魔法少女イレギュラーなのは〜2〜 「とある少女のプロローグ」
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……ここは?

ああ、そうか……。

あたし、自殺したんだっけ。

 

高校では虐められてばかりで。

せっかく庇ってくれた子にも、何も恩返しが出来ない自分が辛くて。

 

家で親は喧嘩ばかり、あたしはいつもそのイライラの捌け口。

体中に痣なんて日常茶飯事、下手したら骨折もあった。

……ああ、父親には性的虐待も受けたことあったなぁ。処女ではいられたけど。

 

……こうやって今考えてみると、あの2人はあたしの親って言えないんじゃないかな。

 

……ああ、でも今更考えたってしょうがないよね。何せあたし、死んじゃったんだし。

 

ここは、死後の世界って奴かな。

凄いなぁ……ホント白一色。

 

 

 

「……やあ、ようこそ。現世とあの世の狭間に」

 

 

 

ふと声がした方向に振り返る。

そこには、イケメンがいた。

……うん、やっぱりイケメンだ。

真っ白な肌に、オールバックにした黒い髪が映えている。

学ランのような服は白で、ズボンは黒。

……で、唯一のツッコみ所は、首に巻かれた長いマフラー。余りすぎだよ……。

 

「……貴方は?」

 

「んー……いわゆる神様、かな」

 

へー……居たんだ神様。

あんなに救いの無い人生だし、いないのかなって思ってた。

 

「……で、神様がこんなあたしに何の用かな?」

 

……神様にタメ口だけど、別に良いよね?細かいことは今更気にしない。

 

「うん、それなんだけど。……転生、してみないかい?」

 

テンセイ?

首を傾げるあたしに、神様は微笑んで説明してくれる。

 

「……要するに、人生やり直さないか、ってこと。ただやり直すだけじゃなんだし、特典として、1つの力もプレゼントするよ」

 

……なんか、惹かれる話だ。

1つの力を貰える、って辺りが、特に。

 

「転生……かぁ。特典って、何でも良いの?」

 

「基本的には、ね」

 

この時、あたしが思い浮かべたのは、正義と愛を求め、そして磨耗していった1人の青髪の少女だった。

 

「じゃあ……美樹さやかが良いかな」

 

「へえ……なかなか変わったものを選ぶね」

 

「私は、何も誰かの役に立てたりしなかったからね……だから、さやかの生き方は凄いなって思って。それに……転生出来るなら、彼女の分まで、生きてあげたいなって」

 

そう言うと、神様はまた微笑んだ。

 

「ふふ……じゃあ、こう言えば良いのかな?……君の願いは、エントロピーを凌駕した……ってね」

 

……解るんだ神様……。

……あ、光る扉が現れた。

 

「その先に、君の第2の人生が待っているよ……覚悟は良いかい?」

 

頷いて、歩き出す。

 

「……どうか、君に幸あらんことを」

 

そんな言葉を聞きながら、あたしの意識はホワイトアウトしていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

可愛い女の子だと思った?

残念、美貴ちゃんでした!

 

どうも、あたしです。

 

生まれて数年……最初の頃こそその……まあ、色々と苦労したけど、普通の家庭で平和にやってます。

 

あたしの名前は、「神楽 美貴」。

 

ごく普通の小学生。

普通ってのがこんなに幸せだなんて、思わなかった。

ほんと、最初は感動で泣いてばかりだったよ。そのせいで泣き虫扱いされて……うう。

 

そして、今は何をしてるのかと言うと。

 

「ふっ、やっ、はっ!」

 

剣の素振りしてます。

勿論人の目につかないところで。

だって今のあたし、普通の格好じゃないし、剣振ってるし。

 

 

……そう、今のあたしは「魔法少女としての美樹さやか」の姿なんだよね。

大胆に肩とか露出させた服で、マントを羽織ってる。

ほんと体も軽くて、良い感じ。

 

 

 

4歳ぐらいの頃かな?

あの神様から、手紙が届いたんだ。

 

それによると、この世界にはソウルジェムとか、キュウべぇとかは無いんだって。少しほっとしたような。

 

それで、あたしの魔力ランクはAAランク(魔力にランクなんて付けるもんなの?)で、癒しの祈りの力はあるけど、剣を作り出したりは出来ないらしい。

その代わりと言っちゃなんだけど。

 

『今日は良い調子ですね、マスター』

 

こいつ……この喋る剣が貰えた。正式には、「デバイス」と言うらしい。

 

「うん、ありがと、ブルー」

 

名前を付けてあげて、って書かれてたから、無難に「ブルー」という名前を付けた。……言っとくけど、どこぞの先輩魔法少女みたいなネーミングセンスは無いからね?

 

ちなみにいつもは、ブルーは指輪の形をしてる。

だけど、「セットアップ」って言うと、剣の形になって、同時にあたしの姿も魔法少女の姿に変わる。この衣装、「バリアジャケット」って言うらしいんだけど……よく解んない。

 

後、潜在能力やらなんやら書かれてたけど……そんな状況が来るのかな。来て欲しくないけど……でもどんな能力か、気にはなったり。

 

そう言えば、あの神様……名前、「タナトス」って言うらしい。なんか、不思議な名前だなぁ……。

 

 

「……さってと、素振り終わり。帰ろうか」

 

『了解です、マスター』

 

 

ブルーが指輪の形に戻り、あたしの姿も普通の小学生に戻る。

 

 

家に帰ったら、宿題をして、母さんの美味しいご飯を食べて、みんなで笑って。

 

何の変哲もない……でも大切な、時間。

このまま。

ずっと続いてくれたら良いのに。

説明
これは、リリカルなのはの世界で転生者たちが転生生活をがんばるお話。
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コメント
募集はまだまだしております。気軽にどぞ!(ドラゴマキナ)
そういえばこの子の担当がタナトスなんだっけ…前のペルソナ募集で出そうとしてたけど元々居たから止めたんだよな…そういやまだ募集ってしてますか?(神薙)
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