SAO〜黒を冠する戦士たち〜 第七十技 MHCP001-Yui |
第七十技 MHCP001-Yui
キリトSide
「「「「「「「「はぁ〜〜〜〜〜」」」」」」」」
ボスが完全に消滅するのを確認すると、俺達は息を吐きながら一斉に地面に座り込んだ。
「キリトくん! みんな! 大丈夫?」
「パパ! みなさん!」
アスナとユイがこちらに駆け寄ってきた。どうやら大分心配を掛けてしまったようだ。
ん? そういえば、ユイの喋り方に違和感があったような…、気のせいか?
「なんとか、なったな…」
「まさか、20層近くも上の敵と戦うことになるとは…」
「……さすがにきつかったな」
「生きているのが不思議な気がします」
俺、ハクヤ、ハジメ、ヴァルの順で言葉を漏らしていく。
「正直、こわかった…」
「ははは、俺も……」
「後方支援とはいえ、あれほどとは思いませんでした」
「上に行けば、またあんなのと戦うのね」
ルナリオ、シャイン、ティアさん、カノンさんも本音を言葉にしていった。
俺達の無事を確認してアスナはホッとしたようだ。
「よかった…。みんな無事で……」
「ごめん、心配掛けて…。シンカーとユリエールさんは?」
俺は二人がいない事に気付き、アスナに訊ねてみた。
「二人には先に戻ってもらったの。軍の事もあるし黒衣衆の皆が戦うからって…」
「そうか…。ありがとう、アスナ。気を遣ってくれて」
「ううん。こんなことしかできなかったから…」
俺達を思ってくれたアスナの気遣いが嬉しかった。俺は彼女の頭を優しく撫でてあげた。
少しくすぐったそうにしていたが、どうやら気は解れたようだ。しかし、俺には他にも気になることがある。
「………」
「ユイ、どうしたんだ?」
「ユイちゃん?」
先ほどから少々様子のおかしいユイに俺は訊ねてみた。アスナも心配している。
「パパ、ママ…。ユイ、ぜんぶ…」
―――GYAAAAAAAAAAA!!!
ユイが何かを言おうとしたところで、突如として雄叫びが上がった。
この声は、〈The ((fatal-scythe|フェイタル・サイズ))〉のもの!
なぜだ。奴はたった今俺達が…。その時、俺は背後を見やった。
そこには紛れもなく〈The fatal-scythe〉がいた。
「バカな…」
「う…そ……」
俺とアスナは唐突な奴の出現に硬直してしまった。それが命取りとなった。
―――GAAAAAAAAAAAA!!!
奴はその手に持つ大鎌を俺とアスナ目掛けて振り下ろしてきた。
俺は武器を構える事が出来ず、すぐにアスナを庇うように抱き寄せた。
「クソッ!?」
「ッ!?」
俺とアスナは目を瞑り、死を覚悟して来るであろう攻撃を待った。
―――ガガガガガガガガガガッ!!!
しかし、その音が鳴り響き大鎌は俺達に辿り着く事はなかった。
「「「「「「「なっ!?」」」」」」」
周囲で皆の驚愕する声が聞こえた。俺は目を開き背後を見ると、そこには驚きの光景があった。
「っ!?」
俺が驚いた事でアスナも目を開けて俺と同じ方を見た。
「なん…で……」
アスナも驚愕の表情を浮かべている。奴の攻撃を止めている者がいた。だがそれは……、
「ユイ…ちゃん…」
そこには、先ほどまで俺達と一緒に居た少女………ユイが居た。攻撃を止めたのはユイだ。
俺はなぜユイが攻撃を止める事ができたのか分からなかったが、すぐに謎は解けた。
攻撃を止めるユイの頭上にウインドウが現れた。
書かれている文字は『Immortal Object』、『システム的不死属性』だ。
それでも分からないことが多すぎる。そんな風に混乱する俺達にユイは喋りかけてきた。
「大丈夫です、キリトさん、アスナさん、皆さんも。わたしがすぐに終わらせます」
ユイはいつものような幼い喋り方とは違い、大人と間違うような冷静な声で言った。
そして、ユイはその手に劫火を纏う大剣を出現させた。その大剣はユイ以上の長さもある。
死神はユイが大剣を持つと大鎌を振るってきたが、それを弾き飛ばして大剣を突き刺した。
そしてそこから再びカーソルが現れる。『オブジェクト・イレイサー』とでた。つまり完全抹殺機能だ。
大剣から劫火が巻き起こり、死神の体を覆い尽くして消滅させた。
死神の消滅を確認してからユイはこちらを向いた。
「キリトさん、アスナさん…。わたし、全部思い出したんです」
「ユイちゃん、思い出したんだ……」
「自分がどういう((存在|・・・))なのか、ということか…」
丁寧な口調で喋るユイ、アスナは未だに呆然とし、俺の重苦しい言葉にユイは頷いた。
「キリト…。俺達は先に戻ってるからな…」
「すまない……」
「気にすんな…」
シャインの言葉にみんなは≪転移結晶≫を発動させて街へと戻った。気を遣わせてしまったな。
「……わたしはプレイヤーではありません。ましてやNPCでもありません」
ユイの言葉という現実に俺は心底自分の感というものが嫌になる。嫌な予感がよくあたるのが…。
「わたしはプレイヤーの精神的ケアを司るカウンセリング用AI、『MHCP001』と呼ばれる存在です……」
現実は本当に残酷だよ……。
キリトSide Out
To be continued……
後書きです。
まさかのもう一体の死神の登場・・・無茶苦茶ですが勘弁してくださいね・・・。
くわえてついに明かされるユイの正体。
それに対してキリト達は・・・。
それでは次回でお会いしましょう・・・。
説明 | ||
第七十話になりました。 ついに死神との戦いが終わりましたが・・・。 どうぞ・・・。 |
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コメント | ||
アサシン様へ 続きをご覧ください・・・。(本郷 刃) このあとユイは・・・・・(アサシン) 神薙様へ どの間違いですか?(本郷 刃) よくよく読んでみたら滅茶苦茶間違えてたwww元々なんて言ってたっけwww(神薙) 神薙様へ 確かにそれは思い浮かびますね・・・。(本郷 刃) この回読んでたらいつもリリカルなのはに出てきたあの名言を思い出しちまうんですよね…「世界はいつだってこんな事ばかりじゃなかった筈だ!(byクロノ)」(神薙) TK様へ それは自分も思いましたwww(本郷 刃) この死神ヒースクリフより絶対強いwwww(TK) 龍聖無双剣様へ 気を抜かなければ可能でしょうけど、回復アイテムやスキルポイント、スタミナ(精神)の限界もありますからね。(本郷 刃) ↓訂正 倒すのはキリトたち(龍聖無双剣) 2体だけじゃなくて、もっと出してもなんやかんやで全部倒せそうな気がするのは自分だけ?(龍聖無双剣) ふかやん様へ それに関しては次回にて・・・・・・。(本郷 刃) 不知火 観珪様へ 確かにユイちゃん無双は意外と人気がありますよねwしかし今後の成長ですか・・・・・・。(本郷 刃) この後彼女は消されてしまうんですよね…。自分としては彼女がこのままキリト達と暮らし続けて欲しいと思っているのですが…。(ふかやん) ふぅ、ユイちゃん無双が無事(?)きた! このあと、アスナもキリトも精神的な成長がみられるのはユイちゃんのおかげなのだ!(神余 雛) |
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