新魏・恋姫†無双 4話
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 一刀は、この世界に来てから平穏な日々を過ごしていた。

 

ちなみに、一刀の文官の能力は・・。

秋蘭「一刀。これをやってみてくれ」

一刀「わかった」

 

 今、秋蘭と一刀の2人で執務室に居た。前から言われていた、文官について試すためだった。そして、一刀は秋蘭から手渡された竹簡を広げ。・・・・固まった。

一刀「・・・」

 

秋蘭「どうした?」

一刀「読めない」

秋蘭「はぁ・・。穂琳様の言う通りだったな」

一刀「ん?お母さんがどうしたの?」

秋蘭「いや。『きっと読めないから、文字の練習からね』と言っていた」

一刀「すごいね。でも、どうしよう・・」

秋蘭「何故、私がここに居ると思おう?」

一刀「ん〜〜、試験官?」

秋蘭「それも、あったが。文字読めない場合、教える為にきたのだよ」

 ニヤっ。と、口の端を上げて笑った。

一刀「あは・・。はは。お手柔らかに・・」

 秋蘭の指導は、厳しく。ムチ、ムチ、ムチ、飴。見たいなものだった。その、おかげか5日で、孫子をスラスラと読めるまでになっていた。

 

 

華琳「すごいはね。一刀」

秋蘭「はい。どんどん吸収していきます」

華琳「で?どうしたのかしら?秋蘭がこの時間にいるなんて」

 いつもは仕事している時間に、秋蘭は竹簡、書簡を抱えて華琳の執務室に来ていた。

秋蘭「まず。これを、見てください」

華琳「わかったわ」

 

華琳は手に取ると、真剣な表情で手渡さる竹簡、書簡を読み進めていき。その表情は、険しいような嬉しいような何とも言えないものを、浮かべていた。

 

華琳「・・・。これ誰が、考えて書いたの?」

秋蘭「一刀です」

華琳「なっ。そんな・・。5日前まで文字すら読めなかったのよ。すごいわね、本当に。問題点、改善点から、起こるであろう問題の対策まで、いろいろとわかりやすく書いてあるわ」

 しかも、そのすべてが新しい政策だった。区画整理から治水工事。警備から、農業関係まで、この時代にあうように考え書かれていた。

 

秋蘭「わたしも、かなり驚いています」

華琳「あはは。どれも、新しく誰も考え付かない事よ。一刀すごいじゃない。発想力、柔軟さ。どれをとってもね。一刀は、なんて言ったの?秋蘭の事だから、褒めたのでしょ?」

 

秋蘭「お見通しですか。はい。褒めたのですが『俺が考えたんじゃないよ。俺の住んでいた世界の昔の人が考えたものを、当てはめただけだから。すごいのは昔の人だよ』と、いってました」

華琳「一刀らしいわね」

秋蘭「はい。」

華琳「でも、今は出来るが少ないわね・・。」

秋蘭「はい。それが、残念かと」

華琳「本当に、いい弟が出来たわ。かわいいしね。・・・ん?あら、字が間違ってるわね。これで、一刀の罰決定かしら」

秋蘭「楽しみです」

華琳「そういえば、一刀はどうしたの?」

秋蘭「いつも通り、警邏という散歩に行ってます」

華琳「毎日いってるわね。今日は誰か付いて行ってるのかしら?」

秋蘭「はい。兵を一人つかせています。」

華琳「そう。それなら、安心ね」

秋蘭「ふふふ。そうですね。あの時は、華琳様と穂琳様を止めるのに苦労しました」

華琳「お母様よりひどくないわよ。それに、一刀が方向音痴だったなんて、あの時まで気が付かなかったわよ」

秋蘭「そうですね」

 

 一刀が家族なりしばらくした時、穂琳に頼まれて隣村までお使いに出た。普通なら一日であれば行って帰って来れる距離のはずだった。ところが、3日たっても帰って来なかった。

 

 焦りだし、心配になった華琳は私兵全て動かして捜索に出ようとしたため、秋蘭はなんとか抑えようと奮闘した。4日目次に行動に移したのは痺れを切らした穂琳だった。

私兵全て、そして村人全員まで使って捜索に出ようとしたが、秋蘭の奮闘によって回避された。だが、そんな事を2日間しかも時間単位で交互に止めていれば秋蘭も止める気力も失い、あわや、村人全員、私兵全員の捜索隊が作られそうになったとき一刀は商人に案内されながら帰って来たのだった。

 それからは、警邏に出る時でも誰かを付けることが義務付けられた。

 

秋蘭「おかげでと言うか、街には一刀を知らない人がいなくなりました。それに、実験的に始めた警備隊のおかげもあり、かなり民たちとの仲はいいでしょ。あと、兵達も慕ってるようです」

 

 華琳と秋蘭は、民や兵たちに囲まれて楽しそうに笑う、一刀の屈託のない笑顔を思い浮かべた。

 

華琳「そう・・。私達、あの笑顔奪うのかもしれないのね・・・」

秋蘭「・・・華琳様」

 突然、バーン!!と、扉が開き穂琳と春蘭が入ってきた。

春蘭「華琳様!!斥侯が帰って来て賊の根城がわかりました!!」

華琳「そう・・。一刀に、この世界の現実見せる時が来たのね。」

穂琳「大丈夫よ。あの子は、強いわ。それに、私達家族が居るでしょ?」

華琳「お母様。」

 春蘭の後ろに、穂琳が立っていた。華琳は、決心したように立ち上がった。

華琳「春蘭、一刀を呼んできて。それと、兵の準備。秋蘭、兵糧と武器と武具の準備」

春蘭・秋蘭「「御意」」

穂琳「町の防衛は、任せてね」

華琳「お願いします。お母様」

4人とも、部屋を出て行った。

 

 一方、その頃一刀は急に、街中で立ち止まり空を眺めた。そして、風が何かを伝えるかの様に、耳を掠めていく。

兵「曹夏様。どうかしましたか?」

一刀「いやなんでもない。家に戻ろう。(知らなきゃいけない時が来たのか、この世界の現実を・・・)」

 いつの間にか手が震えていた。震えを押さえつけるように、力強く握りしめた。決心を確かめるように。そして、踵をかえして家へと歩き出した。

 

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 それから、数十刻後。曹操軍は街を出て、賊の根城付近まで来ていた。

一刀「お姉ちゃん。作戦どうするの?」

華琳「戦力差あるわね。そうね。賊を外におびき出し、私と一刀が本隊を率いて、接敵。一当てしたら、崩れたと見せかけて引きましょう。その隙に、後ろから春蘭、秋蘭部隊が背後から攻撃。混乱してる内に、こちらは反転して、反撃に転じる」

 

春蘭「なっ!華琳様、自ら囮になるのですか!!反対です」

華琳「あら、賊如きに私が、遅れをとるとでも?」

春蘭「そ、そのようなことは・・・ですが!!」

華琳「大丈夫よ。危険な目に遭う前に、春蘭が倒してくれるでしょ?」

春蘭「はい!!この、夏候惇があっというまに倒してみせます!!」

華琳「期待してるわよ」

 

少し離れたところで、2人を見ていた一刀と秋蘭は笑っていた。

一刀「あはは」

秋蘭「姉者は、かわいいな」

一刀「姉さんは、反対しないんだね」

秋蘭「ああ。華琳様がおっしゃったのが一番効率がいいからな」

一刀「そっかぁ・・」

 

 馬に乗りながら、一刀は震えている手を見つめていた。すると、横からその手を包むように秋蘭が手を握っていた。

 

秋蘭「大丈夫」

一刀「姉さん・・。ありがとう」

 

華琳「何やってるのかしら?」

春蘭「どうしたのだ?」

 話が終わり、いつのまにか一刀の所に華琳と春蘭がそばにきていた。

一刀「いや、な、なんでもない」

秋蘭「なに、一刀の手が震えていたので握っていたところだ」

一刀「ちょっ!姉さん」

華琳「・・そう」

 華琳は、短く答えると一刀に手を重ねた。それを、見ていた春蘭も手を重ねてきた。

一刀「お姉ちゃん?姉貴?」

華琳「私達、家族が付いてるのだから心配しなくて大丈夫よ」

春蘭「そうだぞ!私たちがお前を守る」

一刀「家族か・・・・。ありがとう」

 

 そして、みんなが手を離していき準備に取り掛かる。

 

華琳「あなたは、平和な所から来た。だけど、この世界の現実をしっかり目に焼き付けない。戦場から目を逸らす事も、逃げる事も許さないわよ」

一刀「うん。大丈夫。決心は揺るがないよ」

 

 思い出していた。家族が出来た日、月を見ながら決心したことを。

 

一刀「家族や、人の笑顔を守る為なら人を殺す。お姉ちゃんの夢を支える為に。そして、決めた。殺した命、殺された命を背負って生きる」

 

華琳「その道、かなり辛いわよ?」

一刀「わかってるよ。でも、決めた」

 一刀の瞳、そして心に炎が宿った。

華琳「なら何も言わないわ。しっかり、目に焼き付けなさい」

一刀「御意」

華琳「ふふ。御意って、あなたに似合わないわね」

一刀「ちょ。せっかく気を引き締めたの」

華琳「あら、ごめんなさい」

 

 

 そこに、兵が掛けてきた。

兵「伏兵準備完了しました。」

華琳「ご苦労様、下がっていいわよ」

兵「御意」

華琳「行くわよ。一刀」

一刀「わかったよ。お姉ちゃん」

 

 

 華琳は、兵たちの前に出ると一呼吸置くと号令を発した。

華琳「曹の兵士たちよ!!民を苦しめる賊たちがここに居る!!民たちを救い、私に圧倒的勝利を捧げなさい!!」

兵達「「「「オオォォォ――――!!!」」」」

華琳「銅鑼を鳴らせ!!」

 ジャーーーン、ジャーーン。

 ここで、予想外の事が起きた。銅鑼を鳴らした瞬間、門が開き賊が打ってきたのだ。

一刀「・・・す、すごいね。お姉ちゃん。もう、出て来たよ」

華琳「・・・予想外よ」

一・華「「・・・・」」

華琳「コホン。全軍、抜刀!!かかれ!!」

 

 そして、一刀の初陣が幕を開けた。怒号、殺気が飛び交い、血しぶきが飛び、そして、何とも言えない匂い。強烈な現実が広がっていた。震える手。気持ち悪さが、喉の所までくるが何とか押しとどめ戦場から目を離さない。

 

華琳「そろそろね。全軍、引け!!」

 

 

 その頃、伏兵の春蘭は何度か飛び出そうとしたが、秋蘭に抑えられ、とどまっていた。

 

一方。秋蘭は、冷静に戦場の様子を見極めていた。

 

秋蘭「(ん?報告より敵が少ない?)」

春蘭「まだか!?」

秋蘭「う、うん。そろそろだ」

春蘭「まだか!!」

秋蘭「よし、行くぞ姉者!!」

春蘭「わかった。夏候惇隊、抜刀!!突撃!!」

秋蘭「夏侯淵隊も、行くぞ遅れるな!!」

兵達「「オォーーー!!」

 

 

一刀「姉貴、姉さん来たみたいだね」

華琳「そうね。こちらも行きましょう。反転!!突撃!!」

 

 挟撃が始まり、なんとか戦場の空気に慣れ始めた一刀は、冷静に戦場を見渡せるようになっていた。そこで、ちょっとした違和感を覚えた。

一刀「ん〜〜。」

華琳「どうしたの?一刀」

一刀「ん〜〜、何か違和感が・・。」

華琳「違和感?」

一刀「うん。よくわからないんだけど・・なんか、引っ掛るんだよね・・」

 

 ちょうどその時、春蘭の声が響く。

春蘭『敵将、夏候惇が打ち取った』

 

一刀「お姉ちゃん!」

華琳「賊どもよ!!武器を捨てて降伏しなさい!!抵抗するものは容赦なく殺す!!」

賊「くそがぁーーー!!」

一刀「・・・」

 

 だが、諦めて居なかったのか、賊の一人がこちらに向かって、叫びながら突進してきた。だが、一刀冷静に無言で弓を構え眉間を射貫いた。初めて、自分の手で人を殺したのだ。

そして、華琳はもう一度呼びかけた。

 

華琳「武器を捨てて降伏しなさい!!抵抗するものは、容赦なく殺す!!」

賊たちは武器を捨てて降伏していった。

 

春蘭、秋蘭は隊を率い、華琳、一刀の居る本隊と合流した。

華琳「ごくろうさま。春蘭、秋蘭よくやったわ」

春蘭「はい!!ありがとうございます!!」

秋蘭「落ち着け姉者。まずは、報告だ」

春蘭「そうだった。兵と投降してきた賊、まとめ終わりました」

 

丁度そこに、本隊の確認作業していた一刀も戻ってきた。

 

一刀「お姉ちゃん。こっちも、終わったよ」

華琳「春蘭、秋蘭。ご苦労様。それに、一刀ありがとう。さて、帰りましょう」

秋蘭「あの、華琳様。気になる事があるのですが」

華琳「どうしたの?」

秋蘭「賊が、根城から出てきたときた賊の人数が斥侯の報告より少ない気がしたのですが」

春蘭「そうか?突撃したくてよくみてなかった」

華琳「そう。一刀、何か違和感を感じていたわよね。何かわかった?」

一刀「まだ、なんとも」

ちょうど、その時。『ピィーーー』と鳥の鳴き声が聞こえた。

 

一刀「ん?ピィーーー―」

 

 鳥の声に返事をするように、指笛を鳴らした。すると、一羽の大鷹が舞い降りてきた。

華琳「その鳥なに?」

 

一刀「この、タカタカは俺が飼っている大鷹でね。お母さんに出るとき、渡してきたんだ。」

華琳「(タカタカって・・名前つけ方が、残念ね・・。)」

 

 一刀は、服から餌をだし。タカタカにあげて、タカタカの足を見た瞬間。一刀の顔色が変わり焦りだした。

 

春蘭「どうしたのだ?」

一刀「急いで村に帰らないと!!」

秋蘭「落ち着け!!一刀しかわからんのだ、説明してくれ」

一刀「村で何か起こってるんだ!!緊急事態が!!足に布が結んであるでしょ、何かあったら色の付いた布を結んで飛ばしてくれって。緊急なら赤色の布って!」

 

 そして、3人にタカタカの足を見せた。そこには、赤色の布が結ばれていた。緊急なら赤色の布を付けて飛ばすように。そして、脚についていたのは赤色だった。

 

一刀「お姉ちゃん。どうしよう・・・。村で何か起こったみたい・・・」

華琳「まさか・・。拠点を囮にして、村を襲ってる?」

春蘭「華琳様!!急いで村に帰りましょう!!」

華琳「そうね。秋蘭の部隊を賊の連行させ、残りは急いで帰りましょう」

秋蘭「御意。夏侯淵部隊は賊の見張り残りは急いで、馬に乗れ!!騎乗!騎乗!!村に向かって急ぎ行軍開始!!」

 

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村の方角から空に黒煙が立ちあがってた。それを、見つけるや否や、行軍をさらに加速させた。

 

 そして、村につくとそこら中で家が燃え、近くには矢刺さり、斬られ死んでいる村人や兵や賊の死体が転がっていた。『助けてくれ!!』と悲鳴、賊の笑い声が響く。阿鼻叫喚の地獄絵図が広がっていた。村の奥からは、まだ戦っている声が響いていた。

 

一刀「あ、あ、あ」

華琳「なんなのよこれは!!!」

一刀「・・・・」

 

一刀は、無言のまま馬から降り燃える村の中に走り出した。

 

春蘭「一刀!!!」

華琳「待ちなさい!!春蘭、秋蘭、追いかけるわよ!!それ以外は、賊の殲滅、民の救援、家の消火しなさい!!!」

春蘭・秋蘭「「御意」」

兵達「オォーー!」

 

 

一刀は、どんどん村の中を進んでいく。村を出発する前まで笑っていた人たちの死を見つめながら。進んでいくと、賊と剣を振るい戦う穂琳の姿が目に入った。その瞬間、自然と走る速度を上げていた。

 

一刀「お母さん!!」

穂琳「一刀くん!!」

 穂琳も、一刀の声を聴き、近くに居た敵を倒し一刀に走りより抱きしめた。

穂琳「よかった。無事だったの・・・ね・・・」

 

 次の瞬間、一刀に体重を預けるように倒れ来たのだった。一刀は慌てて、背中に手を回すと、べちゃっと生ぬるい感触を感じた。

 

一刀「え・・・?お母さん?」

右手で抱きしめ、恐る恐る左を見たら血で真っ赤に染まっていた。

一刀「あ。あ。あ。あああーーーーーー!!!!」

 

 叫び声をあげた瞬間、頭の中にザァァァァ。ザァァァァ。とテレビの砂嵐のような映像が映し出された。

 突然映像が変わる。映し出されたは、幸せそうに笑う男の子と母親と思われる女性、父親と思われる男性の姿。

 そして、また砂嵐が表れ、映像が変わる。次に映し出されたのは、血を流しながら倒れている男性の姿。

 また、砂嵐が流れ、次に映し出されたのは、十人くらいの男に囲われ泣きながら叫びながら侵されている女性の姿。

 砂嵐が表れ、次に映し出されたのは、女性が子供を守るように覆いかぶさっている姿。そして子供の手は女性の血で赤くなっていた。

 一つの感情が支配する。その感情は、「殺す!!」。そして、映し出されたのは、どこまでも続く真っ暗な闇。そして、闇に引きずり込まれる感覚が一刀を襲う。

 だが、次の瞬間その闇を吹き飛ばす強力な光が覆った。その光は、暖かく一刀を包み込んだ。

 そして、光が収まると目の前には、さっきまで女性を犯していた男たちと思われる、死体と、部屋中の壁、天井に大量に飛び散っている血しぶき。床を血の水たまりとかしていた。そして、自分の手や服を見ると真っ赤に染まっていた。そして、腰を女性が抱きしめていた。

 そこで、映像が終わった。

 

一刀は、頭の奥底に封じられていた過去がよみがえっていた。過去に何があったか。そして、さっきの映像の子供が自分自身で、父親と母親である事を。

 

 

??「・・と・・・か・・と。一刀!」

 一刀は誰かに揺すられ、意識がゆっくりと回復していく。そして、ゆっくり目を開けると涙を流しながら、呼びかけている華琳の姿があった。

一刀「おねえちゃん?」

華琳「よかった。」

 そして、『パチーーン』と華琳は一刀の頬を叩いた。

華琳「バカ!!勝手に行動するんじゃないわよ!!死にたいの!!心配させるんじゃない!!」

一刀「・・・ごめんなさい」

 華琳は、ゆっくりと抱きしめた。

華琳「よかった。無事で。それと、お母様は無事よ。一刀の顔を見た途端気が緩んで気絶しちゃったんでしょ」

一刀「本当に?よかった・・。」

 ポロポロと涙を流す。

春蘭「気が付いたか!!」

秋蘭「心配させるな!!」

一刀「ごめんなさい」

 

華琳「さて、一刀。まだ、消火と賊殲滅が残っているのだけど出来そう?」

一刀「大丈夫」

華琳「じゃ、やるわよ。秋蘭はお母様をお願い。春蘭は、兵を指揮して賊の殲滅。ただし、深追いはしない事。一刀は、私と消火しながら賊の殲滅」

一刀「わかった」

春蘭・秋蘭「御意」

 

 

 

 そして、すべてが終わり落ち着いた頃には日付けが変わり、日が昇っていた。

 結果、賊殲滅。一刀が実験的に作り上げた、警備隊のおかげで、民の犠牲が十人くらいでとどまっていた。

 家で、その報告を聞くと一刀は倒れた。

 

秋蘭「一刀!!」

春蘭「一刀大丈夫か!!」

 慌てて、秋蘭、春蘭は走り寄ると顔を近づけた。そして、聞こえてきたのは規則正しい寝息だった。

華琳「どうなの?」

秋蘭「・・・寝てます」

華琳「ほぉ・・・。よかった」

春蘭「心配させるんじゃない!!」

 

秋蘭「あんまり、大声だすな。起きてしまうだろ。起こさない様に運ぶから手伝ってくれ」

春蘭「お、おう」

 一刀を、穂琳の横に寝かせた。華琳は一刀の頭を優しく撫でると、唇にキスすると立ち上がった。

華琳「春蘭、秋蘭。大丈夫?」

春蘭「大丈夫です」

秋蘭「私もです」

華琳「では、村の復興に取り掛かる」

 

そして、3人はゆっくりと部屋を出て行くのだった。

 

 

説明
新魏・恋姫†無双の続きです。

一刀の初陣です。そして、一刀の五歳より前の記憶が蘇る。


誤字、脱字があると思いますが、温かい目でお願いします

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コメント
どの一刀も一度はあたる壁ですか・・・。これを乗り越えた時、一刀は最強の武人になれるでしょうね。(本郷 刃)
この一刀凄惨な過去を持ってるなあ(アルヤ)
穂琳が死ななくてよかった。(神木ヒカリ)
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