ってない?似合ってなかったらマントは取るけど」

 

 

「……似合ってる。だけど、クドのマントを羽織るなら、帽子はやっぱりクドの帽子の方が良い。そのケロちゃんの帽子でも確かに良いけど……今度からはそっちをお勧めする」

 

 

前言撤回……結構喋る奴だった……。

お前、この小説に出てきてから一番喋った場面なんじゃね?あ、メタ発言禁止?知ってるよコノヤロー。

 

 

「それじゃ、行こっ!」

 

 

「………(コクリ)」

 

 

そんなこんなで、俺とムッツリーニは遊園地に向かった。

道中でムッツリーニは俺の写真を撮ってたが……まぁ気にしないでおいた。

それよりも、結海鳴から少し出るのか……あ、ただ今電車の中でございます。

そういや、転生してから電車に乗るのは初めてだな。

やっぱ休日なので、人がたくさん……だから立ちたかったんだけど……。

 

 

「吊革が……届かない……だと……」

 

 

「……やっぱり席に座ったら」

 

 

「ふっ、ムッツリーニ……この完璧健康なアニス君を舐めるな……吊革無しで立っててやる!!」

 

 

「……無理はいけない」

 

 

「へっ?ちょっ……!」

 

 

ムッツリーニはいきなり俺の手を掴み、引っ張って行く。

そして、着いたのは席が一人分空いている車両。

 

 

「……座って良いよ」

 

 

「ムッツリーニ……悪いよ、俺だけ座るなんて」

 

 

「………気にしない」

 

 

「いや、お前が気にしなくても俺が気にするんだが……あ、そうだ……。ムッツリーニが座って、俺がムッツリーニの膝の上に乗れば良いんだ!」

 

 

「……それは」

 

 

「ほら、早く早く!」

 

 

「………出来ない」

 

 

「もう!ほら、座った座った!」

 

 

「うわっ……!」

 

 

ドサッ……ポス。

 

 

「うん!これでオッケー!」

 

 

「………し、刺激が」

 

 

何か後ろで聞こえたが……気にしないでおこう……。

 

 

「あ、ムッツリーニ。鼻血は出さないでね?」

 

 

「………出そう」

 

 

「鼻押さえてなさい!」

 

 

「………」

 

 

「………おい、大きくするな……違和感あり過ぎて嫌だ」

 

 

「………ごめん」

 

 

「……はぁ、謝んないでよ。て言うか、欲情するな」

 

 

こいつは……大丈夫かな?

まぁ、こいつに限って間違いはないと思うから良いけどさ。

 

 

「それより、大丈夫?」

 

 

「……何とか」

 

 

「……うん、分かった、分かったから耳元でハァハァしないで。弱いんだから」

 

 

「………善処する」

 

 

ま、まぁ……とにかく悪い奴じゃないし……仕方ない、許してやろう。

それも男の性だ。本編ではこいつ、秀吉でもこうだったし……まぁ、初めから怒ってないけどね。

俺も男、良く分かるよその気持ち。

 

 

取り敢えず、俺とムッツリーニは、遊園地に向かうのでした……。

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〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

「おぉ!ここが遊園地!でけぇ!テンションあがって来たよ!」

 

 

「…………(グッタリ)」

 

 

「……あの……俺が言うのも何なんだけどさ、大丈夫?」

 

 

「……心配ない」

 

 

「そっか、ごめんね、無理させちゃって」

 

 

「………子供に心配されるような軟じゃない」

 

 

「………えいっ」

 

 

俺は何かむかついたので、ムッツリーニに抱き着いてみた。

そしたらムッツリーニは鼻血を出して悶えてしまった。

 

 

「あはは!やっぱ軟じゃん!」

 

 

「………それは反則」パシャッ

 

 

「おっ、早速一枚?気が早いね」

 

 

「……撮れる内に撮っておく」

 

 

「いつ倒れても良いように?」

 

 

「………(コクリ)」

 

 

「あはは、やっぱ軟だ。それじゃ中に入ろうか?」

 

 

「……(コクリ)」

 

 

俺とムッツリーニはようやく遊園地の中に入る事にした。

まぁ、無駄話してたら時間無くなっちゃうしね。

 

 

「あ、そうだムッツリーニ」

 

 

「………?」

 

 

「手、繋ご?俺こんなナリだからさ、人ゴミに簡単に飲まれちゃうから。迷子になりたくないし、ムッツリーニにも迷惑掛けたくないわけよ。だから、繋ご?」

 

 

「………把握」

 

 

ムッツリーニはそう呟いて、俺が突き出している手をぎゅっと握る。

……やっぱ大きいな、ムッツリーニの手。まぁ、俺がほぼ幼稚園児と変わらない体格だから仕方ないんだけどね。

 

 

「えへへ、ムッツリーニの手、暖かい」

 

 

「………」パシャ

 

 

「もぅ、また写真。案外恥ずかしいんだから、自重してよ……あうあう……」

 

 

「………」パシャ、ボタボタ

 

 

「こらこら、鼻血流さない。変質者扱いされるよ?」

 

 

そんなこんなで、乗り物に乗るチケットを買い、そのまま遊園地内に入った。

それにしても、やっぱ休日だから人がいっぱい。

子連れからカップルまで……子連れは良い、だがリア充、てめーらは駄目だ。

 

 

「……何から乗る?」

 

 

「う〜ん……ジェットコースター……と言いたいけど……あはは、この身長じゃ規定に引っかかっちゃうから駄目か……」

 

 

「……大丈夫、ここのジェットコースターは割かし安全にできてるから、小さい子でも乗れる仕様になっている」

 

 

「ホント!?じゃあ行こうよ!」

 

 

「……良い笑顔」パシャッ

 

 

「も〜、だ〜か〜ら〜!恥ずかしいってば!」

 

 

全く、油断も隙もない奴だ。

俺、あんまり写真撮られるの好きくない。

まぁ、それからも写真を撮られながらジェットコースター乗り場に着いたのだが……。

 

 

「うっわぁ、人がゴミの様だ」

 

 

「……ムスカ乙」

 

 

何か、長者の列が如くの勢いなのだが……。

あ、そうだそうだ、帽子とマント取っとかないと。ジェットコースターの勢いで飛ばされかねないし。

 

 

「……持とうか?」

 

 

「ん?大丈夫大丈夫。自分の荷物だし、これ位持てるよ。いくら非力だからって、それは心外だよ?」

 

 

「……冗談」

 

 

「おい、ムッツリーニ」

 

 

全く、こいつの冗談は分かりにくい。

それにしても、ホントに人気だよな、ジェットコースター。何処の遊園地でもそれが目玉だし仕方ないか。

 

 

「つうか、前が見えん……」

 

 

「……まだだいぶある」

 

 

「そうか……あ〜、暇だ……」

 

 

「……アニスって、結構無責任」

 

 

「あはは、俺もまだ子供ですから。でもま、自分で言った事は大体責任持ってるよ?まぁ、今回はホントに先が見えないからつい口にだしちゃったけど」

 

 

「……やっぱりアニスは俺より大人」

 

 

「あはは、気持ち悪くないかな?実際、他の同い年の子よりも成長してないけど、口調とか考えが逸脱してるから……」

 

 

「……そんな事ない。大丈夫、アニスは気持ち悪くなんかない」

 

 

「……えへへ〜、ありがとう」

 

 

「……いただき」パシャッ

 

 

「あぅ、油断した……」

 

 

くっそ、ムッツリーニめ……。

速すぎる、表情が戻りきる前にシャッターを切るから反応できない。

 

 

「えぇい!いい加減に自重しろ!パシャパシャ撮るなぁ!」

 

 

「……それは出来ない」

 

 

「……お前、今日遊園地に誘ったのは、10割方俺の写真を撮る為だろ?」

 

 

「………(フルフル)」

 

 

「あれ?違うの?」

 

 

「………9割9分9厘」

 

 

「おい!変わらねぇよ!ほとんど一緒だよ!?何考えてんだお前!」

 

 

「………」パシャッ

 

 

「えぇい!無言で撮るな!」

 

 

その後も、順番が回って来るまで何回も写真を撮られた。

ちくせう……どんだけ撮られたんだ……。

 

 

そして、ジェットコースターの乗る俺とムッツリーニ。

 

 

「それでは、発射いたします」

 

 

そうアナウンスが入り、コースターが動き出す。

帽子とマントと、ムッツリーニの愛用のカメラはスタッフに預けたから、これで落ちる物は無くなったわけだ。

そして撮られる心配もない。

 

 

 

まぁ、流石にムッツリーニも、ジェットコースターに乗りながら写真を撮ろうとする馬鹿では無いと、俺は信じている。

まぁ、危ないしね。

それよりも……。

 

 

「あう……緊張してきた……」

 

 

ガタガタガタガタガタ……!

 

 

ゆっくりと進んでいは行くが、徐々に徐々に、高くなっていく……。

普段空飛んでるのに、どうもこう言った機械仕掛けの物に乗るのはな〜……って、デバイスも一応機会に入るやん。

 

 

「……大丈夫」

 

 

ギュッ。

 

 

ムッツリーニはそう言うと、俺の手を握る。

あう……若干安心したのは、秘密だ。

 

 

「は、恥ずかしい……」

 

 

「……さっき自分から握ろうって言ってたくせに」

 

 

「じ、自分からなら案外恥ずかしくないんだよ?って、キャァァァァァァァァ!」

 

 

無駄話をしていたら、いつの間にかジェットコースターが一番上まで来ており、そのまま発車した。

す、凄い速度!

 

 

「キヤァァァァァ!!」

 

 

他のお客も叫んでいる。

まぁ、大半はカップルなのだが……リア充爆発しろ。

 

 

「あ、なんか慣れてきた」

 

 

案外慣れるものなんだね、ジェットコースターって。

 

 

「キャハハ!楽しー!」

 

 

俺は隣にいるムッツリーニの事を忘れてはしゃいで楽しんだ。

一方、ムッツリーニは……。

 

 

「………………」

 

 

叫びもせず、笑いもせず、ただ無表情にアニスを見続けるのであった……なんか怖い。

 

 

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

 

 

「いやぁ〜、楽しかったね!ムッツリーニ!」

 

 

「…………(コクリ)」

 

 

あれからジェットコースターを降りて、遊園地内をブラブラしてる。

ホントに人がいっぱいだな〜、はぐれたら迷子になりそうだ。

 

 

「ムッツリーニ、絶対に手、離さないでね?」

 

 

「………大丈夫、離さない」

 

 

「えへへ、ホントだよ?」

 

 

「…………(こくり)」

 

 

「うん、なら安心だね♪」

 

 

「……………」パシャッ

 

 

「あ、くっそ。油断した」

 

 

「……油断大敵」

 

 

「お前が言うな!」

 

 

まぁ、何やかんやで楽しいわなこれ。

それから俺とムッツリーニは、色んな乗り物に乗り、昼飯を食べてから、また違う乗り物に乗りまくった。

 

夕方

 

 

「いや〜、すっかり日が暮れちゃったね……」

 

 

「………(コクリ)」

 

 

「……もう帰ろっか」

 

 

「………そうだね。そろそろ電車も来る時間だし、帰ろうか」

 

 

俺とムッツリーニは、そう言って、ベンチから立ち上がる。

あはは、少し疲れちゃったな〜。はしゃぎ過ぎた。

 

 

「う……ぁ……ふぁ〜……ねむ……」

 

 

「………大丈夫?」

 

 

「ん……大丈夫。ちょっとはしゃぎ過ぎて疲れちゃっただけだから」

 

 

「………無理は良くない」

 

 

「ふわぁ!?」

 

 

ムッツリーニは何を思ったのか、いきなり俺をお姫様抱っこしだした。

ちょっ、いきなり何だし!

 

 

「はぅ、ムッツリーニ……は、恥ずかしいよ……」

 

 

「………子供なんだから、無理はいけない」

 

 

「む〜、子供扱いするな〜!バカバカバカバカ!!」

 

 

俺は手足をバタバタさせて反抗する。

 

 

「………暴れたら駄目。幾らアニスが軽いとは言え、流石に落としそう」

 

 

「うわっと、ごめん……って!降ろせば済む問題じゃん!」

 

 

「………無理はいけない」

 

 

「お前はそれしか言えんのか!降ろせ!今すぐ降ろせ!呪うぞ!アホー!」

 

 

「………それじゃ、おんぶなら良いの?」

 

 

「うっ……ま、まぁ……それならまだまし……かも……」

 

 

「………そう」

 

 

ムッツリーニはそう言うと、俺を降ろし。

俺の目の前で後ろを向いた状態で屈む。

 

 

「………はい」

 

 

「……い、良いの?」

 

 

「………(コクリ)」

 

 

「……鼻血出さない?」

 

 

「………頑張る」

 

 

「……そ、それじゃあ、お言葉に甘えて……よいしょっ」

 

 

俺はムッツリーニの背中に乗る。

そしてそのままムッツリーニは立ち上がり、そのままスタスタと歩く。

 

 

「……ムッツリーニ」

 

 

「………何?」

 

 

「今日はありがとうね。俺、すっごく楽しかった」

 

 

「……これ位お安い御用」

 

 

「えへへ、ムッツリーニは優しいね」

 

 

「………ありがとう」

 

 

「えへへ〜。……ムッツリーニの背中、暖かい……眠たくなってきちゃった……」

 

 

「……寝ても大丈夫。着いたら起こす」

 

 

「……う、ん……ありが……とう……」

 

 

俺はうつらうつらと船をこき、睡眠の波に飲まれ、そのまま眠りについてしまった……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……ニス……ア……ス」

 

 

「うっ……ふぁっ……ひゃい……」

 

 

急な振動……誰かに揺さぶられている様だ。

う〜、誰だよ〜、気持ちよく寝てたのに……。

 

 

「……アニス、着いたよ。もう海鳴市だ」

 

 

「ふぇっ……」

 

 

おいおい、まさかおんぶされたまま電車に乗ったってこと?

……恥ずかしい……。

 

 

「……はぅ……電車に乗る前に……起こしてほしかったよ〜」

 

 

「……たぶん、兄妹にしか見られてなかったと思う」

 

 

「……字が違う気がするんだが……まぁ良いか……もう降ろして良いよ?」

 

 

「……駄目」

 

 

「えっ……何で?」

 

 

「………疲れてるんでしょ?このまま家まで送る」

 

 

「あぅ……だ、大丈夫だよ!少しだけだけど、寝たし、体力も回復したよ!だから降ろして?自分で帰れるから」

 

 

「………そう?」

 

 

「そう!」

 

 

「………分かった」

 

 

ムッツリーニはそう呟くと、すぐに降ろしてくれた。

 

 

「ありがとう、ムッツリーニ。また今度誘ってね」

 

 

「……アニスが行きたいなら、また連れてく」

 

 

「あはは、ありがとう。それじゃ、バイバイ」

 

 

「…………(こくり)」

 

 

俺はムッツリーニに手を振り、駅からはやての家まで歩いて帰る。

いや〜、今日は楽しかった。また行きたいな〜。

 

 

じゃあ、そんな感じで、終わりますわ。

説明
ムッツリーニも俺の嫁
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タグ
クロス リリカルなのは 番外 遊園 ムッツリーニ 

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