魔法世界に降り立つ聖剣の主 |
11:何で俺って濃ゆいキャラとのエンカウント率が高いんだ?
うぃーす、シオン・インサラウムだお。
突然で悪いんだけど、俺は今絶賛驚愕中だお。
何故かっていうと親父の上司にあたる人の予想が真逆どころか三次元と五次元の違い並みにかけ離れていたからだお。
何?例えが分かりづらい?
まぁアレだ。とにかくものっそいレベルの勘違いをしてたのさ。
だってガチムチマッチョなボディービルダーを想像してたらスラっとしたモデル体系パツキン美女が現れたんだぜ?これでちっとも動じなかったら正気を疑うわ。
しかし……見れば見る程不思議だな。
こんな華奢で歳若い女性が親父達を始めとしたキチガイのガチチート軍団を束ねてるなんてさ。
もしかしたら……ていうか確実に滲み出る風格とか威圧感云々とか隠してるんだろうけど今の段階ではソレがどれだけのモノなのかは計り知れない。
だけど親父を含め、他の家の人達が皆して敬服の視線を送っている時点で血筋だけで王座に就いた七光りじゃないことは確かだな。
「これより定例会を執り行う。各頭首は前に出よ。」
俺が密かに値踏みの視線を送っている内に集会は始まった。
凛と芯の通った声色で告げる陛下の言葉通りに各々が一歩だけ踏み出し、玉座の少し前で膝をつき、続いて後ろに控えていた一同も膝をついて頭を垂れた。
ここだけの話、考え事してたせいで危うく動作が遅れそうになった。危ない危ない。
全校集会で「一同、礼!」って言われて一人だけ棒立ちしてる人みたいになる所だったぜ……。
「先ずは皆に労いの言葉を。よくぞ騎士の責務を全うし、先祖より受け継ぎし地と国の宝たる民草を護り抜いてくれた。皆の素晴らしき働きに余は感謝の言葉も無い。」
『はっ!もったいなき御言葉!』
寸分違わず同時に応える頭首達の迫力に思わず怯んでしまった。
たかだか十人ちょっとの人数の声が学校の校庭並みの広さのホールに煩いくらいに響き渡る。
……ていうか声デカ過ぎだろ。身体強化術式で肺活量でもブーストしてんのか?
「さて、長々と前置きを並べ立てることもあるまい。早速報告を頼む。」
陛下の言葉を受けて、各頭首が一人ずつ順番に自分の統治する地域で起きた事の報告を述べて行く。
とは言っても大体が市場の状態とか食料自給の現状とかが殆どで連邦及び帝国についての報告は微々たるものだった。
あったとしても大抵は……
『攻めて来た⇒出陣⇒殲☆滅』
みたいな流れで軽く流される程度という……連邦ェ…帝国ェ…(´Д` )
まぁ要するに、忘れもしないあの一方的な虐殺劇が少なくとも十ヶ所以上で繰り広げられ、尚且つそれらは百字要約で済まされる程度の事としか思われていないっていう…………
何だろう?考えれば考える程に蹴散らされて行く敵国の兵士達に同情を禁じ得なくなるんですけど?
陛下もソレ聞いて「あっそ。じゃぁ次!」くらいの反応しかしてない辺り本気でどうでも良いんだろうな。連邦ェ…帝(ry
そんなこんなでトントン拍子に集会は進んで行き、気が付けば当主達は一歩下がって元の場所に戻っていた。
「此度の会合はこれまでとする。今宵は労いの宴を開く故、存分に羽を伸ばしてくれ。改めて言わせてくれ。皆、誠に大義であった。」
そう締め括ると、参加者達は立ち上がり、玉座の間から立ち去って行く。
俺達も踵を返して入り口の方に向かおうとした時だ
「インサラウム卿とグラシア卿は残って欲しい。話がある。」
急にご指名を受けて全身に戦慄が走った。
え?何?何の用件?俺達が何かした?何かマズったの?((((;゚Д゚)))))))
呼ばれた途端、ひたすらに真顔で冷や汗を滝のように噴き出す俺に対して、親父達は至って平常心の御様子だった。
まるで事前に予想していたかのように自然体でその場に留まる親父達を、他の家の人は別段訝しむこと無く通り過ぎて行く。
何だコレ?これってデフォなの?このシチュエーションってデフォなの?
毎度のこと教師に呼び出される不良少年よろしくなの?
困惑のあまり頭が沸騰し出した所で本日二度目の拳骨が落ちた。
殴られた所を両手で抑えながら親父を見上げると、当人は「じっとしてろ。」とでも言わんばかりの形相だ。
だってさぁ!いきなり一国の王様に呼び出し食らったらビビるでしょう!
そりゃぁ呼ばれたのは俺達っていうよか親父なんだろうけどさ……って、それなら問題無いか。
とりあえず陛下の相手は親父に任せればいいよな。俺に王様なんかと正面切って話すなんて無理なんだお(´ε` )
そう自己完結した所でもう一方の人達を見てみると、何と先程俺をチラ見してた娘の一団が佇んでいた。確か“グラシア家”だったか?
噂で聞いた程度の知識しか無いからよく知らないけど確か聖王一族直属の護衛を務めて来た家だったけ?
アン婆に軽く聞いただけで豆知識程度の認識程度しかしてなかったけど、何はともあれちょっとした偶然もあるもんだな。
そこで俺はふと視線を当主と思しき金髪兄ちゃんに向けた。
背が高く、金髪は短くきって整えてあり、狐みたいに目を細めて笑みを浮かべている。
パッと見た感じだと普通に爽やか系イケメンなんだけど、何ていうか……ひたすらに胡散臭い。
他の当主も大体見てたから分かるんだけど、この人は当主の中でもぶっちぎりで若い。
軽く見積もって二十歳前半って所かな?
そんな若さで良くも悪くも実力主義の習慣が根強いアウグストゥス領国の一画を成す名家を継いだんだから多分この人も“天才的”で“天災的”に強いんだろう。
だが、どうにもそれを上手く感じ取れない。
まるであの涼やかな笑顔の仮面で本性を隠している様だ。
この手のタイプって正直苦手だな。
直視してたらその内眩暈がしそうな気がしたんで他の人達に視線を移す。
まず赤い髪をしていてウチの師匠達に届きそうなくらいなデカマッチョ。
とりあえず暑苦しそうだから絡まれたくない。
次に中性的な顔立ちした金髪イケメンその2。
コイツは多分年上にモテるタイプだな。うん、爆発しろ♪(何となく言ってみた)
そして藍色ロン毛の根暗そうな人。
何か変態臭がプンプンするなこの人。出来れば関わりたくない。
こんな具合に、一通り見てみて第一に思ったことは……
(どいつもこいつもキャラ濃ゆいなオイ。)
そう。
その一言に尽きるキャラの立ちっぷりだ(流石にウチには負けるが)。
見た感じマトモそうなのは…あの女の子くらいか。
当主の親族ってことは間違い無い。
ただ、お互いの年齢からして親子って線は無いと思うから多分、兄妹か何かかな?
(今思えば俺の知り合いは濃ゆいキャラしかいないような……。うん、間違いじゃないな。この空間に於いても多分普通の人は俺とあの女の子と後は陛下に殿下くらいのモンだろうよ。)
今現在の状況を冷静に分析して暫くしみじみしていると、他の出席者達が全員退室し終えたらしく、広々としたホールは不気味なまでの静寂に包まれた。
何かだだっ広い癖してやけに静かな空間って落ち着かないよね?
まぁ何だかんだで俺はいっつも色々な意味で落ち着けてないような気もしないでもないが。
ちょっと自虐してる一方で、陛下が念を押すようにして入り口を再三度凝視して誰もいないということを確認すると、背もたれに身を預けて大きく息を吐く。
意外と緊張してたのかな?やっぱり王様っていってもまだまだ若いんだし慣れてないって事か。
などと思っていたのだが………
「ア"〜〜。やっと一息つける。あんな堅い口調で話すのもご無沙汰だったし、マジ疲れちゃった。てなわけでルシル、肩揉めやコラ。」
「畏まりました。相変わらず変わり身のお早いことで。」
「うっさいわね。口より先に手を動かせってのよ、このシスコン。」
……(^_^)
…………σ(^_^;)
………………Σ(゚д゚lll)
「陛下。お疲れなのは重々承知の上ですが、そのようなお姿を……」
「何よジェラウド?お仕事タイムは終わったのよ?だから今現在はプライベートな時間な訳。だからだらけても無問題。お分かり?」
「御尤もでありますが、今宵は各当主が集う日です。もしもそのような態度を取られていることが知れ渡りでもすれば国内で問題の種となりかねませぬ。」
「気にし過ぎよ。もう全員出てったんだし、態々引き返してくる奴なんていないって。それよか私はアンタのすぐ横で惚けてる坊やの方が気になるんだけど?」
「…………(°◇°)」ポカーン
「何をだらしない面をしておるか!!」
「何でさ!?( ;´Д`)そこで拳骨を落とそうとすな!せめて思考を纏める時間くらいくれよガチで頼むからってぎゃぁぁぁぁ!!」
あとがき
更新遅れてすいません駿上です。
予定が詰まってて中々投稿出来ませんでした(泣)
多分しばらくはこのまま亀更新になってくと思うのでご了承下さい。
あとアンケートの方も沢山の回答ありがとうございます。
ベルカ編終わるまで応募継続しておくんでジャンジャンお答え下さい。
それと、友達に候補に“ネギま!の龍宮真奈”と“境界線上のホライゾンの本田二代”を追加してくれって要望を受けたんですがどうでしょうか?
オッケーならば龍宮真奈は5番、本田二代は6番として追加しようと思います。
それではこれからも頑張って投稿して行くんでお楽しみに!でわでわ。
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