魏エンドアフター10
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試合終了後、頑張った俺に対する白い目。

……え?なんで?

俺結構頑張ったんだけどなぁ……そりゃないぜ華琳さん。

そう思いながらも着席、え〜っと、次の試合は──

 

「続いて参りましょう、第二回戦──」

 

「…………」

 

一刀「…………」

 

「…………」

 

一刀「…………」

 

「…………」

 

うっざあああああああ長いっつーの!

 

「楽進将軍対馬岱将軍です!!!」

 

 

 

 

 

 

 

一刀「お、次は凪じゃないか」

 

真桜「まぁ蒲公英なら問題ないやろ」

 

沙和「かわいそうだけど勝負が見えちゃってるの〜」

 

凪「いや、気を抜くわけには行かない、相手は蜀の武将なんだ」

 

霞「ま、油断大敵っちゅーしな、全力でぶつかってきぃ」

 

季衣「蒲公英もなかなか強いですからね!」

 

流琉「季衣と同じくらいじゃないかな?」

 

春蘭「今大会こそ上位全てを魏で埋め尽くしてやろう!」

 

秋蘭「慎重にやれば勝てる相手だ、気を抜くなよ」

 

華琳「頑張りなさい」

 

凪「はい」

 

凪が試合の壇上へ行こうとしたところで

 

一刀「凪!」

 

一刀に呼び止められ振り返る

 

一刀「頑張ってな!応援してるぞ!」

 

凪「隊長……はい!行ってまいります!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

翠「あっちゃ〜、凪が相手かぁ〜。蒲公英、骨は拾ってやるぞ」

 

蒲公英「お姉さまひどい!もう蒲公英の負けが前提になってる!」

 

翠「いやだって……なぁ?」

 

皆に視線をやるも逸らされてしまう

 

蒲公英「いいもんいいもん!!絶対勝ってやるんだから!!」

 

焔耶「ふん、せいぜい恥をかかないようにするんだな」

 

蒲公英「うるさい脳筋」

 

焔耶「な、誰が脳筋だ貴様!!」

 

蒲公英「そうやってすぐカッカするから脳筋って言われるのに……バカなの?」

 

後ろでギャーギャー言っているのを無視し壇上へ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

壇上へあがり両者が対峙する

 

蒲公英「絶対負けないんだから!!覚悟しなさい!」

 

凪「よろしくお願いします」

 

「それでは始めて頂きましょう。れでぃ……ふぁい!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蒲公英「えぇい!!!」

 

試合開始と同時に蒲公英が影閃でのなぎ払い

バック転でそれを避け、体勢を整える

 

蒲公英「この……せい!!!」

 

叩きつけ、突き、足払い。

それらを全て避けた

 

蒲公英「なんで当たんないの〜!?」

 

一刀が見てくれている、それだけでこんなにも力が湧いてくる

 

凪「ハッ!」

 

なぎ払いを片腕で止め、一歩踏み込んでの掌低

 

蒲公英「あぐッ!」

 

鳩尾にヒットし、場外へ出そうになるが何とか留まる

 

蒲公英「いったたた……もう許さない!」

 

思い切り地面を蹴り一気に距離を詰め

 

蒲公英「てやぁぁぁ!!!」

 

前進しながら超速の突きを繰り出す

 

凪「!!!」

 

ガギギギギギギギギン!!!!

 

凪「くッ……!」

 

何とか全てを防御し、後退

 

蒲公英「まだまだぁ!!」

 

凪が後退したのを好機と見て追撃、全身のバネを使い影閃を叩きつけてくる

回避は不可能と判断し、瞬時に手足に氣を溜め

 

凪「せやぁッ!!」

 

渾身の力を込めた裏拳でそれを止め、その回転に乗せた上段蹴りで影閃を弾き飛ばし

そのまま屈んで足払い、体勢が崩れた所へ

 

蒲公英「あっ!?」

 

凪「ハァァッ!!」

 

氣の放出と同時に虎爪を打ち込んだ。

 

 

 

鈍い音を立て、蒲公英の体が場外へと吹き飛んだ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝者、楽進将軍!!!!」

 

一刀「いよっしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!」

 

蒲公英「うぅ……負けちゃったよ〜……」

 

凪「ありがとうございました」

 

両者が礼をし、凪が魏の控え席へ、蒲公英が蜀の控え席へと戻る

 

一刀「やったな!凪!」

 

抱き寄せてうりうりと頭を撫でる

 

凪「た、隊長!?あ、あああの……」

 

風「せいや」    

 

ドスッ!

 

一刀「つあっ!?」

 

目が!!目が〜!!

 

稟「何をやっているのですか……」

 

真桜「おつかれやで〜凪」

 

沙和「凪ちゃんおつかれなの〜」

 

霞「それにしても凪の戦い方ってあんなんやったか?」

 

基本的な戦い方は変わっていない、しかし以前に比べ力任せではなくなっている

 

霞「もうちょい、こう、ゴリ押しっちゅーか」

 

凪「はい、少し隊長の真似事をしてみました」

 

目が〜!目が〜!!    

え?

 

真桜「確かに隊長の動きに似とったな」

 

秋蘭「しかし北郷のあれは力技ではないように見えるが」

 

華琳「えぇ、一刀の体術は力ではなく動きの反動を利用したものが多いようね」

 

春蘭「なるほど、それならば凪の戦術には合うかも知れんな」

 

ん?だって凪の戦闘スタイルってもう猪突猛進みたいな感じじゃなかったか?

 

春蘭「無手で戦うものにとって速さは命だ、

   それに加え凪の力や氣があればかなりのものになるだろうからな」

 

なるほど、確かに俺が凪くらい力があったら結構いける気がする

 

一刀「ま、とにかくお疲れさん」

 

なでなで

 

凪「は、はい!」

 

華琳「……せいや」    

 

ドスッ!

 

一刀「つあ!?」

 

いい加減失明するんですけど!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

蒲公英「うあ〜ん、お姉さま〜」

 

翠「あ〜よしよし、よく頑張ったな、蒲公英」

 

星「うむ、あの連続での突きはなかなか見事なものだったぞ」

 

愛紗「それにしても……凪はかなり腕を上げたようだ」

 

紫苑「そうねぇ、私たちも負けていられないわ」

 

焔耶「ふん、あれだけいきがっておいて負け──」

 

蒲公英「うるさい脳筋」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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その後の試合では、関羽対文醜で関羽の圧勝

呂布対孫尚香で呂布の圧勝

続いて顔良対馬超、趙雲対公孫讃と

どうやら蜀は人数が多いため身内での勝負が多いらしい

 

 

 

 

 

 

 

「次の試合へ参りましょう、第7回戦は──」

 

一刀「…………」

 

「…………」

 

もういいから

 

「黄忠将軍対黄蓋将軍です!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

孫策「なんであたしじゃないのよ〜!仕組んでんじゃないでしょうね!?」

 

冥琳「何を仕組むと言うのだ、まったく……祭どの、頑張ってください」

 

穏「祭さまのその武器、今大会が始めてですからね〜、皆さんビックリしますよ〜」

 

亞莎「よ、よくそんな大きな得物を振り回せますね……」

 

小蓮「ぶ〜!!祭!絶対勝ってきてよね!まだ呉は一勝もできてないんだから!」

 

蓮華「負けた本人が何を言っているのだまったく……」

 

周泰「ぁぅぅ、申し訳ないのです……」

 

思春「いや、明命はよくやってくれた。祭殿、頑張ってください」

 

祭「うむ、では呉の初白星を飾ってくるとしようかのぅ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「相手は黄蓋殿か……かなり厄介な相手だな」

 

翠「それになんだあの馬鹿でかい武器、前回まで弓だったじゃないか」

 

蒲公英「うっわ〜……あれは反則でしょ」

 

焔耶「斧のようだが……なんとも奇妙な形だ」

 

桔梗「かなりの筋力が無ければ扱えん代物じゃろう」

 

紫苑「あらあら、私だってこれに変えてからかなり鍛錬はしたのよ?」

 

鈴々「紫苑の武器はちょっと厄介なのだ」

 

趙雲「そうだな、遠近どちらとも紫苑の間合いだからな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「なぁ、あの二人の武器ってもともとあれだったっけ?」

 

風「ちがいますねー、お二人とも前回とは武器が異なっているのですー」

 

だよなぁ。

黄蓋さんの武器は……あれはなんだ?

斧のようだけど少なくとも俺が知っている斧にあんな形のものは無い。

刃が柄の下の部分まで伸びている。

黄忠さんの武器は弓のようだが両端がかなり長めの刃になっている。

あんな武器があるのか……

 

一刀「かなり奇抜な武器だな、あんなの見た事無いぞ」

 

真桜「そりゃそうやで、なんせウチ特製の武器やからな。

   二人の要望に応えたらあないな形になってもうてん」

 

なるほど、真桜が作ったのか。

真桜のことだからまた強化云々といって無駄にオプションをつけたに違いない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両者が壇上に上がり対峙する

 

祭「ほぅ、紫苑の得物、なかなかに奇妙な形をしておる」

 

紫苑「ふふふっ、それを言ったら祭さんもですわ」

 

「それでは始めて頂きましょう、れでぃ……ふぁい!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

祭「いくぞ紫苑よ、せりゃあ!!」

 

大斧とは思えないほどの速さでの切り上げ。

 

紫苑「ふっ!!」 

 

軽く刃を滑らせながら横へ飛び回避。

 

祭「我が大斧、それしきの動きでかわせると思うな!」

 

速度を変えずに切り下ろし、なぎ払い、回転斬り。

動きは単調だがそれ故に一切の無駄が無い、切り込める隙が見当たらない。

ならば

 

紫苑「はっ!」

 

思い切り後ろへ飛び矢を番える、そして3連射

 

祭「ふんっ!」

 

一振りで全て叩き落されてしまうが、問題は無い

 

紫苑「隙ありです!」

 

端の刃部分での攻撃

 

祭「ふん!甘い!!」

 

紫苑「そうでもなさそうですよ」

 

祭「ッ!?」

 

咄嗟の防御で気が付かなかったが、競り合っている状態だというのに矢を番えている

 

祭「くぁあ!!!」

 

力任せに相手の体を吹き飛ばし矢の軌道を変える

 

紫苑「あらあら、今のを防ぐなんて」

 

祭「今のは少々危なかったぞ、なんとも奇妙な武器よ。……次はこちらの番じゃな!!!」

 

距離を取り、斧を掲げる

 

祭「ハァァァァ!!!!!」

 

先ほどと動きは変わらない、しかし

 

紫苑「なっ!?」

 

全ての斬撃が氣弾となって襲い掛かってきた。

放たれた気弾が地面を抉りながら紫苑へ迫り、爆発のような砂塵が舞い上がった。

辺りが煙に包まれるも、その中に人影が立っているのが見える

 

祭「ほぅ、あれを避けるとは。さすがじゃのぅ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「ねぇ……あれ人間?なまじ人でも名前の頭に最終兵器とか宇宙戦艦とかつくんじゃないの?」

 

風「お兄さん失礼ですねー、本人達の前で言ったら木っ端微塵ではすまないですよー?」

 

凪「しかしあれは氣弾です、隊長のものとは少し違いますね」

 

一刀「え?そうなの?」

 

真桜「隊長のは氣弾やなくて氣の斬撃や、相手を吹き飛ばすんやなくて、その氣で斬るんや」

 

華琳「無駄な破壊がない分、威力は絶大ってわけね」

 

……ばんなそかな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

祭「ほれほれ!避けているだけではわしには勝てんぞ!!」

 

紫苑「くっ!!」

 

(氣の使用はかなり体力を消費するはずなのに、こうも乱発してくるなんて……!!!)

 

祭「終いじゃ!!!」

 

特大の氣弾が紫苑めがけて飛んでいく、が

 

紫苑「ふっ!!」

 

全力で横へ走りつつ矢を乱射する。

 

祭「ぬっ!」

 

紫苑「ハァッ!!」

 

一人で穿っているとは思えない数の矢を状態を反らし避ける。

 

紫苑「なめてもらっては困りますわ、私の鳳弓、あんなものでは敗れませんよ」

 

祭「くっくっ、あんなものとはの。ならばお互い全力で行くとしよう」

 

紫苑「えぇ、そのつもりです」

 

祭(それにしても競り合いの時の矢は厄介じゃのぅ)

 

紫苑が間合いを詰め、矢を放ち弓を振り下ろし上段、延髄への回し蹴り

 

祭はそれらをすべて紙一重で避けるも、体勢を立て直すのに一瞬の隙ができた

 

紫苑「せいっ!!」

 

鈍い音と共に肘打ちが腹部へ食い込んだ、しかし

 

祭「そんな一撃ではわしを止めることはかなわんぞ」

 

紫苑「なっ!?」

 

大斧の柄で思い切りなぎ払い、紫苑の体を吹き飛ばす

 

紫苑「ああっ!!!」   

 

紫苑の体は壇上の端まで飛ばされた

 

祭「ちと浅かったのぅ。しかし、勝負ありじゃな」

 

余裕たっぷりに近づいていく

 

紫苑「ハァッ!!」

 

ヒュオンッ!!   

 

ドゴン!!!

 

祭「ぐぅッ!な、なんじゃ!?」

 

蹲っていた紫苑からなにかしらの攻撃を受けた

 

紫苑「はぁ、はぁ……持っていてよかったわ」

 

片手剣のようなものを持っているが、少し形がおかしい

鍔が無い上に刃の部分が短い、さながら小さい槍のようだ

 

祭「それは……矢か!?」

 

紫苑「ふふっ。これが最後です」

 

矢を番える、普通ならばそんな大きさの矢を番える事など不可能だ。

しかし真桜特製の弓、加えて紫苑の弓の腕によりそれを可能とした。

 

紫苑「私も少々、氣は使えるのですよ」

 

そう言葉を放ち、微笑みを浮かべ矢に氣を溜め込み

 

紫苑「ハァァァァァ!!!!」

 

放った。

 

祭「ぬあぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

祭も負けじと大斧に氣をため全力で振り下ろす。

 

 

…………

………

……

 

紫苑「ふふっ、私の負けですわ」

 

至近距離での膠着状態にあるかと思われたが、紫苑が弓を下げた。

 

祭「はぁ、はぁ……なかなか危なかったぞ」

 

辛うじて斧の柄で矢を弾き飛ばし、紫苑の首に刃を突きつけていた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝者!!黄蓋将軍!!!!!!」

 

「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!!!!!!!!」

 

 

 

一刀「す、すげぇ……」

 

なに?あれ人?国家軍事力にも一人で対抗できるんじゃないの?

 

秋蘭「あぁ、ここまでの激戦とはな」

 

華琳「えぇ、見事としか言いようが無いわ、

   得物を変えたからどれほどのものかとおもっていたのだけれど」

 

流琉「すごいですね……演舞でも見ているようでした」

 

季衣「それにしてもあの氣弾の乱発を避けてたのがすごいよ、僕でも避けられないかもしれないのに」

 

一刀「俺生きて帰れるかなぁ……」

 

華琳「安心なさい、貴方の武も劣っていないわ」

 

あの、他人事だと思ってません?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

愛紗「惜しかったな、紫苑」

 

星「うむ、今回は完全に相性によるものだな」

 

朱里「はわわ、紫苑さん、大丈夫ですか?」

 

雛里「お腹……すごく痛そうでした」

 

桔梗「紫苑が破れるとは、なかなかやりおるな」

 

紫苑「彼女の腕力を見誤っていたわ……あの連撃を防がれるなんて思っていなかったから」

 

鈴々「紫苑の敵は鈴々がとってやるのだ!」

 

翠「そうだぜ!あたし達が圧勝してやるよ!」

 

紫苑「ふふっ、ありがとうね、鈴々ちゃん、翠ちゃん」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

小蓮「さっすが祭!!やったじゃない!!」

 

冥琳「紫苑もなかなかやるようですね」

 

祭「うむ、ここまで苦戦を強いられるとはの」

 

雪蓮「ま、勝ったんだしいいじゃない?この勢いに乗ってどんどん勝つわよ!」

 

 

 

 

 

 

 

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「さぁ続いて参りましょう!!第8回戦!!──」

 

 

 

 

 

先ほどの戦闘で爆破でもされたんじゃないかというほどにボロボロの闘技場。

それをぼーっと眺めていると

 

風「お兄さん」

 

一刀「ん?どうした?」

 

風「お墓はどれくらいの大きさがよろしいでしょうかー」

 

一刀「……」

 

あのほんと、洒落になってないっす。

 

 

 

 

 

「張飛将軍対許緒将軍です!!!」

 

あ、今回はためないんだ

 

 

 

 

 

一刀「季衣!応援してるからな、頑張れよ!!」

 

流琉「頑張って!季衣!勝ったら好きなだけ料理作ってあげるから!!」

 

季衣「本当!!??」

 

あ、流琉墓穴掘ったな

 

霞「相手はあの燕人張飛や!気ぃ抜いたらあかんで!!」

 

春蘭「この三年間私が直々に鍛錬してやったのだ、そう簡単に負けはせんぞ」

 

稟「季衣、頑張ってください」

 

風「季衣ちゃんがんばですよー」

 

季衣「じゃあ行って来るね!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴々「にゃ!!やったのだ!!ついに鈴々の出番なのだ!!!」

 

愛紗「気を抜くんじゃないぞ鈴々」

 

翠「季衣か〜、あの鉄球重いんだよなぁ〜」

 

星「しかし鈴々の一撃も軽いものではないからな、問題はないだろう」

 

桃香「頑張ってね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両者が壇上で対峙する

 

鈴々「ペタンコ春巻きなんかに負ける気がしないのだ」

 

季衣「なにをー!!お前こそペタンコじゃないか!」

 

鈴々「鈴々は大丈夫なのだ。そのうち愛紗みたいなボインボインになるのだ」

 

季衣「ふん!お前があんなバインバインになるわけないだろ?今の自分を見てみろよ」

 

鈴々「そんなことないのだ!愛紗だって昔はペタンコだったはずなのだ!」

 

季衣「愛紗さんはもうずっと小さい時からボインボインなんだよ!」

 

愛紗「そんな訳あるか!というかいい加減にしろお前達!!

   公衆の面前で何を破廉恥な事を言っている!!」

 

愛紗が顔を真っ赤にしながら叫んでいる

 

星「まぁよいではないか」

 

愛紗「何も良くは無い!!!」

 

 

 

 

 

うむ、俺も思っていたが関羽さんのあの胸はなかなかに──

 

ガンッ!!  

 

いてぇ!?

 

華琳「何を考えているのかしら?」

 

一刀「い、いえ。無念夢想です」

 

こ、こえぇ。

 

風「お兄さんは今風達を敵に回したのですよー」

 

なんで!?

あ、いや俺は控えめな胸もそれはそれでなかなか趣深くて良いと言いますか──

 

稟「はぁ……どうしようもない種馬ですね」

 

……何か皆俺の心読みすぎじゃないか?

 

 

 

 

 

「それでは始めていただきましょう。れでぃーふぁい!!!」

 

 

鈴々「即行で終わらせてやるのだ!!」

 

頭上で蛇矛を振り回し、思い切り叩きつけてくる

 

季衣「そんな大降りの攻撃が当たるわけないだろ!」

 

横へ飛んで回避、そこから思い切り鉄球を投げつける

 

季衣「てりゃあぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

特大鉄球が壇上を抉りとるがそれを鈴々は余裕綽々といった様子で避けた。

 

鈴々「へっへっへー。ぜんぜん遅いのだ」

 

季衣「にゃにを〜!!!」

 

鉄球を連発して投合するもそれらすべてを避けられる。

 

季衣「猿みたいに動き回るなー!!」

 

鈴々「そんな遅い攻撃何回やっても無駄なのだ」

 

そう言うと蛇矛を頭上で軽く振り回し、薙いだ。

 

季衣「くぁッ!つぅ……」

 

鈴々「にゃははは、ペタンコ春巻きなんか鈴々の敵じゃないのだ」

 

季衣「このやろー!!!!」

 

室伏よろしく鉄球を振り回し加速していく

 

鈴々「にゃ!?」

 

季衣「うりゃぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

加速された鉄球が鈴々目掛けて飛んでいき、地面を抉りとった。

 

鈴々「今のは危なかったのだ」

 

季衣「まだまだぁ!!!」

 

避けたところへ思い切り鉄球を引っ張り背後から襲う

 

鈴々「にゃ!?」

 

そして鉄球が戻ってきたところで再度投げつけそれが避けられると計算し投げた鉄球へ向かって走り出した

 

季衣「てりゃぁぁぁぁ!!!」

 

鉄球を横へ飛び回避したところへの踵落とし、しかしこちらも避けられてしまった

 

鈴々「む〜……ペタンコの癖にやるのだ」

 

季衣「だからお前がペタンコって言うな〜!!!あれくらいになってから言え!!!」

 

大衆の面前で愛紗の胸を指差し叫ぶ

 

愛紗「だからどうして私を引き合いにだすんだ!!!」

 

 

 

うむ、あれはやはりいいもの──

 

華琳「一刀?」

 

一刀「な、なんだよぅ」

 

 

 

 

 

鈴々「今度は鈴々の番なのだ!」

 

蛇矛を担ぎ突進してくる

 

鈴々「うりゃりゃりゃりゃりゃ〜!!!!!」

 

神速での突きの猛襲、加えて一つ一つの攻撃が重い

 

季衣「くぅ……!!!」

 

鈴々「とどめなのだ!!!」

 

空中で一回転し、勢いを乗せ叩きつけてきた

 

季衣「させるかぁぁぁ!!!!」

 

鉄球を上空へ投げ、相手の体勢を崩す

 

季衣「でやぁぁぁぁ!!!!」

 

そのまま引っ張り重力と季衣の腕力が合わさったとてつもない一撃

 

鈴々「うにゃあ!?」

 

辛うじて体をひねり、鉄球を防御するもそのまま地面へ叩きつけられた

 

季衣「どんなもんだ!!」

 

鈴々「むぅ〜……もう怒ったのだ!!!」

 

起き上がり後ろへ飛び、蛇矛を担ぎなおし一気に間合いを詰めて渾身の一撃を放った

 

季衣「ああっ!?」

 

チャリ……

鉄球をつないでいる鎖が切れてしまった

 

 

 

 

 

 

 

「勝者!!張飛将軍!!!!」

 

「わぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」

 

季衣「くっそ〜!!!勝てると思ったのに〜!!」

 

鈴々「ちょっと危なかったのだ、ペタンコのくせに見直したのだ」

 

季衣「ふん、お前もなかなかやるじゃないか、しかしあれくらいになってからペタンコと──」

 

愛紗「だ・か・ら!!私を指さすなぁぁぁぁぁぁ!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「おかえり、季衣。もう少しだったね」

 

流琉「鈴々ちゃん相手にあそこまでやるなんてすごいよ!」

 

春蘭「むぅ、負けてしまったか、しかしよくやったぞ、季衣」

 

秋蘭「うむ、姉者との鍛錬の成果は出ていたぞ」

 

季衣「ぅぅ……」

 

一刀「よくやったよ、頑張ったな」

 

なでなで

 

季衣「兄ちゃん……次は絶対勝つからね!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

鈴々「ただいまなのだ!!」

 

ガン!!

 

鈴々「い、いたいのだ……」

 

星「これ愛紗、勝利を収めてきたものにその仕打ちはいかがなも──」

 

愛紗「あ”?」

 

星「うむ、よくやったぞ鈴々」

 

鈴々「愛紗が鬼なのだ……」

 

朱里「はわわわわ」

 

雛里「あわわわわ」

 

 

 

 

 

 

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そして続いての試合、霞対真桜により勝者霞、沙和対厳顔により勝者厳顔、

魏延対流琉により勝者魏延となった

 

「続いてまいりましょう、第9回戦」

 

一刀「なぁ、そういえばこの大会って優勝すると何かもらえるのか?」

 

華琳「あたりまえじゃない、それなりの褒美は用意するわ」

 

一刀「どんな?」

 

華琳「そうね、城でもあげようかしら」

 

一刀「マジでか……」

 

 

 

 

 

 

 

「夏候惇将軍対夏候淵将軍です!!!」

 

 

 

 

 

一刀「うお、姉妹対決かよ……」

 

これは春蘭はキツいんじゃないか?秋蘭と闘うなん──

 

春蘭「まさかここで秋蘭と闘えるとは!早く行こう!!秋蘭!!!」

 

てってあれぇーー、やる気満々!

 

秋蘭「ふふっ、そう急くな姉者」

 

あんたも嬉しそうっすね……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

両者が壇上で対峙する

 

春蘭「手加減は無用だぞ秋蘭!全力で来い!」

 

秋蘭「姉者相手に手加減なんてできんよ、もとより全力で行かせてもらう」

 

 

 

 

 

一刀「あの二人やけに嬉しそうだな、姉妹で対決なんていやだったりしないのか?」

 

凪「お二人ともお互いを認めています、

  その認めた相手と闘えるのですから嬉しいことはあれ嫌なんて事はないと思います」

 

霞「せやで、それに春蘭と秋蘭は得物が全く違う分手合わせなんて数えるほどしかやったことないやろ」

 

なるほど、そんなもんか

 

 

 

 

 

「それでは始めていただきましょう、れでぃ、ふぁい!!!」

 

春蘭「いくぞ秋蘭!!!」

 

秋蘭「来い!!姉者!!」

  

七星餓狼が眼前に迫る

それを弓でいなし、懐へ潜り込み

 

秋蘭「せやぁ!!!」

 

掌低、しかし

 

春蘭「甘い!!!」

 

膝蹴りで弾かれてしまう

 

春蘭「ハァァァァ!!!!」

 

大剣を振り下ろし、なぎ払い、切り上げる。

 

秋蘭「くぅッ!」

 

何とか全てを防御、後ろへ飛び

 

秋蘭「ハッ!!」

 

信じられない速度での矢の連発

 

春蘭「グッ!!ぬぅあ!!!」

 

いつのまにか死角へと移動され、脇腹に肘鉄を食らう。

が、力任せに大剣を振り抜き秋蘭を吹き飛ばす

 

秋蘭「ちぃっ!」

 

同じように春蘭目掛け、矢を連射するが

 

春蘭「何度やっても同じだぞ秋蘭!」

 

全て叩き落とされてしまう

 

秋蘭「ならばこれならどうだ姉者!!」

 

秋蘭が放ったのは矢の連発ではない、同時に矢を5本打ち込んできた

 

春蘭「くそ!」

 

何とか横へ転がり避けるも攻撃の手が止むことはない。

 

秋蘭「まだまだ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一刀「真桜、秋蘭の武器も改造したのか?」

 

真桜「へっへ〜、すごいやろ?あんな同時に矢を番えられるのは秋蘭さまの弓だけやで」

 

そりゃそうだ。

秋蘭の矢は中央部分にいくつもの刃がついている、それに弓を引っ掛け飛ばしている

しかしそれだけでは同時に飛ばす事など不可能、やはり驚くべきは秋蘭の腕か

 

 

 

 

 

 

 

春蘭「はっ、はっ……」

 

少し息が上がっている、同時に矢を放たれてはなぎ払い、避け続けてきたが秋蘭の攻撃がやむ事は無い

 

秋蘭「我が剛弓、この程度では終わらん!!」

 

同時に打ち込み、間合いを詰め、首を狙った上段蹴り、そして矢の連射。

 

春蘭「く!……ぁああ!!!!」

 

春蘭に隙が出来るまで、この猛襲を続けようとするが──

 

秋蘭「くぁッ!?」

 

一瞬、何が起こったのかわからなかったが、春蘭が武器を逆手にもっていた

なるほど、回転斬りで一気に防いでの虎爪か

 

春蘭「それしきの攻撃で魏の大剣を止められると思うな!」

 

秋蘭「久しぶりに楽しくなってきたよ、姉者」

 

春蘭「そうだな!……次はこちらの番だ!!」

 

そう叫ぶと同時に秋蘭へ大剣を担ぎ突進してくる

 

秋蘭「はッ!」

 

横一列に矢を飛ばすも、速度を落とさず屈み避けられる

 

春蘭「でぇぇぇぇぇぇぇい!!!!!」

 

大剣を振り下ろし、回転斬り。

それを何とか耐え、秋蘭も攻撃に移ろうとするが

 

春蘭「まだだぁ!!!!」

 

防御された軌道を力ずくで振りきり、さらに遠心力を乗せた回転斬りで吹き飛ばされ、

起き上がり体勢を立て直そうとするが

 

春蘭「ハァァァ!!!!」

 

起き上がったところに飛び掛り、空中から思い切り大剣を叩きおとす

 

 

 

 

間一髪、体を転がし避けた

どちらとも息を切らし肩が大きく上下している、呼吸をしている暇など無い

力は互角、同じ力でぶつかり合っている、全力で向かわなければどちらとも一撃でやられるであろう

 

春蘭「腕を上げたではないか、秋蘭」

 

秋蘭「あぁ、姉者もな」

 

春蘭「次の一撃で決着をつけるとしよう」

 

秋蘭「それには私も賛成だ、いい加減体力も限界が近い」

 

そういってお互いが攻撃の構えを取る

 

春、秋「いくぞ!!!」

 

春蘭が間合いを詰め、そこへ秋蘭が矢を放ち、それを弾き斬りかかる

秋蘭も弾かれることを計算し、弓の刃部分で応戦、両者の武器が重なりあった

 

両者は武器を重ねたまま動かない、しかし

 

秋蘭「私の負けだよ、姉者」

 

秋蘭の弓半分がなくなっていた

 

 

 

 

 

 

 

「勝者!!夏候惇将軍です!!!!」

 

「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!」

 

力が全く互角だとこうも激しいバトルになるのか……

 

華琳「さすがね、見ていてとても気持ちのよい戦いだったわ」

 

華琳さんも上機嫌のようだ

 

春蘭「華琳さま!!やりました!!」

 

華琳「えぇ、見事な戦いだったわ、帰ったら褒美をあげなくてはね」

 

春蘭「か、華琳さまぁ……」

 

一刀「惜しかったね、秋蘭。お疲れ様」

 

秋蘭「北郷。あぁ、さすがは姉者だ、私ではまだまだ敵わんな」

 

流琉「そんなことないですよ!!

   秋蘭さまも春蘭さまも互角の戦いでした!!とてもすごかったです!!!」

 

秋蘭「ふふ。そう言ってくれると嬉しいぞ、流琉」

 

桂花「それにしても、秋蘭ってあんなにできるのね、

   いつもそんな前に出ていなかったからわからなかったわ」

 

風「風もちょっくらびっくりしたのですよー」

 

一刀「秋蘭は褒美をもらえなくて残念じゃないのか?」

 

秋蘭「確かに華琳様の褒美は魅力的だが……」

 

華琳にデレデレしている春蘭を見て

 

秋蘭「姉者のあの姿も十分に私には褒美だよ」

 

そう言って目を細めた

この姉妹愛は一歩間違えたら大変なことになるんじゃないだろうか。

……もう手遅れな気もするけど

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ヽ(*´∀`)ノ
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コメント
いつもどおりでは?(スターダスト)
姉妹愛? 何を今更・・・。(本郷 刃)
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