新・戦極†夢想 三国√・鬼善者を支える者達 第008話
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新・戦極†夢想 三国√・鬼善者を支える者達 第008話 「自らの信じる正義」

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曹操の領地で数日世話になり、旅立ちの時。

 

曹操「いいの?貴重な龍の素材をこんなに安売りさせてもらって?」

 

一刀「いいさ。こっちも兵糧など提供してもらったし」

 

曹操「それは私達の兵達も治療してくれたお礼よ」

 

一刀は数日間の義勇軍の寝床と兵糧を提供してくれた代わりに、龍の素材を3割引きぐらいで少しお返しした。

 

一刀「まだ龍の素材には、余裕があるよね香蘭?」

 

香蘭「……まだ余裕があるにしても、わざわざ値引きして売らなくとも…ブツブツ」

 

爽やかに答える一刀に対し、常にムリ、ムラ、ムダを無くす事を信条に持つ香蘭は、俯きなにやら呟いている。

 

曹操「…徐庶の方は何か言っているようだけど?」

 

一刀「こまけぇ事はいぃんだよww」

 

凪「一刀様。お元気で」

 

一刀「おう、凪も体を厭えよ」

 

凪「はい」

 

一刀の言葉に楽進…凪は薄く頬を染め笑顔で答える。それから真桜や沙和に”照れてる”などと冷やかしをくらい、すこし賑やかになる。実はこの三人の真名を何故一刀が呼んでいるかというと、凪は助けてくれたお礼にと、真桜と沙和は友達が預ける人ほどなら、っていう理由らしい。

 

秋欄「瞳よ。次に会う時はまた弓の手ほどきを貰おう」

 

瞳「その時は、多分私の弓の師匠と思える人もいるから、その時に一緒に受けよ♪」

 

秋欄「ほう、それは楽しみだ」

 

瞳と秋欄はこの数日の間に意気投合し、秋欄は瞳に弓を教わるまでの関係になっていた。

 

胡花「一刀様、そろそろ」

 

出発の時間のため、胡花が一刀に声をかけ、最後に一刀が曹操にセリフを残す。

 

一刀「いずれまた巡り会うであろう、我が強敵(とも)曹孟徳よ。我が主を打ち破る事が出来たならば、その時この私は貴女に私の持てる全ての力を捧げよう。我が主は貴女よりも遥かに巨大。次に戦場で会える事を楽しみにしている」

 

こうして…北郷義勇軍は曹軍に加わるものは加わり、一刀について行く者は済南を後にした。曹操は一刀の言葉を胸に焼付け、いずれ巡り合う巨大な敵に野心の炎を燃やすのであった。

 

……済南の町が見えなった辺り…椿(愛紗)が一刀に対し小声で…

 

椿(愛紗)「ご主人様、よかったのですか?あんなことを言いまして」

 

椿(愛紗)の質問に対し一刀は、何が?っと答える。

 

椿(愛紗)「今のご主人様の王としての器は、前の世界の華淋以上です。曹操はより大きな巨大な敵となり、ご主人様に立ち向かってきますよ」

 

そういう椿(愛紗)に対し、一刀は軽く”むぅ”と唸った後に別に問題ないと答える。

 

一刀「今度こそは華淋を…曹孟徳を”自らの力で”倒す。ついて来てくれるかい?我が愛しの永遠の従者よ」

 

椿(愛紗)「私の心身は”あの時”からずっと貴女の物。何処へでもお供します」

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そんな事あった何十日か後…

 

ここは平原。ここでもまた一つ、血なまぐさい剣戟等の鳴り響く音と、砂埃が舞い上がっている。この平原を治めているのは劉備元徳。それほど大きな州ではないが、劉備の人徳の噂を聞き、少しずつ人は増え、人材は集まり、なんとか大きな街に負けないほどの活気溢れる土地になっていた。時は夏。日射病や脱水症状に苦しむ人達が出始め、兵士の士気が著しく落ちているところ、賊が平原領内の村に攻めかかってきた。この知らせを聞いた劉備軍は、直ぐに軍を差し向け鎮圧に向かう。実はこの賊、平原近辺を荒し回っている賊で、目の上のこぶの様な存在となっていた為、是非とも潰しておきたかったのだ。

 

しかし…

 

関羽「桃香様、賊は引いていきます。追撃の許可を!」

 

劉備「よしっ、それじゃa「お待ち下さい、桃香様!」」

 

関羽の追撃許可を了承しようとした劉備に対し、諸葛亮が待ったをかける。

 

?統「あわわ、今回の賊の動きは何かおかしいです。何かの罠かもしれません」

 

?統は右手の人差し指を頭に当て答える。

 

女性1「確かにな。今日の賊は気味が悪いくらいに手応えがなかったぜ」

 

女の子1「今回はあまり深追いしない方がいいかも」

 

眉間に少ししわを寄せて話したポニーテールの女性は馬超。黄色の服で馬超を小さくした感じの女の子は馬岱という。

 

張飛「でも、ここで逃がしちゃったら、またあいつらが来ちゃうのだ」

 

関羽「そうだ。それに相手は賊、何も心配はあるまい。桃香様、お下知を…」

 

賊はいつもと比べ以外にあっさり引き、それが気がかりな者もいるようだ。関羽もそれは頭の中で判ってはいる。しかし、これ以上主君の領地を汚されることが我慢できなく、冷静な判断が出来なくなっていた。劉備自身は、領民を守りたい気持ちを優先し関羽に下知を飛ばしてしまう。馬超と馬岱はもしもの時の為に劉備と二軍師を守り留まる。

 

一方その頃、一刀一同も平原に向かって進んでいた。義勇軍から曹操に仕える者を引いてまた一時期、義勇軍は減少したが、済南の一件より、20000の軍を3000で蹂躙する義勇軍は瞬く間に有名になり、北騎隊(北郷騎馬隊)と呼ばれる様になった。義勇軍の応募者も殺到し、前より多い5000に膨れ上がった。そんな矢先…

 

香蘭「…一刀様。また何処かの軍が戦っているようです…が…?」

 

香蘭が振り向いた先に、一刀…ついでに瞳の姿は無かった。椿(愛紗)は一つため息を吐き、ある方向に指を指す。指が指された方向には、二人で賊に向かって突っ走る一刀と瞳の姿があった。

 

胡花「ちょ、椿様!お止めにならなくても!?」

 

椿(愛紗)「大丈夫だ。いつもの…事だ…」

 

香蘭「いつもの事って?あんなん許してあきまへんやろ!?」

 

椿(愛紗)「香蘭、素に戻っているぞ。無謀な突撃ではないから……無謀ではないから…な…」

 

そういい椿(愛紗)は”はははっ”と笑いながら、何処か遠くの空を見つめる。

 

胡花「つ、椿さん?椿さぁぁぁぁっん!!」

 

香蘭「と、とにかく。はよ追い付かな!進軍!進軍!」

 

胡花は少し可笑しくなった椿(愛紗)両肩を揺すり、香蘭は慌てて軍の速度を上げる。

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そして、戦場の前線。あれ程奮戦していた劉備軍…

 

関羽「{……はめられた}」

 

関羽がこう思うのも、現在賊に追撃をかけた劉備軍は渓谷地帯に追い込まれいきなり反転してきた賊に猛攻を喰らった。いきなりの反転に少し動揺したものの、好都合。逆にこちらが賊を蹴散らす機会が増えた…っと思った矢先の事であった。反対側よりも賊が現れ挟み撃ちにあったのだ。

 

関羽「{これも私が賊と侮った影響か?いや…やはりあの時、朱里や雛里の忠告を聞いた方がよかったのか}」

 

今頃の後悔はもう遅い。今は少しでも被害を食い止め、追い付いてくるであろう仲間を待つしかなかった。しかし、状況を一転させる事態が起こった。

 

賊頭「ふふふ、ワシ等がいつまでもやられているだけと思うなよ。ちょいと頭を使えばこちらのものよ。それにしても、あの赤毛の幼女と黒髪の美女。なかなかの一品だな。わしに幼女趣味は無いから趣味の奴らに与え、あの黒髪の女はわしが調教してやろうか。くくく…「その話、詳しく聞かせてもらおうか?」!?」

 

賊頭が至らぬ妄想に耽っている間に誰かに声をかけられ…

 

瞳「北斗有情猛翔破!!(ただの気を篭めた致死率90%以上の鳩尾)」

 

賊頭の体は大空を羽ばたき、賊の群れに落ちる。頭上から落ち来た自らの頭の姿に、賊達は動揺を隠せず、それに追い討ちをかける様に何処かの軍が姿を現す。

 

賊「ほ、北騎隊だーー!!」

 

この賊の一言で賊の軍団は蟻の子を散らすように逃げるが、北騎隊の騎馬軍団が賊の蹂躙にかかる。

 

騎馬隊が蹂躙し終わった頃に、劉備率いる後続の軍が追い付き、劉備は嬉しそうに一刀の前に出、感謝の言葉を述べる。

 

劉備「ありがとうございました一刀さん。おかげで愛紗ちゃんと鈴々ちゃんも無事で済みました」

 

いや、っと軽く微笑み答える一刀に香蘭が話しに割り込む。

 

香蘭「…劉備さんでしたっけ?私の名前は徐庶元直。一つお伺いしますが、そちらの軍に水鏡塾の姉妹、諸葛孔明と?士元の二人が仕えているはずですが?」

 

香蘭は無表情で淡々と劉備に問いかけ、その言い方に腹を立てた関羽が香蘭につっかかる。

 

関羽「貴様は何者だ!?いきなり桃香様の前にずけずけと!!」

 

香蘭「あぁ、貴女にも聞きたいことが。今回、前線で指揮を取っていたのは貴女でしたね。あれは孔明と士元の策ですか?」

 

香蘭は鷹が狙う獲物を変えたかの様に、関羽に質問を投げかける。関羽は言葉を詰まらせながら答える。

 

関羽「うっ。そ、それは私の独断だ」

 

香蘭は次々に関羽に質問を投げかける。

 

香蘭「一刀さんが来なければ、確実に貴女方は負けていました。その時の敗因の責任は誰に渡ります?」

 

関羽「…私だ」

 

香蘭「独断行動と言う事は、あの子達はこの様な馬鹿な軍の進め方などさせなかったはず。と言う事は軍律違反。悪いのは?」

 

関羽「……私だ」

 

香蘭「最後に。無謀な追撃のおかげで出なくてもいい被害まで出てしまいました。どう責任を?」

 

関羽「………」

 

関羽は俯き葉をかみ締めながら手に握りこぶしを作り、黙り込んでしまう。香蘭は劉備にある言葉を放つ。

 

香蘭「劉備殿。この事についてどうお考えですか?場合によってはこの方は死z「はいそこまで」?」

 

香蘭は最後の一言を言う前に、一刀によってその言葉を妨げられ、一刀に頭を掴む様に抑えられ後ろにやらされる。

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香蘭「一刀さん?」

 

一刀「別の軍には別の軍の方針があるの。わざわざ部外者が割り込み口出しするものじゃないよ。諸葛亮、そこにいるのだろう?」

 

一刀の呼ぶ建てた天幕の後ろから、びくびくしながら諸葛亮と?統が出てくる。

 

一刀「俺達はそちらの方針に口出ししないからね」

 

諸葛亮「ひゃ、ひゃい。…関羽雲長殿。今回の件に関しては、主君の下知もありましたので、これ以上の追及はしません。しかし、貴女の独断行動とも言えるべき追撃による被害は見過せません。よって沙汰があるまで自宅謹慎とする」

 

諸葛亮の言葉に関羽は黙って天幕の中に消えその場を後にする。

 

その様な出来事後。一刀達は劉備の城に少しだけお世話になる為に平原の居城に向かった。

 

平原居城内

 

馬超「…へぇ。これだけの馬をよくかき集めたものだ」

 

馬岱「西涼の馬にも負けないぐらい、いい馬が揃っているね」

 

一刀「資金は賊を退治した時の報奨金や寄付金、そして龍の素材とかをいろいろ売って調達し、そこから馬を購入してたり、野生の馬や、賊の使っていた馬などかき集めなんとかここまで揃えたよ」

 

西涼出身である馬超と馬岱は、物珍しそうに騎馬軍団を見る。

※道中に馬超達とはそれぞれ自己紹介しました。

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そんな話をしている間の、胡花と香蘭…

 

胡花「どうしました香蘭?どうしてあのような事を?」

 

胡花の問いに対し、香蘭は素に戻り返す。

 

香蘭「……さっきウチが話しとった姉妹弟子…朱里と雛里っていうんやけど。あの子達は水鏡塾でも飛びぬけとった。さきに入ったウチと同期に入った朱里の姉で諸葛瑾って奴がいるんやけど。」

 

香蘭は胸にムカムカした感情を篭めながら淡々と答える。

 

香蘭「徐々に追い付いて、今まで塾内での成績1、2番ウチを争っとったウチらをあっさり抜き去りおった。銭姫…諸葛瑾とも話し合ったよ。こいつらは化ける。使えるべき人に仕えれば、いつかこの大陸に新風を巻き起こす、っと。朱里達が劉備に仕えたって手紙も、まだウチが成都にいた頃にちょいちょい貰ってたから知っとった。”素晴らしい主君だ”って喜んどる内容やったから、どんな人物かと思えば……朱里達の才能を全く使いこなせてないわ!宝の持ち腐れ。そんな主君にのうのうと仕えてる朱里達にも腹が立つ」

 

椿(愛紗)「まぁ落ち着け」

 

そのような愚痴を胡花にぶつけていると、椿(愛紗)が話しに入ってくる。

 

香蘭「椿はん?」

 

椿(愛紗)「そう悲観的になるものでもない。お前に劉備殿の全てがわかる訳ではあるまい。それとも自分の妹分達の見る目を信じられない、っとでも言い出すのか?」

 

香蘭「それは…」

 

椿(愛紗)の問いにしっかりとした回答を答えれずにいる香蘭。椿(愛紗)が続きを話し出す。

 

椿(愛紗)「もう少し長い目で見てやるがいいさ。妹分を信じてやれ。それに、今この軍に必要なのは皆の”抑え役”が必要と見た。その者さえ見つかればなんとかなる」

 

椿(愛紗)は一人の仲間の姿を思い出した。そう、かつて飄々と自分勝手な行動をしながらも、自分が誤りそうになればその時、殴ってでも”お前は間違っている”っと言うように様に正してくれた”昇り龍”の姿を…

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そんな話があり、一刀達の方に目線を戻すと。?統が一刀に対し何か話していた。

 

?統「一刀さん。さっき龍の素材と言いましたよね?もしかするとその中に、龍の肉はありませんか?」

 

?統の質問に一刀はあるよと答え、劉備が不思議そうに諸葛亮に質問する。

 

劉備「ねぇ朱里ちゃん。龍の肉ってあの龍?そんなもの何に使うの?」

 

朱里「龍の肉は他の動物と違い新鮮で腐りにくく、保存状態さえ守れば劣化しにくいのです。肉は腐っても、理由は知りませんが漢方薬としても重宝されます。それに肉はある種の薬の様な役割で、夏場では特に脱水症状や日射病に倒れた方にも効果的です」

 

※”龍の肉”の効能は、うp主の作り話なので、その様な効果あるかどうかは知りません。

 

劉備「しゅ、朱里ちゃん!」

 

諸葛亮「はい。これがあれば領内の夏予防は完璧です」

 

劉備は笑顔で諸葛亮に喋る。諸葛亮も笑顔で答えるが、目が素直に笑えずにいた。そんな諸葛亮の何か抱えている思いも知らずに劉備は一刀に…

 

劉備「一刀さん。龍の肉を譲ってください!領内では何人も夏の暑さで倒れ困っているんです。お願いします!」

 

劉備は深々と一刀に頭を下げ頼み込む。それに対し一刀はあっさりと、いいよっと承諾する。笑顔になる劉備に一刀は詐欺師が見せるような笑顔でこう答えた。

 

一刀「それじゃあ。平原の領地と人口の事も考えて…これぐらいだね」

 

一刀は懐から竹を取り出し、さらさらっと龍の肉の値段を書く。まさか金銭を要求されると思っていなかった劉備は、その額を見て青ざめた。

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劉備「え?お金取るのですか?それに何ですか、この額は?」

 

劉備の呆気に囚われたセリフの後に?統は答える。

 

?統「桃香様、龍の素材は今この大陸でもっとも高い材料です。それこそ大陸中の薬剤師や医者、料理人も喉から手が出るほど欲しがっている物です。おいそれと渡せる訳がありません」

 

?統のセリフに対し、つい劉備は声を荒げて答える。

 

劉備「で、でも。一刀さん!町のお医者さんもこの暑さには手を上げている状態なのですよ!?倒れている人達も出ているのですよ!?」

 

劉備の問いに、一刀はだから?っと一言言う。そして一刀は…

 

一刀「そうだね。この暑さだからね。またいつ賊が出るかも判らないし、いち早く問題を解決したいよね?だったら君達も南蛮へ行って龍を倒して来るといいよ。ただし南蛮はここより暑く、道は険しいし、龍と戦った時もそれこそ命懸けだったよ」

 

劉備「でも、目の前に倒れている人達も…」

 

一刀「悪いけど俺はその人達より、後ろにいる5000人の命の方が大事だ。彼らは黙って俺に命を捧げてくれている。例えば進軍の最中に何人か人が倒れていれば分け与える事も可能だが、一つの領地に寄付出来るほど、俺もお人よしでもないよ」

 

劉備「それじゃあ。一刀さんは何の為に軍を設立したのですか!?それが貴方の正義ですか!?」

 

声を荒げる劉備に対し、一刀は冷やかに言葉を返す。

 

一刀「正義?君の考えている”正義”は所詮、自分中心の正義じゃないのか?」

 

一刀の返しに劉備はそんなことhっと言うセリフを言いかけるが、一刀はそのセリフを遮りある条件を言い渡す。

 

一刀「ならば劉元徳よ。今回の戦は我々が来たとはいえ、前線で戦って犠牲になった兵は余りにも報われない。よって、関雲長を死罪とせよ!」

 

劉備「!?」

 

一刀は劉備に指差し、劉備は驚愕で目を見開く。

 

一刀「この条件を呑めば、領地分の肉を提供すると約束する」

 

一刀の条件に、劉備陣営は一斉に食い掛かる。

※関羽は謹慎中なのでいません。

 

馬超「おいおいちょっと待てよ。そんなのありか!?」

 

馬岱「そうだよお兄様!いくらなんでもそんなの!」

 

張飛「あんまりなのだ、お兄ちゃん!」

 

諸葛亮「はわわ。桃香様にその様な事を決断させるなんて!」

 

?統「あわわ。無茶です一刀さん!」

 

一刀「黙れ!!」

 

劉備陣営「「「!?」」」

 

ごちゃごちゃ言う劉備陣営に一刀は一喝で黙らせる。

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一刀「何かを無償で貰える事など普通はありえない。こちらも本当は関羽の命などどうでもいい。しかしそれでも…”どうしても”と言うから、劉備に何か代償を払ってもらう事を条件に提供しようと言うのだ。さぁ選べ、劉備!領民の多くの命か?関雲長一人の命か?躊躇う事は無い。一人の命で多くの命が救われるのだ。関羽も本望だろうし、君も名声が上がるかもしれない。”領民を救うため、自分の肉親を殺した決断出来る君主”とね」

 

劉備は下を俯きながらただ黙り込んでいる。一刀は劉備より視線を離さずにジッと目線を向ける。その状態がしばらく続いた時一刀が…

 

一刀「全く。劉備、君はまだまだ青いな。いいだろう、龍の肉を提供してやろう」

 

劉備「え!?」

 

一刀の思いがけない回答に、劉備は間抜た返事をしてしまう。

 

一刀「ただし5割引きだ。そこより買える範囲で買うがいいさ」

 

劉備はありがとうございますっと深々と頭を下げる。そして一刀は答える。

 

一刀「いいか劉備よ。俺も自分が行っている事を全て正義だと思っていないから、”正義”についてどうこう言うつもりはないが、これだけははっきりさせておく。自分が行っている”正義”の裏側には、必ず誰かが犠牲になっている。願いや幸福の裏側や、そのもっと前には誰かの願いや幸福を奪っていることを忘れるな」

 

そうして翌日になり、北騎隊は平原を去っていった。

 

緩い進軍中…

 

胡花「よかったのですか?一刀様。5割引の大安売りで売ってしまって」

 

一刀「……彼女には言いたいことも言った。それに気付いてくれれば、そのぐらいの安いものさ」

 

苦笑いで答える一刀に胡花は…

 

胡花「しかし一刀様」

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“売った値段は、曹操殿に売った時より多いのですが?”

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胡花の言葉に一刀はクスリと笑い答える。

 

一刀「今は夏だ。”値上げ”が起こってしまったのだからしかたがない」

 

今の時期、夏バテ様の漢方薬などは大きく値上がりし、龍の肉も例外では無かった。

 

胡花「貴方の正義はとんでもないですね?」

 

一刀「俺は仲間の為なら、他者を切捨て出来る人間だ。信じてくれる仲間がいる限り、この考えは変えないさ」

 

胡花「そういう貴方ですから、私は貴方についてきたのですよ」

 

こうして一刀達は少しずつ西涼に近づく。今回、平原に留まる事になった兵の数は”0”であった。

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こんにちわ。IFZです。

今回あんまり訂正の確認してなかったので、文章の誤りがあれば、また訂正します。

それではSee you next time.

説明
お久し振りです。
さて投稿です。最近すごく行き詰まっています。
胡花と香蘭の扱いが雑すぎないのかな?と思ってますが、細かいことは良いですよねww

それではどうぞ。
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コメント
nakuさん〉劉備の成長にこうご期待(震え声)(IFZ)
破滅の焦土さん>劉備にも王の素質はあるはずです。きっと叩かれて伸びる子なんだよ?(IFZ)
このときの劉備はほんと腹が立ちます。まあ、これから強くなるんでしょうね。(破滅の焦土)
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