仮面ライダークロス FOREVER AtoZ運命のガイアメモリ パート3 |
戦いがあった夜、風都タワー。
そこでは、ヒートとメタルが立て籠りをしていた。
「警視庁超常犯罪捜査課の刃野だ!!」
「真倉だ!!」
「ブロリーです。」
「孫悟空だ!!」
「ベジータだ!!」
「バーダック」←パラガス
「ウソです!!」←トランクス
「あ!!」
デデーン☆
ウソをついたため、パラガスはブロリーにデデーン☆された。
「お前達の要求は何だ!!」
スピーカーを使って叫ぶ真倉。その時、メタルの投げたパトカーが、彼らの近くに落ちた。
「へああっ!?」
「うわああああ!!!」
「うおお!!!おおおおおおおおおお!!!」
「ぐおっ!!」
「ああああああああああああああああ!!!!」
当たっていないのになぜかリアクションをするブロリー、悟空、ベジータ、パラガス、トランクス。
「仙豆だ。食え」
すぐに現れて仙豆を与えるピッコロ。
「あ、悪魔だ…」
ただパトカーを投げただけなのにドーパント達に恐怖する悟飯。
「違う。悪魔は俺だ!」
言って、ブロリーはドーパント達に仕掛けようとする。
「うわへへ!ブロリー様!気をお鎮めください!」
ブロリーを止めようと前に出る科学者。
「ブロリー!いい加減にしろ!!」
「俺がベジータだ!!」
「十円!!」
わけのわからないことを口走りながらブロリーに挑む悟空、ベジータ、ピッコロ。
「父さん!もっと情報を集めてからでも」
「てやああああ!!!」
「ああああああああああああああ!!!」
ベジータを止めようとしてベジータにぶっ飛ばされるトランクス。
「カカロットォォォォォーッ!!!」
「ぎゃあああああああああああ!!!!」
「ぐわあああ!!!」
悟空とピッコロを返り討ちにするブロリー。
「ブロリー!それ以上気を高めるな!!やめろぉぉーっ!!!」
「できぬぅ!!」
「ごぉっ!!!」
ブロリーにぶっ飛ばされるパラガス。
こんな光景を見て、ヒートとメタルは思った。
((本当にカオスな街なんだなぁ…))
と。
翌日、敵の襲撃を恐れて近くの森に集合した翔太郎、フィリップ、亜樹子、照井、一真、ダンテ、バージル。フェイトは光輝が死亡したと聞かされたショックから、この場にいなかった。
「ダメだ。やっぱり反応しない…」
フィリップはメモリを起動させようと試みるが、エターナルレクイエムの影響で起動しない。一方バージルのメモリは、
〈SLASH!〉
「俺のメモリは起動するぞ。」
大丈夫だった。
〈BLAST!〉
「俺のもだ。」
ダンテもブラストメモリを起動させる。処理はうまくいっているようだ。
「俺は変身にメモリを使わないから問題ない。」
一真もブレイバックルを見ながら言う。しかし、彼らにとって、それよりも問題なことがある。仮面ライダーエターナル、大道克己から告げられた、光輝が死んだという事実だ。
「光輝…本当に死んだのかな?俺には信じられない。あの光輝が…」
悲しむ一真。
「…んなこと言ってたって、どうにもなんねぇだろ。それより、これからどうするか、だ。」
ダンテは現実を直視し、これからの話をする。悲しいのは彼も同じなのだが。
「まともに戦えるのは俺とバージル。それからお前の三人…いや、実質二人か…」
ダンテとバージルは変身して一人になる。翔太郎、フィリップ、照井は変身できず、他に変身できるのは一真。ともなれば、戦力は二人だけである。しかし、とバージルは言う。
「木林影斗の存在がある。」
そう。影斗は克己に味方すると言った。ならば間違いなく邪魔をしてくる。そうなったら、最終的に戦えるのは、一真一人だ。バージルは一真に訊く。
「お前、セクレタリーと戦ったな?奴らの実力はどうだった?」
「…強かった。昨日戦った時はあれだけしかいなかったからなんとかなったけど、もっと連れて来てるかも…もし何百人もで来られたら、ジョーカーフォームがある俺でも、一人じゃ対処しきれない…」
どうやら、セクレタリーは相当強かったらしい。
「加えて、魔導師は魔法を封じられている、か…」
照井が言った。そこで、翔太郎がダンテとバージルに尋ねる。
「そういえば、お前らも魔法が使えなくなったりしてんのか?」
「勘違いしているようだが、俺もダンテも魔法は使わん。」
翔太郎は驚く。
「え?じゃあ、お前が使ってる…幻影剣だっけ?あれは魔法じゃないのか?」
「あれは魔法ではなく技だ。親父仕込みの、な。飛行魔法くらいは封じられているかもしれんが」
「ソウガになれば、関係ねぇよ。」
二人の話だと、そもそも魔界と人間界の魔法は、全く違うものなのだという。魔界の魔法も人間界の魔法も、それぞれの世界が独自に生み出したものであり、根本的なところから違うらしい。
「どうも連中のマジックキャンセラーとかいうガラクタは、人間界の魔法にしか対応できねぇらしいな。」
「それはそうだろう。人間界の魔法は無力化する手段が確立されているが、魔界の魔法はそうではない。実際は魔法を使う悪魔の方が少ないくらいだから、無力化したところでほとんど意味がない、というのが理由だと思うが。」
ダンテとバージルの話をそこまで聞いて、亜樹子はひらめく。
「そういえば、一真くん達の友達に、照山くんっていう子がいたよね?あの子のは魔法じゃなくて、ニードレスとしての能力だから、戦えるんじゃない?」
一真もひらめいた。
「そうか!まだニードレスがいるんだ!それにウチの学園にはアークライト会長とか、離流副会長とか、強いニードレスがたくさんいる!その人達にも協力を頼めば…」
「せっかくだからレディやトリッシュも呼んで、総力戦をやろうぜ。つーか、マジで戦力多すぎだよな、テメンニグル学園って。」
「親父や校長、教頭にも…親父は海外に出張中だったな…」
ダンテとバージルも同意し、総力戦の話をする。
が、
「待ってくれ!」
フィリップが止めた。
「フィリップ?」
照井が何事かと訊く。
「僕は、もう一度マリアさんに連絡を取ってみた方がいいと思う。」
亜樹子は驚いた。
「何言ってるのフィリップくん!?あの人は…」
「まだそうと決まったわけじゃない!僕は…」
「おいフィリップ。いつもの冷静なお前はどこ行ったんだよ?らしくねぇぜ。」
翔太郎はフィリップの異常なまでのマリアへの執着に、違和感を覚える。
その時、
「言っただろう?相棒であっても、詮索してもらいたくないことはあるって。」
静かに呟いたフィリップが、翔太郎を殴った。
「フィリップくん!?」
慌てる亜樹子。フィリップはそれを無視して、翔太郎に言う。
「僕自身も自分のことを何一つ知らないのに、君に何がわかる!!!それがわかるのは、僕の本当の親だけだ!!!!」
フィリップは去っていった。
「フィリップ…」
翔太郎はそれを見送ることしかできない。
「…とりあえず、こっちは戦力を集めようぜ。」
「…そうだな。」
ダンテとバージルも、仲間を捜しに行く。一真は照井に言う。
「俺はフェイトさんのところに行きます。きっとショックを受けてるだろうから…何かあったら連絡をください。」
「ああ。気を付けてな」
「はい。」
一真も行った。
フィリップはどうにかマリアと連絡を取り、待ち合わせ場所に選んだホールに来た。マリアは、まだ来ていない。待ちぼうけするフィリップ。と、マリアが来た。
「マリアさん!」
マリアを呼ぶフィリップ。だが、
「…なぜ私がここを待ち合わせ場所に選んだかわかる?」
マリアは全く関係ない話を始めた。
「えっ…」
「…前にも言ったでしょう?私には息子がいたって。ここが、私の息子のピアノの発表会の会場だったからよ。」
「!!」
その言葉を聞き、フィリップは意を決してマリアに尋ねる。
「マリアさん、答えてください。あなたが僕の母親なんでしょう?」
マリアは答えない。しかし、
「違う。」
代わりに答える者がいた。なぜかこの場にいた、克己だ。
「大道克己!?」
驚くフィリップに、克己は衝撃の事実を告げる。
「その女は俺の母親だ。」
「えっ…」
フィリップは一瞬、放心状態になる。なんと、マリアはフィリップの母親ではなく、克己の母親だと言うのだ。克己は説明する。
「その女はNEVERの研究の第一人者でな、事故で死んだ俺をNEVERにして生き返らせた。」
どうやら、マリアが克己をNEVERにした張本人らしい。
「お袋は毎年細胞増殖で俺の身体を大きくしてくれた。だから、俺も期待に答えようと頑張ったよ。その結果が今の俺ってわけさ」
NEVERは、かつてミュージアムのガイアメモリと財団Xのスポンサーを賭けて争っていた。克己はその被験者として選ばれたのだ。
結果はミュージアムの勝利。実験は凍結された。
だが、それに目をつけたウロボロス社のアリウスがプロジェクトを回収し、実験は続行されたのである。
克己はフィリップに言う。
「お袋がお前の連絡に応じたのは、ここにお前を誘い出すため。お前の存在は俺達の計画に必要なんだ」
「う、ウソだ!!そんなのウソだ!!」
フィリップは激しく動揺するが、克己は、
「ウソじゃない。だから…」
フィリップの腹を殴って気絶させ、囁いた。
「俺達の仲間にしてやるよ。」
事務所に戻った翔太郎。テレビを見ながら呆然と呟く。
「フィリップ…まさかあいつがあそこまで思い詰めてるなんてな…」
その時、突如として映像が変わり、テレビにはエターナルを中心に置いたドーパント達の姿が映された。映像は街中にも流されている。電波ジャックだ。エターナルは放送を始めた。
「ごきげんよう、ガイアメモリに命運を握られた哀れな箱庭の住人達よ。俺の名は仮面ライダーエターナル。俺達はこの街のシンボル、風都タワーを最終兵器、エクスビッカーに改造した。だが、これを起動するには二十六本のT2メモリが必要だ。そして、その二十六本のうち、まだ二本が見つかっていない。そこで、その残り二本を持ってきた者だけ、身の安全を保障しよう。場所は風都タワー。待っているぞ」
電波ジャックは終わった。ちなみにこの映像、街中の街頭テレビにも流されており、それを見ていた冴子は呟く。
「ふん…テロリスト風情が、ずいぶん大胆な手段に出たものね。」
その頃、園咲家。
若菜はNEVERの暴挙をテレビで見て、苛立っていた。
「あいつら…私達の街のシンボルになんてことを!!」
しかし、
「はっはっはっは!!」
琉兵衛だけは余裕で笑っている。
「やるじゃないか死体の分際で!!」
今の彼は、かつて自分達の開発したガイアメモリと張り合っていた頃のNEVERを思い出していた。
「なんてことしやがる!フィリップ、変身…」
翔太郎は激怒して立ち上がるが、すぐに思い出す。今は変身できないことを。そして、フィリップの精神状態を…。
「どうすりゃいいんだ…」
翔太郎は椅子に座った。ついには、
「教えてくれよ…おやっさん…」
今は亡き恩師、鳴海荘吉にまで頼ってしまう。
と、翔太郎は何者かの気配を感じて、顔を上げる。
そこにいたのは、
スカルだった。
「おやっさん!?」
驚く翔太郎。スカルの変身者である荘吉は既に他界していて、ここにはいないはずなのだ。
しかし、翔太郎はそんなことになど構わず、恩師に謝る。
「すまねぇおやっさん…俺、あんたにフィリップのこと、頼まれてたのに…俺はあいつの想いに…気付いてやれなかった…」
スカルは何も言わない。黙っている。だが、何もしていないわけではない。スカルはテーブルの上に、ロストドライバーを置く。
「それは…!」
翔太郎は置かれたものを見て、再びスカルを見る。スカルはいつしか荘吉に戻っており、翔太郎に背を向け、消えていった。
「おやっさん…」
翔太郎はロストドライバーを手に取る。
その時、
「へぇ…ここあんたの事務所だったんだ?」
レイカが現れた。
「お前、あの時のファイヤーガール…!!」
「軽口を…まぁいいや。来たついでに、始末してやるよ。」
レイカは変身せず、翔太郎に襲い掛かった。繰り出される体術をかわしていく翔太郎。
「これで終わりにしてやる!!」
〈HEAT!〉
ついにヒートに変身したレイカ。攻撃が激しくなる。このままでは明らかに分が悪い。
そこで、翔太郎は気付く。
ヒートの攻撃によってめくれた椅子のシート。
その中に一本のガイアメモリが入っていたことに。
迷わずメモリを取る翔太郎。
「そういうことか…」
取ったメモリを見た瞬間、翔太郎は勝利を確信する。
「どうやら、切り札はいつも俺のところに巡ってくるらしいぜ…!」
翔太郎はメモリを『起動させた』。起動できた。
〈JOKER!〉
メモリの名はT2ジョーカーメモリ。そう。最後の二本のT2メモリ。そのうちの一本は、ここにあったのだ。
「変身!」
翔太郎はT2ジョーカーメモリをロストドライバーに装填し、開く。
〈JOKER!〉
翔太郎は、変身した。驚くヒート。
「お前…まさか…!!」
変身した翔太郎は名乗る。
「俺の名は仮面ライダー…ジョーカーだ。」
仮面ライダージョーカー。今この街に、切り札が降り立った。
ハラオウン家。
フェイトは今、自室のベッドの上に突っ伏していた。ちなみに、彼女も彼女の母親も、兄も、先ほど放送された映像を見ており、母リンディと兄クロノは、間違いなく起こるであろう暴動を鎮圧しに行っている。
(…光輝…)
フェイトには信じられなかった。光輝が、自分にとって最愛の人が、あのような連中に殺されてしまったという事実が。
今すぐ仇を討ちたい。そう思ってみても、今の彼女は魔法を封じられている。魔法がなければ、いかに強大な力を持つフェイトとはいえ、ただの女性と同じだ。何もできない。
「どうすればいいの?教えてよ、光輝…」
もう何回流したかもわからない涙を、再び流すフェイト。
と、彼女は何者かの気配を感じ、顔を上げた。
そこには、
ファザーとマザーがいた。
「光輝の…お父さんと、お母さん…?」
フェイトは前にハイパーショッカーと戦った際、ファザーとマザーの姿を見ている。フェイトは二人に謝った。
「ごめんなさい…私…光輝のことが大好きなのに…光輝を守れませんでした…戦いたいのに…今の私には何の力も…!」
対するファザーとマザーは、無言。無言で、あるものを部屋のテーブルに置く。
ファザーはロストドライバーを。マザーはガイアメモリを。
「それは…まさか…」
驚くフェイト。いつしか変身を解いていたファザーとマザー…否。隼人と優子は、優しい笑みを浮かべて消えていった。
「…」
フェイトはロストドライバーとガイアメモリを取る。
「!!」
そこで、フェイトは気付いた。ロストドライバーの方はもう見慣れているが、メモリの方が違っている。
「このメモリって…」
もっとよく確かめようとするフェイト。
次の瞬間、窓を破ってセクレタリーが一体、飛び込んできた。
「T2ガイアメモリを確認。ただちに回収します」
「!!」
両手にナイフを装備し、襲い掛かってくるセクレタリー。フェイトはそれをかわし、家の外まで逃げる。
セクレタリーは、数が揃えばライダーさえ苦戦させるほどの強敵。魔法が使えない今の彼女では、まず太刀打ちできない。
だが、相手は一人である。
人数がいればライダーにも勝る力の持ち主ではあるが、一対一ならまず負けることはない。
「迷ってる場合じゃ、ないよね。」
フェイトはロストドライバーを装着し、メモリを起動させる。
〈FATE!〉
「変身!」
フェイトはメモリ…T2フェイトメモリを、ロストドライバーに装填して、開く。
〈FATE!〉
フェイトの姿が、変わった。
一言で言うなら、それは色違いのクロス。白いマントを纏い、両手両足に鎧を着けた戦士。
セクレタリーは身構え、戦士は名乗る。
「私は、仮面ライダーフェイト。運命はいつも、私の手の中に…!」
仮面ライダーフェイト。その名はまさしく、運命の巫女…。
川まで移動し、殴り合いを繰り広げるジョーカーとヒート。ジョーカーの能力はWの半分程度しかないが、翔太郎自身の戦闘力と、T2ジョーカーメモリに秘められた技を強化する機能によって、互角以上の戦いを見せている。
「いくぜ、ファイヤーガール!」
「いい加減に黙らせてやる!!」
逆上し、駆け出すヒート。ジョーカーは焦らず、T2ジョーカーメモリをロストドライバーの右腰のマキシマムスロットに装填し、軽く叩く。
〈JOKER・MAXIMUM DRIVE!〉
「ライダー、キック!」
ジョーカーは跳躍し、ヒートの顔面に飛び蹴りを決めた。
「ああああーっ!!!」
ヒートは爆発し、変身が解除される。残ったT2ヒートメモリは、克己のもとへ飛んでいった。
フェイトはセクレタリーと対峙する。
素早さに定評のある彼女だが、それは魔力で肉体を強化していたからであり、今はセクレタリーの方が速い。しかし、フェイトはセクレタリーの攻撃をことごとくかわし、直撃を当てている。
これは、T2フェイトメモリに秘められた『最も近い未来を見せる』という機能のおかげだ。要するに未来予知である。相手がどんな動きをするかわかっていれば、いくら自分より速かろうと攻撃をかわせるし、直撃を叩き込める。
と、実は一緒に持って来ていたバルディッシュが、フェイトに何かを伝えた。
『サー。私を起動させてください』
「えっ?でも…」
『大丈夫。私を信じてください』
「…わかった。バルディッシュ・セットアップ!」
フェイトはバルディッシュを起動させた。
「これは…」
フェイトはバルディッシュの変貌に驚く。見た目はいつもと同じデバイスモードだが、柄の部分にマキシマムスロットが搭載されていたのだ。バルディッシュが説明する。
『私がT2ガイアメモリを解析して、新たに生み出したガイアモードです。』
「ガイアモード…」
『T2メモリを!』
「う、うん!」
バルディッシュに促され、T2フェイトメモリをスロットに装填するフェイト。
〈FATE・MAXIMUM DRIVE!〉
すると、バルディッシュがザンバーフォームに変形し、金色の刃が伸びた。フェイトは振りかぶり、全力で振る。
「ライダースラァァァァッシュッ!!!!」
横一文字に斬られたセクレタリーは爆発した。
「…」
変身を解くフェイト。
「…光輝は…ずっとこんな戦いをしてたんだ…」
改めて知る光輝の強さ。だが、彼はもういない。
「…私は…私がやるべきことを…!」
風都タワー。
フィリップは目を覚ました。そして、自分の状態を知る。今彼はNEVERと同じ服を着せられ、何かの装置に拘束されていた。
「これは…」
そこへ、克己が現れる。
「言ったろ?俺達の計画にはお前が必要だって。」
「大道克己…何をするつもりだ!!」
「お前をエクスビッカーに繋ぎ、媒体にしてT2メモリの力を届け、エクスビッカーを起動させる。元祖データ人間のお前だからこそできることだ」
「そんなことのために…!」
「別にいいだろ?お前はもう俺達の仲間なんだから。」
囁く克己。そこへ、影斗が来る。
「お邪魔だったかな?」
「いや。どうした?」
「そろそろ俺も、警備に回ろうと思ってね。」
「そうか。お前が協力してくれて助かったぞ」
「構わねぇさ。しかし、因果なもんだよなぁ?強化人間の俺と死者蘇生兵士のお前。はみ出しもんが、また同じ場所で手を組んで戦うことになるとは…」
影斗は、かつて克己達と共闘した時のことを思い出す。
「俺が仮面ライダーに変身したら、お前は心底驚いてたよなぁ。それで、俺の力を欲しがった。」
「当たり前だ。あんな力…欲しがらないやつの方がおかしい。」
「で、お前も仮面ライダーになった。」
「ああ。お前は狂戦士で、俺は永遠だ。」
「…ふっ…」
歩いていく影斗。
「この戦いでお前が計画を成功させて、俺が目的を果たしたら、またお前に協力してやるよ。」
影斗は行った。自分が選んだ好敵手と戦うために。
風都タワーの近く。
そこには、翔太郎、フェイト、照井、ダンテ、バージル、一真の他に、彼らが集めた戦士達がいた。
「しかし、はやてが突然『魔法が使えなくなった』なんて連絡してきた時はかなり驚いたが、そんな理由があったなんてなぁ…また力を借りるぜ、ベオウルフ。」
照山。
「ああ。任せろ」
ベオウルフ。
「ふむ…これはまた、厄介な問題だな。」
アークライト。
「本当に、よくトラブルが起こる街ね。」
離流。
「ま、片付けるしかないでしょう。」
左天。
「こんな激戦、ハイパーショッカーとの戦い以来じゃない?」
右天。
「せっかくの夏休みを、あまり邪魔してほしくはないのだが…」
アルカ。
「っていうか、かなり久しぶりの登場ね、私達。」
セツナ。
「あんまりキャラを増やしすぎたから、作者さんが扱い切れなくなったんだよ〜」
未央。
【メタ発言はそれくらいで。】
梔。
「メタ発言って何だ?うまいのか?」
イヴ。
「あなたねぇ…それ、どこの天然キャラ?」
ネヴァン。
「天然キャラとはどのような意味なのかのぅ?」
「わからん。初めて聞いた」
「褒めておるのかのぅ?」
「かもしれん。」
アグニとルドラ。
「ここにも馬鹿がいたぞ。」
ケルベロス。
「生徒に戦わせるのは忍びないが…」
「理事長が出張中な今、戦力は一人でも多い方がいい。」
ムンドゥスとアルゴサクス。
「こうしてみると、カオスのオンパレードね。」
トリッシュ。
「今さら気付いたの?っていうか、何でクソ親父がいるのよ!!」
近くにいるアーカムを見て怒るレディ。ダンテは、
「俺は呼んでないぜ?」
と言う。アーカムは言った。
「気にしないでくれたまえ。勝手に来ただけだから」
「呼んでないっていえば…」
一真はある方向を見る。
「銀八先生も呼んでないんですけど…」
そこには、着物を着て木刀を持ち、スクーターに乗った銀八がいた。
「仕方ねぇだろ。校長と教頭に脅され…言われたんだから…」
「今脅されたと言いかけたな?」
「あはは…」
バージルは銀八を睨み、一真は苦笑する。
翔太郎は照井に言う。
「死ぬなよ?照井。」
「俺は死なん。絶対にな」
「勝算は?」
「…俺に質問するな。」
照井は笑った。
一真はフェイトに訊く。
「本当に大丈夫?俺達がやるから、別に君が戦わなくても…」
「…もう決めたことだから…」
フェイトは自分がライダーに変身できることを話してある。
「…わかった。なら止めない。一緒に戦おう!」
「…うん!」
翔太郎は号令をかける。
「行くぜ、お前ら!」
〈JOKER!〉
「変身!」
〈JOKER!〉
翔太郎はジョーカーに変身し、
〈FATE!〉
「変身!」
〈FATE!〉
フェイトも変身。
「変身!」
〈TURN UP〉
一真もブレイドに変身して、
〈SLASH!〉
〈BLAST!〉
「「変身」」
〈SLASH/BLAST!〉
ダンテとバージルもソウガに変身。
「ベオウルフ!」
「おう!」
照山は閃光装具ベオウルフを装備し、照井はエンジンブレードを手に取り、他の者も戦いの準備を整えていく。
そして、
『うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!』
一同は突撃した。
(光輝…)
フェイトは心の中で、光輝に頼んだ。
(私に力を…!!)
************************************************
仮面ライダーフェイト
フェイトがロストドライバーと、T2フェイトメモリを使って変身した姿。別名『運命の巫女』。クロスの姿に白いマント『バリアクローク』を纏い、両手両足に鎧を着けている。
能力的にはクロスやソウガに及ばないが、最も近い未来を見るという未来予知能力があり、それを利用して戦うため、非常に強い。
必殺技は、バルディッシュ ガイアモードにT2フェイトメモリを装填して発動する『ライダースラッシュ』。
パンチ力 5t
キック力 10t
ジャンプ力 ひと飛び110m
走力 100mを4.5秒
バルディッシュ ガイアモード
バルディッシュがT2フェイトメモリを解析して生み出した形態。
通常のデバイスモードの柄に、マキシマムスロットが搭載されている。ここにT2フェイトメモリを装填するとザンバーフォームに変形し、メモリから生成したエネルギーで刃を作り、相手を斬り裂くライダースラッシュを発動できる。
T2フェイトメモリ
『運命の記憶』を宿したT2ガイアメモリ。使用した者に、最も近い未来を見る能力を与える。ロストドライバーと組み合わせることで、仮面ライダーフェイトに変身可能。
説明 | ||
パート3です。今回はいよいよ、仮面ライダージョーカーが登場します。 | ||
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