甘えた上手な。【腐向け】 |
「カノさぁん…」
カノが部屋で資料を読んでいた時、かなり小さな声で名前を呼ばれた。
勿論、カノの所に来るのはシンタローだけで。
シンタロー以外は部屋に絶対的に入れやしないらしい。
これは、珍しいな。とカノが思ってる中、シンタローは入ろうか、入らまいか考えているらしく。中々入って来ようとしない恋人が可愛いとも思ったが声をかけなければ、シンタローは入って来ないだろうから、カノは声をかけた。
「…どうしたの、シンタロー君?」
おいで、と手招きをしてから、カノはソファーに座った。
すると、シンタローは珍しい事にカノにべったりとくっついて来たのだ。
あまりにも急なご褒美(?)だったので、紅くなっているであろう顔を隠す為、シンタローを欺く。いや、正しくはシンタローの目を欺く。
冷静さを保ち、優しく頭を撫でてまた質問した。
「何かあった?またエネちゃんに邪魔された?」
そう訊くと、シンタローはカノに抱きつき、消え入りそうな声で答えた。
「…ただ、こうしていたいだけ」
だって。
シンタロー君がデレたよ!?僕にデレた!何時もなら逃げるくらいなのに!
と、カノは溢れんばかりの幸せに浸っていた。
確かに、あのツンデレであるシンタローがデレるのはとても珍しい。
「ふーん…。シンタロー君可愛い♪」
「…ありがと」
石化したカノ。マリーが居なくても石化したカノ。それ程シンタローのデレは珍しいのだ。さっきから何度も言うが。
それから、シンタローからカノの膝の間に座り、上目遣いでカノを見る。
カノは必死に、心臓・理性と死闘を繰り広げていた。
「俺の事、好き?カノ…さん」
かなり危ないので(理性的な意味で)
目を逸らしながら「大好きだよ」と答える。
それでも満足しないらしいシンタローは、カノの上着を両手で握り、「俺見て好きって言ってよ!」と駄々をこねる。
「…んとじゃあ、シンタロー君が僕に好きって言ってくれたら僕も言ってあげるよ」
と、提案する。
これで、僕もハッピー。シンタロー君もハッピー。
じわじわと涙が浮かんできて、嗚咽を漏らし始めたシンタロー。
トントンッ、と胸板を叩かれるが、引きニートの力じゃあ痛くない。
「カノさんのばかぁ…!好きって、言って…」
…もしかすると、シンタローは情緒不安定なんじゃないか。
それだと、安定させるのは彼氏であるカノの役目だと思う。…少しだけ残念だけど。
「シンタロー君大好き。とっても好き。僕が一番好きなのは、シンタロー君だけだよ」
と言って、シンタローを抱き締め頭を撫でる。
シンタローは、泣くのを止め、カノに大人しく抱き締められる。
「俺も…、カノさんが一番大好き…//」
小さな声でそう伝えたシンタローは、恥ずかしいのかカノの胸板に顔をうずめ、耳を紅くしている。
理性がプツンと切れた瞬間だった。
「あぁ、もう!シンタロー君可愛いすぎ!僕もう我慢出来ないから」
シンタロー君の目を欺くのも忘れて。
僕はシンタロー君の柔らかい唇に自分の唇を重ねる。
「…んく、は‥ッカノさ…ん//」
シンタローの口からでる唾液も気にしないで、無我夢中にキスをする。
何時もなら少しは否定するディープキス。今回は否定すらしなかった。それがとっても嬉しくて。
流石に苦しいかと思い、名残惜しいけど唇を離した。
涙目で、吐息が荒く頬が桜色に少し紅が混じったシンタローはとても艶やかだった。
口を離した時に発したシンタロー君の発言にはビックリした。
だって、シンタロー君がこんな事言ったんだよ?
「ベッド、行きたい…」
そりゃあ、勿論オーケーしたよ。ベッドでナニしたかは内緒だけど。
たまには、超甘えたなシンタロー君も可愛いな、と思うカノ。
そんなカノの机には、読みかけの資料がぽつんと置いてあったのだ。
甘えた上手な。
(カノさん好き)
(うん)
(カノさん大好き)
(シンタロー君もうやめて!僕がもたない!!)
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カノシンhshs(*´ω`*) | ||
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