世界を越えし男と数の子たち 第32訓 一匹見たら三十匹はいると思え 前編 |
今回、台所の天敵である、奴ら(・・・)が現れる。
アレ、場所によっては1メートル越える奴も居るらしいね。
その悲劇は、1人の叫び声から始まった。
トーレ「ぎゃあああああ!!ヘルス、ヘルスミー!!」
突如、トーレは自分の部屋の扉を蹴り開けて、優斗の部屋に転がり込んだ。
優斗の部屋は、チンクとトーレの部屋の間にある。
ユウト「ヘルプミーな…。どうした?」
レヴァンテイン『朝から何だ?トーレ』
トーレは若干涙目になりながら言う。
トーレ「ゴッゴッ、ゴキブリぃぃ!私の…私の部屋にィィ!!」
優斗は呆れながらトーレに言う。
ユウト「は?何? お前、ナンバーズで一番強いくせにゴキブリ駄目なの?」
トーレ「ダメだ!ゴキブリだけは駄目なんだ!シェイプ!シェイプアップ乱!!」
ユウト「ヘルプミーな」
レヴァンテイン『優斗、とりあえずゴキブリを退治しに行くぞ』
そう言って優斗は殺虫剤を持って、トーレの部屋に向かった。その途中、トーレの叫び声で目を覚ましたのか、ウェンディとチンク、ディードとクアットロが廊下に出て来た。
ウェンディ「何スか?朝から一体?」
チンク「トーレの叫び声が聞こえたが…」
ディード「何かあったんですか?」
クアットロ「トーレ姉様が『ぎゃあああああ』何て叫ぶ位だから、よっぽどの事が…」
ユウト「ああ、何でもゴキブリが出たらしいけどな」
優斗の言葉に四人は『ゴキブリ?』と返した。
チンク「まさか、トーレがゴキブリ駄目だったとはな」
トーレ「くっ…。仕方ないだろう!あれ(・・・)は流石に駄目だ!」
トーレは完全に怯えている。
ユウト「トーレ、お前なァ。都会で生きてくって事は、ゴキブリと共に生きてくって事だぞ。よく見とけ、都会っ子の生き様を」
そう言って優斗はトーレの部屋に向かった。
そして、トーレの部屋の扉を開けた。
そこで、優斗の目の前には有り得ないモノが居た。
ユウト「!!。うおおおおおお!!」
優斗は叫び声を上げながら部屋の外に出た。
ディード「兄様、どうしたんですか!?」
ユウト「ご…ゴキブリ!ものっそいゴキブリ」
レヴァンテイン『な…何だあれは!!』
トーレ「パルプ!パルプフィクション!」
チンク「ヘルプミーだろ」
ビビっている優斗とトーレに、ディードは呆れながら言う。
ディード「全く、兄様までどうしたんですか。いいですか?都会で生きてくって事はですね、ゴキブリと同じ部活に入るようなもんですよ」
クアットロ「それにしても、優ちゃんまでゴキブリに怯えるなんてね?」
そう言って2人は、優斗から殺虫剤を受け取り、トーレの部屋に向かった。
ディード「よく見ておいてくださいよ、都会っ子の生き様を」
クアットロ「ゴキブリ位、プチッと潰してくるわね?」
2人はゴキブリもたいした事はないと考えて潰しに行こうと考える中、優斗達は2人の背中の背中を見て青ざめる。
ユウト「オイ…クアットロ、ディード、後ろ」
優斗の声にクアットロとディードは後ろを向くと……そこには人間並みの大きさをしているゴキブリが一匹づつ二人の背中にくっ付いている。
この光景は最悪であり、2人も思わず大声で叫んだ。
クアットロ「キャアアアアアアア!!」
ディード「へ…ヘルペス!ヘルペスミー!!」
チンク「だからヘルプミーな」
ーーーーーーーーーー
優斗達はスカリエッティの部屋に逃げ込んだ。
ちなみに、全員集まっている。顔が青ざめているところを見ると、どうやら他の部屋にもゴキブリが出たらしい。
ディード「…何ですか、アレ。何であんなのが居るんですか?」
スカリエッティ「私も、あそこまで大きなゴキブリは初めて見たよ」
ウェンディ「というかアレ、ホントにゴキブリなんスか?」
ユウト「知らねーよ」
ウーノ「あそこまで大きなゴキブリは見た事も聞いたことも無いわね」
ウーノも、あの巨大ゴキブリは知らないと言う。
セイン「だけどあのゴキブリ、一体何なんだろ?」
優斗は、手に持っている物を見ながら言う。
ユウト「こいつは仮説だが、俺は、恐らくコレが関係してると思う」
優斗は、手に持っている物…カップ酒をみんなに見せる。
ヴィヴィオ「何、それ?」
トーレ「私の…カップ酒?」
ユウト「ああ、恐らく、酒を飲んだ事によって、奴らの中で何か予測出来ない超反応が起こり、あんな事に」
ウェンディ「マジっスか!!」
オットー「だけど、優斗の仮説が合ってるかは分からないよ」
スカリエッティ「しかし、その可能性は否定出来ないね」
セイン「でも、そうだとしたらマズイよ」
ディード「そうですよ、あんなモノ誕生させた上、もしアレが街に逃げたりしたら、私達袋叩きじゃ済まないですよ。唯でさえ管理局に指名手配されているんですから」
ユウト「そうなる前に、俺達で駆除するぞ」
ノーヴェ「そうだ、このアジトから外には出させねえ」
そう言って、優斗達は動き出す……前に、足りない物に気がついた。
ユウト「そういや、クアットロ、ディード。殺虫剤はどうした?」
チンク「余り効かないと思うが、無いよりはマシだろう?」
ディード「あ、あっちに置いてきちゃったみたいです…」
クアットロ「そうみたいね、クアットロうっかり★」
ユウト「クアットロ、それ腹立つんだけど」
チンク「…と、云うことは…殺虫剤はトーレの部屋か」
武器の殺虫剤がトーレの部屋に置きっぱなし、それを知った優斗達は、ディードとクアットロに文句を垂れる。
ユウト「ディード?、お前勘弁してくれよ?お前は本当にディードだな」
ウェンディ「だからディードは何時まで経ってもディードなんスよ」
ディード「ちょっとォォォォォ!?ディードという存在を全否定!?幾ら何でも酷いですよ!」
ディードは優斗達の酷い文句にキレる。
セイン「クア姉もだよ?本当にクア姉は何をやってもクア姉何だから」
クアットロ「セインちゃん、結構酷いわね…」
ノーヴェ「いいから早く取ってこいよ、メガ姉」
クアットロ「メガ姉!?クアットロですら無いの!?」
2人は優斗達に暴言を吐かれ、遂にキレた。
ディード「分かりましたよ!取って来ますよ!巨大ゴキブリがなんぼのもんじゃああああ!!」
クアットロ「自分の尻くらい自分で拭くわよ!血が出るまで拭き続けてやるわよ!」
2人は、ローリングしながらトーレの部屋に殺虫剤を取りに行く。
そして、2人が殺虫剤を手に取った時、2人の背後から『ガサササ』と音がする。
そして、2人が上を見ると、巨大ゴキブリが2人に襲いかかって来た。
クアットロ・ディード『ぎゃあああああ!!』
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説明 | ||
俺はこの日、掛け替えの無い奴らに出会った。 俺は車に跳ねられて死んだと思ったら、なんかよく分からんが別世界に行ってしまったみたいだ。 気が付けば、マッドな科学者や12人の姉妹と暮らしていたり、組織にケンカ売って犯罪者になっちまったり。平凡な日々を送っていたり そして−−俺は戦う。ナンバーズ達を、世界を守るために。 |
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