真・恋姫†無双 〜月の守護者〜 第3話 |
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「………」
「………」
今、目の前にいるのは悪友の及川によく似た子供だった。
まぁ、俺も見た目5歳児だから子供同士が向き合っているという構図になるんだが…
よく似たというよりは…ぶっちゃけ本人らしい…
というより…本人しかありえない…
「かずぴー…本気でいくで?」
「当たり前だ…こっちも殺すつもりでいくから…」
いつも通りの呼び方に安堵しつつお互いに構えて眼前の敵を見据える。
及川が怒ってる理由は検討つかないけど、こっちにはある。
赤ちゃんプレイを強要(?)した罪…万死に値する。
「かずぴー…わいは…わいはどうしてもかずぴーをボコらなあかん…」
及川がそう呟きながら弓を構える。
「なら…返り討ち…いや、それ以上にひどい目に合わせてやる…」
そう…これは仕合ではない…死合なのだと…
お互いに譲れない。
だから…俺も本気でいかないといけない…
「……」
無言で俺は上に着ていた服を脱ぎ捨てた。
「かずぴー?なにs…」
及川が俺の行動に不思議がって声を上げたが、その言葉は最後まで続くことはなかった。
俺が来ていた服からたくさんの錘が出てきたからだ。
全身に付けている錘の重量はおよそ5kg。
上の服には総重量のおよそ4割の錘が付けてある。
そう…故に俺はこう言おう…
「ジャケットアーマー…パージ!!」
「なん…やて…」
及川は驚きを隠せないままその場で立ち尽くしていた。
「かずぴーが…あの、かずぴーが……厨二病に走った!?」
「厨二病じゃないわ!!!」
「えー…じゃあ、かずぴー…人生ってなんや?」
「は?そんなの"死ぬまでの暇潰し"だろ?」
「うわー」
及川が妙な質問をしてくるから適当に答えたら可哀想な子を見る目で見られた。
「そんなことよりかずぴー…」
「ああ、始めるか…」
そう言って及川は改めて弓に矢を番えて構える。
俺は腰に差してあった剣を鞘から抜いて構える。
「そういえば、お前と本気でやりあうのは初めてだな。」
「せやな…向こうではかずぴーとやりあう理由もなかったかんなぁ。」
互いにその場から動かず相手の隙を伺う。
5歳児同士のはずなのにその構えや対峙している姿は確実に5歳児ではない。
「いくでぇ…かずぴー!!」
ヒュン
矢が放たれる。だが、当たらない。
「こい!!」
そう叫んで、眼前の敵へと歩を進める。
及川は後ろに後退しながら矢を番えては狙いを定めて放っている。
俺は前進しながら飛んでくる矢を躱したり剣で防いだりしている。
それが何度も何度も何度も繰り返される。
一見互角に見えるが不利なのは俺の方…
まだ一度も攻撃が出来ないでいる。未だに防戦一方。
それに対して及川はバックステップや俺の知らない歩法なのだろうか妙な動きで俺との距離を離している。
最初は矢を尽きるまで射たせようとしたがある程度打つと地面に刺さっている(俺が躱した)矢を補充している。
全部叩き落とそうとも思ったが無理だ。
え?やる前から諦めんな?根性見せろ?もっと熱くなれよ?
五月蝿い!!5歳児に何を期待してんだ!?後、((蜆|しじみ))もお米も関係ない!!
てゆうか…はっきり言って及川のことを舐めすぎていた…
あいつ…妙に戦い慣れている…
『一刀…相手がどんなに強くても絶対に勝つことを諦めるな。諦めなければそれは負けでは無い。』
……そういえば、修行を着けてもらう前に父さんがらしくもなく力説してたなぁ。
『獲物は逃すな!何があっても食らいつけ!!』
このまんまじゃあ終われないよなぁ…
「………ふっ!!」
今までより力強く前へと歩を進める。
及川と俺との距離は徐々に埋まってきている。
近づくぶん矢を躱すのが困難になり、体のあちこちに痣が出来るが、それは仕方ない。
そして、間合いに入った!
「とった!!!」
「!? しまった!!」
及川の持っていた弓に狙いを定めて剣を袈裟斬りに振るう。
キィン
響くのは弓が壊れる音でも、剣が空を切った音でもなく…剣戟に似た音だった。
「!?」
驚いたのはこちらだった。及川は不敵な笑みを浮かべながらこちらを見ている。
「どうや、かずぴー?驚いたやろ?(速すぎて流石にビビッたわ…)」
「ああ。残念ながら…かなり驚いちまったよ!その弓…普通じゃないな…」
及川の持っている弓の((押付|おしつけ))の部分に((刃|は))のようなものが付いている。
「わいの特注品や!!」
戦闘中に自慢された挙句にドヤ顔までされた…
「及川…今のお前の顔を殴りたいんだが、いいか?」
「それは…一撃でもわいに攻撃を当ててから…言うんやな!」
中庭に剣戟の音が響く。何合も、何十合も…
及川の背に背負っている矢筒にはまだ何本か残っているが、ハンデのつもりなのかそれを使わない。
俺にも"切り札"はあるにはあるが使えない。というよりももう一本剣が無いと使えない。
ホントは向こうで爺ちゃんに習っていた時に使っていた木刀がいいんだけど、この剣でも出来るかどうかがわからない。
「(ぶっつけ本番でやってみるか?)なら…やってやるさ!!」
腰紐に括りつけてあった鞘を右手に持って、剣を鞘に収める。
重心を低くして体を前に倒すような姿勢を取る。
「抜刀術か!?(ここまで離れれば流石に射程外やろ)」
及川は距離を離して身構える。やはり、背中の矢は使わないようだ。
北郷流の抜刀術の構えは一般的なものとは異なっている。
足に力を集中して更に姿勢を屈める。
「なんや?(気が足に集中してる?)」
そして…開放する。
50m程離れていた距離が数歩で埋められる。
そして、抜刀する。
ただそれだけで、及川の持っていた弓が音を立てて壊れた。
「………わいの負けや…」
及川は仰向けに倒れて笑っていた。
「で?なんでお前がここに居るんだ?」
俺もその場に座り込んで及川に話を伺う。
ポツポツと及川は話し始めた。
「どうやら終わったようだな…」
城の部屋から一部始終を見ていたのは廉司に翠奈だった。
「一刀君の最後の動きはすごかったな…」
「ああ。俺もあんなことが出来るとは知らなかったよ。」
廉司は微笑を浮かべて先程まで戦っていた二人を遠目に見ている。
「なんでお前が知らないんだよ?一刀君の師は廉司だろ?」
「俺はまだ体力作りしかやらせていない。」
「重さは?」
「1斤(約5kg)程だ。」
廉司からの答えを聞いて翠奈は思考が停止した。
5歳児が5kgの錘を背負いながら日常生活を送っている。
そして、その子は病気持ちでもある。
「お前は馬鹿だろ!?」
「錘を使い出したのは一刀からだ。俺は却下したんだが、誰に似たのか頑固でな…」
「絶対にお前似じゃないな…」
「だろうな…それで?ここに来た本当の理由はなんなんだ?」
目線を翠奈に移して今までの温厚な笑みが消え、真面目な顔をする廉司。
「本来の理由は月ちゃん出産の祝だよ。これからの話はついでだ。」
「五胡か?」
「当たりだ。お前に頼みたいのは二つ。
お前が強いと思う将とその精兵を出来る限りでいいから集めることと
そのことに関しての勅命を貰ってくること。」
翠奈も先程までの雰囲気を引っ込めて廉司に対する。
「成程。そこまでの規模か?」
「ああ。五胡の殆どがこっちに集結してるらしい。報告を受けた時点で10万だった。」
「涼州連合と同等の規模か…おそらく15万が向こうの限界だな…」
「出来れば軍師も頼みたい。」
「なら…司馬徽に頼むか…」
二人は部屋から出て玉座の間へ向かう。
「任せるぜ?"千里眼"殿?」
翠奈は全幅の信頼の意味を込めて廉司の通り名で言う。
「任せろ。"涼州連合筆頭"殿。」
廉司は翠奈の信頼に答える。
涼州連合…他の州と違って涼州には刺史(州牧)というものが存在せず、涼州の各地を治めているものの中から話し合いで決められる。
現在は翠奈がその地位に就いており、五胡の侵攻の際には涼州連合軍の総大将として五胡と戦っている。
翠奈の武は涼州一でもあるので、廉司を始めとした他の太守からも絶大な信頼を勝ち取っている。
場合によっては帝から許可を貰い他の州から援軍を募るが、それは今回が初めてである。
既に玉座の間には主要な面子が集まっていた。
唯美は玉座に座っておらず、亞霧に先程の文句を言っていた。
他の皆はその光景を優しげな表情で見ていた。
「揃っているな?」
廉司が言葉を発すると、今までの空気とは一変して玉座の間の空気が真面目な物に変わる。
皆の表情も先程までとは打って変わって、緊張で若干強ばっている。
「近いうちに五胡が攻めて来るそうだ。」
廉司の言葉に武官は更に表情を険しくさせ、文官は戦が起こることに嫌な表情をしつつも頭の中で兵糧がどれだけいるか計算している。
カン!カン!
甲高い音が二回程聞こえると玉座の間が静まり返る。音の発生源は廉司だった。
自身が身に付けていた両手の腕輪同士を打ち付けたようだ。
「静かにしろ!何も直ぐに攻めて来るわけじゃない。亞霧!」
廉司が亞霧の名を呼ぶと、一歩前に出て報告をする。
「はいー。敵は恐らく15万が限界ですねー。攻めて来るとしても最低一月は掛かるでしょうねー。
対するこちらはどう足掻いても10万前後ですねー。そこらへんはどうするんですかー?」
「帝から許可を貰って俺の戦友を呼ぶ。」
廉司の答えにまたもやざわめきが増す。
カン!カン!
「翠奈。帝から許可が降りなかった場合はどうする気だ?」
場を静まらせてから廉司が翠奈に聞く。
「その点に関しては大丈夫だ。帝からは既に口頭でだが許可を貰ってある。後は洛陽に言って帝の正式な書状を貰うだけだ。」
翠奈の言葉に皆から感嘆の声が聞こえる。
「とゆうわけだ。武官は兵の調練に尽力。文官は何時戦が始まっても問題ないようにしてくれ。」
「「はい!」」
廉司が指示を与えるとそれぞれの仕事をするべく玉座の間から出ていく。
今残っているのは廉司、唯美、亞霧、翠奈の四人である。
「行くの?」
唯美が瞳を潤ませて廉司に聞く。
「ああ。俺が行かねば始まらんし、最悪五胡に滅ぼされる。」
廉司は唯美の頭を撫でて落ち着かせる。
「俺は暫くここに留まるから安心しろよ?」
翠奈も唯美を落ち着かせるべくいつもより優し目に言うが、
「翠奈様は戻って仕事するのが嫌なだけなのではー?」
亞霧に的確なツッコミをされてしまう。
「翠奈、華雄を鍛えてやってくれんか?」
翠奈が亞霧に文句を言おうとしたが、廉司からの言葉に遮られてしまう。
「華雄?まあ、別に構わねえけど?お前が俺に頼み事とは珍しいな。」
「あいつには将の才能がある。それを腐らせたくはないんだ。将来、一刀と月の力になる。」
廉司からの頼みに曖昧な返事をするが、その後の廉司の言葉で内心楽しみになっていた。
廉司が人を褒めることは身内を除いてそうあることではない。
ましてやその人物が城内の警備をしている一兵士ならなおさらだ。
華雄には何かがある。唯美の一番のお気に入りだけじゃない…武に関しての何かが…
そう…翠奈は考えていた。
「華雄は結構面白いですよー。考えが猪な所はありますけどねー。」
「なんだ?軍略でも教えてんのか?」
亞霧の言葉に翠奈が反応する。
「いいえー。まだ文字の読み書きを教えている段階ですよー。」
亞霧の答えに翠奈は興味を失ったのか、それ以上は聞いてこなかった。
「そういえば、一人で行くのか?」
思い出したように翠奈が廉司に聞くと二人も廉司に視線を贈る。
「一刀も連れていく。」
廉司の言葉に三人は驚き声をあげる。
「兵は?まさか二人だけってことはないよな?」
「二人だけのつもりだったかが…」
「それでは廉司様、私の息子もお連れくださいー。何かと役に立ちますよー?」
廉司の言葉の途中で亞霧が提案してくる。
亞霧以外の三人は亞霧の"息子"という言葉に疑問を抱いていた。
「そういえば…あなたいつ結婚したのよ!?」
「いえー、私はまだ独身ですよー。あの子は養子なんですー。」
唯美の問いに亞霧が気の抜けるような声で反応する。
いつもより若干悲しげな表情をしているのでそれ以上は何も言えなかった。
「では、三人で行くとしよう。」
廉司の言葉に未だ唯美は納得がいかないのか不満そうに廉司の服の裾を掴む。
「……………(ウルウル)」
「出たよ…。唯美のおねだり攻撃が…」
「アレを使われると罪悪感が湧いてくるんですよねー…」
翠奈と亞霧は廉司と唯美から離れて遠目にに見守っていた。
廉司は沸き上がる罪悪感と戦いながら、唯美をなんとか説得しようと試みているが…
唯美はそれでも納得がいかないのかおねだり攻撃はしていないものの、叱られた子供のように廉司の服の裾を掴んで離さないのだった。
「わかった…。二十日で帰ってくるから…それで我慢してくれ…」
最終的には廉司が折れて、短期間で帰ってくるようになるのだった。
「日和った…(ボソ)」
「日和ましたねー(ボソ)」
廉司は翠奈と亞霧の言葉にげんなりしつつも三人分の旅の準備をするのだった。
後書のようなもの
戦闘シーンは難しいですね……
次回は旅です。
この旅は短めです。
最初の行き先は皆さんご存知のあの場所です。
え?わからない?
またまたご冗談を
ではオリキャラ、翠奈さんの簡易設定です
馬騰(バトウ)
字は寿成(ジュセイ)、真名は翠奈(スイナ)。
涼州連合筆頭。レッツパーリーはしませんwww
翠、修史、設子の母で唯美の親友。廉司とは戦友。
『西涼の王』や『閃激の黒雷』として五胡から恐れられている。
帝に苦言を申せる数少ない人物であり、帝からも信頼されている。
服装は翠の服を露出度多めにしたような感じ。
武器は漆黒の十字槍(黒皇)。
修史と設子に関しては当分出てきませんwww
あのゲームのヒロイン二人ですwww
では今回はここまでです。
御意見、ご感想をお待ちしております。
説明 | ||
月の守護者 第3話です。 今回はちょっち長いです。 基本的に○○視点とかはなれないというよりも出来ない という感じです。 誤字脱字やら文章構成がおかしいですし、駄文でしかありませんが 最後まで読んで戴ければ幸いです。 |
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