魔法戦記リリカルなのはmemories 最終章 新たなる聖王の歴史(メモリー) 本幕【終わり、そして始まりの日】 第百四話
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 放たれた直後、一瞬のうちにミッドチルダへと衝突した――

 辺りに衝突すると、あっという間に建物を次々に壊し始め桃色の砲撃の中へと飲み込んで行った。

 上空から見たその光景は、この世の終わりのように思えた。((一部|・・))を除き、ミッドチルダ全部を桃色の光が飲み込み、その場にいた人間は生き残れないだろうと思わせるぐらいのものだった。

 

「……こう見ると、本当に呆気ない物だね」

 

 自分が齎したものだというのに、今まで管理局員として働いていたなのはにとっては、余りにも呆気なく感じていた。こうも簡単にミッドチルダを壊すことが出来てしまうと、こんなに脆いものだったのかと思ってしまったのだ。自分の力が現在SSSオーバーだというのもあるけども、少し前まで他人よりも魔導師ランクが少し大きかっただけなのだからそのように考えてしまったのだ。

 そんな光景を見ながらもなのはは次の行動に移ろうとして、通信をオンにする。

 

「それで、このまま後処理をすればいいんだよね?」

『……あぁ、そのまま頼む。それよりも、どうして本部だけ残したんだ?』

 

 そう――始まる前になのはがフィルノに言った事は、本部だけ残していいかという事だった。

 どうしてそのようにするようになのはが言ったのかという理由は、フィルノには教えておらずどうしてそうしたのかフィルノは聞きたかった。残したからにはそれなりの理由があるのだろうと思い、特に何も言わなかったのだけどもどうしても気になっていたからだ。

 そのフィルノの質問に対し、なのはは隠す必要もないという事で答えた。

 

「簡単な事だよ。前にも言ったけど、この戦いのケリをつけるのは私じゃないと。ケリをつけるには一番抜擢な人がいると」

『それは――だれなんだ?』

「そこはお楽しみだよ。まぁ、拒んだら私が殺すだけなんだけどね。それじゃあ、行ってくる」

 

 通信を切り、そしてなのははまたしても下にあるミッドチルダを見下ろす。

 

「それじゃあ、始めようか。新たな歴史を刻むためにも――」

 

 そして、なのははそのままミッドチルダへと重力に引っ張られて落ちていくのだった――

 そのときには、ミッドチルダは本部と聖王教会がある付近は建物がすべて崩れており、ミッドチルダの光景は殆ど無くなっていた――

 

 

----

 

 

「……みんな、大丈夫か?」

『…………』

 

 はやてはちょうどミッドチルダの外側へと居たために、ミッドチルダから急いで離れて回避していた。

 桃色の光が消えるとすぐに戻り、すぐに全員の無事を確認する。しかしすぐに応答はなく、何も返ってこなかった。

 もしかして全員死んでしまったという不安に陥ってしまい、つい怒鳴ってしまった。

 

「誰もええから、返事してくれや!!」

『……こ、こちらフェイト・T・ハラオウン。何とか下水道に逃げ込んで無事です……匂いはきついけど』

「フェイトちゃん!! 良かった……無事な人がおって……」

 

 フェイトの無事を確認すると、はやては一気に安堵する。一人でも無事だと確認できただけでもはやてはホッと安心できたのだ。

 そして、そのフェイトの返答に続いて、次々に返答が返ってきた。

 

『こちらティアナ・ランスター。スバルと共に建物を壁にしたおかげで無事です』

『シグナムだ。こちらも無事だ。ヴィータも先ほど無事だという連絡が入った』

『こちらトーマ・ナカジマです。聖王教会は中立を取っていると思い、の付近に居たためになんとか無傷で被害がありませんでした』

 

 次々に特務六課でミッドチルダに出動していたメンバーが無事の報告をしていき、はやてはそれを聞いていてさらに安堵していた。

 だが、次の連絡で空気が一変する。

 

『上空から、何かが降りてます!! これはっ――!?』

「ついに、なのはちゃんの登場っていうわけか……」

 

 はやてもミッドチルダに向かっているときに、上空からミッドチルダに何かが降りてくる姿を見かけた。

 見覚えのあるバリアジャケットを着ており、これまた見覚えのあるデバイスの形をしているなのはの姿だった。

 なのはははやてぐらいが居る高さの上空で立ち止まり、すぐに大量の魔法の弾丸を展開させていた。

 

「さて、今度こそなのはちゃんを止めなければな……」

 

 だがはやてはその言葉を言った直後に、なのはと会った時の言葉を思い出した。

 

『――夜天の書を闇の書に書き換えた張本人を知りたくない?』

 

 本当になのはは夜天の書をあのようにした人物を知っているのだろうか。知っているのならば、どうしてもはやては知りたかった。

 シグナム達を苦しめ、リィンフォースを消滅させなければならなかった張本人を知りたかった。亡くなっているとは思うけども、それでも知りたくて仕方がなかった。

 

「……ううん、今はそんな事は後回しや。今はなのはちゃんを止めて、終わった後にでも聞けばええだけや」

 

 そう決意をし、急いでなのはがいる方へ直進していく。なのはは展開させた無数の魔法の弾丸をバラバラに散らばせ、生き残った人間を殺そうと動き出していた。

 だが、これ以上なのはの思い通りにさせるべきではないとして、さらに急いでなのはの方へと進んで行く。なのはもようやくはやての姿を見つけることができ、一度攻撃を止めるけどもすぐに一部の弾丸をはやてに向けて操作した。

 

「なのはちゃんも私に気づいたか……」

 

 はやてはなのはからくる弾丸を避けながらも突き進み、なのはの近くまで迫ってくる。なのはも次々に弾丸を生成し、はやてに向けて次々に放っていった。

 しかしはやてはそれらの攻撃をすべて避け続け、あっという間になのはの目の前まで近づき、デバイスの先でなのはを突こうとする。だがなのはもすぐに対応して、プロテクションで守っていた。

 

「その恰好でこうやって対面するのは久しぶりやな――なのはちゃん」

「……確かにそうだね。だけど、そんな事を言っている場合なのかな?」

 

 その言葉から察したはやてはすぐになのはから距離を取ろうとする。はやてが予想した通り、はやてが離れた直後にバリアバーストを使用し、その場に居たらダメージを受けていた。

 すぐに次の攻撃が来ると思ったはやては、次の攻撃に対策を取ろうと考えるが、突然なのはははやてに対する敵意をやめて、はやてに構えていたデバイスも今は唯手に持っているだけだった。その事に少し驚いていたが、何が来るのか分からない為にはやては警戒を解かなかった。

 そしてそれから、なのはは突然と口を開き、あまりにも場違いな会話を始めてくるのだった――

説明
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。

その青年はなのはに関わりがある人物だった。

だがなのはにはその記憶が消されていた。

消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。

二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。

それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。



魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。
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