少年達の挽歌 日韓戦争編 第三話
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第三話 ゲリラ掃討作戦

 

戦争が始まって一ヶ月が経とうとしていた。

大邸市攻防戦の後、日本軍は怒涛の快進撃を見せ首都ソウルを占領したが韓国政府は皇帝と共に平壌に退避していた。

統合参謀本部は平壌への直接上陸する作戦を立て、韓国海軍主力艦隊を連合艦隊が黄海での海戦で撃滅すると立て続けに揚陸作戦を展開、平壌を占領することに成功した。

だがまたしても逃げられ、さらに取り残された韓国陸軍の将兵が住民の協力を得て日本の占領下でゲリラ戦を展開して日本軍の後方部隊を襲撃して前線への供給を滞りそうになっていた。

快進撃の為に補給線が伸びきったのもあり平壌から北四十キロに防衛戦を設定して、それに沿って陣地が構築された。

第五師団第二七歩兵科連隊は二〇九高地の防衛を受け持ち、俺達は愚痴を言いながら陣地を構築した。

釜山上陸作戦以後、部隊の兵士は次々と死んで行き小野寺二等兵を含め生き残った隊員は野戦昇進した。

屑の萩野二等兵は屑らしく韓国兵の遺体を漁った時に仕掛けられた仕掛け爆弾で爆死してくれたが、不愉快なことに相棒の前田二等兵は韓国人を殺しまくった功績で今では伍長に昇進して、狙撃されてくたばった副長の代わりになっていた。

陣地が出来上がって二日後、第六小銃分隊は周辺地域の村々を“捜索”する任務を受け持ち装備を纏めると村に向った。

今回の目的はゲリラ狩りであり、村を見つけたら家々を一軒ずつ捜索するのが任務だ。

第一日目

俺達は地図を頼りに一軒ずつ村を回り三つ目の村に向っていた。

すると荒瀬軍曹が手を上げ握り締めると小野寺上等兵を含め隊員達は一斉に身を隠した。

 

「新海兵長、あれが次の村だな?」

 

「はい、GPSでも合ってます。」

 

荒瀬軍曹は双眼鏡を覗いて村を見た。

男達は農作業をして、女性達は洗濯などの家事をしていて子供達が集まって遊んでいた。

周囲を見渡しても武装をしている人の姿は見えなかった。

 

「前回と同じように行くぞ。」

 

荒瀬軍曹が立ち上がると一斉に隊員達全員が立ち上がり、二列縦隊で進んだ。

村人達は日本軍の姿を見ると持っていたものを捨てて家に急いで戻った。

 

「捜索開始!」

 

軍曹の命令で隊員達は住民を退かして家に入り込みベットや机などをひっくり返すほど捜索する。

住民は村の真ん中に集められ、部隊に同行している通訳の話を聞いていた。

するとある一軒の家から前田伍長の声が聞こえた。

 

「分隊長!足のない韓国人を見つけました!」

 

前田伍長は抵抗する男を銃床で顔を殴り、引っ張り出して来た。

 

「こいつ床に隠された空間に隠れていました。絶対に敗残兵です。」

 

「通訳、こいつに聞け。『お前は韓国軍の兵士か?』」

 

通訳は韓国語で聞くと、男は首を振って韓国語で何かを言った。

 

「『違う。』と言っております。」

 

「『何で右足がない?』と聞け。」

 

通訳が聞くと男は怯えていて、何も言えなかった。

すると前田伍長は十七式5.56mm小銃に銃弾を装填して、男に銃を向けた。

 

「通訳!『本当のこと言わないと殺すぞ』と言え!」

 

「前田伍長!やめろ!」

 

「分隊長!甘すぎるんですよ、左足を撃てば吐きますよ。」

 

「だめだ、伍長!」

 

否定している男に前田伍長は左足に発砲した。

男は悲鳴を上げて、痛みに地面を転がる。

通訳は男の体を押さえ、質問を聞くと男は韓国語で答えた。

 

「『私は兵士じゃない、足は事故で失った。頼む撃たないでくれ』と。」

 

「嘘つくな!朝鮮人が!」

 

再び伍長が銃を構えると、老いた女性が住民の集団から飛び出して男を庇って何かを言った。

 

「誰だ!勝手に割り込むな!」

 

「この人は男の母親だそうです。『息子が言っている事は本当だと。』」

 

それを聞いた軍曹は伍長の肩に手を置いて言った。

 

「もうやめろ、ここまでやるなら本当であろう。」

 

「どうですかね?」

 

肩に置いた手を退かすと、母親を蹴り上げて地面に転がすと額に銃口を向けた。

 

「本当のことを言え!」

 

「伍長、この人は本当のことを言っています!やめてください!」

 

通訳の反対に耳を貸さず、その瞬間に母親の額を撃ち抜いた。

男は伍長に飛びかかったが銃床で殴り倒されると再び銃口を向けて言った。

 

「本当のことを言え、今度違うといったら村人を一人ずつ殺すぞ!通訳しろ!」

 

「やめろ!」

 

再度荒瀬軍曹が大声を張り上げ静止しようと9mm拳銃を引き抜いて前田伍長に銃口を向けた。

すると前田伍長に賛同する隊員が荒瀬軍曹に銃口を向け、反射的に小野寺上等兵を含めた軍曹派の隊員が銃口を向けた。

このように戦争が進むにつれ前田伍長のやり方に賛同する隊員が出て来て、分隊を二分していた。

一触即発の状態が数分間続いたが、軍曹の言葉ですべてが終わった。

 

「わかった、この男は連行しよう。お前らは前田伍長の指揮の下でこの村を焼き払え。」

 

「了解しました。」

 

双方が銃口を降ろすと軍曹派の隊員は足のない男を縄で縛り、二〇九高地に戻り伍長派の連中は火炎放射器を使い一軒一軒の家々を燃やして行き、最後に伍長は通訳を通して泣き喚く村人に言い放った。

 

「生きているだけよかったと思え!日本の寛大な処置に感謝しろ、ハハハ!」

 

そう言って村を去った。

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第二日目

翌日、部隊は森の中を進み次の村に向っていた。

俺達は昨日のようなことがないことを祈りつつ歩いていると、一人の隊員が何かを見つけた。

隊員は静かに軍曹に方向を指差しながら報告した。

 

「三時の方向に偽装された何かがあります。」

 

隊員が指差した方向を見るとそこにはネットが被されていて、周りを植物で覆った小さな偽装陣地があった。

軍曹は隊員達に周囲を包囲するように命じ、隊員達が半円状に配置されると伍長と数人が接近した。

伍長は小銃を構え、静かに近づく。

そして近くに来ると呼吸を合わせて一気に偽装陣地に突入した。

 

「オールクリア。軍曹、敵はいません。」

 

《わかった。》

 

敵がいないことを確認すると隊員達を周囲に配置に就かせ警戒しつつ、内部を覗いた。

そこには戦闘食やいくつかの箱と薪で焚いた火が点いていた。

 

「少し前までここにいたらしい。」

 

「ああ、伍長。ここは我々の接近を見張る場所だったらしい。」

 

ふと軍曹が内部を捜索している隊員を見た時、隊員はおもむろに木箱を開けようとした。

 

「やめろ!それは・・・。」

 

蓋を開けると同時にワイヤーが引張られ、中に仕掛けられた手榴弾のピンが外され安全レバーが空けた隊員の顔に直撃した。

その瞬間に手榴弾が炸裂して陣地が炎に包まれた。

すぐに小野寺上等兵が駆けつけると傷を負った軍曹と伍長が立ち上がった。

 

「すぐに衛生兵を呼べ!一等兵が息をしてないぞ!」

 

分隊は混乱に陥ったが伍長は部隊を素早く纏める。

軍曹は通信兵にヘリによる負傷兵の移送を要請するように命じ、そして分隊を集結させるように言った。

分隊は二〇九高地にいる織斑中隊長の命令で任務を中断して負傷兵をヘリに乗せた後、二〇九高地に戻るように命じられた。

だが分隊を集結した時、小野寺上等兵は音無一等兵の姿がないことに気がついた。

小野寺上等兵は軍曹に音無一等兵がいないことを報告すると軍曹は今すぐ捜索するべきだと思ったが、目の前にいる重症の隊員を運ぶのを優先して無線で呼び出すだけにした。

だが応答はなく分隊はヘリとの合流ポイントに急いで負傷兵を運ぶと陣地に戻り全隊員で音無一等兵を捜索した。

見つけるまでに時間は掛からず、無線で近くに流れている川の川原で発見したと報告が入った。

全隊員が急いで川原に向かい、小野寺上等兵が森を飛び出して見たのは音無一等兵の生首だった。

生首は岩の上に乗せられて、岩にはハングル文字で何か書いていていた。

隊員達はその生首を見て唖然としていたが小野寺上等兵はあんなことをしたあとでは当然だと思った。

だが納得できなかったのはなぜ音無なのか「もっと他に屑の野郎を殺さないんだ。」と心の中で言った。

 

「通訳、なんて書いているんだ?」

 

伍長が聞くと通訳は答えた。

 

「『日本人全員死ね!我々の生活を壊した罰だ!』と。」

 

通訳によって訳された言葉に隊員達は口々に言った。

 

「朝鮮人め、俺の家族を殺しておいてなんなんだ。」

 

「お前達だって俺たちの生活を壊したくせに!」

 

分隊は音無一等兵の首を持ち帰り、日本に首だけが帰ってきた。

 

説明
IS二次小説『学園の守護者』のサブストーリー。
少年達が虐げられるISの世界で彼らは様々な理由で戦争に赴く。
小野寺魁人の配属された部隊『第六小銃分隊』を通してISの世界の戦争、日本の社会を映し出していく。
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コメント
それが普通になってしまうのが戦場です。(BarrettM82)
前田・・・ひでえ奴や。こんな兵士が第二次世界大戦で牟田口やその他の無能将校になっていったのか・・・。早く殺されてしまえ・・・こんな屑野郎。国際法無視しやがって・・・ と言ってやりたいです(F-15eagles)
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二次小説 ISインフィニット・ストラトス ミリタリー 戦争 

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