真(チェンジ)!!仮面ライダーディケイド〜紅蓮の破壊者〜【第27話;疑念】 |
「…」
四季たちと一護は向き合う位置に立っていた…。
「よう…また会ったな…。」
四季は一護に軽く声をかける…。
「?…あんた…誰だ?」
「おいおい…さっき会っただろ…。忘れたのか?」
「さっき…?」
一護は先程の記憶を思い返す…そして…
「あっ!…アンタあの時の!!」
路地裏の不時着の記憶を思いだした…。
「ようやく思い出したか…」
思わずため息をつく四季…。ここでルキアは話を切り出す。
「一護…彼らは君と同様の存在という事がわかった。これから君と協力体制をとってもらう。」
「なっ!?」
突然のことに驚く一護…。いきなりそう言われてもそう飲み込める訳ではない。
「黒崎ちゃん…だっけ?見たとこ高校生じゃない?おじさんもあんまり学生に無理すんのは良くないと思うよ。」
伊達もおでんの鍋をつつきながら話す。
「じゃあ…あんたら味方なのか?」
恐る恐るきく一護…。
「オフコース!おじさんたちは味方だぜ。それにライダーは助け合いって火野が言ってたぜ。あ、火野ってのは俺の知り合いなんんだけども・・あ、それとおでん食べる?」
それに満面の笑みを浮かべ答える伊達…。その様子から全く悪意らしき物は感じられない…。
そこへルキアが一護へ近づき小声で囁く…。
(一護…念のためだが警戒しておけ。彼らは力があるがまだ信用は出来ない…。注意しておくにこしたことは…)
「その心配はいらねえぜ。」
「!」
そこへ四季が割って入った。
「信用できねえ?なら、ここで証明してやるよ…少なくともてめえらの敵じゃねえことを!」
そう言うと辺りを見渡す四季…。
「いるんだろ!出てこいよ!!」
そう叫ぶとライドブッカーをガンモードに切り替え茂みに向け撃ち抜く…。
すると…
『あーあ…バレてたか…。』
声がすると何処からか赤い羽が舞う…。
「!」
ズカァァン!!
そして、四季らの元へ火の玉が落ちてくる。それをかわすと四季はブラックディケイドライバーを装着し一護らアークルを出現させ構える。
「「変身!!」」
『KAMEN RIDE DECADE BLOOD』
そして、四季はディケイド・ブラットに…一護はクウガへ姿を変えた…。
『フフ…君たちには消えて貰うよ。』
その2人の元へ巨大な翼を羽ばたかせた赤い影…。それは鳥の意匠が見られるが鎧が無いとでも思わせるかのように足や腕、至るところに紫色の肌らしき物が露出している…。
この異形の名は『アンク』。グリードと呼ばれる怪人の鳥系幹部である。
「いや、消えるのはお前だ!!」
ディケイドBはライドブッカーをソードモードに切り替えるとアンクへ斬りかかる。
『ふっ!』
アンクも火炎放射を放つがディケイドBはライドブッカーでなぎはらい距離を詰める…。
「オラ!」
そして、ライドブッカーを振るうがアンクはその前に空中へ飛び上がる。
「させるかァァァ!!」
さらに上空へ上がる前にアンクに飛び付くクウガ。
『うわあ!?』
そして、アンクはクウガもろとも地面へ落ちる。
「そこだァァァ!!」
その隙をつきディケイドBはアンクへ斬りかかる。
その様子を物陰から隠れて見ていた者がいた…。
「黒崎君が…4号…?」
それはなんと一護の跡を追ってきた織姫であった…。
「え?…何で…何で…黒崎君…」
思わず目の前の状況に混乱する織姫…。
そこへ…
『貴方の欲望…解放してみない?』
やたら露出が多い茶色の服を着た黒髪に緑色のエクステをいれた美女が歩いてくる…。
「あ、アナタは誰です…!?」
織姫が言い終わらないうちに女性は表に『×』、裏に『薔薇』が彫られた銀色のメダルを取り出すと織姫の額に出現したコインの投入口らしきものにそれを投げ入れた…。
『美しく咲き乱れなさい…アナタの欲望…。』
そう呟くと女性は赤い薔薇の花びらの吹雪と共に姿を消した…。
「ぢいっ…」
『フフ…ここまでこれるかな?』
一方、アンクはディケイドBの攻撃を掻い潜り空へと飛翔し、火炎を主流とする爆撃攻撃を行っていた…。
空を飛べないクウガとディケイドBにとってはこの状態は分が悪く射撃攻撃をしようにもアンクの攻撃が激しく武器を使う隙が無い。
(くそ…どうしたら…)
その時、1人のライダーの姿がディケイドBの頭に浮かぶ。
(そうだ!アイツのカメンライドなら!!)
ライドブッカーをブックモードへ切り替え1枚のカードを取り出すとバックルに装填するディケイドB…。
「変身!!」
『KAMEN RIDE VARUKYURIAR』
すると、ディケイドBは西洋の鎧のようなフォルムのライダー、仮面ライダーイクサと似た姿へと変化するが仮面の十字架は青く閉じた状態であり、フレームも青い部分が多い。そして、太ももから多数のアームが伸びその先端に刃が装着される。
「ハラワタをぶちまけろ!!」
これが前のWの世界で生まれ、出逢ったライダー『仮面ライダーヴァルキュリア』の姿と力を借りた姿、DBヴァルキュリアである。
「オラオラオラオラ!!」
DBヴァルキュリアはアームを巧みに素早く動かしアンクの放った業火を相殺する。
『!』
「今だ!」
クウガにディケイドBは指示を出すとライドブッカー・ソードモードをなげ渡す。クウガは意図を一瞬で理解すると青を基調にした俊敏性と跳躍力にすぐれるドラゴンフォームに変身する。同時にライドブッカーは金の装飾の入った青い棒型の武器『ドラゴンロッド』へ変わり、クウガはそれに力を込めると電撃を纏わせそれをアンクへ叩きこむ。
ドカッ!!
『ぐわああ!?』
銀色のメダルを撒き散らし無様に落下する。
「仕留める!!」
そのまま止めを刺そうとしたDBヴァルキュリアだったが…
『ああああああ…!!』
「「!」」
突如、新たな異形が現れ茨のような触手で拘束されるクウガとDBヴァルキュリア。
『今日のことは覚えときなよ?』
「あ!待ちやがれ!!」
その隙にアンクも逃走してしまう。DBヴァルキュリアもアームを動かそうにも茨が邪魔をし上手く動かせない。
「くっ…一体何なんだ!?」
茨の触手の主を見るクウガ。
それは植物と人を足して割ったかのような異形であり頭が巨大な薔薇を模している。
「この!」
ザシュ!
苦し紛れにアームを動かし異形をきりつけるDBヴァルキュリア。すると…
チャリンチャリン…
異形の身体から銀色のメダルがこぼれ落ちる…。
「ま、まさかコイツ『ヤミー』か!?」
驚いた声をだすDBヴァルキュリア…。ヤミーとは先程のアンクのようにグリードが身体を構成する『セルメダル』を使い、人間の欲望によって誕生する怪人であり宿主の人間の欲望に忠実に動きセルメダルを貯める。主にグリードは自らのセルメダルを増やすためヤミーを作るのだ。
そして、ヤミーは作ったグリードによって種類が違うのだが四季は植物系のヤミーどころかグリードについても知らなかった…。
『…えてよ…』
「?」
そして、この薔薇の異形『バラヤミー』はクウガを向くとぶつぶつと何かを言い出す…。
『…たえてよ…答えてよ黒崎君…!!』
「ま、まさかお前!!」
一護はバラヤミーの声に聞き覚えがあった…。
「井上…なのか…?」
そう、ヤミーは織姫を声を出していたのである。
『黒崎君…いっつも学校抜け出していつも何してるの?私が黒崎君に勉強教えても黒崎君は何も教えてくれないの…?黒崎君はどうして4号なの?私のことどう思ってるの!?ねえ…ねえ…ねえ…!!』
「!?」
凄まじい剣幕で迫ってくるバラヤミーに思わず退いてしまうクウガ…。
『寂しいよ…黒崎君…。』
バラヤミーは最後にそう呟くと腕の棘を鋭く伸ばしクウガを貫こうとしたが…
バンバンバンバン!!
『くう!?』
突然、金色の弾丸が直撃しバラヤミーを止める。
「そこまでだお嬢ちゃん…。」
弾丸が飛んできた先には伊達がバースバスターを構え立っていた…。
「伊達さん!!」
「四季ちゃん、ヤミーとくれゃ俺の専門だ。ここは一つ任してちょ!!」
伊達は脇に置いていたミルクタンクから『プロトバースドライバー』を取りだし装着し、それとセルメダルを1枚、同時にタンクから取りだし右手で弾くとそれをキャッチする。
「変身!」
『カポーン』
伊達はそれをプロトバースドライバーにセットしネジを回すと薄く緑色の球体に包まれ装甲が装着され仮面ライダーバースに赤いラインの入ったライダー『仮面ライダープロトバース』へと変身する。
「さ〜て、久々に稼ぎますか!!」
プロトバースは腕を鳴らすとバラヤミーに向かい突っ込んでいった…。
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