狼男のスカイリム冒険記
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金の爪2

 

 

螺旋階段のスキーヴァーを片づけ、宝箱の中身と近くにあった魂石を回収し終えた俺は、改めて警戒しつつ下に降りていく。木製の階段は所々腐っていて非常に危なかったが、俺としてはいつもの事なので慎重に、しかしさっさと降りていった。

 

 

そして出たのは蜘蛛の巣だらけの通路。どうしてか机と棚があるが、それを無視して先に進む。すると、俺の足音が聞こえたのか、少し離れた場所から声が聞こえてきた。

 

 

「誰か……こっちに来るのか?ハークニール、お前なのか?それともビョルン?ソリング?」

 

 

聞こえてきたのは男の声で、少しくぐもってはいるもののかなり怖がっていることは声の調子で分かった。こっちの事がばれている以上先に進まないとかはないので、進んでいくとかなりの厚みの蜘蛛の巣で覆われた通路口があった。剣が蜘蛛の巣まみれになるのは嫌なので、火炎の破壊魔法で焼き尽くす。焦げ臭いが、これが一番楽なのだ。

 

 

中に入ると、蜘蛛の巣やら卵やらでいっぱいの巣穴とも言える空間だった。カサンドラが居たなら発狂しそうなレベルだ。そこらじゅうに糸で巻かれた死体が置いてあり、腐臭がひどい。そして先に目を向けてみれば、未だ生きている男が唯一の通路を塞ぐようにして蜘蛛の糸に閉じ込められていた。先程の声はこいつだろう。

 

 

「あ、あんた誰だ?まぁいい!ここから……またか!助けてくれ!」

 

 

言うや否や、突如視界に影がかかり、昨日よりも異様にでかいフロストバイト・スパイダーが真上に降ってきている。こいつらの獲物を捕まえる時の常套手段だ。具体的には三匹分位の大きさで、下から見るのは初めてだ。が、どうであれキモい事には変わりはない。

 

 

「あぁっ!くそ!こいつも駄目か!」

 

 

引っかかっている男が喚いているのを無視して、俺は仰け反るように両手剣を思いっきり振り上げる。こいつとは何度も遺跡探索時に遭遇しているので対処法はばっちりだ。遠距離から炎で焼き殺す事も一つだが、案外耐久力が高いこいつらは構わず突っ込んでくる危険が非常に高い。しかも虫ならではの生命力の高さもある。戦闘中に毒や糸で動けなくなれば、そのままお食事になりかねん。ゆえに、カサカサと動く足を切って機動力を奪う事で最悪の可能性を絶ち、頭を潰すのが定石だ。

 

 

しかし、俺はそんなちまちますることが好きじゃない。それにこの位置からじゃ足を斬っているうちに降ってくるし、跳んで逃げたら蜘蛛の巣に頭から入ってしまうから嫌だ。だから俺は、そのまま一気にグレートソードをぐんっと振りぬいた。

 

 

「ぬんっ!」

 

 

「ギキッ!!」

 

 

「なにーっ!?」

 

 

フロスト・スパイダーが石が擦れるような鳴き声を上げて、見事なまでに尻尾から頭まで真っ二つにした俺。大きさとかが丁度よかったからやってみたら出来た。多少毒の体液で鎧が煙を上げているが、デイドラ不思議機能で自己修復するので問題ない。最悪新しいデイドラの血さえあれば修復できる。サングイン様と飲み明かした時に気まぐれで付けてくれたらしい。どういう原理かはまったくもって不明ではあるものの、出来ているなら問題ないのさ。

 

 

「さて、そこのお前。さっきから何か言ってたな?」

 

 

「あ、あぁ!あのクソ蜘蛛を殺したんだな!よくやった!さぁ、誰かがやってくる前に下ろしてくれ!」

 

 

「金の爪はどこにある?」

 

 

「あぁ!あの爪か。どんな物か知っているぞ。あの爪、あの印、物語の間にある扉。この三つがどう組み合わさるのかを!下に降ろしてくれ。そうしたら見せてやるよ。ノルドがあそこに隠した力は信じられないほどすごいぞ」

 

 

にやけ顔で言ってくるこのダークエルフ。爪のことをここまで知っていて、こんなところにいる時点で盗賊なのは間違いない。しかも実行犯とみた。となれば、こいつを苦労して下ろしても逃げていくか殺そうとして来るのは確実だ。こういうやつが宝を分けようなんて考えるはずもない。

 

 

でもこいつを何とかしないと先にも進めないので、魔法でちょっとずつ焼いてほどいてく。途中途中文句を言ってくるのがウザったくてしょうがないものの、爪に傷をつけるわけにもいかないので黙って作業し、ようやくダークエルフが着地した……瞬間に逃げ出した。

 

 

「馬鹿なやつめ!何で宝を分け合わなけりゃヴぁはっ!」

 

 

「馬鹿な奴め、逃げられるとでも思ったか?」

 

 

メニューから取り出したドワーフのダガーを投げつけて見事命中。結構勢いもあったからか、べちゃっと効果音が出そうな勢いで倒れこんで動かなくなった。顔がにやけ顔のままなので、こいつは本気であの距離で逃げられると思っていたみたいだ。馬鹿としか言いようがない。

 

 

案の定こいつの腰の袋にあった爪とゴールドを回収し、先に進む。金の三本指で、言っていたようにドラゴンを模している。その手のひら?足裏?には三つの紋章が彫られていて、あいつの言っていた物語の間とやらに関係しているんだろう。

 

 

「行ってみればわかるか……」

 

 

死体を跨ぎ、蜘蛛の巣をかき分けながら進んでいく。小部屋を過ぎて通路に出ると、そこは崩れた遺体置き場だった。まぁ、ここ墓地だから当たり前なんだけども。よく見れば裸のミイラと何故か武装しているミイラを発見した。これは確実に動き出すと俺の勘が告げている。なので微妙に身じろぎしだした瞬間には首を斬り落とす。思ったよりも硬かったものの、デイドラ装備の前では意味もない。

 

 

なんて悦に浸っていると、その奥のミイラがゆっくりと立ち上がった。黒い錆びた胴部分のみの鎧に、同じく錆びついた黒い片手斧。ここはノルドの墓だから、古代ノルド人ということでいいんだろうか?

 

 

「アーヴ……ディロン」

 

 

「喋れんの!?」

 

 

驚いて両手剣をフルスイングし、首ちょんぱした俺は悪くない。だって、普通に考えておかしいでしょ。体腐ってるし、筋肉も硬直しているはず。なのにあんな滑らかにしゃべって、スムーズに動いてるんだから。シロディールにいるゾンビとはまた違うようだ。髭や髪も残っているし。しかし断面を見てみても、ゾンビほどではないにしろしっかり腐っているし……うーむ、古代ノルド人恐るべし。

 

 

閑話休題。

 

 

床にあった圧力式罠を跳び越え、ミイラ共を斬り殺しながら先に進む。途中にあった振り子斧の罠にはやっぱりビビったものの、魔法で粉砕して通過する。高速移動出来る魔法でもあったらなー。

 

 

その先は完全に埋葬室で、蜘蛛の巣だらけではあったが特に大きな障害は無かった。ミイラは本当にミイラになってもらい、罠はわかりやすかったので解除するまでもなく跳び越えていく。そうして進むと、何やら水の流れる音が聞こえてきた。その方角、というか真っ直ぐ進むと、少し広い空間に出た。左を見ると小さな滝のように上から流れる水が部屋を半分にするように流れていて、その方向には柵で閉じられた通路があった。

 

 

前を見ても立てかけられた黒い棺から出てくるミイラしかおらず、道らしき道もなくなっている。ということはこの流れる通路こそが本命だということ。ミイラを斬り殺し、そばにあった宝箱の中身を回収して柵の周りを見てみると、ご親切に真横に丸い取っ手付きの鎖があった。それを引くと、音を立てて柵が上がる。

 

 

俺はその薄暗い通路を進んでいった。

説明
帝国タムリエルは窮地に立たされていた。Skyrimの王は殺害され、王位継承のために同盟が形成されていった。内紛が起こる中、長い歳月閉ざされていたElder Scrolls(エルダー・スクロールズ)へ通じる道がタムリエルへと開かれ、太古の邪悪な生物たちが蘇った。Skyrimの未来は、唯一ドラゴンに立ち向かうことのできる救世主“ドラゴンボーン”が現れるという予言を待ち望みながら、生死の淵を彷徨うしかなかった……。―――――――べゼスダゲームの傑作・スカイリム二次創作です。なるべく原作のセリフや言動を崩さないようにやっていきますが、どうしてもほころびが出ます。ご容赦ください。ある程度の原作崩壊(キャラ生存・死亡、主人公設定など)はありますので、それがお嫌いな方はご注意ください。主人公最強・ご都合主義・ややエロ(?)などを含みます。主人公は原作未プレイです。
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転生 ドラゴン チート ウェアウルフ skyrim 

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