IS 飛翔する白き翼 第4話
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第4話

 

クラス代表決定戦の翌日の朝

 

1組はある噂で持ちきりになっていた。

 

「ねえねえ、聞いた?今日2組に転校生が来るらしいよ。」

 

「転校生?この時期に?」

 

「なんでも中国の代表候補生らしいって…」

 

「代表候補生か…どんなやつなんだろうな…やっぱ強いんだろうなあ。」

 

「気になるのか(ですわ)?」

 

一夏の隣で立っていた箒とセシリアが少し不満そうに聞く。

 

「そりゃあ、気になるさ。お前もそうだろ、ヒイロ?」

 

 

「特に興味は無い・・・」

 

「そっ、そうなのか・・・・」

 

「まあ、うちには専用機持ち2人とユイ君がいるから楽勝だよ!」

 

「そうだねぇ〜」

 

 

「その情報古いよ!!」

 

「「えっ?」」

 

突然の声に一夏達が教室のドアを見るとツインテールの女子が立っていた。

 

「2組も専用機持ちが代表になったの、そう簡単には勝てないから。」

 

「鈴…お前…鈴なのか?」

 

「そうよ、中国代表候補生凰 鈴音。久しぶりね、一夏。」

 

突然の幼馴染の来訪に一夏と2人の関係を知らない箒やセシリア達はただただ固まってしまっていた。

 

 

昼休み食堂

 

「まさか、あんたがISを動かすなんてねぇ…ニュースで見てびっくりしたわ。」

 

今、4人席のテーブルにはヒイロ、一夏、鈴が座り、隣のテーブルに箒とセシリア達が座ってご飯を食べている。 あの後、授業になったので鈴は帰って行ったのだが、食堂に着くと盆にのびかけになっているラーメンを乗せて待っていたのだ。

 

「俺もだよ。まさか、また鈴に会えるなんてな」

 

一夏と鈴が楽しそうにしているのを隣のテーブルにいる箒とセシリアが嫉妬のような視線を送っていた。ヒイロは一夏の前に座っている為、隣のテーブルからの2人の視線に気づいていたが、理由もわからないので気づかないふりをしていた。

 

「「一夏!!そろそろ説明してもらおうか(もらいたいですわ)!!こいつ(この方)とは一体どういう関係なんだ(ですの)!!」」

 

ついに我慢が切れたのか2人がこちらにきて一夏を問いただした。

 

「ただの幼馴染だよ。箒が小4の終わりに引っ越してきただろう?鈴は小5の頭に越してきて中2の終わりに国に帰ったんだ。ほら鈴…前に話したろう?俺のかよってた剣道場の娘…」

 

「ああ…そういえば聞いたわね…ふ〜ん、そうなんだ…」

 

鈴の視線が箒のある所に行ったとたん途端に顔が曇る。だが、元の笑みに戻した。

 

「初めましてこれからよろしくね!」

 

「篠ノ之 箒だ。こちらこそよろしく頼む」

 

(!?今、2人の後ろに一瞬龍と虎が見えた気がしたが・・・)

 

ヒイロは一夏も同じ物がみえたことを知らなかった。

 

「イギリス代表候補生であるこの私の存在を忘れてもらっては困りますわ…中国の代表候補生凰 鈴音さん」

 

自分より先に箒が先に紹介されたのが悔しかったようでセシリアが入ってきた。だが、そんなセシリアに鈴は

 

「ああゴメン…あたし他の国とか興味ないからあんたの事知らないんだよね」

 

「なっなんですって…!! …いいですわ、私がどれほどの人かあなたに説明してあげますわ。まず私は…」

 

セシリアのとても長い自己紹介が始まる予感がした一夏は申し訳ないと思いつつもヒイロの紹介に入った。

 

「その隣に座っているのがヒイロだ。ヒイロは強いぜ、もしかしたら学年最強クラスだ」

 

「ああ、アンタが噂の……まあ、よろしくたのむわ」

 

「ヒイロ・ユイだ。・・・・・よろしく」

 

そして、ヒイロの紹介が終わると一夏に向かいなおした。

 

「ねえ、一夏!あんたってクラス代表なんだって?ISの操縦アタシが見てあげてもいいけど?」

 

 

「一夏に教えるのは私の役目だぞ!!」

 

「あなたは2組でしょう!?敵の施しは受けませんわ!!」

 

そんな箒とセシリアの言葉を全く無視して

 

「まあいいわ。じゃあ特訓の後あけておいてよね!」

 

鈴はそういうと盆を持って教室へと戻って行った。

 

 

 

ヒイロが部屋に帰ると頬にぶたれた痕をつけた一夏がベッドに座っていた。

 

「どうしたんだ一夏?その頬は・・・」

 

「ああ、ヒイロか…いやそれが…」

 

一夏の話ではなんでも特訓の後、鈴と会って話していると昔の約束の事になったらしい。それがなんでも約束は一夏の記憶では「鈴が料理ができるようになったら毎日酢豚を奢ってくれる。」という内容のはずなんだが鈴がいきなり怒って喧嘩になってしまったらしい。頬の平手の痕はその時にのものらしい。

 

「・・・という事なんだよ。ヒイロ、何かわからないか?」

 

「すまない、俺にもそれは・・・・」

 

ヒイロは潜入任務でデュオと共に学校というのには入ったことはあったが、あまりそういう事には関わることがなかったので理解できなかった。

 

「ヒイロでもわからないのか・・・ん、なんだ?」

 

そこに、扉をノックする音が聞こえてきた。

 

「はーい。あれ、何か用ですか?のほほんさん」

 

そこには、某アニメのマスコット的キャラクターである電気ネズミをモチーフにしたパジャマを着た布仏 本音が立っていた。

 

「あのね〜、これからクラス代表就任パーティーがあるんだ〜。だからね、おりむーとヒイろんを呼びにきたんだよ〜」

 

「あっ、そういう事か。そりゃあ、主役がいなきゃいけないよな。なあ、ヒイロ・・・あれ、ヒイロは?」

 

一夏が後ろを振り向くと、いつの間にかヒイロは居なく、窓が開いていた。

 

「ヒイろんはいないのかあ〜。まあ、大丈夫かな〜おりむ―がいることだしねえ。じゃあ、行こうか〜おりむー」

 

「ああ、わかったよ」

 

(・・・にしても、ヒイロはどこに行ったんだ?)

 

 

食堂

 

「「「織斑君!!クラス代表決定おめでとう!!!」」」

 

「へっ!?」

 

食堂についた一夏を迎えたのは1組のクラスメイトと大量のクラッカーだった。

 

「ちょ、ちょっと待てよ!クラス代表ってヒイロじゃなかったのか!!」

 

「それがねえ、ユイ君が辞退したんだよ」

 

「で、でもよ、それじゃあセシリアが黙ってないんじゃあ・・・」

 

「それは、わたくしが辞退したからですわ」

 

「えっ?」

 

一夏が振り向くとそこには手を腰においたセシリアが立っていた。

 

「まあ・・・確かにあなたは負けましたが、しかしそれは考えてみれば当然の事。なにせ、このセシリア・オルコットが相手だったのですから・・・それに、クラス代表ともなれば試合の数が増えますので、腕を上げるのにはもってこいですわ!」

 

「そんな・・・」

 

「まっ、そんなわけだから、織斑君。がんばってね!!」

 

周りのクラスメイト全員から期待の目を向けられて、一夏は断れなくなった。

 

(ま、腕も上がれば千冬姉やみんなを守れるようになれるか・・・・)

 

そこから、消灯ぎりぎりまでこのパーティは続いた。ちなみに一夏は女子からの質問攻めにあったり、腐女子の妄想を聞かされたりである意味ひどい目に合っていた・・・・・・

 

 

中庭

 

ヒイロはその頃、中庭を歩いていた。なぜ、1人でここを歩いているかというと、本音が来た時に直感で危険と感じたために窓から逃げたのだ。そして、歩いていたヒイロは中庭の池の傍に立っている千冬を見かけた。

 

「生徒が夜にここらを歩くのは感心しないな・・・ヒイロ」

 

「・・・・すこしな」

 

そう言って、ヒイロは校舎のほうをちらっと見た。校舎からはパーティーによる歓声が聞こえてきている。

 

「そういう事か・・・・まあ、丁度いいお前には伝えなければならないこともあったしな・・・」

 

「伝えたい事だと?」

 

そういうと千冬は、スマホのディスプイをヒイロに見せた。

 

「ああ、お前のISの事だ。上から学年別トーナメントではお前のウイングにリミッター代わりのオートクチュールを開発し、装備するようにという命令があったのだ」

 

「・・・・・」

 

上層部としてはオートクチュールを開発するというのを名目に、ガンダムを詳しく調べたいのだろう。ヒイロにとって上層部の考えていることは簡単に分かった。

 

「一つ言っておくが、これは『命令』だ。拒否権はない」

 

「・・・・・・・・了解した。だが、必要なデータの提示などは俺がやる。それと妙なことをすれば自爆させるぞ」

 

その言葉に千冬は、口元に笑みを浮かべた。

 

「安心しろ、倉持技研の連中は信頼できる。警戒するは必要ないさ・・・・日程に関してはクラス対抗戦後だ。では、早く寮に戻れよ」

 

「了解」

 

千冬はヒイロの後ろ姿を見送ると、池の方に視線をやり、そのまま教師寮の方へと歩いて行った。

 

 

クラス代表対抗戦当日

 

鈴が転校してきて1週間たったが一夏によるとあれから一度鈴が練習後に来たらしいがまた例の約束の件で喧嘩となり今度は対抗戦で『鈴が勝てば一夏が謝る、一夏が勝てば約束の意味を教えてもらう』という勝負をすることになったらしい。

当の一夏は控室でアリーナの状態を見てため息をついていた。

 

「うわぁ…満員御礼だな。」

 

「それだけ注目されているということですわ。ちなみに会場に入りきらなかった人達は校舎内のモニターで観戦するんだとか…」

 

セシリアの言葉に一夏が少したじろぐ。

 

「うぅ…何気にプレッシャーかけるなよ…?あれヒイロは?」

 

「ヒイロか・・・みていないな」

 

「そうか…」

 

そこに、選手出場の合図の笛が鳴る。

 

「勝ってこい!一夏!!」

 

「頑張ってください!一夏さん!!」

 

 

2人の言葉を背中に受けて一夏は白式を展開した。

 

「おう!!」

 

言葉と共にピットから白式が躍り出た。

 

 

アリーナ中央

 

「これより1組織斑 一夏対2組凰 鈴音戦を開始します。両者…規定の位置まで移動してください」

 

「逃げないで来たのね。今謝れば少しは痛めつけるレベルを下げてあげるわ」

 

近接格闘型IS『甲龍(シェンロン)』を装備した鈴が青竜刀『双天牙戟』の片方の刃先を一夏に向けながら問う。

 

「手加減なんていらねえよ。真剣勝負だ…全力で来い!」

 

一夏も雪片を展開する。

 

「それでは両者…試合…開始!!」

 

開始すぐに鈴の素早い剣撃が一夏を襲うが何とか雪片で受け止めた。

 

「初撃を防ぐなんてやるじゃない」

 

「そりゃあ、どうも!」

 

一夏が言葉と共に鈴を力ずくで押し飛ばし、自分も一度後退して間合いを取る。

 

「そうだ…あんたの試合ビデオで観たわ。確かに…雪片のバリアー無効化攻撃は強大だわ。でもね、雪片じゃなくても攻撃力の高いISなら絶対防御を突破して本体に直接ダメージをあたえられるのよ…この甲龍のようにね!」

 

鈴が双天牙撃の連結を解き二刀流にすると一夏に接近し二方向からの無数の斬撃を浴びせる。

 

(くっ…さばきにくい!!このままだと防戦一方だ距離を取って…)

 

一夏がそう思い後退のそぶりを見せた瞬間

 

「甘い!!」

 

突然一夏が吹っ飛び壁に叩きつけられた。

 

「がはっ!」

 

観客席

 

観客席にはヒイロと後から来た箒、セシリアが一緒にいた。

 

「なんだ、今のは!何も見えなかったぞ!!」

 

「衝撃砲か・・・」

 

「衝撃砲?」

 

「衝撃砲は空間自体に圧力をかけて砲身を生成して、余剰で生じる衝撃を砲弾にして撃ち出すものですわ…だから、砲身も砲弾も見えない・・・厄介ですわ」

 

セシリアの説明中も、突如一夏が吹き飛ばされたようになるのは衝撃砲が当たっているのだろう。ヒイロにも、砲弾は見えるわけはないのだが、気づいた事があった。

 

(一夏、お前がそれに気づけば勝機はあるだろう・・・)

 

 

 

 

試合場

 

「よく耐えたわね。『龍砲』は砲身も砲弾も見えないのに…」

 

倒れていた一夏は起き上がると、待ってましたとばかりに来た砲撃を無茶苦茶に避けながら反撃の機会をうかがった。しかし、すべてを避けるわけにはいかず、何発か直撃する。

 

(厄介だな…空間の歪み…大気の流れの変化をハイパーセンサーが捉えたから衝撃を減らせたが、撃たれてから動いたようなもんだ。 バリアー無効化攻撃は諸刃の剣…当たれば大幅に敵のエネルギーを削れるが、外れた場合防御力を損なってしまう…。けど皆から大切なことは叩きこんでもらったんだ。それでも足りない経験の差は気合で上回って絶対勝ってやる!!)

 

一夏は雪片を正面に構えて深呼吸すると鈴に向かって叫んだ。

 

「鈴!!本気で行くからな!!!」

 

「当たり前でしょ!!格の違いをみせてあげるわ!!」

 

2人は叫ぶと同時に武器を構えて突撃した。

 

 

 

 

 

 

「「!?」」

 

 

 

 

 

が、突然2人の間に赤く太いレーザーがアリーナの遮断シールドを破り割って入ってきた。

 

「なんだ!?」

 

一夏と鈴は突然の砲撃に驚きながらもレーザーの出所を見た。すると、壊されたシールドから黒いISが2人に向かってきていた。それはISにしては一回り大きくかつスマート、武器は見る限り両手に内蔵されたレーザー砲だけだった。

 

「会場内に所属不明ISが侵入!!」

 

アリーナ中に非常時の緊急アナウンスとアラームが鳴り響く。

 

 

 

 

指令室

 

指令室でも予想外の襲撃によりパニックに陥っていたが、千冬の指示により生徒の避難は素早く行われていた。が、アリーナの状況を確認していた真耶の顔が突然青白くなる。

 

「織斑先生…アリーナの遮断シールドがレベル4まで上がっています。多分、あの不明機の仕業かと・・・ですが、このままでは織斑君と凰さんが…」

 

その言葉にほかの教師陣がざわめき立つ。そして、千冬はディスプレイの1つをみて真耶に言った。

 

「山田君、生徒の避難状況はどうなっている?」

 

「はい…生徒の避難はもうすぐで完了します。教師部隊も準備ができていてシールドが開きさえすれば突入可能です」

 

「そうか・・・・ん、なんだ?」

 

すると、突然千冬の携帯が鳴った。携帯のディスプレイにはヒイロの名前が出ていた。

 

「ヒイロか・・・どうした?」

 

「一つ聞く・・・非戦闘員の避難は完了しているか?」

 

「ああ、すでに終わっているが・・・・・・」

 

「了解した」

 

「まさか、お前!」

 

そこで、ヒイロの通信が切れた。

 

「織斑先生、ヒイロ君からだったんですか?」

 

「山田君、至急バリアーの解除を!ヒイロが出る!!」

 

「ヒイロ君がですか!?」

 

その言葉に周りにいた数人も驚いていた。

 

「アイツの機体ならそれが可能だ。バスターライフルの威力は、お前も知っているだろう?」

 

 

観客席

 

ヒイロはウイングを展開させると、リミッターを外したバスターライフルを不明ISに向けた。

 

「ターゲット・ロックオン・・・」

 

銃口から出た山吹のビームはバリアーを簡単に突破すると、不明機にむかっていった。

 

 

アリーナ

 

突然の乱入者に一夏と鈴は身構えていた。

 

(今の攻撃はこいつらがやったのか?それにこんな全身装甲のISなんてヒイロ以外聞いたことない…)

 

「一夏!試合は中止よ!今すぐピットに戻って!!あいつ、一撃でアリーナの遮断シールドを破壊したのよ、とんでもない火力を持ってる…攻撃されたらひとたまりもないわ。あたしが時間を稼ぐから一夏は早く逃げて…!!」

 

「そんなことさせられるわけないだろ!!お前が逃げろ。俺が守ってやる!!」

 

「バカ!!アンタの方が弱いんだからあたしがやらなきゃしょうがないでしょうが!!・・・・・別に最後までやりあう気はないわ。こんな異常事態すぐに先生が…」 「鈴!!危ねえっ!!」

 

不明機は両腕に搭載されたレーザー砲を鈴に向けていたのだ。

 

「!?」

 

しかしそれは、観客席からのビームによって、発射されなかった。不明機は全身のスラスターでそれを避けると、対象を失ったビームは反対側のバリアーを貫通し、観客席の一部を消滅させた。

 

「次は何!?」

 

「このビームは・・・ヒイロか!!」

 

一夏がビームの出所を見ると、観客席からウイングが飛び出してきた。

 

「一夏、鳳、お前達は離脱しろ。あれは俺が破壊する!」

 

そう言うな否や、ヒイロは右手でサーベルを抜き不明機に斬りかかった。不明機はそれを避けると、連射モードでレーザーを放つ。

 

「その程度!!」

 

レーザーをシールドで防ぐと、今度はマシンキャノンで攻撃した。だが、それも避けると先ほどと同じようにレーザーで返してきた。それからも、相手から仕掛けてくることはなく、ほぼ同じパターンが何回か続いた。リミッターをかけたとはいえ、不明機をある程度無傷で鹵獲する為に、バスターライフルは使えなかった。

 

「コイツの動きは、人とは思えない・・・だが、ISに無人機はないはずだが・・・」

 

ヒイロがそう思っていると、突然不明機は後方に退避していた2人に向かいだした。

 

(まずい!!)

 

「なんで、急にこっち向かって来てんのよ!!」

 

「鈴!!」

 

ヒイロは2人の安全を優先させるために、バスターライフルを取り出して不明機に照準を合わせた。

 

「2人の安全を優先させる!!」

 

リミッターをかけたビームが凄まじい音と共に不明機を包み込み、爆風による砂煙で見えなくなった。

 

「やったのか!!」

 

「何よ・・・あの威力」

 

2人が安堵している中、砂煙が晴れると四肢はなく、体中のいたる所から火花を散らしながらも浮いている機体がそこにいた。

 

「あれだけ受けてまだやられないのかよ!!」

 

ヒイロさえもこれには驚いていたが、不明機は2,3分くらい経つと地面に落下して、行動不能になった。

すると、不明機が操作していたバリアーも解けて、千冬を先頭に教師部隊もようやく入って来られた。

 

「全員怪我はないか!!」

 

千冬の言葉に3人がうなずくと、千冬をいれた全員から安堵の声が出た。

 

「よくがんばった・・・・特に、ヒイロ。お前のおかげで全員助かった・・・・ありがとう」

 

そう言って千冬は頭を下げ、ほかの教師陣もそれに倣う。

 

「当然の事をしたまでだ・・・」

 

「・・・・だが、生徒の危険行動は見逃せん・・・ヒイロは罰として校庭10周マラソンだ!今後このようなことはしないように!!」

 

「・・・・任務了解」

 

千冬はそういうと不明機の方へと歩いて行った。ヒイロ達も他の教師の指示でISを解除し、ピットへと歩き出した。

 

 

「あれは、無人機だった・・・だが、何かがおかしい・・・・」」

 

教師に誘導されるなか、ヒイロはふとそんな事を考え、空を見上げた。雲一つない青空だった。だが、ヒイロは知らない・・・・はるか上空に1機のISが見ていたことを・・・・

 

 

放課後

 

危険行動の罰であった校庭10周も終わらせたヒイロはパソコンにむかっていた。一夏は鈴に呼ばれて部屋にはいない。

襲撃事件は試作中のISが暴走したためと公表され、ヒイロ、一夏、鈴には箝口令が敷かれた。また、ヒイロがハッキングで得た情報にはあの不明ISは『ゴーレム』との名で、やはり無人機であり、なおかつコアはどこの国にも登録されていないものだった。今はIS学園極秘格納庫に封印されている。

 

「篠ノ乃 束・・・・お前は一体何を考えている・・・」

 

 

 

とあるラボ

 

「やっぱり、あんなのじゃあダメかあ〜で、自分の目で見てどうだったんだい?」

 

束はディスプレイに写った男にむかってそう聞いた。

 

「やはり、彼は問題ないな。だが、かといって『アレ』は急がなくてはなるまい。また、君の『希望』もな・・・」

 

「そうだね。じゃあ、君は予定通り動いてて、僕も急がなくちゃいけないこともあるしね」

 

「了解した。では、これで」

 

通信が切れると、束は開発室に鎮座した赤いIS2機を見やった。

 

「もうすぐで完成するからね・・・」

 

その声と顔はとても悲しいものだった。

 

 

 

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アンケート

 

前回は質問と言えるものがなかったので、今回はちょっとしたアンケートと言いますか・・・皆さんの意見を聞きたい案があります。

 

この作品の元となった『にじファン』でのIS 舞い降りた白き堕天使では、ウイングのオートクチュールはマクロスFのアーマードパックとトルネードパックを組み合わせ、エピオンのヒートロッド、ガトリング砲を追加したFA(フルアーマー)ウイングを出しました。

その為、今回もこのオートクチュールで行くか、新しいので行くか教えていただきたいのです。ただし、オートクチュールは必要ないという意見はいらないので、ご勘弁を・・・

 

結果は次回の作品中に出します。

説明
今回はクラス代表対抗戦です。
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コメント
ガトリングはグフカスタムのように盾に取り付け・取り外しができるやつにして、ヒートロッドも盾と一体化、収納・射出できるようにしてほしいです(ラーズグリーズ1)
FAとなるとウィングの十八番の機動が落ちそうですが、大丈夫ですか?(クライシス)
出せばいいとおもいますいます。私は賛成です。(落ちこぼれ)
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ヒイロ・ユイ ガンダムW インフィニットストラトス 

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