IS-W<インフィニット・ストラトス> 死を告げる天使は何を望む |
前書き
この話は作者のギャグがほしいという欲望の元,ISとガンダムW以外にある作品を加えたものです.
これらのキャラの扱いは後書きで示しますが,一応本編にはほとんど登場しない予定です.
なので受け入れられないときは第○.5話は読み飛ばしても問題ありません.
それではどうぞ!!
あの事件から2日がたった。
学園はビルゴUの事を隠すことに決め、また密かにプラネイトディフェンサー対策を研究することになった。そのため、一夏やセシリア、鈴、皐月には箝口令が引かれた。
今日、一夏は鈴と遊びに行っている。(と言っても後ろには箒とセシリアもいたので結局4人でだろう…)ヒイロもこっそりと付いて行くつもりだったが、これまた本音に捕まり、完全に見失ったのだった。
そこで千冬はヒイロに夏の普段着と携帯を買って来いと言った。
ヒイロは倉持技研と千冬からお金を支給されていたが、ほとんどウィダーin○リーやカ○リーメイト、最近ではコアラの○ーチにも使っているが有り余っていた。また服も緑のタンクトップとジーパン、そしてジーンズの上着しかない。携帯も今まで必要ではなかったので持っていなかった。
そしてヒイロは町にでかけ、普段の格好と同じような感じで揃え、携帯も普通のものを購入。財布の中身が5016円残っているが帰ろうと駅に向かっていた。途中中身がない財布 (なぜか蛇の皮が入ってあったが…)を拾い、周りを見渡しながら進む。
町は活気づいており、人々は笑顔で歩いている。
(……いい世界だ)
ヒイロが目指した世界が目の前に広がっている。しかし、それは一部であってこの世界でもまだ、戦争の火種になる要因がある。
IS…インフィニット・ストラトス…
本来は宇宙で活動するために開発されたのに、今では兵器と化していた。ヒイロは考える。
篠ノ之 束…彼女は何のためにISを作ったのか…天災と呼ばれ、人間関係がよくなくめちゃくちゃだった彼女はこの世界に対して絶望しかなかったのだろうか?
そう考えていると目の前にとんでもない顔をした女子高校生が立っていた。
茶色のセミロングヘアで中背のその女子高生は無表情で歩いてくる。
向こうはヒイロに気が付かず、肩にぶつかって尻餅をつくがそれでも表情を変えない。
流石にヒイロも気になり始める。昔の彼では考えられないがここでの生活がヒイロに殺したはずの思春期を取り戻させているのかもしれない。
「…どうした…何かあったのか?」
ヒイロは手を差し出しながら無表情の少女に聞いた。
彼女は小声でぼそっと
「……財布落とした」
と言った。ヒイロは先ほど拾った財布ではないかと思ったが、その前に聞いておくことがあった。
「…いくら入っていたんだ?」
「4016円」
「細かいな…」
ヒイロは自分の財布から一瞬で拾った財布の中に4016円を入れる。残り1000円あればここからIS学園には帰れるだろう。そう考えての行動だった。そもそもヒイロはお金に執着しておらず、少女を哀れに思えたからだった。
「…財布っていうのはこれの事か?」
ヒイロは拾った財布を少女に渡す。その財布を見た途端に彼女の顔が喜びに満ちた顔をする。
「ええ!!拾ってくれたの!?中身は…ちゃんとある〜〜〜!!」
「よかったな…俺は行くぞ…」
「待って!!お礼させてよ」
と言われ無理やり腕を引っ張られた。
ヒイロは嫌な感じにはならなかった。きっとこういうのも思春期に経験するものの一部なのだろうと思ったからだ。なので彼女に付いて行く。
彼女と歩く際、いろいろな話をした。
「ねぇねぇ…何歳?私と同い年に見えるんだけど」
「…16だ」
「え…私より一歳上だ。ごめんなさい。生意気な言い方で」
「気にするな。…お前はこの辺りの人間か?」
「近くの高校に通っている高校1年です。だから家も近いんですよ」
地元の高校生か…とヒイロはそう考え、深く何も言わなかった。
一応ヒイロの所属はまだ世間一般には公開していない。ISに深くかかわっている者たちだけが知っているのだ。つまりIS学園に通っているとはまだ言えないのでこの話はあえてスルーしておいた。ちなみにこの3日後にヒイロのことが『特殊な例でISが使える男』として公開されたのだった。
ヒイロたちはこのままどこかの喫茶店に行く予定だったんだがその行く途中に酒屋に置いてある自販機前にいる赤いラインの入ったベージュのトートバックを持った小柄で、瞳は青色、水色の髪の毛を左右両側で小さな木製キューブの髪留めで縛っている少女の後ろ姿を見かける。
茶髪の少女…以後U子とするがU子は彼女を見つけると「あ!!」と言って駆け出して彼女の名前を呼んだのか、呼び止めた。
水色の髪の少女、以後MとするがMはビクッ!!と体を震わせ、後ろを振り向いた。
どうやらMはU子の知り合いのようだ。ヒイロもその後を追いかける。
「―――…どしたの?」
「どしたのって他人行儀な〜。これからこの人に財布拾ってもらったからいつものあそこでおごろうと思って、一緒に行こうよ〜」
とU子はMも誘おうとする。ヒイロは別にどっちでもいいので何も言わずただ見ていた。
Mは両手の手のひらをみせ、よくやる断るポーズ(なんて言っていいか分からない…申し訳ないBy作者)をする。
「いやーーーー…ちょっとこれから用事が……」
「え?なんなの?用事って。ねぇねぇ」
「あーーーー……えーーーーーっと……………まぁそれといって…」
とMは困り始める。どうやらあまり人には言いたくない内容のようだ。それでも気になるのは人のさが。U子はいまだに聞きたがる。そこに口をはさんだのはヒイロだった。
「そのへんにしておけ…そいつも言いたくないのだろ」
「え〜気にならないんですか〜?」
「…興味ないな」
U子の言葉に反論するヒイロ。その時、後ろから足音が聞こえる。
そして、
「ちょっといいかな?」
と言う声で三人は振り向く。そこにいたのは若い茶色の髪の男性警官だった。
少し沈黙ができ、ヒイロは始め、何事かとわからなかった。それもそうだろう。ヒイロはまだこの世界の日本の警察官の服装を知らなかった。いくら一夏と過ごしていたとはいえ、警察を見る機会はなかった。一夏の護衛は基本ヒイロだったので警察が出てくることはこの世界に来て3か月なかった。捕まえた者たちはIS学園に引き渡していたのも理由の一つだ.
しかし、何とかTVなどの知識(警察○4時などから)からこの男が警察の人間だと思い出した。
「ス……」
「?」
「ス……」
とU子が何かを言おうとして警官やヒイロ、Mが注目する。
次の瞬間
「スイマセンでしたーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!」
「えーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!」
「ええ!!」
「なっ!!」
といきなり90°に体を曲げ謝りだすU子にM、警官、ヒイロは驚いてしまった。
しかも見事なお辞儀だった。
「ちょっ!!あんた、なにやったの!?」
「……盗んだバイクで走り出したことがあるのか?」
とMとヒイロに言われる。
2人に突っ込まれたU子ははっとして右手を口元にもってきて、
「はっ!!なんか、つい謝っちゃった。てかお兄さん、私は15歳ですけど盗んだバイクで夜を走り出したりしていませんよ」
「あははは…いや、僕も驚いたよ。イキナリ謝られたから」
警官も苦笑いしながらそう答え、話を続ける。
「いやね最近、自販機のニセ札事件が多くてね、この辺りで怪しい人物なんて見てないかなと思ってね」
この町はIS学園へ向かうモノレールの終点なので内陸だが外国人も多い。なのでよく女尊男卑に関する問題が起こる。しかし、日本は倉持技研の9割が男性職員であることや国民性で他の国より女尊男卑はきつくない。その結果、普通に男性警官が女性に職務質問もよくするのだが外国人女性からなめられているので無視される。日本では外国人犯罪率の増加と男性の冤罪問題が深刻になっているのだ。この町は特にこの二つの問題が大きくなっていて日本以外では本気でそのまま刑務所送りになってしまうと言う事例もある。
それでもめげずに日本の警察官たちは職務をまっとうしていた。
「目撃情報によると犯人は赤いラインの入ったベージュのトートバックを持って…」
と言って3人はMが持っているトートバックを注目する。
「ってまさかそんなわ―――」
とU子が言いかけてMの顔を見た時だった。
「んうはぁ!!…はぁはぁ!!んはぁ!!あぁ!!はあぁ!!うはぁ!!あぁ!!あああ!!」
(ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!?)
(!!!!)
Mの顔や体中からものすごく汗をだし、動機、息切れをおこしている。さらに目の焦点が合っていなくなって体を震えている。明らかに動揺していた。その様子を見たU子は右手をまた口元に持っていき今度は口を覆う。ヒイロもMのすごい反応で見た目は普通だが内心すごく驚いていた。
(なに!?この尋常じゃない反応!!持ってるの!?ニセ札…持ってるの!!?)
(………この動揺ぶり…明らかに持っていると言う反応だな…だが、ここまでの動揺は見たことがない…)
そう考えている間もMはカバンを取られないよう両手でぎゅっと握り警官からカバンを自身の後ろの方に遠ざける。明らかにカバンを取られたく…あるいは見られたくないのだろう。
しかし、仲良しのU子はMを信じていた。冷や汗を少しかきながらも首を振り、
(いやいやいや、まさかね……)
と考え、
「も〜、冗談よしてよ。み―――」
とU子が言った途端、Mが両手を差し出してまるで逮捕してくださいと言うポーズをし始める。顔は下を向いて見れないがとんでもない顔をしているだろう。
(ええええええええええええええええええええええええええええええええ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!?)
更なるとんでもない行動にU子もついに身震いをし始める。ヒイロも冷や汗をかき、Mの行動に
(……なぜ自ら捕まりに行く?…やはり持っているのか?いや…アイツの反応からみてそう言う奴ではないようだが…)
と思う。U子と会って間もないが人柄から信頼できると判断していた。警官もさすがに不信感を感じ、
「おいおい…持っているのか、ニセ札?」
「ま…ままままままままさか〜、どこからバレーボールが来てもいいように構えているだけですよ、ねぇ?」
「……そ、そうだな」
言うがU子は手を振りながら否定し、話をふられたヒイロも目をそらしながらU子の援護をする。
Mはいまだに手を出したポーズのままで何の発言もしない。
警官はすごく悩んだ顔をした後、MやU子、ヒイロの顔を見ながら
「……まぁいいか。一応念のため3人ともカバンの中を見せて」
「はい〜もちろん!!」
「…了解した」
U子は持っていたカバンをヒイロは購入した服と携帯を入れた紙袋を見せようとする。
そして、MにもするようにU子が声をかけようとしたときMの方を見てみると
千円札を出して、道路に頭をつけて土下座していた。
(いやーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!)
(な……)
2人はものすごい勢いで驚く。
(出しおった…ニセ札出しおった!!!)
(ま…まさか本当に持ってるとはな…)
U子は泣きながら右手で目を抑え、天を仰ぐ。ヒイロは冷や汗がさっきよりも出まくっている。ここでMがついに言葉を発する。
「これで…カンベンしてください………」
「これでカンベン!!してください!!!!!!!!!!!!」
イキナリ顔を上げてものすごい形相で警官に言うM。警官はその千円札を右手にとり、Mに問いただす。
「これ一枚だけか!!?ニセ札は?」
「ニセ札じゃないです!!!リアルな賄賂です!!!」
「言っている意味が分からん!!!」
Mの言い訳に言い返す警官。その様子を無言で見つめるU子とヒイロ。ヒイロは正直、この辺りでトンずらしようか悩んでいたがすでにU子に手を握られていて逃げれる状況ではなくなっていた。
そうこうしているうちに警官がMのトートバックの中を見ようとする。しかし、Mは取られないよう抵抗する。
「とにかくカバンを――――な、なぜ抵抗する!!!」
「親戚のだからぁ!!このカバン、親戚のだからぁ!!!!!!!」
と少し涙を浮かべて必死に抵抗するが男女の力の差は明白で警官にカバンを取られ…中を取り出される。中からは紙が6枚出てきて
「ああああぁぁぁぁぁぁああぁぁああぁぁ〜〜〜っ!!」
とMが叫ぶが、警官がその中身を見る。
その中身は…………………
Yシャツだけの男が後ろから裸のメガネをかけた男に覆いかぶさって、『バカやろうだな』『あ…センパイ…おれ』といった感じで絡み合っていた。
俗に言う…BL漫画である。
「うわああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」
目を両手でおさえて天を仰ぐM。まさに触れてはいけない彼女の秘密に触れた瞬間だった。
しかし、状況を把握できないU子とヒイロは呆然とする。
そして、天を仰いでいたMはいつの間にか同じポーズで顔を下に向け、
「………おお…・・」
と唸りながらU子の肩を持ち、震えだす。そして一気にU子とヒイロの前に出るM。
「おおっ…おお…おぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおぉおおおおおおおおおおおおおおおお!!」
「う!!」
Mは警官の胸筋の真ん中に強烈な張り手の一撃をくらって膝から崩れ去る。
警官が持っていた漫画の原稿は空中で散らばる。
Mは大きくジャンプし、回収をはかる。その高さは家屋の屋根まで飛んでいた。
「((1|ワン))、((2|ツー))!!…((3|スリー))、…((4|フォー))…((5|ファイブ))」
と途中、空中でアクロバティックな回転をしながら原稿を回収するM。そして見事に足で着地するが原稿が一枚足りない。そして…
「((6|ロク))…」
とU子の方を見ると、最後の6枚目を両手でもって、漫画の内容を見てしまっていた。…『熱は下がったみたいだな』と先ほどの裸のメガネ男がもう一人の男のシャツを脱がし、そしてそのままキスをしているシーンだった。
「あはっはははははははははは…あひゃははひゃひゃひゃひゃは…あはははは…あああああ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
U子はバグった。それを見たMは声にならない奇声をあげる。
その後、歩いてU子の目の前まで行き、丁寧に原稿を置いた後、U子の片足を両腕で取り、足首を脇腹に押し付けるようにクラッチし、その体勢から自ら素早く内側にきりもみ状態で倒れこむことで、相手を回転力で投げ飛ばす技…ドラゴンスクリューをした。
元々は藤波がカール・ゴッチから指導を受けていた際に学んだ、レスリングにおける伝統的なテクニックがベースであるのだが、藤波本人がインタビュー内で語ったところによれば、ゴッチからは足の膝部分に重心を預けてテイクダウンする実戦的なポイントを教わり、後年回転する動作を独自に加えたという。
ジュニアヘビー級時代から得意としていた技で、蹴り技に対する対抗手段として通常的に使われていたが、あくまでつなぎ技でしかなく、それほど脚光を浴びることは無かった。藤波の場合、相手の足を痛めるというよりは、足を取っての巻き投げに近く、テイクダウンを取るための技であった。
この技を必殺技にまで昇華したのは、武藤敬司である。1995年10月9日、東京ドーム・新日本プロレス対UWFインターナショナル全面対抗戦のメインイベント、武藤敬司対高田延彦戦において、高田の蹴りをキャッチした武藤はドラゴンスクリューを繰り出し、高田は抵抗したがために受身に失敗し膝の靭帯を損傷、足4の字固めによる武藤の勝利につながった。これ以降、武藤はこの技の連発から足4の字固めに移行するという連携技を使用し始めた。現在では、多くの日本人レスラーが使用しており、アメリカマットではWWEのザ・ロックやショーン・マイケルズ等も使用する(アメリカでは『レッグ・レイス』と呼ばれる)。
とまあ…トリビアはここまでとし、U子はMによって超高速回転した状態で地面に叩きつけられ口から白くて絶対口から出て行ってはいけないものが出て行った。
そして、ドラゴンスクリュー(以後Dスクリュー)を受けたことにより空中から落ちてきた原稿を右手で素早く取り、状態を確かめる。ヒイロはこれが今のこの世界の日常なのかと勘違いをしそうになっていた。無論こんなのは日常でもなんでもない…
しかし、このことでヒイロは戸惑ってしまって動けなかったのが問題だった。
その間でも落ちていた(置いていただけなのだが)原稿を拾ってしまったジェントルマンの格好をしたご老人に右回りに回転しながら飛び上がり、回転の勢いを生かして、自分の右足の裏で相手を蹴り付けるローリング・ソバットを胸あたりに決める。
ジェントルマンがかぶっていた黒いシルクハットは宙を舞い、そのままうずくまったような体制で動かなくなったジェントルマンの頭の上に落ちて、見事帽子をかぶった。
そして再び原稿の枚数を数えるM。しかし、またもや一枚足りない。
それもそのはず…今度はヒイロが先ほどU子が読んでしまったものと同じ原稿を持ってしまっていたからだ。
(な…なんだこれは…カトルとトロワのような関係の奴らの話か?いや…あいつらでもここまでは…いやしかし…けど)
表面上なんともないように見えるが内心はかなり焦っていた。しかし、しょうがないことだ。ヒイロは今までそんなものを目にしたこともなければBLと言う言葉さえも『ベーコンレタスの事か?』と言うような人間なのだから。
しかし、そんなのお構いなしに両手で目を抑えて
「ほあああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
と叫ぶM。そしてヒイロを仕留めるために接近する。
ヒイロはそれに気づき、回避した。しかし、ヒイロが見たのはMの『質量を持った残像』ですでにヒイロの足を掴んでいたのだ。
(な…何っ!!)
歴戦の兵士であるはずのヒイロがただの女子高生に後れを取ったのだ。ヒイロはかなり驚いた。そしてそのままDスクリューを見事に決まる。ヒイロは超高速回転しながら地面に叩きつけられたがそのまま空中で体制を整える。いまだに原稿を手に持ったままだ。
本来普通の人ならU子のように出てはいけないものが口から出てくるだろうがヒイロは超人的な肉体の持ち主ゆえに意識があった。しかし、ヒイロ気づいていなかった。
すでにMがヒイロの真後ろにスタンバっていることを…
空中のはずなのにMはそのままヒイロの両股を手で掴み頭上に逆さに持ち上げ(実際は落下中に)、ヒイロの首を自分の肩口で支える。この状態で地面に尻餅をつくように着地し、衝撃で同時に首折り、背骨折り、股裂きのダメージを与えた…
「が!!」
流石にこの技…『((五所蹂躙絡み|ごところじゅうりんがらみ))』を受けたヒイロは道路でうつ伏せになって気絶した。
Mは『おおお…おおおおおう…』と唸りながら今までの経緯を思い出し再び右手で両目を抑え、天を仰ぐ。
いろいろと見られてはいけないものを見られたMはそのまま原稿を回収してその場を去って行った。
原稿は最後の一枚がクシャクシャになり出せなかったそうだ…
「ん…」
U子は目を覚ますと真っ先に見えたのは誰かの頭だった。そしてそれにより自分がおんぶされていることに気が付いて
「目が覚めたか…祐子」
「あれ…お兄さん、はっ!!も!!もう大丈夫です!!」
そう言ってU子…いや祐子はヒイロから降りる。裕子が周りを見渡すとよく見かける景色…そう家への帰り道だった。
「そういえば…お兄さん、なんで私の名前知ってるの?」
「…一番最初に起きた俺はお前の所持品から生徒手帳を発見してその住所のところに運ぼうと思ってその際にな…カバン勝手に見てすまなかった」
「いいですよ〜そんなの。そう言えばお兄さんのお名前は?」
祐子は手を振りながらそう言うとヒイロに聞いてきた。昔のACにいたヒイロなら名を名乗ることはなかっただろうがここでは自分も一般市民なので…
「……ヒイロ・ユイだ」
「じゃ〜ヒイロさんだね」
「好きにしろ…お前の友達は何故ああいった行為にでたんだ?」
「あ〜…みおちゃんだよね。多分触れてはいけないところに触れたんじゃないかな?」
そう言われてヒイロはかつてあったある悲惨な出来事を思い出す。そう…ガンダムパイロットたちが忘れることのできないあの事件を…ヒイロはそう思うとみおの気持ちが少しだけわかったように感じた。
そうこうしている間に彼女の家に着いた。ヒイロは祐子の荷物を本人に渡し、
「…今後会う事もないだろう」
「そうですね。けど、せっかく知り合ったのになんかな〜…ん?」
ヒイロの言葉に不服を感じた祐子が導き出した答えは…
「あの…ヒイロさん。お願いがあるんですが…」
時刻は門限ギリギリの19時。食堂に行くとものすごく疲れた顔をした一夏がいた。ヒイロは一夏の目の前の席を取り、
「……どうだったんだ?」
と聞くと、一夏はものすごい溜息をつき、
「午後に箒とセシリアが混ざってやってたんだけど、途中から喧嘩し始めて…」
「……言わなくていい。察した」
流石のヒイロもあの三人が暴れ出したら洒落にならないことを知っている。
「ヒイロの方はどうだったんだ?」
「……俺か?……プロレスだ」
「ぷ…プロレス?…何があったんだ?」
一夏がそう言ったら突然音が鳴り始めた。
その音を聞いたヒイロはポケットから携帯を取り出し、メールを見た。
「今日買った携帯か、誰のアドレス入れたんだ?」
「今日知り合った奴だ。…メールは返事を出すものだと教えてもらったからな」
そう言ってヒイロはメールに目を通して、返事として『ああ』とだけ打って返す。
「二文字はないだろ…」
「そうか……じゃあ…『スラマッマラン』と付け加えておこう」
「それ何語だよ!!」
「…インドネシア語だ。今日知り合った奴がメールで『スラマッパギ』って挨拶してきたからな…流行語って書いてある。…」
「それ絶対違うからな!!」
そう言いながらもヒイロはメールを返す。その宛先名には『相生 祐子』と名前があったのであった。
後書き
ってことで今回,日常を加えてお話を進めました.
今後彼女たちの扱いですが,これはあくまで笑いのために入れたので今後重要な案件には登場しません.ヒイロ単体だったらボケられないゆえの処置ですのでもし登場させるとしたら学園祭と夏休み,後はメールっていう形のみだけです..
ちなみにちゃんみおが最後にやった技はググったらすぐにわかります.
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第11.5話 空から生鮭の切り身が降ってくるって…日常だよね | ||
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