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授業が終わり、俺とタバサは教室を出て行く。
ルイズという子が、俺の次にやったのだが、何て言えばいいか分からない。
言葉で表すなら、教室が半壊した。
あんな威力が強い魔法が使える事にビックリした。
あれで魔法が失敗なんて言うのだから、この世界は恐ろしい。
失敗するたびに爆発するんだな……
俺達のゲームでの失敗は『詠唱失敗』や『妨害魔法』ぐらいだ。
失敗したら何も起こらない。
どうやら次は食堂……昼飯らしい。
「んじゃ、また後でな」
タバサが頷いて、食堂へと向かっていった。
俺は厨房へと歩いていく。
「マルトーさーん!昼飯頼みたいんだけどー!」
厨房へと声をかけると、奥から「ちょっと待っててくれ」と声が聞こえてくる。
俺が席について数分待つと、マルトーさんが二人分の昼飯を持ってくる。
「あ?サイトはどうした?」
「才人なら、教室掃除だよ。教室が爆発した」
「あぁ、そういう事か」
あ、爆発したことに驚かないんだ……。
「んじゃ、残しとくか……お前はさっさと食っとけ」
「りょーかい」
いただきます、と呟きながら昼飯を食べ始める。
ちょうど半分ほど食べ終わった時、才人が駆け込んできた。
肩で息をしていることから、走ったのだろう。
「はぁ……はぁ……セーフか?」
「セーフだ。さっさと食べて手伝おう?」
「そ、それもそうだな……」
才人は俺の隣について、少し冷めてしまった昼飯を食べ始める。
俺も残りを食べ始める。
「―――ごちそうさまでした!」
「ん、食べ終わったか」
俺が食べ終わって10分くらい待つと、才人も食べ終わる。
「よし!んじゃ、手伝いに行こうぜ!」
「あぁ」
俺達はマルトーさんのところに行き、手伝うことはないか聞いた。
「あぁ、貴族様達にデザートを運んでやってくれ。
シエスタが戻ってきてなくてな」
「誰だ?」
「メイドさんだ。朝にあった事ある」
「ふーん……サボりか?」
「そんな事する奴じゃねぇんだが……」
マルトーさんが頭をかきながら呟く。
「もしかしたらちょっかいかけられてるかもしれねぇな」
「貴族ってそんな事もするんだな」
「……だな」
才人の呟きに、俺も賛成する。
「んじゃ、デザート運びを頼む」
「分かった。才人、手前頼む」
「手前だな?分かった!」
才人が厨房を出てすぐの貴族達にデザートを配り始めた。
俺も奥に行き、デザートを配り……いない。
貴族がぜんぜんいなかった。
どうやら向こう側に人だかりができているらしい。
見てみようか……
集まってるところでデザート配ったほうが早く終わりそうだしな。
デザートを持っていくと、メイドがいた……が、行動がおかしい。
メイドは今、冷石造りの床に額を擦り付けて謝罪していた。
メイドの目の前には薔薇の造花の杖を指の間に持ち、それをユラユラと
揺らしている金髪巻き毛の男子が不機嫌そうな顔でシエスタを見下ろしている。
その顔には引っ叩かれた跡が紅葉の様に真っ赤に残っており、ワインが頭から滴り落ちていた。
「君が軽率にも香水の瓶を拾い上げたせいで、二人のレディの心を傷付けた。
一体どうしてくれるんだね?」
―――うわぁ……二股してるお前が悪いだろ。
「……そこの平民!聞こえてるぞ!
貴族に向かってそんな言葉……決闘だ!」
金髪の男が、振り返りながらそう言った
「え?この場で?決闘か?」
―――めんどくさいことになりそうだけど……
「分かったよ、闘えばいいんだろ?」
漆黒の剣を、握り締めた。
説明 | ||
7話『決闘宣言』 | ||
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