IS-インフィニット・ストラトス- きゅー組物語 16 |
Pipipipipipi
「うーん、うるせー………」
Pi!!
朝。
枕元でけたたたましく鳴るアラームを黙らせ、のそのそと上半身を起こす。
………駄目だ、まだ頭が起きてない。
てか………眠い。
あー、そういえば昨日は遅くまで起きてたっけ。
………それもこれも、あのバカ野郎の所為だ。
授業中に恋だ何だと呟いたり、ここ最近春告の様子がおかしい。
そんな時、生徒からこんな話を聞いた。
曰く
「放課後、女子生徒と二人っきりで会っている。」
常識人であり、なおかつ生粋のチキンであるアイツが生徒に手を出す筈は無い。
そう考える程には、アタシはアイツを信頼していた。
ちょっとしたノリで、九組によるハイテク出歯亀を行った結果。
アイツの逢引現場を、バッチリ見て、聞いてしまったのだ。
ベッドから起き上がり、一度背中を伸ばす。
………駄目だ、すっきりしない。
シャワーでも浴びよう。
((寝巻き|下着))を脱衣かごに投げ入れ、浴室の中へ。
『………好き………のか?』
『……先生…………好き』
あの言葉の後、教室は大混乱に陥った。
春告ロリコン説を声高に主張する者。
NTRかまされたー!!!と滂沱の涙を流す者。
不潔だわ、淫行教師なのだわ!!!と騒ぐ者。
織斑君とじゃないと認めない!!!………いや待て、NTR喰らった織斑君が先生を無理矢理手篭めにして………「すまん、織斑………先生、やっぱりお前じゃないと………」次の新刊は決まりよー!!!と、創作意欲を湧かせる者。
etc...
その混乱を何とか収め、クラスに緘口令を敷いたのは良い物の………
どーすりゃ良いんだよ。
学園側にばれたら、間違いなくアイツはクビ。
その上、外部に情報が漏れようもんなら9組の存続に係わるかもしれない。
それとなく上申して、アイツの部署を変えて貰うか??
いやいや、信頼できる同僚だし、次に来る人間がまともな奴とも限らないし………
熱いシャワーが、身体を叩く。
眠気こそ消えたものの、妙案が浮かんでくる様子は無い。
身支度を終えて、部屋を出る。
「………あの生徒にゃ悪いが、いっそアタシが押し倒して」
「よう、お隣さん。」
隣を見ると何故か噂の淫行教師が突っ立って………いや、アイツの部屋とは隣なんだから何故って事も無いんだが。
「うぇ、は、春告!?」
ヤバイ、聞かれた!?た、確かめないと………
「えっと、春告………さん?」
「?」
き、聞かれてはいない………のか?
駄目だ、いまいち頭が回らない。此処は一時………
「あぁー!そういえば、きょうとうによばれてたんだったー。はなしがながびくかもしれないから、さきにきょうしつにいってほーむるーむをはじめててくれー」
撤退!!!
アタシは、急いでその場から離れる事を選んだのだった。
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