万華鏡と魔法少女、第十六話、対峙する忍
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荒れ狂う波が弾け、復讐者だった男の頬にポツリと当たる

 

赤く照らす夕日を見つめ、仇であった筈の兄を葬ったにも関わらず彼の心は悲しみに包まれていた

 

『…許せサスケ…これで最後だ…』

 

自分の事を案じ、自分の手によって殺される事を望んだ兄

 

彼は間違いなく、自分が追いかけそして、尊敬し愛した兄だった…

 

何処で間違えたのだろう…

 

そんな事を思い返す度に自分の一族を弄んだ木の葉が頭を過る

 

憎い、憎い、憎い…うちはの一族を忘れ、平和を満喫している木の葉の輩が全て憎い

 

必ず皆殺しにしてやる兄を奪い、家族を奪った木の葉へ…

 

こうして、彼は再び深い闇にへとその身を落としていった

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

うちはイタチが裏切ったと告げられたフェイトとなのは

 

彼女達は彼のそれが偽りか真実かその眼で確かめるべく、

 

アースラの艦長リンディにお願いしアルフ達がいる時の庭園にへと足を踏み入れていた

「…母さん、アルフ」

 

フェイトは実の母親の名前と相棒であり、家族である自分の使い魔の名前を呟く

 

酷い扱いをされていたとは言え、プレシアは間違いなく実の母親だ

一時とはいえ、彼女からの温もり優しさを受けたフェイトにはプレシアもまた自分にとって大切な者である

 

身を案じるのは当然と言うべきだろう

 

 

勿論、彼女は自分の兄だと慕ううちはイタチの身も案じていた

 

彼女は不安に心を締め付けられながらも決意を内に秘め、彼がいるであろう時の庭園へと足を踏み入れる

傍には自分と共にうちはイタチの無実を信じようとする幼い少女

 

彼女からも勇気を貰い今、自分はこの場に踏み入れる事が出来る

 

いつも母親に会う為に来る雰囲気とは違い緊張した空気が張り巡らされているこの時の庭園でフェイトにとってそれはとても励みになっていた

 

そして、彼女は大切な者をその手で救うべくその小さな足を奥へと進めてゆく…

 

と…その時だった

 

鋭く空気を裂くような涼しげな音が彼女達の耳へと聞こえてくると同時にそれは彼女達の眼の前に起こった

 

「!?」

 

「!!…な、何これ!」

 

カツン、カツンと金具か何かが壁や地面に突き刺さったような高く響く様な金属音

 

彼女達は思わず身を引いてそれにいち早く反応し、その場から後退していた

 

そして、眼の前を切り裂く様に何か煌びやかな物が通過する

 

ーーーー…鋭利な刃物だった

 

それもまるで、フェイト達が進む方向を妨害する様に綺麗に突き刺さっている

 

彼女達はすぐさま、地面にへと突き刺さったその鋭利な刃物が何かに自身達の眼で確認する

 

一般的に苦無…もしくは、忍者が使う様な手裏剣というやつだろう

 

フェイトやなのはは初めて見る物だが、この場合興味を抱くというよりも、地面にへと深々と突き刺さるそれを見て逆に恐怖心の方が大きかった

 

地面を抉る様なこんな物がもし、身を引いていなかった自分の身体に突き刺さる事になっていたら…

 

そんな事を考えたくもない

 

確実に自分の身体が無事で済まなくなるのはまる分かりだ

彼女達は全身から血の気がサァと引いてゆくのを感じた

 

そして、そんな彼女達を更に絶望のドン底に落とす様な出来事が襲いかかる

 

「…勇ましく来た割には、随分と顔色が悪そうだな…」

 

不意に聞こえてくる聞き覚えのあるその声、

 

それは正しく彼女達が真意を確かめるべく来た張本人の声だ

 

フェイトとなのはは慌てて辺りを見渡して飛び道具を放った人物を探索する

 

そして、二人は暗闇に佇む一つの人影にピタリと眼に止まった

 

漆黒と赤雲の衣類に身を包み、暗闇の中でも妖しい光を放つ三つ巴の眼

彼女達は途端、背筋が凍りつくのを確かに感じた

 

温かさの欠片を微塵も感じる事もそして感情すら読む事の出来ないその眼差しと雰囲気

 

こんな眼が生きた心情溢れる人間に出来るのか…

 

現れたその人物と対峙する彼女達は気付けば身を引き締める様に自分達の握るデバイスに自然と力を込めていた

 

フェイトはその人物の姿を眼で必死で捉えて視線を決して逸らさない

 

だが、段々と自分達の目の前に現れた人物の姿がはっきりしていくにつれて…

 

その表情は哀しげにそして、大事な者を失ってしまった虚無感に変わってゆく

 

「…イタチ…兄さ…ん」

 

弱々しく呟く様に現れた人物の名前を呼ぶフェイト

 

なのはもまた同じく信じ難いと言わんばかりの表情を浮かべていた

 

…信じていた何かが音を立てて崩れ去ってゆく

 

信じていたかった、嘘だと思いたかった

 

彼女達のそんな純粋な願い、願望は完全に裏切られる形になった

 

なのはは悔しさか、自身の唇をギュッと強く噛み締めると現れたイタチに問う

 

「…なんで…こんな…」

 

「…何故? 愚問だな…今更聞く必要もないだろう?」

 

彼女の問いに冷たい視線を向けたまま無表情で返すイタチ

 

だが、そんなイタチの返答に対してフェイトは叫ぶ様に反論する

 

「…違う! 違う、違う、違う!」

 

辺りに響く様な声高いフェイトの叫び声…、

それは裏切られた悔しさや怒りよりもいままで自分の側にいたイタチが居なくなった事を苦痛に思わせるフェイトの心からの悲鳴に聞こえた

 

しかし、イタチはそんな彼女の叫びを他所になのはに向かいゆっくりと右手を挙げ指で差す

 

そうして、なのはは自分に向けられた指に視線を移し替えた

 

刹那、彼女はプツリと糸が切れた様にその場にバタリと音を立てて伏す

 

「…なのは!?」

 

いきなり力無くその場で倒れる相方のなのはの異常に声を上げるフェイト

 

突然の出来事に彼女は眼を丸めて驚愕する

 

イタチはそんな彼女に三つ巴の眼を向けて、静かな声で話をし始める

 

「…時の庭園の奥で待つ…そこでお前が知りたがった真実を教えてやろう…」

 

「…!」

 

そう告げるイタチの言葉に急に横で倒れたなのはから慌てて、彼へと視線を移し替えるフェイト

 

 

だが、既にそこには先程までいたうちはイタチの姿は見当たらない

 

ひとまず彼女は突如力無く倒れたなのはへと近づいて安否を確認する

 

「…息はある…」

 

死んではいない、特に外傷や突然倒れた以外は異常も見られない

 

フェイトはゆっくりと意識を失った彼女の身体から手を離しその場から立ち上がる

 

そして、眼を閉じている彼女に聞こえるかどうか分からないが、安心させる為か一言だけこう告げた

 

「…ごめん、少しだけここで待ってて」

 

この状態のなのはをここにおいていくのは心配だが、

イタチが裏切った事が現実だとはっきりした今、負傷していると報告があった自分の使い魔のアルフや母親であるプレシアが気掛かりだ急ぐ必要がある

 

彼女は倒れたなのはとアルフ達の板挟みの中でそう自分で決断した

 

彼女はこうして、気絶したなのはを置いて、一人うちはイタチが待つ時の庭園深部へと駆けてゆく…

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

時の庭園の深部

 

そこにある玉座の間にて唯一人、肘を椅子に置き部屋の中央に君臨する忍

 

彼の傍らには沈黙し弱々しく壁に磔になった女性

 

そして、部屋の隅にはボロボロになり果て倒れ伏した一匹の使い魔が倒れている

 

彼の周り、地面の至る所に血痕が残り、グロテスクな色彩でその部屋を満たしていた

 

しかし、それは恐らく、戦闘や何かしらの争いによってついたものだろう

よく見れば血痕の他にも焼けた部分や爆発か何かで破壊された部分が微かに存在する

彼は待つ、自分が妹だと認めた彼女が自身の前に現れる事を…

 

そして、その時は静かにやってきた

 

静かに彼女の到着を待ち眼を瞑っていたイタチは閉じていた瞳を静かに開き呟く

 

「…来たか…」

 

そのイタチの勘は長年培って来た忍としての物なのだろうか

 

彼が呟いた様に玉座の間の扉が音を立てて重くゆっくりと左右に開いてゆく

 

彼女は真実を教えてもらう為、そして大事な人を救う為にここまでやって来た

 

しかし彼女、フェイトテスタロッサはうちはイタチのいる玉座の間の扉を開いた途端、

 

身体がまるで凍りつく様にその場で硬直してしまった

 

「…な、何コレ…」

 

それが視界には入った途端にフェイトはその光景に立ち尽くすしかなかった

 

その部屋は至る所に赤い血…

 

フェイトが兄だと呼び慕うイタチは玉座から見下し、値踏みする様な眼差しを向ける

 

彼はゆっくりとその重く閉ざされた口を動かし言葉を発する

 

「…良く来たな…」

 

イタチのその言葉に自身の目に広がっていた光景に硬直していたフェイトはビクリと身体を反応させる

 

今でも、部屋に入ってきた彼女には信じられない事ばかりである

 

自分の実の母であるプレシアテスタロッサの血塗れに変わり果てた姿

 

そして、力無く横たわり傷だらけで出血し倒れ伏した自分の使い魔であるアルフ

 

直ぐにでも安否を確かめる為、声を上げて呼びかけたいがその部屋を支配する緊迫した空気がフェイトにそれを躊躇わせていた

 

彼女は強く、自身のデバイス…バルディッシュに握るチカラを込めて気を保ちながら、これを否定する様に悲鳴に近い声を上げる

 

「…なんでこんな事するの! こんなのイタチ兄さんじゃ無い!」

 

彼女のその叫び声は木霊する様に部屋中に響き渡る

 

いままで優しく尊敬し慕う兄が自分の大切な人をこんな姿にしたなんて信じたくない

 

彼女は何度も自分の心を救ってくれたイタチの事を最後まで信じていたかったのだ

 

だが、次に玉座に座る彼から放たれた言葉は一気に彼女を絶望の端にへと突き放した

 

「…いままで俺がお前のとっての良い兄を演じて来たのは…己の器をより高みに近づける為だ…」

 

「…己の…器を高めるため…」

 

フェイトは冷淡な口調で語るイタチのその話に言葉を失った

 

では、なんの為にこんな事を…

 

そして彼は自身の懐からゆっくりとある物を取り出してフェイトに提示する

 

怪しく輝きを放つその物質

 

それは紛れも無く、自分やなのはが求め争った宝石だった

 

「…ジュエルシード…まさか…!」

 

「…そう、だよ…そいつの目的は己の願望を叶える事だった…んだ」

 

推測まで至った彼女の耳に唐突に聞き覚えのある弱々しい声が聞こえてくる

 

思わず、そちらにへと視線を向けるフェイト

 

そこには、必死に悲鳴を上げる身体に鞭を打ち立ち上がろうとする自分の使う魔の姿があった

 

外傷も酷く、身体が傷だらけなのが遠目でも分かる

 

フェイトは思わず立ち上がった彼女にへと声を上げて呼びかける

 

「ーーーアルフ!」

 

「…目障りだな…」

 

そんな無機質な声が辺りに響き渡った次の瞬間だった…

 

フェイトは一瞬にして何が起こったのか理解が出来なかった

 

風が横切ると同時に何か生々しい何か突き刺す様な音が耳に入ってくる

 

「…え?」

 

間の抜けた様な声を上げるフェイト

 

そして、彼女は眼の前に一瞬にして広がっていた信じられない光景に戦慄した

 

彼女は強く握り締めていた筈のバルディッシュを力無く地面にへと落とす

 

「…あ、ぁ…」

 

立ち尽くす彼女、フェイトテスタロッサの視線の先

 

そこには真っ赤な血がポタリ、ポタリと滴り落ち真っ赤な色に染まる地面…

 

ーーーーーそして…

 

「…い、いやぁああああああアルフゥゥ!!」

 

赤い雲の忍により苦無で身体を貫かれ、口から血を吐きだす自分の使い魔の姿だった

 

彼はその突き刺した苦無を一気に抜き取り、力の無くなったアルフの身体を地面にへと捨てる

 

地面にへと捨てられたアルフの眼にはハイライトの光が無く虚ろになっている

 

イタチは倒れ伏した彼女の身体を見下しながらこう告げた

 

「…余計な事を話さなくていい…君はもう用済みだ」

 

感情も何も込められていない冷淡な口調でそう倒れ伏したアルフに呟く様に言うイタチ

 

この時、フェイトはイタチがアルフの命をなんの躊躇も無く奪った挙句、

その酷いアルフの扱いになんとも言い表す事の出来ない殺意と憎しみがこみ上げて来た

 

 

 

何故、いままで家族と同じ様にして過ごして来た身近で大切な者をあんな風に出来るのか

 

…共に笑った毎日は?楽しみは?喜びは?

 

私達と過ごした時間は全て偽りで、これっぽっちも大事では無かったのか

 

フェイトはイタチの行動を見てそう考えてしまう自分が酷く惨めに思えて来た

 

そして、自分やアルフの心を裏切り、命を今目の前で刈り取ったイタチにどうしようもない怒りと憎悪が彼女の心を埋め尽くしていた

 

憎い…赦せない…彼女が何をした、何で殺さなければならない

 

フェイトは俯いたまま表情を見せず、自分が落としたバルディッシュにへと手を伸ばし拾い上げる

 

そんな彼女の行動を他所にイタチは次に磔になったプレシアにへと視線を向けた

 

「…彼女も利用価値は無い、消すか…」

 

そうイタチが言い放った刹那、

彼の真横から黄色く雷鳴と眩い閃光が頬を掠め壁を破壊する

 

肌が裂けて、赤い血がイタチの頬を伝うように静かに滴り落ちる

 

「…さない…」

 

静かに静寂した空気が漂う中、

バルディッシュを構えたまま俯き表情の見えないフェイトは聞き取れない位の掠すれた声で呟く

 

イタチはそんな彼女に血が流れる頬を抑えながら自然と視線を向けたまま沈黙する

 

…殺してやる…

 

今、イタチに攻撃を行った彼女からはそういった決意が現れていた…

 

彼女の使う魔法は通常、命を奪う事の無い非殺傷設定というものがあるにも関わらず、フェイトが放った魔法によりイタチが傷を負った事からそれがされていないのが分かる

 

彼女は表情が見えなかったその顔をゆっくりと上げて、先程とは違いイタチにはっきりとした声色でこう告げた

 

「…許さない絶対…」

 

彼女のその眼は憎しみが支配し、奪った者に憎悪、怒りが込められた純粋な復讐者の眼であった

 

イタチはフェイトが向けて来たその眼にピクリと身体を反応させる

 

かつて、知っている自分が見たその眼にそれは紛れも無く似ていた

 

純粋な怒りと憎しみ…そして殺意…

 

彼女は間違いなく自分の事を殺すつもりなのだろう…

 

だが、まだ自分に向ける憎しみが足りない

 

イタチは静かにそう悟ったのか、三つ巴の眼を全開にしそれをフェイトにへと向けた

 

 

万華鏡写輪眼…『月読』

 

彼女は一瞬にして、色の無い世界へと誘われる

 

無色透明なその世界の中に引きずり込まれたフェイトはそこで酷い光景を目の当たりする

 

それは…うちはイタチがこの世界で大勢の人に非道を行う光景

 

最初は十六人の管理局の魔導師達が次々と惨殺されてゆく所から始まる

 

命を乞い助けを求めている者をイタチは容赦無く首を跳ねて殺した

 

ある者は炎で燃やし、のたうちまわる所を首元に苦無を振り下ろし抉り殺す

 

骨を砕き、肉を裂き、血を吹き出させ殺す

 

彼らを手に掛ける時のイタチの表情は正に冷淡と言っていい程涼やかなまま、ただその身が真っ赤に染まるだけ

 

そうして、彼は殺し終えた彼らの死体を黒い炎で燃やし尽くす

 

フェイトは耐えきれずその光景に吐き気を催した

 

しかし、まだイタチが見せる『月読』は終わらない

 

次は場所が変わり時の庭園になる

 

その場にいるのは見覚えのあるフェイトにとって大切な人物の顔

 

「…母…さん」

 

「ーーーぁああああ」

 

だが、フェイトの前に現れた母親、プレシアテスタロッサは見るに耐えない拷問をイタチから受けていた

 

関節を折られ四股の神経がズタボロになった状態で膝立ちにされている

 

骨も幾らかやられてしまい、身体は動かす事も叶わない状態だ

 

そして、そんな彼女にイタチは全身の力を総じて…身体を音を立てるまで締め上げているのだ

 

プレシアの身体からは骨が砕けると共に関節の節から血が勢いよく噴き出していた

 

彼女はあまりの痛みに泡を噴いて痙攣を起こしている

 

フェイトはそんな光景に耐えきれなくなったのか、その場に膝を着いて異物を口から吐きだす

 

そして、そこでイタチの『月読』は終わり再び色のある世界にへとフェイトは戻ってくる

 

彼女は異物を吐き出した事により、乱れた呼吸を無理矢理落ちつかせて眼の前にいるイタチを睨む

 

そんなフェイトに対してイタチは変わらない無表情のまま彼女にこう問いかける

 

「…どうだった?お前が知りたがった真実は」

 

まるで、煽る様に呼吸を必死に整えているフェイトに訪ねるイタチ

 

一方、彼から『月読』により情報を貰った彼女はどうしようもない怒りを込めた口調でこう述べる

 

「…許さない…沢山のひとを殺した挙句、お母さんをあんな目にして…」

 

「…俺が憎いか…」

 

イタチは悔しさを露わにするフェイトに漆黒を思わせる冷たい眼差しで射抜きながらそう問いかけた

 

彼女はイタチのその眼からしっかりと視線を逸らさず捉え対峙する

 

すると、イタチはそんな彼女に独り言の様に語り始めた

 

「…俺の持つこの眼は元来、ある一族に伝わる秘伝の眼だ…呪われた一族のな」

 

イタチが淡々と語るその話に静かに耳を傾けるフェイト

 

漆黒の眼差しのまま語る彼は紡ぐ様に話を続ける

 

「…俺達一族はこの眼、写輪眼を最強にする為にある行為を行なわ無ければならなかった…

 

なんだか分かるか?フェイト」

 

わかる筈も無い…

恐らく眼と言うのはあの三つ巴に光る状態の事だとは分かるがあくまでそれは今、イタチが話してようやくフェイトは理解したのだ、

 

彼はそんな彼女に頬を釣り上げ冷たく無気味な笑みを浮かべたままこう言い放った

 

「…それはな、最も親しい者を手に掛ける事だ…、」

 

「…!?」

 

彼女はイタチが放つその言葉を聞いた途端に顔色が一瞬にして変わる、

 

殺す事により力を得る?

 

それが本当ならなんとも恐ろしい力では無いだろうか

 

では自分と親しい間柄になったのは…

 

イタチの行動にフェイトの予感は確実に的を得ていた

 

彼はフェイトのその予想した事を次に口を開き語り出す

 

「俺はお前を葬り去りこの眼をより高みへと近づけることができる…そして…」

 

そう、イタチはこの時完全に裏切り者として、フェイトの憎しみを確定させた

 

これらを総じて…イタチの目的と野望は最早ハッキリとする

 

彼は懐から取り出したジュエルシードを提示したままこう言い切った

 

「…ジュエルシードにより、俺はこの眼を更なる高みにへと昇華させる…それが俺の願望だ…」

 

イタチはそう言い切ると共にフェイトとの間合いをいつの間に数センチ程に詰めていた

 

ーーー瞬身の術…

忍術としては基本的なモノだが彼のそれは裸眼では捉えるのが難しい程に速い

 

間合いを詰められたフェイトはイタチの放った蹴りを防御する間も無くもろに受ける

 

地面を二転三転と転び壁にへと小さい身体を叩きつけるフェイト

 

彼女はすぐさまバルディッシュを構えて戦闘の体制を整える

 

 

ーーーーーー波乱の戦いの火蓋はこうして切って落とされた

説明
沢山の血を流し、同じ一族を手に掛けた一人の男 彼は唯一の弟と対峙して命を散らせた。 愛する人も友も家族でさえ手に掛け、たった一人の愛する弟の為に命を賭した そして、死んだ筈だった彼は自分自身が居た世界では無く、 気がつけば違う世界の中に存在していた そんな彼の前に現れた一人の金髪の魔法少女 彼女と出会った彼はどの様な結末を迎えるのだろうか… NARUTO、うちはイタチとリリカルなのはのクロスオーバー作品です未熟者ですが、宜しくお願いしします
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 裏切り 憎しみ フェイト・テスタロッサ クロスオーバー うちはイタチ NARUTO 魔法少女リリカルなのは 

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