とらドラif 竜児×奈々子 8
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「お、かのうや見えてきたぞ。

 そういえば香椎はなに狙ってるんだ?」

 

「え、えーっと、そ、そう!ひき肉よ!今日はハンバーグにしようかなんて思ってたの」

 

「じゃあ肉売り場まで一緒に行くか」

 

当然ハンバーグの予定などあったわけではないのだが

少しでも竜児と一緒にいたかった奈々子はとっさにそう言った。

 

「んー、俺はこんなもんかな?

 香椎は他に買いたいものとかるのか?」

 

竜児は全部自分に合わせてくれていた。

醤油がキレていたことを思い出して探しに行った時もついてきてくれた。

きっと私が最初に肉売り場に行かなくともそうしてくれたであろう。

 

「私はもう大丈夫よ。高須君こそ大丈夫?」

 

「おう。俺も大丈夫だ。じゃあさっさと会計済ましちゃうか」

 

そう言って高須君とともにレジへ向かう。

その途中でも高須君は逢坂さんの好物だというプリンをかごに入れていた。

そんな些細なことでも心に醜いものがたまっていく自分が嫌だ。

このままこんなものがたまれば自分はどんどん醜い人間になってしまうのが分かってもっといやだ。

奈々子はそう唇をかみしめた。

 

 

 

「今日はいい買い物したなぁ。ってかもうこんな時間かよ!?

 泰子の飯が間に合わねえ!今日はなかなか楽しい買い物だったぜ。じゃあな」

 

今日も今日とて盛況だったかのうやだったが

なんとか会計を済ませたかと思うとそういってすぐに竜児は帰ってしまった。

 

「あっ。ちょっ・・・もう!」

 

もう少し一緒に話でもしたかったのに。

家が反対方向なので追いかけることもできず、奈々子は帰路についた。

 

(やっぱり高須君は優しい。いいところいっぱいもってる。

 逢坂さんもそれに気付いたからなついてるのかしら?

 気付いてないとしても遠くないうちに気付くんでしょうね・・・

 そしてきっと高須君のことを好きになる。でも私だって負ける気はないわ)

 

少し暗くなった商店街を歩いていても頭は竜児のことでいっぱいだった。

だからだろうか

踏み出した横断歩道の信号など確認はしていなかった。

薄暗い夕暮れの街にけたたましいクラクションが鳴り響いた。

奈々子がはっとして音のする方へ眼を向けると

そこにはこちらに迫るリムジンがあった。

 

私なにやってるんだろう・・・・

奈々子は急いで歩道に引き返そうとしたが腰が抜けてしまってうまく動けない。

 

嘘でしょ?やだよ!誰か助けてよ!

奈々子にはもう目をつぶることしかできなかった。

説明
8です。
思いのほかお気に入りに登録してくれている人が多くて嬉しいです。
まあコメントはからきしですが・・・・・・w

とりあえずよろしくお願いします。
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