仮面ライダークロス 第二十一話 怒りのN/狂戦士の実力
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「ベルセルク…」

「貴様も仮面ライダーだと!?」

ソウガは驚く。

「その通り。」

ベルセルクと名乗る仮面ライダーはそう答え、背中の大剣、アームズベルセルク ソードモードを抜いてソウガに向けた。

「さぁ、悦楽タイムの始まりだ!!」

言うが早いかソウガに斬りかかるベルセルク。ソウガはこれを群雲で受け止め、ドレッドマグナムで反撃する。

だがベルセルクは驚異的な反射神経で銃撃をかわし、アームズベルセルクを横薙ぎに一閃。再び群雲で防ぐソウガ。

「ダンテ!!バージル!!」

加勢に入ろうとするクロス。しかし、ベルセルクは言う。

「おっと、俺はこの悪魔の仮面ライダーと戦いに来たんだ。手を出すなよ!!出したら他のやつを殺す!!てめえらも手を出すなよ!!」

どうやらベルセルクは、ソウガと一対一の勝負がしたいらしい。

「くっ…」

この場の全員を人質に取られ、歯噛みするクロス。

「心配すんなコウキ。俺達がそう簡単にやられると思うか?」

心配ないと言うソウガのダンテサイド。

しかし、

「だろうな。だからこそ俺はお前らと戦いに来たんだよ!!」

普通怒り出すようなものを、ベルセルクはむしろ喜んだ。

「どうやら貴様は相当俺達と戦いたいらしいな。」

「おうよ!!てめえらがムスカを倒した時に、もう決めてたんだ!!てめえらは俺の手で殺すってな!!」

その発言に驚く一真。

「ムスカの事を知っている!?」

「ああ、あいつから連絡があってな。面白いもんが見れるって聞いて来てみりゃ、とんだ検討違い!まぁ感謝してるけどな。あいつがお前らに殺されてくれたおかげで、こんないい思いができたんだから!!」

ベルセルクはソウガに弾かれ、その勢いを利用して距離を取った。

(今…!!)

その瞬間をチャンスと見て取ったなのはは、

「エクセリオンバスターッ!!!」

魔力の砲撃を放つ。

「…」

対するベルセルクは、アームズベルセルクの切っ先を砲撃に向ける。砲撃はアームズベルセルクに斬り裂かれてしまい、ベルセルクには全く届かなかった。

「…てめえ、死にたいらしいな?」

「っ!!」

仮面の下から睨み付けてくるベルセルク。その表情は伺えないが、あまりにも強烈な殺気に、なのはは震えあがった。

と、アームズベルセルクが形を変えていく。その形状は、鎖鎌。アームズベルセルク アサシンモードである。

「ふんっ!!」

ベルセルクは鎖付きの分銅を、なのはに向けて投げつけた。どこまでも伸びていく伸縮自在な鎖は一瞬にして彼女を絡め取る。

なのはを拘束したベルセルクは、鎖を引いて、勢いよくなのはを引き寄せた。

「きゃあっ!!」

「なのは!!」

悲鳴をあげるなのはと、友人の危機に叫ぶフェイト。

しかしベルセルクは、なのはを鎌で斬りつけるような事はせず、

「ザコは引っ込んでいろ!!」

鎖を自分の背後に向けて振る。

鎖はなのはを解放し、

「あがっ!!」

「ぐあっ!!」

なのははなぜかいたアクセルにぶつけられた。

「なのはさん!!って照井さん!?」

驚くクロス。アクセルが自分の背後から仕掛けようとしていたことを完全に見抜いていたベルセルクは、アクセルに言う。

「照井竜。いや、仮面ライダーアクセルだな?」

アクセルはなのはを気にかけつつも、ベルセルクに尋ねた。

「俺を知っている?貴様、何者だ!!」

「悪いがさっきも言った通り、ザコに用はねぇんだ。答える義理もないね」

「何だと!?」

「おい、悪魔の仮面ライダー!」

噛みついてくるアクセルを無視するベルセルクは、ソウガに言う。

「ここじゃザコがうるせぇから、退かせてもらうぜ。またゆっくり殺り合ってやるから、楽しみに待ってろ。」

言ってスタングレネードを取り出したベルセルクは、

「じゃあな!!」

スタングレネードを使って離脱した。

 

 

 

 

 

女性はベルセルクの登場によって離脱したあと、公衆電話を使って琉兵衛と連絡を取っていた。

「申し訳ありません。無限の使徒を発見したにもかかわらず、撃破に失敗しました。」

「構わんよ。ちょうどその事について、別の処刑人を差し向けたところだったからね。」

「それからあの男に…木林影斗に遭遇しました。今のところ敵対の意思はないと言っていましたが、どうしますか?」

「…生きていられると厄介だな…ついでに始末するよう命じておくよ。とにかく君は戻ってきたまえ。大事な仕事を頼みたい」

「…了解しました。」

女性は電話を切った。

 

 

 

 

 

光輝達は全員を集め、照井に事情を話していた。ちなみに照井がいる理由だが、ちょうど近くを通りがかったところ、ソウガとベルセルクの戦闘を目撃して来たらしい。

「木林影斗…やつは本当にそう名乗ったのか?」

「はい。知っているんですか?」

光輝が尋ねると、照井は答えた。

「ああ、世界中で指名手配されているA級テロリストだ。風都署にも逮捕状が来たんだが、とうとう現れたか…しかも仮面ライダーとは…」

「A級テロリストって…またえらいもんに目ぇ付けられたな、お前ら…」

照山はダンテとバージルを見ながら肝を冷やす。

「全く、いい迷惑だぜ。俺達が何したってんだ…」

「ダンテ。どうやら、福引きの一等のツケが回ってきたようだぞ。」

「マジかよバージル…」

本気で落ち込むダンテ。男のストーカーなど、気持ち悪いものでしかない。

「俺はこれから署に戻って、木林の行方を本格的に調査する。何かあったら連絡をくれ」

「はい。」

照井は帰っていった。

「それにしても、これからどないしよ…」

はやては考える。

「どうするったって、旅館の予約はしてあるんだぜ?今さら取り消して帰るなんざ、もったいねぇだろ。」

銀八の言う事も一理あるが、

「不謹慎ですよ先生。」

と一真が言った。

「なのは、大丈夫?」

「怪我とかしてない?」

フェイトとユーノは、なのはの身を安じる。

「うん、大丈夫。」

「念のため、回復魔法かけておきますね。」

シャマルがなのはに回復魔法をかけた。

アギトはリインに問う。

「しかし、あのテロリスト、ダンテの旦那とバージルの旦那が変身する…ソウガだったか。あれの何が気に入ったんだ?」

「恐らく、強いところだと思うです。本人もそれっぽい事言ってましたし…」

リインの言う通り、ベルセルクはなのはやアクセルに対してザコと言っていたり、ダンテが自分達が強い事をアピールすると、それを肯定して喜んでいた。

「つまり、強い相手との戦いを望んでいるというわけか…」

シグナムは、そう見解する。確かに力こそクロスとブレイドの方が上だが、アンリミテッドフォースさえなければソウガの方が上だ。技や能力などの面でも、Wやアクセルを上回っている。クロスとブレイドがいなければ、ソウガこそが最強だ。

影斗がより強い相手との戦いを欲しているのなら、ソウガは最高の相手である。

「…シグナムみてぇだな…」

「何か言ったかヴィータ?」

「い、いや、何も…」

シグナムに睨まれ、ヴィータは目をそらした。ちなみに、シグナムは例のごとくソウガにも戦いを挑んだが、五秒で返り討ちに合っている。

「ママ〜」

ヴィヴィオがなのはにしがみつく。

「…とりあえず、旅館に行きましょ。」

「それがいいわね。」

それを見たレディとトリッシュが結論を出し、一行は旅館へ向かう事となった。

 

 

 

 

 

光輝達が旅館に入るのを、二人の男性が見ていた。

「命を狙われているとも知らず、のんきなやつだぜ。」

「まぁそう言うな。決行は、奴らが寝静まってからだ。」

「ああ…」

男性達は姿を消し、夜を待つ。

 

 

 

 

 

「そこやっ!!」

「ふふふっ♪」

「あっ!」

はやては照山とペアを組み、レディ、トリッシュチームを相手に卓球勝負を挑んでいた。ちなみに今はやては負けた。

「やっぱり強いなぁ…」

「大丈夫だはやて。俺がついてるから、すぐに大逆転だぜ!」

「…そやね。ほな行こか!」

「おう!」

「その意気その意気♪行くわよトリッシュ!」

「オッケー♪一気に決めちゃいましょ!」

勝負は続く。

「主はやて!」

「頑張って下さい!」

「照山も負けんな!」

「勝って下さいです〜!」

「いけ〜!」

はやて、照山チームを応援する八神家一同。

「レディちゃん頑張れ〜!」

「トリッシュも気を付けて!」

「がんばって〜」

レディ、トリッシュチームを応援するなのは、フェイト、ヴィヴィオ。

そこへ、照山と銀八以外の男性陣がやってきた。彼らは今まで温泉に入っていたのだ。

「あれ?卓球やってるの?」

「うん。」

ユーノが尋ね、なのはが答えた。

「へぇ、なかなかいい勝負じゃないか!」

拮抗している戦況を見て感想を言う一真。

「フェイトさん、あとで勝負しよっか。」

「うん、いいよ。」

光輝はフェイトと勝負の約束をした。

誰もが楽しむなか、しかし、バージルとダンテは沈痛な面持ちをしている。

「どうしたんだ二人とも?」

気になった一真が訊いてみるも、

「いや、何でもない。」

「右に同じ。」

という答えを返すだけだ。しかも、明らかに何かある。

と、ようやく銀八が来た。

「お前らいい加減にして寝ろよ?明日は早くここを出るんだからな。」

その言葉に、仕方なく部屋へ戻る一同。

「一真。」

しかし、直前になってバージルが一真に言った。

「何?」

「…お前は光輝の側にいろ。」

やっぱり何かあると感じた一真。

「ダンテ。」

「ああ…わかってる…」

二人の会話を耳にしてから、一真は自分の部屋に戻った。

 

 

 

 

 

夜。

光輝達が寝静まってから、ダンテとバージルはこっそり旅館を抜け出した。

二人が目指すのは、近くの浜辺(海と旅館はかなり近い位置にある)。その浜辺で、一人の男性が待っていた。影斗である。

「来てくれると思ってたぜ。つーか、やっぱり気付いてくれたんだな。」

「俺達があれだけの殺気に気付かんとでも思ったか?」

「あいつらにはわからなくても、俺達には丸わかりなんだよ。レディとトリッシュは勝負に夢中で気付かなかったらしいけどな」

「ククク…そうか…」

笑う影斗。

「それで、俺達を呼び出した理由は…まぁ訊くまでもねぇよな。」

ダンテはそれがわかっているだけに、少し嫌そうな顔をした。

「当然!戦うためよ!!」

「…やっぱり…」

あまりにも予想通りの答えに、ダンテはガックリと肩を落とす。

「行くぞダンテ。さっさと終わらせる!」

 

〈SLASH!〉

 

「ああ、そうだな…!」

 

〈BLAST!〉

 

「「変身」」

 

〈SLASH/BLAST〉

 

ダンテとバージルはソウガに変身した。

「そうこなくちゃ。でも簡単に終わるかなぁ?」

 

〈BERSERK!〉

 

「変身!」

 

〈BERSERK!〉

 

影斗もベルセルクに変身し、まず両者は殴り合いからの戦いを始める。

 

 

 

 

 

ソウガとベルセルクが戦い始めてすぐ、二人の男性が何か打ち合わせを始めた。

「手筈はわかっているな?」

「ああ。お前が木林影斗を、俺が無限の使徒を殺る。そうだろ?」

「よし。じゃあ行くぞ!」

 

〈NEEDLE!〉

〈SPIRIT!〉

 

二人の男性は打ち合わせを済ませたあと、それぞれガイアメモリを起動させた。

 

 

 

 

ベルセルクとソウガは殴り合う。やがて、ベルセルクはソウガから距離を取った。

「素手でもここまでやりやがるか…」

言いながらアームズベルセルクを抜くベルセルク。

と、その形状が変化していく。形状は銃。アームズベルセルク ライフルモードである。

「面白ぇッ!!」

ベルセルクはアームズベルセルクで射撃を行う。

 

〈DREAD!〉

 

ソウガもすぐにドレッドマグナムを抜いてドレッドメモリを装填。ベルセルクの攻撃を相殺していく。

 

しかし、それだけでは終わらない。

 

ソウガはベルセルクの攻撃を相殺しながら、群雲を抜いた。

「おおおおおおおおおおおおおおお…!!!」

そのまま相殺しつつ駆け出し、

「ぜあっ!!」

「ぐあっ!!」

ベルセルクを斬る。ベルセルクは砂浜を転がった。

「バージル、今回は俺が決めるぜ。」

「好きにしろ。」

ソウガは群雲を収め、ドレッドマグナムの排侠動作を行う。

 

〈DREAD・MAXIMUM DRIVE!〉

 

次の瞬間、

 

ソウガの姿が消えた。

 

「!?」

慌ててソウガの姿を捜すベルセルク。

 

その時、

 

「ぐあっ!!」

 

ベルセルクは背後から銃撃を受けた。

 

しかし、気付くと、別の方角からも銃撃を受けている。

右から、左から、上から、前から、後ろから。しかも銃撃の間隔が、だんだん速くなってきていた。

ベルセルクは瞬時に理解する。

 

相手は超高速で動き回りながら、自分を銃撃している、と。

 

ちなみに、他の者から今の状態を見ると、

 

ベルセルクは何十体にも分身したソウガから全方位一斉射撃を受けている。

 

そんな風に見えた。

そして、分身が消え、本物がベルセルクの前に現れる。

 

その手にあるのはドレッドマグナム。

 

銃口の先にはベルセルク。

 

「ドレッドスレイヤー!!」

「ジャックポット!!」

「ぐああああああああああああ!!!!」

零距離から砲撃を受けて吹き飛んだベルセルクは、そのまま変身を解除されてしまった。

 

 

 

 

 

光輝達が宿泊している部屋は二階。なのはは目が覚めてしまい、ベランダに出て夜風に当たっていた。

と、外の浜辺で死闘を繰り広げるソウガとベルセルクの姿が目に入る。

「大変!!」

急いでレイジングハートを取りに行こうときびすを返すなのは。

しかし、それは叶わなかった。

「むぐっ!?」

目の前に立っていた人魂のような頭をもつ青いドーパント、スピリット・ドーパントに顔面を掴まれたからだ。

「その身体、しばらく借りるぜ。」

「む…」

(何?私の中に…何か入ってくる…)

するとスピリットの姿が消え、意識を失ったなのはは倒れる。

なのははしばらくしてから立ち上がったが、それはもはやなのはではなかった。

「へへ…うまくいったぜ…」

口調がスピリットのものに変わっている。

これがスピリットの憑依能力だ。

「仕事が終わったら、すぐに返してやるからな。」

彼は今までこうやって暗殺を繰り返してきた。憑依を解除してしまえば、何の証拠も残らない。まさに処刑人のために造られたようなメモリ。

なのはに憑依したスピリットは、依頼を完了させるべく、光輝のいる部屋へ向かった。

 

 

 

 

 

「終わったな。」

「ああ、俺達の勝ちだ。」

勝利を確信するソウガ。

だが次の瞬間、信じられない事が起こった。

「……ックククククク…痛い…痛い痛い痛い痛い!!痛い!!ああ、これだ!!これこそが…戦いだ!!」

なんと、影斗が起き上がったのだ。

「馬鹿な!?」

「おいおい、ドレッドスレイヤーをまともに食らったんだぜ!?」

マキシマムを直撃させたにも関わらず立ち上がってみせたベルセルクにたいして驚きを隠せないソウガ。

「ああ、痛かったよ。だがなぁ、俺は死んでねぇし、ベルセルクメモリもロストドライバーも壊れてねぇ。戦える力がまだ残ってんのに、戦いをやめるわけねぇだろ?」

なんとも凄まじい戦いへの執念である。影斗は自分の思いを告げた。

「この痛み…この苦しみ…これが戦いだ!!これぐらい何だよ?俺にとって戦いによる苦痛は、快楽を得るための代償だ!!この快楽を得るためのな!!」

そう言って再びベルセルクに変身する影斗。

「俺は死ぬまで止まらねぇ。止まれるわけがねぇんだよ!!」

「なるほど、根っからの戦闘狂ってわけか…!!」

若干嫌悪感を抱くソウガのダンテサイド。

「さぁ、悦楽タイムはまだこれからだ。楽しもうぜぇぇぇ!!!」

ベルセルクはアームズベルセルク ソードモードを抜いて、ソウガに挑む。

その時、

 

突如として大量の針が飛来。ベルセルクに直撃し、ベルセルクのスーツが火花を散らした。

 

「ぐあああっ!!!」

崩れ落ちるベルセルク。

そこへ、全身から針を生やしたマネキンのようなドーパント、ニードル・ドーパントが現れた。

「どなたかは存じませんが、助かりましたよ。そこにいる木林影斗には、抹殺命令が下っていましてね…あなたのおかげで、労せずして彼を追い詰めることができました。」

「漁夫の利というわけか…」

「趣味が悪いぜ!!」

言ってドレッドマグナムを向けるソウガ。

「おっとあなたと戦う意思はありません。こちらは、彼を始末したいだけですから。」

ニードルは腕を向けながら、ベルセルクに近付いていった。

 

 

 

 

 

スピリットはなのはの身体を操り、光輝の前に立つ。

しかし、そこに一真が現れた。

「ど、どうしたの一真くん?」

スピリットは少し動揺したが、スピリットには憑依した人間の記憶を読み取る能力もあるため、それを使ってこの場をやりすごそうとする。

だが、

「いくらその子の真似をしても無駄だ。その子を解放しろ!」

一真にはバレていた。

「気付いてやがったのか…だがな、まだ仕事が終わってねぇんだよ。こいつを返すわけにはいかねぇな」

「だったら、力ずくでその子の中から追い出してやる!!」

あくまで抵抗の意思を見せるスピリットに対し、ブレイバックルを出して変身の意思を見せる一真。しかし、

「やってみな!レイジングハート、セットアップ!!」

「!?」

スピリットはレイジングハートを起動し、バリアジャケットを纏った。スピリットには憑依した人間の力を使うこともできるため、レイジングハートを起動させることができるのだ。

「なら…変身!」

 

〈TURN UP〉

 

「ぐおっ!」

一真はオリハルコンエレメントを出現させて、スピリットを窓の外へ弾き出す。なのはは飛べるので問題ない。一真もオリハルコンエレメントを通り抜けながらブレイドに変身。

 

〈FUSION JACK〉

 

「ハッ!」

その勢いでジャックフォームに強化変身し、スピリットを追う。

 

 

 

 

 

「てめえ…ザコの分際で…」

「っ!?」

ベルセルクから漂ってくる殺気に、思わず足を止めるニードル。

 

「俺の悦楽タイムを!!邪魔しやがったなぁぁぁぁぁぁぁ!!!??」

 

怒るベルセルクはアームズベルセルクを構えて、ニードルに突進した。

「「さぁ、泣き叫べ!!」」

ソウガも群雲を抜いてベルセルクに加勢する。

 

 

 

 

 

ブレイドはなのはの身体を使っているスピリットに攻撃できず、防戦一方を強いられていた。

「ディバインバスター!!」

「うわああああ!!!」

ついに撃ち落とされるブレイド。

「終わりだな、消してやるよ!!」

スピリットはスターライトブレイカーの発射体勢に入った。

「どうすれば…」

そこでブレイドは、光輝が言っていた事を思い出した。ジョーカーフォームには、相手の能力を無効化する力があると。

「これしかない!」

ブレイドは手元にパーフェクトジョーカーのカードを出現させ、ラウズアブゾーバーにラウズ。

 

〈PERFECT JOKER〉

 

ジョーカーフォームに強化変身した。

「何をしようがもう遅い!!スターライトブレイカー!!!」

スターライトブレイカーを発射するスピリット。対するブレイドは、防御力を高めるメタルトリロバイトの力を発動し、ノーガードでこれを受けきった。

「何ぃっ!?」

驚くスピリット。たたでさえ高い防御力を誇るキングフォームの装甲を数倍に強化したジョーカーフォームの装甲、そこに数倍に強化されたメタルトリロバイトの力を使ったのだ。例えミサイルが五十発直撃しようとダメージは受けない。

ブレイドはなのはに向けて手をかざし、念じた。

「能力無効化!その子を解放しろ!!」

すると、スピリットの憑依が解除される。

「お、俺の能力が!?」

そこへ、

「ぜあああああ!!!」

「ぐああああああああああああ!!!」

ブレイドのジョーカーロイヤルストレートフラッシュが炸裂し、スピリットはメモリブレイク。ブレイドは気を失った男性となのはを抱えて降りてきた。

しかし、

「シャアアアッ!!」

ブレイドが着地した瞬間にスミロドンが出現。ブレイドから男性を奪い取ると、殺害して去っていった。

「口封じというわけか…」

後味の悪いものを感じつつも、ブレイドは変身を解き、なのはを抱えて旅館に戻った。

 

 

 

 

 

ソウガとベルセルクはニードルが全身から放ってくる針のミサイルをものともせず戦い、ニードルを追い詰めていく。

「ぶっ殺してやる!!」

完全に頭にきているベルセルクは、アームズベルセルクをアサシンモードに変形。鎌の刃と柄の接合部についているメモリスロットに、Sとかかれた緑色のガイアメモリ、ストームメモリを装填。

 

〈STORM・MAXIMUM DRIVE!〉

 

「ふんっ!!」

鎖を投げつけてニードルを拘束。さらにベルセルクが鎖を引くと、コマの要領でニードルが解放されるのだが、なぜか竜巻が発生。

「うわああああああああああ!!!」

ニードルは竜巻に巻き込まれて舞い上がる。それを確認したベルセルクは跳び上がった。

「「デッドエンド!!」」

 

〈SLASH/BLAST・MAXIMUM DRIVE〉

 

ダンテとバージルが同時に発音すると、ソウガドライバーから両足にエネルギーが収束し、ソウガもベルセルクを追って跳び上がる。

そして、

 

「ストームマーダーエッジ!!」

「「オーバーキラーシュート!!」」

 

ベルセルクがアームズベルセルクでニードルを斬り裂き、ソウガが両足蹴りを叩き込んで、ニードルをメモリブレイクした。変身が解けた男性は、砂浜に叩きつけられる。

しかし、メモリブレイクしてもベルセルクの怒りは収まらない。

「ぶっ殺してやるって言ったろ?」

ベルセルクはアームズベルセルクをライフルモードに変形。マガジン部にBと書かれた赤いガイアメモリ、バーニングメモリを装填する。

 

〈BURNING・MAXIMUM DRIVE!〉

 

「バーニングエリミネート…」

男性に銃口を向けるベルセルク。

「ッよせ!!」

「死ね」

ソウガのバージルサイドが止めるのも聞かず、ベルセルクは引き金を引いた。

発射された熱光線は、男性を塵も残さず消滅させてしまった。

「…興が冷めた。もう帰る」

ベルセルクは変身を解除し、どこかへ行ってしまう。

「…」

「いいのかバージル?追わなくてよ。」

「…」

ダンテサイドの質問に答えず、バージルサイドは影斗の姿を見送っていた。

 

 

 

 

 

朝、僕は目を覚ました。

何だろう?腕の中が温かい。

気になって見てみると、僕の腕の中で、フェイトさんが眠っていた。

「…」

何で?と思いつつも、頭がぼーっとしていたので、

(…まぁいいか)

僕はフェイトさんを抱きしめながら、二度寝モードに入った。

 

 

 

 

 

朝、起きてみると、私は身体が動かなかった。

あれ?どうして?金縛り?と思って見てみると、光輝が私を抱きしめている。

何で?と思いつつも、頭がぼーっとしていたので、

(…まぁいいか)

私は光輝の胸に顔をうずめながら、二度寝モードに入った。

 

 

 

 

 

ドーパントの襲撃や謎の仮面ライダーの登場というアクシデントに見舞われながらも、どうにか旅行を終えた光輝達。

 

 

ダンテは、帰りのマイクロバスの中で呟いた。

「あいつだけは、俺達の手で倒さなくちゃな。」

「……ああ。」

静かに同意するバージル。

 

 

 

 

 

 

マイクロバスは走っていった…。

 

 

 

 

 

 

 

************************************************

次回、

仮面ライダークロス!!

 

フェイト「ねぇ、一緒に映画、見に行かない?」

一真「何だこいつ!?」

クレイドール「エクストリィィィィィム!!!」

 

第二十二話

Gの可能性/自分の生き方

 

これが裁きだ!!

 

 

木林影斗(イメージCV関智一)

 

仮面ライダーベルセルクの変身者。元は普通の一般人だったが、ミュージアムに拉致され、実験に利用された後、実験施設を完全破壊して逃走した。以降は世界中で傭兵活動に勤しんでいたが、ムスカに呼び出されたことを契機に、風都に帰還した。

可能な限りの人体強化を施されているため、変身前から中級悪魔と渡り合えるほど強い。その影響か、性格がより強い相手との戦いと殺し合いを求めるものになっており、「戦いによる苦痛は、快楽を得るための代償」とまで言っている。

裏社会のトップクラスに数多くのコネがあり、ムスカと交流もあった。NEVERの大道克己とは共闘した経験もある。

 

仮面ライダーベルセルク

 

影斗が変身する仮面ライダー。決め台詞は

『さぁ、悦楽タイムの始まりだ』

 

凄まじいパワーの持ち主で、高い戦闘力を誇る。重厚な姿に似合わず、かなり素早いという一面も持つ。

 

必殺技は右足にエネルギーを込めて放つ蹴り、『ベルセルクストライカー』。

また、専用武器、アームズベルセルクに三種類のメモリを使用することで、三種類の技を発動させることができる。

 

パンチ力 24t

キック力 30t

ジャンプ力 ひと飛び95m

走力 100mを3,2秒

 

ベルセルクストライカー 140t

 

アームズベルセルク

 

ベルセルク専用武器。

本人の意思に合わせて自動で変形する機能を持ち、大剣型のソードモード、銃型のライフルモード、鎖鎌型のアサシンモードの三種類がある。

各形態にメモリスロットが存在し、専用のメモリを使用することで、必殺技を発動する。

 

ベルセルクメモリ

 

『狂戦士の記憶』が宿っているガイアメモリ。ロストドライバーと組み合わせることで、影斗をベルセルクに変身させる。従来のメモリを遥かに凌駕するパワーがあり、ベルセルクがソウガと対等に渡り合える要因を作っているメモリでもある。

 

ライトニングメモリ

 

『雷撃の記憶』が宿っているガイアメモリ。アームズベルセルク ソードモードに使用するメモリで、刀身に20億ボルトもの雷を纏わせ、相手を連続で斬る『ライトニングエクスキューション』を発動できる。

 

 

バーニングメモリ

 

『爆炎の記憶』が宿っているガイアメモリ。アームズベルセルク ライフルモードに使用するメモリで、三万度に達する熱光線を発射する『バーニングエリミネート』を発動できる。

 

ストームメモリ

 

『暴風の記憶』が宿っているガイアメモリ。アームズベルセルク アサシンモードに使用するメモリで、相手を鎖で捕縛してからコマの要領で回転させ、発生した竜巻に相手を巻き込んだ後、ジャンプして相手斬る『ストームマーダーエッジ』を発動できる。

 

バーサーカードライブ

 

ベルセルク専用のバイク。基調色は銀。

ライトニングメモリ、バーニングメモリ、ストームメモリを装填するメモリスロットがあり、装填することで、それぞれのメモリの属性を得る。

 

最高時速 570km

説明
後編です。
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