いきなりパチュンした俺は傷だらけの獅子に転生した |
第十話 アクセル全開!
獅子の咆哮が海鳴の街に響いた。
高町なのはとクロウは突如発生した魔力を確かめるためにバリアジャケットを羽織り、夜空の中を飛行していた。
そして、二度目の咆哮。
魔力の発生源はもうすぐだ。
「クロウくん!」
「気をつけろなのは!この魔力少なくても俺達より少し下。多ければ俺達よりも上かもしれない!」
「う、うん」
高町なのはは気を引き締めた。
いくら自分が強い魔力を持っていると知らされたとはいえ、まだ小学三年生。クロウの言葉に身震いをする。
「まあ、安心しろ。俺がついているからな。いざとなったらSPIGOTを使えばいい。それが駄目でも、なのは。お前だけでも逃がすさ」
「う、うん。でも無理はしないでね」
「俺だって命は惜しいさ。だけど、いざとなったら俺を見捨ててでもお前だけは逃げろよ?お前はただでさえ無茶をする奴だからな」
「む、無茶なんかしないもん」
「どうだか?」
「にゃー、クロウくんは意地悪なの!」
軽口を叩きながらもクロウは内心舌打ちをしていた。
(A‘sで獣の咆哮と言えばアルフかザフィーラ。だけど、ヴォルケンズに遭遇するのはもっと先のはずだ。それなのに…。しかも)
クロウは自分の胸に手を当てる。
自分の体にあるスフィア。『揺れる天秤』が先程から脈動している気がする。まるで、何かに共鳴するかのように…。
(俺以外の転生者か?いや、俺の転生特典ではほかに転生してくる奴はいないはずだ。それなのにどうして俺のスフィアがうずく?…まあ、いい。俺のハーレム計画に手を出そうものならブラスタのSPIGOTでかっ消すまでだ)
クロウは全身鎧と化したブラスタの中で不気味にそして静かに笑った。
それに気づかないままなのはは彼の隣で空を飛ぶ。
「クロウくん、この調子ならもうすぐなの」
「ああ、いくぞ。なのは」
「デッカースパナ!」
ガァンッ。
ガンレオンの手に持つ一際大きなスパナで赤い服の女の子に殴りかかった俺は追撃でもう一本のスパナをガンレオンの装甲から取り出す。
「もういっちょっ!」
ブオン。
これは空振りに終わるが、明らかに目の前の女の子には焦りの顔が見えた。
「く、アイゼンッ。ここじゃ狭すぎる!一旦外に出るぞ!」
[了解]
ガンレオンで奇襲をかけた後、俺はビルの中に立てこもり赤い女の子が突入してくるのを待った。
俺が逃げ込んだビルは結界内なので一般人は誰もいない。ここでなら近接戦闘が主で、飛行能力を持たないガンレオンでもゲリラ的に戦うことが出来る。
その上、スーパー系のガンレオンの装甲は伊達ではない。何度か彼女のハンマーで叩かれたが響くだけで大したダメージにはなっていない。
…超合金で出来ているのかこの体?
密閉空間(ビル)の中だと不利だと踏んだ赤い子が外。空に逃げようとしたが、それを許したら俺に勝ち目はない。
俺は両手に持ったスパナを噛みあわせて魔力を込める。すると、噛みあわせたところから魔力の鉄線が現れて二つのスパナを繋ぎ合わせた。
「スパナとスパナ!二つを合わせて!」
(ブンマースパナ―!)
アリシアの合いの手ももらい投石機の様にスパナを回転させて投げる。
そのスパナの一本は既にビルの外に出ていた赤い子の脚に絡まる。そしてもう一本は電柱に絡みつき彼女の彼女の動きを止める。
「な!?」
「もう一回!デッカースパナ!」
ガァンッ!
「うわぁ!」
空中で身動きが取れなくなった赤い子を再度取り出したスパナで一般道路に叩き落とす。そして、向こうが体制を整える前にビルから飛びおり、両肩についていた電動ノコギリを手に取る。
「はっはあああああ!こいつで切り刻んでやるぜ!」
(うん。まるで悪党だね♪)
はっはあああああ、きっこえなーい♪
「くそっ!」
ガギャアアアアアアア!
女の子が赤い立方体で出来た光の殻を展開してチェインデカッターを防ぐ。
赤い光の障壁と回転するノコギリの間に火花が散る。このままだとノコギリが弾かれるのは目に見えていた。
だけど、甘い!今、俺達がいるのは地上!お互いの脚は地面についている!
「アクセル全開!」
(スフィアの力が出ない程度にだよ、お兄ちゃん)
(当たり前だ、アリシア。下手にスフィアの力を使ってクロウに見つかりたくないからな)
ドギャアアアアア!
障壁から弾かれそうなチェインデカッターを身体全体を使って押し込むように障壁に食い込ませる。ノコギリは赤い子の障壁を徐々に食い込んでいき、完全に食い込んだ。そこで更に俺は両腕を上下に大きく広げる。
「俺流工技!障壁三枚おろし!」
ズッパァアアアアンッ!
と、ガンレオンの両腕を上下に広げた瞬間に赤い子が張っていた障壁は無数の光りになって砕け散った。
その光景に赤い子は目を大きく広げて驚く。
「な!?どんだけ馬鹿力なんだよ!」
「隙あり!」
彼女が驚いている間に右腕につけたチェインデカッターで彼女の持つハンマーを弾き飛ばす。そして、左腕を彼女の脇腹をめがけて殴りつける。
お願いだから非殺傷効果。ちゃんと発動してくれよ?スプラッタはごめんだからな。
そんなことを考えながらも、赤い女の子に次の瞬間には攻撃が届く。これで勝ちだ。
そう確信した時だった。
―…ワンショットキル。喰らえ!―
ガアンッ!
と、その一言と共に一発の弾丸がガンレオンの頭に響いた。
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