夏の日- I'll keep a promise with her - |
強い日差し。
暑い風。
追いかけても追いつけない、モノガタリ。
出遭えたのは本当に偶然だった。
「このまちにはあたしのおばあちゃんがいるのよ」
突然弾んだ声と笑顔で話しかけてきた、小さな小さな女の子。
「おばあちゃんのおうちにいくの?」
尋ね返した。
小さな女の子のおばあちゃんは、ぼくのおばあちゃん。
小さな女の子はぼくのはとこ。
はとこってよくわかんないけど。
「いっしょにあそぼう」
そう言って毎日、日が暮れても遊び続けた。
些細な事がたのしくって、笑った顔がうれしくって、
「いつまでもいっしょだよ」
それは嘘じゃないって思ってた。
「きょうかえっちゃうの」
さみしくってさみしくって、
だけどぼくは男の子だから。
ニッコリ笑って小さな女の子と指を結んだ。
出遭ったその日のと同じむぎわらぼうし。
りぼんがゆらゆらゆれている。
「きみのほっぺはりんごみたいだなぁ」
小さな女の子は、そう言いながら良くぼくのほっぺを撫でてくれた。
ママみたいだなって、ちょっと涙が出そうになった。
笑った顔も、困ったか顔も、
おでこの端のほくろも、みんなみんなママにそっくりな小さな女の子だった。
「ゆびきりげんまん
うそついたら」
涙がでそうだったけど、だけどぼくは男の子だから。
ニッコリ笑って小さな女の子と約束した。
「つぎのなつにまたあおう
ゆびきりげんまん」
「でんしゃをみおくってるときだってなかなかったよ」
おばあちゃんに言うと、しわしわの手で頭を撫でてくれた。
また、来年。
説明 | ||
3部作です。恋のようで恋じゃない的なお話ですが良かったら最後までお付き合い下さい♪ | ||
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