DRACU-RIOT! 〜a heretic story〜  第一話
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ホテルにチェックインして、一眠りした後、原作キャラを探しつつ、歓楽都市の観光を楽しむ事にした。

割合としては、観光9:捜索1といったところだ できれば一目見たいが、会えなければ会えないで原作との縁が無いということだろう。

そんなことを考えながら、活気溢れる夜の街へ歩いていった

 

〜少年移動中〜

 

さて、まずは此処、カフェバー[アレキサンド]だな・・・

 

 

期待と緊張を抱えつつ、カランと鐘を鳴らしてドアを開け中に入った。

ウェイトレス「いらっしゃいませ、アレキサンドへようこそ」

 

お目当ての青い髪の少女の声に感動し、少しの間呆けてしまった

 

「どうかなさいましたか?」

おっと

不審がらせてしまった

 

 

他の二人はいるのかとさりげなく辺りを確認する

 

 

ウェイトレス「?

どなたかと待ち合わせですか?」

 

普通にバレてた・・・

どうやら挙動不審過ぎたらしい

 

「いや、こういった店は初めてだから物珍しくてね・・・

一人だけど、席は空いてるよね?」

苦笑してごまかす

他二人の姿は見えない

裏にいるのか、買い出しか、あるいは俺という[((異物|イレギュラー))]のせいで原作から外れているのか・・・

まぁ考えてもしかたないことだ

 

 

「はい。

こちらへどうぞ。

ご注文はどうなさいますか?」

 

と、にこやかにカウンターへと案内され、注文を訊ねられた。

 

「そうだな・・・

じゃあ、シュプライト(前世でのスプ○イト)をもらおうかな?」

 

「シュプライトですね?

かしこまりました。少々お待ち下さい。」

 

ウェイトレスは丁寧にお辞儀すると飲み物を取りにいった

 

目で追いたくなるのを必死で堪える

女性は視線に敏感だというし、無駄に警戒されるのも疲れる。

 

 

 

 

 

 

 

「おまたせいたしました。

シュプライトです。」

 

「ん、ありがとう。」

 

さすがにソフトドリンクを用意するのにさほど時間はかからず、次の目的地を決めようと地図を広げてすぐに青い髪の少女が飲み物を持ってきた。

礼を言い、グラスを受け取り一口含み、飲み込む

うむ・・・美味い

といってもグラスに注いだだけなんだけどね

 

「ふふっ。

ごゆっくりどうぞ。」

 

 

どうやら一息いれて頬が緩んだのを見られていたようで微笑ましそうにしながらウェイトレスは接客に戻った

 

 

やべぇ・・・

少し恥ずかしい・・・

 

 

 

気を取り直して地図を眺める

さて、何処へ行こうか・・・

選択肢としては

・月長学院

・カジノ

・学院寮

くらいだよな・・・?

いや、でも観光客が学校やその寮に行くのは不自然かね??

 

 

となると、やはりカジノかな・・・((前世|むかし)) は賭事なんてしたことなかったしなぁ・・・

たのしみだな・・・

 

 

 

そんなことをぼんやり考えていたらシュプライトを飲み終わった

 

「ごちそうさま。

お代此処においとくよ?」

 

「あ、はい。

ありがとうございました。またおこしください。」

 

カウンターに代金を置いて店を出た。

次の目的地はカジノだな

 

〜少年再移動中〜

 

 

地図を見つつ偶に人に道を訊ねつつ、どうにかカジノへとたどり着いた。

 

 

いざ行かん「はじめてのぎゃんぶる」!!

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入店からおよそ2時間、幾分か軽くなり小銭入れへとジョブチェンジした財布を手に、俺はカジノを後にしていた。

 

「くそぅ・・・

もともと楽しむ事がメインだから多少スるのは覚悟してたが・・・ここまでアツくなってしまうとは・・・

諭吉様が六人もお亡くなりになられた・・・」

 

目当ての金髪ディーラー見習いや銀髪ロシアンバニーも見つからなかったし、六万も負けるし・・・今日はツイてなかったのかなぁ・・・?

いや、あるいは「((あのウェイトレス|大房ひよ里))」に会うので運を使い果たしたのか・・・?

 

まぁ、いいや

今日はもうホテルで大人しくしてよう。

 

明日の夕方には本土に戻る予定だし、やはり「原作」には縁がなかったようだ。

 

つらつらとそんなことを考えながらホテルへの道をゆっくりと辿っていった

 

その時、ぼんやりと星を眺めていたのが悪かった、いや、良かったのかもしれない。

ホテルへ向かう最後の角を曲がった時、俺は「彼女」とぶつかった。

 

 

 

〜Side Another〜

幼女を装い街を見て回る

自分達の治める街に活気が、笑顔が、暮らす者達の幸せがあるのを確認すると、なんともいえぬ達成感と幸福感に包まれるものじゃ。

 

この街が上手く機能していることを実感することで明日からの政務をこなす糧にするのじゃ

威圧感に乏しいワシのこの見た目を不便に思うたこともあるが、顔役をアンナに任せワシは表にあまり出ない故、こうしてこっそり市井を見て回ることができる

 

まぁ、勝手に出かけるとアンナが五月蠅いのじゃが、これはワシの「もちべーしょん」を保つために十年に一度は必要なのじゃ

 

 

街の雰囲気を感じつつ歩いていると、よそ見をしていたせいか、曲がり角で一人の少年にぶつかった

 

「あいたっ!」

「うぉっと

・・・すみません、よそ見をしていて・・・大丈夫ですか?」

 

転んだワシへ少年が声をかける

少し違和感を感じつつも、どうやら観光客のようなのでワシは見た目どうりの幼女を演じる

「うん・・・だいじょうぶ。

おにいちゃん、ごめんなさい・・・わたしもよそみしてて・・・」

 

「いえ・・・では、おあいこということで」

 

「うん!おあいこだね!おにいちゃん」

 

少年の手をかりて立ち上がる

と同時に違和感の原因に気づく

 

 

こ奴、ワシに敬語を使っておる・・・

見た目十ほどのこのワシに(・・・・・・・・・・・・)

 

 

どうにも気になる・・・((吸血鬼|どうほう))ではないようだが・・・

少し様子をみるか・・・

 

「おにいちゃんは、どこからきたの?」

 

「本土の方から来ました」

 

会話をしつつ笑みを浮かべる少年の「目」を観察する

長く生きていると半世紀も生きとらん小童程度なら、ある程度の感情を察することもできるようになるものじゃ

あくまでもなんとなくじゃが

 

こ奴の目から窺える感情は・・・喜び、畏れに・・・好奇心・・・か?

 

訳がわからん・・・

どうにも得体がしれんな・・・後で風紀斑に調べさせてみるか・・・?

 

 

「あ!もういかないと!ばいばい、おにいちゃん!」

 

「ええ、さようなら」

 

少年の素性を調べることを決心して、しかしそれをおくびにも出さずに別れる

 

 

はっ!!

まさか・・・あれが「((炉利魂|ろりこん))」というやつか!?

などとくだらないことを考えながら役所に戻ろうと歩きだした

 

そんなとき、先刻の少年の声で聞き捨てならん科白がきこえた

 

〜Side End〜

『縁があれば、またいずれ、因果の交差路で

(( 荒神|あらがみ)) ((小夜|さよ))市長・・・・・・』

 

角を曲がってすぐに紅世の徒っぽく括弧つけてみた

もし聞こえたなら、俺について調べてくれるだろう

 

 

さて、ここから俺の物語はどう転ぶかね?

 

願わくば、より鮮烈な明日があらんことを

 

ホテルのロビーでエレベーターへ向かいつつ明日への期待と緊張をかみしめた

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更新お疲れ様です。(さまよう人)
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