魔法少女リリカルなのはStrikerS〜二次創作〜 第23話 「え!?ホテルアグスタより」
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「・・・はぁ」

 

なんだか・・・これにももう慣れた気がする

 

目の前に広がっているのはいつもと同じような世界

 

空は赤茶け、地面には血のような液体が所々にこびり ついている

 

見たところ、まるで地獄のような・・・そんな感じだ

 

そしていつものように・・・数こそ少ないものの、ま た手から馬鹿でかい中華包丁のようなものを生やした 怪物が六体ほど地面から生えてきた

 

『ダンテさん!』

 

フォワードたちの声が聞こえる

 

その言葉に目を向けると、俺を気を配りながらも戦っ ているフォワードたちの姿があった

 

「大丈夫!何とか生きてる!」

 

戦闘の邪魔にならないように、俺は無事なことを伝え る

 

『ダンテさんが居なくてもやるのよ!』

 

怪物たちをなぎ倒している傍らで、ティアナさんの声 が聞こえた

 

ティアナさんがいるんだ、むちゃくちゃしなければし っかりまとめてくれる

 

それより・・・まずはこっちを何とかしないと

 

ーーーーーーーーーー

 

「ダンテさんが居なくてもやるのよ!」

 

それは、自分に言い聞かせた言葉でもあった

 

出張任務の時に気付いたこと・・・

 

メキメキと腕を上げる仲間たち、一般人ながらも圧倒 的な戦闘力と戦術で場を切り抜けるダンテさん

 

自分だけが・・・凡人だと気付いた

 

だけど・・・ここで証明するんだ!

 

『フォワードのみんな!もうすぐヴィータ副隊長がそ っちに着く!それまで下がって!』

 

「守ってばかりじゃダメです!私とスバルで前に出ま す!」

 

ランスターの弾丸は・・・どんなものでも撃ち抜ける って!

 

ーーーーーーーーーー

 

「最後の一体・・・!おりゃ!」

 

最後の一体を、上空から斧を振り下ろし粉砕した

 

血のような液体が辺りに飛び散り、俺を、そして地面 を汚していく

 

しかし・・・奴らは一体何なんだ?

 

剣を地面に刺し、その柄にもたれかかって俺は考えて いた

 

どこから出てくるんだ?

 

誰かが操っているのか?

 

『守ってばかりじゃダメです!私とスバルで前に出ま す!』

 

そんな俺の考えがかき消されるように、ティアナさん の声が聞こえた

 

そうだ、今はこんなことをしている場合ではない

 

すぐみんなのところに戻らないと!

 

「くそ・・・、どこだどこだ?」

 

俺は急いでコウモリを探した

 

そんな時だった

 

「・・・ヒサシブリダネ」

 

「・・・!」

 

背後から、あの時と同じ声が聞こえた

 

振り返ると、そこには全身甲冑をまとい、そしてその マントが風になびいているあいつがいた

 

「お前・・・!」

 

「ウン・・・、マエヨリハマシニナッタカナ」

 

こちらに近づきながら淡々と言葉を並べる

 

一体何者なんだ?

 

「デモマダダ・・・マダカンゼンニハカクセイシテイ ナイ」

 

「どういう・・・意味だ」

 

相手の考えが全く読めなかった

 

顔まで甲冑で隠れて表情も全く読めない

 

ましてや剣を向けるわけでもなく、銃を向けるわけで もない

 

ただただしゃべっているだけだ

 

「ソレハマダイイ、ソレヨリモ・・・」

 

そいつは、俺から目をそらし上空を見た

 

「カノジョタチヲ、ホウッテオイテイイノ?」

 

そこには、自分の周りにいくつも弾丸のようなものを 浮かび上がらせているティアナさんの姿があった

 

「・・・」

 

甲冑はそれを一瞬見ると、俺に背を向け歩き始めた

 

「ちょ、ちょっと待て!」

 

俺は慌てて呼び止めた

 

甲冑は、ゆっくりと顔だけこっちに向ける

 

「あんた何者だ?なんで俺に攻撃しない?」

 

甲冑は、静かに・・・そしてハッキリと言った

 

「ジブンノナカマニ・・・コウゲキヲスルワケガナイ 」

 

「・・・はい?」

 

それだけ言うと甲冑は、光と共に消えてしまった

 

あいつは何て言った?

 

・・・仲間?

 

なんだ?

 

俺は・・・あいつらと同じ?

 

あの化け物と・・・同じ?

 

「ダン兄!」

 

スバルさんの声で、俺は我に返った

 

気がつけば周りの空間が元に戻っており、スバルさん とティアナさんが前に出て戦っていた

 

ティアナさんの弾丸が次々とガジェットをなぎ倒し、 スバルさんがパンチで粉砕する

 

俺は周りに気を配りながらも立っているだけだった

 

いや・・・立ちすくむことしか出来なかった

 

あいつの言葉が・・・頭の中で響いていたのだ

 

そんな時、ティアナさんの弾丸が一発、明らかにスバ ルさんの方へ向かって飛んでいくのが見えた

 

「く・・・!」

 

俺はとっさに、左手で持っていた銀色の銃をスバルさ んとその弾丸の間にくるように投げた

 

周りがスローモーションのように感じた

 

銃はクルクルと空中でランダムに回転し、スバルさん と弾丸の間に飛んでいく

 

俺は、その銃のある部分を狙ってもう一つのほうの銃 の引き金を引いた

 

銃はうまい具合にスバルさんと弾丸の間に入ると、一 瞬だけ銃口がティアナさんの弾丸のほうに向いた

 

俺が狙っていたのはこの瞬間だった

 

もう一つの銃から発射された弾丸は、一直線に間にあ る銃の引き金に飛んでいった

 

そして引き金に当たると、間にある銃の銃身がブロー バックし、弾がティアナさんの放った弾丸に当たる

 

銃から放った弾丸が、ティアナさんの放った弾丸と相 殺され消えていった

 

「ふぅ・・・何とかなった」

 

「このバカやろうがー!」

 

俺が安堵の言葉をつぶやいているのもつかの間、次の 瞬間にはこちらに着いたヴィータさんの怒声が飛んだ

 

「ダンテが何とかしたから良かったものの!仲間に向 かって何やってんだー!」

 

「あ、あのヴィータ副隊長・・・これもコンビネーシ ョンの内で・・・」

 

「ふざけるな!あのままだったら明らかに直撃してた じゃねーか!」

 

片手に俺が投げた銃を握りしめ、ヴィータさんは新人 二人を叱りつける

 

あれは・・・一般人の俺から見ても危なかったように 見えた

 

日頃の訓練もあり、二人は二人なりに考えたんだろう けど、さすがにあれは・・・俺の目から見ても危険な 行為そのものに思えた

 

ーーーーーーーーーー

 

「・・・ふぅ」

 

あれから、ヴィータ副隊長と俺が主にメインとなり戦 場を駆け抜け、何とかガジェットとやらを全機落とす ことが出来た

 

今は現場調査ということで落ち着いており、俺は適当 なところに座り無事戦闘が終わったことにため息をつ いていた

 

ティアナさんは・・・後に合流したなのはさんと散歩 に出掛けた

 

おそらく・・・あのことを話すつもりなんだろう

 

「お、見つけた。こんなところにいたんだな」

 

そんな声に顔を上げると、そこにはヴィータさんが立 っていた

 

「ほら、これ返しにきた」

 

ヴィータさんが差し出した右手には、俺の投げた銃が 握りしめられていた

 

「・・・すいません」

 

俺は立ち上がって一言謝ってからそれを受け取る

 

「いや・・・謝るのはこっちの方だ」

 

銃を受け取り、腰のホルスターに収めているときにヴ ィータさんがそう行った

 

「不甲斐ないところを見せちまったな・・・。ダンテ が助けてくれなかったら、どうなっていたか・・・」

 

「いえいえそんな!俺も特に何も出来なかったですし 、これでおあいこです」

 

「いや・・・もしダンテがいなかったら・・・もっと 大変なことになってた・・・」

 

ヴィータさんは、何かを思いだすようにそう言った

 

過去に何かあったのだろうか?

 

「それに、何も出来なかったわけじゃない。ちゃんと 戦ってたろ」

 

「いえいえ・・・俺なんて・・・」

 

「まったく・・・、ダンテはまずその性格からなんと かしないとな」

 

やれやれとヴィータさんは腰に手を当てため息をつい ていた

 

「ダンテは強い!アタシが保証する!シグナムも言っ てたろ?」

 

「いえいえ・・・そんな・・・」

 

というような、まるで漫才のような会話がしばらく続 いた

 

「まぁとにかく・・・、これで無理なことはしないよ うになればいいんだが・・・」

 

「・・・そうですね」

 

ヴィータさんは、ティアナさんとなのはさんが歩いて 言った方向を見てそうつぶやいた

 

ーーーーーーーーーー

 

・・・私がもっと強かったら、あんなことにはならな かった

 

もっと私に技術があれば・・・あんな事態は回避でき た

 

もっと・・・強くなるんだ

 

誰にも負けないように・・・

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コメント
切羽詰まると回り見えなくなりますよねぇ……(蒼扇)
ダンテが何とかしてくれる!・・・たぶん!!(カイ)
わかっていないのがティアナクオリティー(VVV計画の被験者)
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少しDmC 魔法少女リリカルなのはStrikerS 

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