とらドラif 竜児×奈々子 2 |
「空気?いきなり何を言い出すんだ?
ちょうど俺たちもこのあとどこかに行こうって言ってたところじゃないか」
「いや、そうじゃなくてだな」
びっくりした。あの高須竜児がこんなにもおとなしく北村君の前でうろたえてるなんて。
こういう人を見てるとなんというかこう・・・・・・
「あら?高須君は私たちとじゃ不満なの?」
「い、いやっ!別にそういうわけじゃないんだがっ」
からかいたくなってくる。
想像通りに可愛くうろたえる高須竜児をみてつい笑ってしまった。
この人は私たちが思ってるよりずっと可愛い人なのかもしれない。
「おーい、高須と女子たちー。置いて行くぞ―」
こんなやり取りの間に北村君はもう廊下に出ていた。
「じ、じゃあとりあえず俺先に行ってるよ」
そういうと彼もそそくさと北村君のあとを追って行ってしまった。
私も呆けている麻耶をゆすると二人のあとに続いて曇り始めた春の街へと向かった。
目的地についた私たちは
私と高須君、北村君と麻耶が向かい合うように座り、それぞれ飲み物を注文した。
「まるおって、その、た、高須君と仲がいいんだねっ」
「そうだな!高須とは1年のころから親友でな。
こいつ顔のせいで色々誤解されがちだけど中身はとってもいい奴なんだよ」
北村君は誇らしげにそういったが麻耶の顔はひきつっていた。
まあ今までいろんな噂を聞いていた私たちにすぐに信じろってのが無理なのかもしれない。
ガチガチに緊張して北村君を見つめている。
でも私は教室での高須君をみて少なくとも悪い人じゃないってのはかんじていた。
だから自分から彼に話しかけた。
「ごめんなさいね。この子まだ信じられないみたいで」
「い、いや。いいんだよ、こういうの慣れてるからっ
さっきだって木原さんたちが北村と話したそうだったから空気読んで隠れたのに全く」
タイミング的にそうじゃないかとは思ってはいたが、
推測が確信に変わってから打ちとけるのにそう時間はかからなかった。
高須君の家庭が片親だというのは前から知っていたので幾分気軽に自分の家の事情も話せた。
分かったことは
「高須君も家の仕事を一手に引き受けていること」と
「悪い人じゃないんじゃなくていい人だということ」だ。
そんなことを話しているうちに飲み物が持ってこられた。
私と麻耶はレモンティー、高須君はコーヒー、北村君はロイヤルミルクティーだった。
4人がたわいもない歓談にふけっていると北村君がふいに声を上げた。
「なあ高須、ロイヤルミルクティーってミルクティーとどうちがうんだ?」
なんで高須君なのかしら?男の子にきいてもこまるだけでしょうに。ここは私が助け船でも・・・・・・
「ロイy「ロイヤルミルクティーは牛乳で紅茶葉を煮だしてるんだよ。
手間はかかるけどおいしくなるんだ」
え?
「へえー、そうなのか。やっぱり料理関係は高須に聞くのが一番だな」
麻耶もぽかんとしている。それもそのはず。
なんで分かるのかしら?
自慢じゃないが私も料理については多少の自信がある。
でもロイヤルミルクティーのことはこの間本で見かけただけなのだ。
それを目の前の彼は当たりまえのように質問に答えていた。不思議でしょうがなかった。
「もうこんな時間か!そろそろ俺は帰らせてもらおうかな」
合わせて高須君も帰るというのでその日は解散になった。
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奈々子「それで高須君ったらね、冬休みずっと掃除してばっかだったんだってぇ」
麻耶 『・・・』
今私はお風呂からあがり麻耶と今日のことで電話をしていた。
「麻耶ー、聞いてる?」
『あのさー、奈々子、ちょっといい?』
「どうしたのよ、急に?」
『奈々子、さっきから高須竜児の話ばっかなんだけど、もしかして・・・・・・」
「っっ!?」
思い返してみればもう2時間も高須君のこと話していた。
解散してから頭のなかは高須君のことでいっぱいだった。
「な、な言ってるのよ!そ、そんなわけないじゃない」
『ふーん、まあ本気なら応援はするけどさっ。そろそろ私は寝るねー。おやすみ』
「あっ、ちょ・・・もう麻耶ったら!」
気になっていない・・・と言えばうそになる。
でも、まだ本気かどうかなんて自分でも分からない。
私ももう寝よう。そう思って瞼を閉じても彼の不器用な笑顔が浮かんで消えなかった。
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続きです。 多分5、60で終わると思うのでよろしくお願いします。 一部のネタにデジャブを感じるかも知れませんが それが分かれば奈々子好きということでひとつw |
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