IS《インフィニット・ストラトス》 SEEDを持つ者達 第4話 |
キラとシンの名が世界中に知れ渡ってから3週間、男性操縦者が二人も見つかった事は世界中騒然となった。
マスコミ関係者がキラとシンを取材を行おうとIS学園に押し寄せて来たり、政府関係者も国に勧誘しに来た事があった。
そして、キラ達はIS学園で教師をやる事になった。
何故、キラ達が教師をやる事になったかというと、ISに慣れるためにキラ達は日々ISの起動、演習などを行っていた。
演習相手に真耶にやってもらったのだが、キラ達、3人とも真耶に10分足らずに倒した。
後で分かった事だが、真耶はIS学園の中ではナンバー2の実力の持ち主であった。
真耶を倒したキラ達の実力に目を付けた千冬が教師をやる事を勧めた。
キラとルナマリアは承諾したが、シンは17歳で教師をやるのは気が引けたが、色々と世話になっている千冬の勧めでもあったので教師をやるの承諾した。
それからは教師に必要なISの知識等を千冬と真耶に徹底的に叩き込まれた。
そのお陰で教師をやれるほどの知識は付いた。
だが、既にクラスを担当する教師は決まっていたので、キラ達は千冬が受け持つクラスで教師をやる事になった。
担当するクラスの中にはこの世界の男性操縦者である織斑 一夏も入っていた。
波乱の教師生活になるとキラ達は感じるのであった。
それから1ヵ月後、新入生を迎える入学式は無事に終えた。
入学式を終えた新入生達は各クラスで教師を来るのを待っていた、勿論、織斑 一夏も例外ではない。
「皆さん、入学おめでとう! 私は副担任の山田 真耶です」
扉が開いて真耶が入りながら自己紹介をする。
だが、残念ながら真耶には誰も向いていなかった。
理由と言えば何だが、全員の視線が一夏に向いているからである。
「え、えぇ? き、今日から皆さんは、このIS学園の生徒です、この学園は全寮制、朝から晩まで協力しあって楽しい学園生活にしましょうね?」
真耶の涙目ながらの説明でも、誰も何も反応を示さない。
女子達は一夏に視線等の全てを集中させている為に聞いてない。
一方、一夏は少し表情が青褪めていた。
(これは……想像以上にキツイ……)
周りが殆んど女性でその空間に耐えられないのであった。
「そ、それでは出席番号順に自己紹介をしてもらいますね」
自己紹介をしていく中、一夏は不意に窓側の席の女子を見る。そこに座っているのは6年ぶりに再開をした幼馴染の篠ノ之 箒である。
一夏は箒にアイコンタクトでSOS信号を発信する。
(ほ…箒〜)
そうすると箒は目をそらし、外を見始めた。
一夏は落ち込んでいると真耶に声を掛けられる。
「――君。織斑 一夏君?」
「っ……は、はいっ」
一夏は、少し驚いたが為に少し大きな声で応じる。
「あ、驚かせてごめんなさい、『あ』から始まって今『お』なんだよね、自己紹介してくれないかなぁ? ダメかなぁ?」
まるで子供のような―外見も同様―態度だが、自己紹介した方が良いだろう。
……眼鏡がずり落ちそうになっているのはご愛嬌である。
「嫌、あの、そんなに謝らなくても良いですよ、っていうか自己紹介しますから、先生落ち着いて……」
「ほ、本当ですか!? 本当ですね!? や、約束ですよ!絶対ですよ!」
何が約束なのか全然理解出来ないが、一夏は後ろを向くと、自己紹介を始めた。
「織斑 一夏です、趣味は家事、料理、マッサージです、あ、ISが使える男の一人ですが、よろしくお願いします」
『キャーーーーーッ!!!!』
「ニュースを見たよ!」
「わぁ、テレビで見るよりワイルド系!」
「カッコイイ!」
「お母さん! 母の日には彼岸花を届けるからね!!」
それぞれ黄色い悲鳴を上げる女子達。
(す、凄いな……)
「ふむ、ちゃんと自己紹介が出来た様だな」
「へ? って、げぇっ、関羽!?」
「誰が三国志の英雄だ、馬鹿者」
鋭い音と共に女性にしてはトーンが低い声。
一夏の姉である、織斑 千冬だ。
「あ、織斑先生、もう会議は終わられたんですか?」
「あぁ、山田先生、クラスへの挨拶を押し付けてすまなかったな」
さっきとは全くの真逆の声で応ずる千冬。
公私ハッキリとしている所から、仕事に関しては全く手を抜かないのが解る。
「い、いえ、副担任ですから、これくらいは……」
ふむ、と頷いた千冬は先程とは全く真逆の厳しい声でクラスに宣言を始めた。
「諸君、私が織斑 千冬だ、君達新人を一年で使い物になるのが仕事だ、私の言う事は良く聴き、良く理解しろ、出来ない者には出来るまで指導してやる私の仕事は弱冠十五歳を十六歳までに鍛え抜く事だ、逆らっても良いが、私の言う事は聞け。良いな」
普通に聞けば暴力宣言だが、裏返してみれば『逆らい、ぶつかり合う事で解り合う』『出来ない者は最後まで見捨てない』という意味合いで取れる。
これを裏返して取ったのかは定かではないが、黄色い声援が再び響いた。
「キャーーーッ! 千冬様、本物の千冬様よ!」
「ずっとファンでした!」
「私、お姉様に憧れて学園に来たんです?北九州から!」
(別に北九州から来たとは言わなくても……)
一夏は心の中で突っ込むのであった。
「あの千冬様にご指導いただけるなんて嬉しいです!」
「私、お姉様の為なら死ねます!」
「……毎年、良くもこれだけの馬鹿者が集まるものだ、感心させられる、それとも何か? 私のクラスにだけ馬鹿者を集中させているのか?」
これは演技ではなく本心だ。
その証拠に、眉間の皺がかなり深い、だが
「キャーーーッ! お姉様、もっと叱って!」
「でも時には優しくして!」
「そして付け上がらないように躾をして!」
それに気付いていないらしく、更に騒ぐ女子達
「お前はとっとと席に座れ、自己紹介が出来ん」
「あ、うん、解ったよ千冬姉」
「織斑先生だ」
バァン、とまた叩かれた一夏。
だがしかし、このやり取りがまずかった。
「嘘、織斑君って千冬様の弟……?」
「ひょっとして、男でISを動かせるのもそれが関係して?」
「良いなぁ、代わって欲しいなぁ」
口々に言うが、姉がISを動かせるからといって弟も動かせる、なんていう事は絶対にない。
そんな事があれば今頃一夏が出て、世界がこんなにてんやわんやの大騒ぎになる事は無い。
「騒ぐな、静かにしろ」
千冬が一言指導を下すと瞬く間にピタッと止まる。
指導力抜群だが、恐らくこれも人気の賜物だろう。
「自己紹介の途中ではあるが、新しい教師を紹介する」
突然の教師の紹介に生徒達は騒ぎ出すが千冬の一言で騒ぐの止んだ。
「では、入ってきてください」
千冬の言葉に扉が開いてキラ、シン、ルナマリアが入ってきた。
「では、アスカ先生から自己紹介をお願いします」
「はい」
シンは教卓に立つと自己紹介を始める。
「テレビなんかで知っているとは思うがシン・アスカだ、苗字で言われるのは慣れていないから名前で呼んでくれると助かる、これから一年間よろしくな!」
『キャーーーーーッ!!!!』
「うぉ!?」
シンが自己紹介を終えると同時に女子達の黄色い悲鳴にシンと女子の群れの中にいる一夏は思わず耳を手で防いだ。
「織斑君と違ったワイルド形!!」
「黒髪のくせっ毛に赤い瞳、堪らない!!」
「シン先生〜〜!!」
数々の黄色い悲鳴に若干引き気味のシンである。
だが、千冬の一言でまた、静かになった。
続いて、シンと入れ替わりにルナマリアが教卓に立った。
「新しく教師になった、ルナマリア・ホークよ、年が近いから気がれなく話してくれると嬉しいわ、それと私も名前で呼んでくれると助かるわ、これから一年間よろしくね」
ルナマリアのモデル並みの容姿に思わず見惚れてしまう女子達であった。
「そして、最後にヤマト先生お願いします」
「はい」
そして、最後にキラが自己紹介を行う為、教卓に立った。
「皆さん初めまして、キラ・ヤマトです、一応、ISを動かせる男子の一人です、教師として皆さんと共に生活出来るのを楽しみです、これから一年間よろしくお願いします」
『キャーーーーーー!!!!』
また女子達の黄色い悲鳴が飛ぶがさすがに慣れたのかキラは引かなかった。
「美形第三弾! しかも紳士系!」
「神様ありがとう!」
「私を何処か遠くへ拉致って!」
「キラ先生〜〜!」
「ヤマト先生〜〜!」
キラの自己紹介で黄色い悲鳴がまだ鳴っている時に、チャイムが鳴った。
「いつまで騒いでいる、SHRはもう終わりだ、諸君等にはこれからISの基礎知識を半月で覚えて貰う、その後は実習だが基本動作は半月で身体に染み込ませろ、良いか、良いなら返事をしろ、良くなくても返事をしろ、私の言葉には返事をしろ、以上だ」
何という鬼教官。
ここにいる全員が迷彩色の服を着ていたら、間違いなく((軍の特殊|レンジャー))部隊に早変わりだと、考えていたキラとシン、ルナマリアだった。
SHRが終わって、千冬と真耶は職員室に戻るがキラとシン、ルナマリアは職員室には戻らずにそのまま一夏の席に向かった。
「君が織斑君? 僕はキラ・ヤマトって言うんだ、よろしくね」
「俺はシン・アスカだ、よろしくな、一夏」
「私はルナマリア・ホーク、これからよろしくね」
「ヤマト先生にシン先生、ルナマリア先生ですね、俺は織斑 一夏です。よろしくお願いします」
「そう硬くならないで、年は近いから気軽に話し掛けて欲しいな、授業の時以外はキラで良いから」
「俺もシンでいいぜ、同じ男なんだし、仲良くしていこう」
「私もルナマリアで構わないわ、これから一緒に学園生活を送るのだからね!」
「あぁ、よろしくな、キラ、シン、ルナマリア、俺の事も一夏で良いぜ」
早くも一夏と友達になったキラ達。
周りではキラ、シン、一夏に話しかけたいが話せない女子達がいた。
ちょっと行こうとすれば抜け駆けされると周りから勘違いされてしまうからである。
だが、そんな女子達を尻目に一人の女子が近づいた。
「ちょっと良いか?」
艶やかな黒髪をポニーテールに結んだ、目つきの鋭い少女が三人に話し掛けてきた。
「……君は確か」
「篠ノ之 箒です、ヤマト先生、シン先生、ルナマリア先生、済みませんが一夏を借りても良いでしょうか?」
「え? まぁ、良いけど」
「感謝します」
箒は頭を下げて感謝の意思を示すと一夏の手を掴んで廊下へ出て行った。
「誰ですか、あの子?」
「あの子は篠ノ之 箒、ISの生みの親である篠ノ之 束の実の妹だよ」
「あの子が、篠ノ之 束の妹なんですか!?」
「まあ、そうなんだけどね、千冬さんの話によると篠ノ之 束の事を嫌っている様だよ」
「実の姉を何で?」
「さあ、そこは千冬さんも知らない様だよ、それとこの事は他の生徒には言わないでね」
「分かりました」
キラとシンが周りに聞こえない程度で話をしている中、ルナマリアは箒を見てある事に気付いた。
(あの子、もしかして一夏の事を……)
そこにチャイムが鳴り千冬と真耶が入ってくるのであった。
因みに一夏と箒は間に合わず千冬の出席簿を喰らうのであった。
説明 | ||
第4話です。 プロローグ http://www.tinami.com/view/463196 設定集(ネタバレあり) http://www.tinami.com/view/502954 |
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コメント | ||
ヤマト先生って・・・・ウルトラ兄弟の80兄さんを思い出してしまうのは僕だけでしょうか?(i-pod男) 最初はキラの事を「キラさん」って呼ぶ事も考えていましたが、これからキラは一夏の兄貴分として接するので「キラ」と呼んだほうが自然だと思い此方にしてみました。(L) キラだけは「キラさん」って呼んで欲しかった!(FDP) |
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