死にたがりの第五十五話 偽物が偉そうに語ってんじゃねぇよ!! |
あらすじ
嫁宣言とかマジ勘弁……
アニス君は私のお嫁さんなの!(なのは代打ち)
アニスは私のお嫁さんだよ?(フェイト代打ち)
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「はろはろ〜!アニスたんだよ〜!」
「うわっ!?き、急に現れるな!」
何か、いきなりクロノに怒られた……。
アニスたん悲しい……。
「あ、アニス君!私勝ったよ!」
「うん、見てたよ……嫁宣言までばっちりとね……」
「あ……あはは……あの……あれはつい成り行きで……」
「成り行きで二人同時に俺を嫁宣言するとかどうなってんの!?おかしいでしょ!?それと俺は婿だぁぁぁぁ!!」
ツッコミどころが違うって?
気にしたら負けですぜい。
「それよりも……」
俺はモニタに目を向ける……。
既に時の庭園には武装局員が配置に付いている状態……。
……はぁ、めんどくさいなこれはこれで……。
しかも……アリシアが居る所の部屋まで見つけちまってるし……。
あーあ……ホント……めんどくさいねこいつら……。
「……フェイトちゃん……」
「……何……?」
「……今から自分で見る現実に、目を背けちゃ駄目だよ?例えそれが……偽りでも……」
「……それって……どういう……」
フェイトが何かを言おうとした時。
その言葉は、プレシアの怒号でその言葉はさえぎられた……。
《私のアリシアに、触らないで!!!》
プレシアは、アリシアに近づいていた局員を吹っ飛ばす……。
おいおい、何処にそんな力があるんですか貴女に……。
《撃てぇ!!》
一人の局員の合図とともに、他の局員もプレシアに向けて魔力弾を放つ。
だが、プレシアはそれを全てプロテクションで防ぐ。
そしてプレシアは片手間に局員達魔法で落していく……。
「いけない!局員達の送還を!」
「りょ、了解です!!」
エイミィが急いでコンソールを叩き、気絶したすべての局員をアースラに送還させる。
病気に侵されてるって言うのに……何つぅでたらめさ……。
「アリ……シア……?」
フェイトは目の前の現実を受け止めきれていないのか、その目には……ただ驚きの表情しか出ていない……。
そしてプレシアは、愛おしそうな顔をしながら、アリシアが入っているポッドを触る……。
《もう駄目ね……時間が無いわ。たった七個のジュエルシードでは、アルハザードに辿り着けるかどうかは分からないけど……でも、もう良いわ……終わりにする……》
プレシアはこちらが映像で見てる事に気づいてるらしく。
こちらを向いて話す……。
《この子を無くしてからの暗鬱な時間も……この子の身代わりの人形を娘扱いするのも》
その言葉に、フェイトは反応する……。
……プレシアの表情には、本当にもうどうでも良いと言う顔になっている……。
……やっぱりか……。
てめぇは、どれだけプレシアとフェイトを悲しませれば気が済むんだ……。
《聞いていて?貴女の事を言っているのよフェイト……せっかくアリシアの記憶を上げたのに、そっくりなのは見た目だけ。役立たずでちっとも使えない……私のお人形》
「……最初の事故の時にね、プレシアは実の娘、アリシア・テスタロッサを亡くしているの……」
エイミィがポツリポツリと語りだす……。
プレシアの研究……その研究の意味……そして開発コード……。
エイミィは調べた事を全て話す……。
《……良く調べたわね?そうよその通り。だけど駄目ねぇ……ちっとも上手く行かなかった……作り物の命は所詮作り物。失ったものの代わりにはならないわ……アリシアはもっと優しく笑ってくれたわ。アリシアは時々我が儘を言ったけど、私のいう事をとて良く聞いてくれた……》
「……止めて……」
なのはが涙声で訴える……。
だが、その声はプレシアには届かない……。
否、プレシアの皮を被った何かには届かない……。
《アリシアは……何時でも私に優しかった……フェイト……貴女はやっぱり、アリシアの偽物よ。せっかく上げたアリシアの記憶を。貴女じゃ駄目だった。》
「止めて……!止めてよ……!!」
《アリシアを蘇らせる間に、私が慰めだけに使うお人形……。だから貴女はもう要らないわ……何処へなりと消えなさい!!》
「お願い!もう止めて!!」
《フフ……ハハハハハハハハハハ!!!良い事を教えてあげるわフェイト……貴女を作り出してからずっとね……私は貴女が、大嫌いだったのよ!!》
「………ッ!」
フェイトの体が一瞬ビクッと震えると……そこからバルディッシュが落ちて、壊れてしまう。
それと同時に、フェイトを倒れてしまう。
それを見たなのはとユーノが抱きかかえる。
「くっ……あっははははははははは!!あーっはははははははは!!これはとんだお笑い草だ!あーっはははははははは!!!」
俺は、気づいたら笑い出していた……。
あー……おっかしい……。
「アンタ……何笑ってんだい!!!」
その瞬間、俺はアルフに掴み掛られる。
だが、俺はアルフの方を向かない……。
「……くっくっ……おいプレシア……てめぇ、フェイトを偽物だって言ったよな?」
《……それがどうかしたのかしら?》
「おっかしいな〜。てめぇが言えた義理じゃぁ……ねぇだろうがよぉ……なぁ?偽物さんよぉ!!」
俺はプレシアであって、プレシアでない者を睨みつける。
そして、その偽物も……。
《……どういう意味かしら?》
「うっせぇんだよ。グチグチグチグチ、てめぇがフェイトに言えた義理じゃない言葉を並べやがって……。おまけにその薄汚い笑い声……鼓膜が爛れるっての」
《………………》
「良いか、良く聞け。過去に縋り付く亡霊。確かに、フェイトはアリシアの偽物かもしれない。だけど、それがどうした?過去に縋り付く事しかできないてめぇが作り出した者は、ただの体の良いお人形さんで片づけちまって良いのかよ!」
《えぇ、私にとってはそれだけで済む話なのよ》
「だったら!お前の中に居る、プレシアはどうなんだ!!間違ったあんたが作り出したフェイトは!!本当にアンタにとって、ただの人形だったのかよ!!」
《くどいわね、そうだと言って……》
「お前に何か聞いてねぇんだよ偽物!!俺はアンタの事なんか知らない!知ってるのは、アリシアも、フェイトも……自分の過去も、失敗も、汚点も……そして、現実も受け止めているプレシア・テスタロッサだ!!俺はそのプレシアに聞いてんだよ!!偽物なんかには、これっぽっちも聞いてねぇ!」
《さっきから偽物偽物うるさいわよ……いい加減に、その口を閉じなさい》
「どうなんだプレシア!!お前の気持ちは、そんな所で終わりにしちまって良いのかよ!?諦めきれるのかよ!?」
《……た……は………》
プレシアは何か小さく言葉をつぶやく。
……聞こえねぇ……聞こえねぇよ……。
「諦めきれないんだったら、亡霊に何か飲まれてるんじゃねぇよ!!目を覚ませ!少しばかりの悪い夢で折れてんじゃねぇよ!!あんたは、最愛の娘を助けたくないのか!?」
《わ……た……し……》
ドンドン言葉が鮮明に吐き出されていく。
でも……まだ聞こえねぇよ……。
「だったら、いい加減その悪い夢を断ち切ろうぜ!大魔導師!!」
《わ……私……は……。助けたい!!フェイトを!!私の大好きな娘を!!》
やっと出て来た表のプレシア。
……それが本音なのなら……喜んで手を貸してやる……。
《グッ!お前は……出て来るなぁ!もう少し……もう少しで……アリシアを!!》
「……一体……どういう事だい……これは……」
アルフが、いきなり豹変したプレシアを見て驚きを隠せていない様子。
それに、ここに居る俺以外の全ての人間が驚いている。
フェイトも……少なからず聞いている……。
《アリシアはもう居ない!今居るのは……物静かで、いつも笑ってはくれないけど……それでも……優しくて、たまに見せる笑顔が可愛い……私の愛しい娘のフェイトなのよ!!これ以上……私達の邪魔をしないでちょうだい!!》
「プレシアさん!そのままもう一人のプレシアさんを抑えておいてください!今すぐ行きます!」
俺は転移符を懐から取り出して、座標を時の庭園に転送するが、それをクロノ達に止められる。
「うがー!離せコノヤロー!今行かずして何とする!?」
「少しは落ち着け!こっちは全く話の展開が呑み込めないんだ!!」
「そうよ。少しは説明してくれないと、こちらも対応が出来ないの」
あぁめんどくさいなぁ!!
後でじゃ駄目なのかよ!!
「プレシアさんは二重人格者!以上!んじゃ行ってくる!」
「だから待てって!!それだけじゃ分からないって!!」
だぁ!めんどくせぇなおい!
仕方なく、俺はプレシアの事を全て話すことにした。
「……これが全てだ……」
「……本当にそんな事が……」
「でも、それだったら辻褄が合うわ」
「あのさ……この場合ってプレシアさんどうなるん?この事件はプレシアさんの意志じゃないですし」
「……そうね……この事件が、もう一人の人格がしたことになると……無罪にはならないわ。その代り、精神病院には通ってもらう事になると思うわ」
「……そうですか……」
良かった……だったら、安心かもな。
「あの……さっきは掴み掛ってごめんよ?」
「あぁ、別に気にしてません。あの空気で笑った俺が馬鹿なんですから」
そりゃあんなシリアスな所で笑ったら、フェイトを笑われたって思うわな。
それにしても……。
「フェイトちゃん、いつまでそうしてるつもり?」
「………………」
「さっき、俺言ったよね?今から自分で見る現実に、目を背けちゃ駄目だよ?例えそれが偽りでもって。この通り、さっきのは全部偽り。悪い夢だったんだよ」
「……悪い………夢………」
「なのはちゃんにも言った事だけど。フェイトちゃんはまだ何も始まってない。スタート地点からまだ動いてないんだ。だから、なのはちゃんと一緒に始めようよ?フェイトちゃんのこれからを」
「………私の………これ………から………」
「そう。だから……先ずは人助けから。困ったお母さんの暴走を止めるのは、娘の務めだよだからね。それじゃあ、俺達は先に行ってるよ?」
俺は転移符を使い、今度こそ転移を始め、時の庭園に向かう。
「あぁ、もう!!勝手に行くなって言ったのに!」
そう行って、クロノも転移をしようとする。
なのはも急いで行こうとしたが、行く前にフェイトに何か一言だけ告げる。
「フェイトちゃん。私、フェイトちゃんの事待ってるから!一緒に始めよう!!」
「なのは!行くよ!」
なのははユーノの呼ぶ声に、急いで着いて行く。
「……これ………から………一緒……に…………アルフ………アニス………なの………は………」
フェイトの目は、徐々に光を取り戻していく……。
………タイムリミットまで……もう、余り残されては無い。
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アニスたん上条さん化 | ||
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