ジョジョの奇妙なスクールランブル、四話、熱血!白熱!ヤッダーパァァアァ!? |
昼休み明けのグラウンド、
今ここでは二年C組による男女混合のソフトボールの試合が行われていた、両者のクラスとも互いに綺麗に別れ、どうせやるならと花井学級委員長指導の下、勝敗を付けようとクラス一同躍起になっていた、ちなみに億泰は花井チームと仗助は周防等のチームと別々のチームである
彼らは整列前に互いににらみ合い、数秒もしない間になにやら因縁じみた会話を飛ばし始める
「仗助君、転入生とはいえやるからには手加減はするつもりはない」
「ほう、言うじゃあないっスか〜〜!花井さん!面白いッスね受けて立ちますよ〜ッ!」
「おいおい、俺を忘れんなよ〜仗助ェ〜、杜王町での借りをここで返してやるぜェ〜!!」
「…上等ッスよォ〜この際まとめて相手してやるからかかってきやがれッ!」
何やら勝手に互いにヒートアップする花井、億泰、仗助の三人、その光景にあきれたように周防等女子は左右に首を振る、なぜこの三人がここまでこのソフトボールに本気になったかというのは数分前に遡る
それは、昼飯を食べ終えた仗助が億泰より先に体操着に着替え何気なくグラウンドについた時だった、
自分が他の人より着替えるのが早かったのか、ちょうど一人になっていたその時に偶然にも着替え終えた塚本天満がグランドでなにやらバットの素振りのような事をしているのを仗助は見かけた
これは天満に話かけれるチャンスだと思い仗助は何気なく彼女にバットを振る理由を訪ねる事にした
「な、何してるんスか〜? つ、塚本ッ?」
少し緊張気味だが、なんとか彼女に声を掛けれた仗助は内心ガッツポーズを浮かべ彼女に話しかけた、あの初日の髪についての出来事はちゃんと担任の先生と学級委員長の花井に説明した結果なんとかクラス全員の誤解を解いてはいるのだが、あれ以来、仗助は天満に話しかけることができずに自分の印象が乱暴者だと思われているんじゃないかとおもいこんでいた。
あのときの彼女はなんだか自分に怯えているような目を浮かべていた、これを機に誤解を解いて仲を親密にしなければならない
だが、どうやら仗助が思ったより天満はあまり初日の出来事を気にしない口ぶりで訪ねてきた彼にバットを振る理由を答えはじめる
「あ、仗助君…、これ? 私、運動神経あんましないからせめて素振りをして体を暖めとかないとと思って…セイッ!!!」
「そ、そうなんッスか〜! なんかかっけーッスね!」
仗助はそういって一心不乱にバットをぶん回す天満の姿をジッと見つめる、そして彼女のバットを振る横顔につい顔をほっこりさせていた
(やっべぇー!めっちゃ可愛いッスよ〜天満ちゃん!!早く着替えといてよかった〜ッ)
「セイッ!!そりゃ!とう!」
そんな、仗助の言葉を知ってか知らずか、ひたすらバットを振り回し身体を暖めている塚本天満、しかしながら今そんなにバットをぶん回して試合の時にばてないのかという疑問はこの際気にしないこととする、
そしてこのバットを振り回す塚本天満にもまた思惑があった
(今日こそは烏丸君と同じチームになって、私がソフトボールで活躍する凛々しい姿をみせるんだから)
そう、すべては愛する烏丸のためにと思っての行動、仗助の空回りな思いはこの時の天満にはちっとも響いてはいなかったのである、なんとも清々しい程の気持ちの行き違いであろうか…
しかし、仗助はそんな必死にバットを振る彼女を見て思った、なんとしても彼女を今回、体育で活躍させてやりたいと、
そういったことを思っていると自然と仗助の口からビックリするような言葉が塚本天満に向って気付けば発せられていた
「…塚本、よかったら俺と今日、同じチームで戦ってくれないッスか?」
「……へ?…」
必死に素振りをしていたバットの動きを急に止めて、仗助の突然の言葉に目をまん丸くする塚本天満、だが、仗助の真摯にお願いする様な物言いに少し悩んだような素振りをみせたが二言返事で快く返答する
「うん、いいよ! なんか仗助君頼りになりそうだしね!」
(よっしぁあ!!ぜってーこのソフトボール負けらんねぇ〜〜ッ!!)
気になるあの子の承諾をうけて一気に最高にハイッ!な気持ちになりつい内心でガッツポーズを決める仗助、塚本天満はそんな仗助の様子に首を傾げるのであった
そんな感じの仗助と天満とのやりとりがあり、そんな訳で時間は再び試合直前の現在に戻る
まぁ、学級委員長の花井と仗助の相棒である億泰がなぜ仗助にここまで張り合うような物言いをしているのかというとそれは本当に単純な理由からである、校舎からソフトボールの試合を一目見ようと顔を出す幾多の女生徒達、なぜか彼女たちは口を揃えてこう言うのだ
「ジョジョーがんばって〜!!」
「仗助君!!体操着姿カッコいいよー!!」
「キャーッ!!いまちょっとだけこっち見てくれたー!!」
そう、彼女たちは全員、転校してきた仗助に好意を持っている女生徒ばかり、長身でハーフのイケメンである仗助はもはや他クラスでも注目の的であり、恋人にしたい男子生徒の株の中でも今、群を抜いて上がってきてる一人である、
しかし、これを見ていた花井と億泰はどうも面白くない、いい恰好ばかりされて女生徒の視線を釘付けとは、コイツはァ〜メチャ許さんよなぁ〜!!っといった具合になにやらどす黒い感情を抱いていた
((野郎、絶対にこの試合でぶっつぶしてやる))
この時、面白い程に億泰と花井の感情はシンクロしていたのであった
まぁ、そんな嫉妬も混じった感情がある二人の気持ちを知ってか知らずかやる気をみせてきた二人に対し今、こうして仗助も覚悟を決めた眼差しでにらみ合うという形で応えているのである
それを遠目から見ていた周防たち三人娘はそんな仗助の女子からの人気ぶりについて軽く雑談をしていた、特に理由はないがあの初日にプッツンした仗助のイメージが何だか嘘みたいなものに変わっているのがどうやら意外だったようだ
「へ〜仗助って、女から人気高いんだなぁ」
「意外よね、あんなハンバーグみたいな頭してるのに」
「愛理、それ彼の前で絶対言ったらだめよ、またプッツンするわ」
高野の言葉にわかってるわよ、と面倒な口ぶりで応える沢近愛理、どうやら彼女たちにとってみれば仗助の扱いが最近、大体わかってきたような口ぶりであるその証拠に仗助の頭の事はクラス全体からのタブーだと理解している
準備体操を終えた仗助はマウンドに上がり、軽く投球練習をする、その様は周りが思っているよりも綺麗で運動神経が飛びぬけていいのをまざまざと見せつけるようなそんなものであった
何球か投げたのちに仗助は同じチームの周防たちに向い話始める
「そんじゃ周防達はポジションついてください、こっから本気で投げるんで守備よろしくッス」
「うぃ、任せときな! んじゃ、あんたらも早く守備につくよ! 仗助〜容赦なく花井達ボコボコにしていいからなー!」
「なによ、あいつ偉そうに…」
「まぁまぁ、それより守備につきましょう」
そういって、なにやら不満を漏らす愛理を宥め仗助が言った通り守備の配置にへとつくように促す高野、そして、仗助から指示を承った周防は満更でもなくむしろノリノリの様だった模様である
そして、全員が守備配置についたところでプレイボール、花井チーム一番バッターは梅津茂雄という男子生徒、陸上部所属で彼女持ちとなかなかの運動神経のスペックを持つ生徒である、彼は同じクラスの彼女、城戸円に良いところを見せようと意気込んでいた
(転入生!悪いが初っ端から先頭打者ホームラン打たせてもらうぜ!そして円に良いところを…)
「んじゃ行くッスよォ〜ッ! ドラァッ!」
だが、そんな梅津君の思惑も一瞬で無残に飛び散る結果となってしまう、なぜなら気合を込めて投げた仗助のボールはした投げにも関わらず何故かジャイロボールの様に鋭い回転と速さを保っていたからだ
スパーンッ!!と気持ちよい音がキャッチャーミットに入ったところで響き渡り、梅津は呆然としたままバットを握りしめその場に立ち尽くしていた
二年C組クラス一同呆然といった具合に仗助の投球に驚きが隠せずにいた、まさかここまですごいとは思ってもいなかったからだろう、そんな仗助の姿に周防はピゥーと口笛を吹き絶賛するような言葉を送った
「やるじゃねーか仗助!カッコいいぜ〜ッ!!」
仗助を褒める周防の言葉に続いて周りのクラスの男女からも色んな言葉が飛び交ってゆく
「素敵〜、流石仗助君ねー」
「キャー抱いて〜仗助君!!」
「……おい、あれ何キロ出てんだよ、ソフトボールだぞ?」
ふぅ、と返ってくるソフトボールをキャッチャーから受け取り一息つく仗助、しかしながらそんな黄色い声や色々な声援を受ける彼を面白くなさそうに見つめる計二名の人物は何やら打席でもないのに早くも立ち上がり素早いスイングの練習をしていた
その二人の心の声は勿論、あのボールを打ち負かしてやると一緒である、男の嫉妬とはこれいかに…
「何やってでしょうね、あの二人」
「ほっとけ沢近、馬鹿が移るぞー…」
そんな馬鹿二人、億泰と花井の行動に疑問を抱いている沢近に突っ込みを入れる周防、長年、花井の幼馴染を彼女がやっていたせいかその言葉には妙な説得力のようなものが携わっているように感じられる
それから、しばらくしてソフトボールの試合らしく仗助がピッチャーを変わったお蔭か白熱した試合展開をみせた、億泰と花井によるホームランアベック砲も火を噴き九回裏の最終回に同点、なんと気が付けば延長戦にまでもつれ込んでいた
沢近や周防、そして高野も見事な守備を見せ、バスケ部の麻生の活躍等、様々な見せ場のある試合である、まぁ途中で億泰の放ったピッチャー返しによって今鳥恭介が降板するといったアクシデントもあった訳であるが…
そして延長戦のここで、バッター四番に東方仗助が入り、ピッチャーは対して虹村億泰という転入生同士の対決という事になった
この回がラストという事もあってか何処か緊張した空気を醸し出すグラウンド、しかしながらこのときバッターボックスに入っている筈の仗助の姿が見当たらない、ふと辺りを見渡してみるとベンチに座っている男子生徒に仗助が何やら話し込んでいる、確かあれは変わり者で知られる烏丸大路という生徒だろう
しばらくすると、仗助から話を聞き終わったのか烏丸は深く頷き、ベンチから立ち上がる、
そして、相変わらず何を考えているのか全く分からない顔つきで、クラス全員に聞きわたる様に声を発した
「選手交代…代打、塚本さん…」
「おお!!ここで監督が動いたぞ!!」
「仗助君の代わりに天満を代打だと!!正気か!!」
突然の烏丸の言葉に騒然とする二年C組のクラスメイト達、そんな烏丸をみていた沢近はなんともいえない苦笑いを浮かべていた
「てゆーか、監督だったんだ烏丸君…」
「うん、どうやら仗助君は気付いていたみたいだけどね」
沢近の疑問に何事もないように応える高野、確かに彼が試合に入っていなかった疑問もこれでなんだか納得がいく、しかしながらここで運動音痴の天満を持ってくるのはなんだか不安でしかない
大丈夫なのか、というクラスの意見が多数を占める中で指名打者に任命された天満は烏丸と仗助に近寄り、不安げな表情を浮かべて弱音のようなものを吐いていた
「監督!私…できません、こんな大事な場面で空ぶったりしたらわたし…」
「なに気にする必要はないッスよォ〜!思いっきりプレイしてくりぁ誰も文句は言わねぇーッス」
そういって、烏丸に弱音を溢す天満に笑いながら言葉を送る彼女にバッターを譲った仗助、それに続くように監督(?)である烏丸も仗助のそれを肯定した言葉を天満にへと送る、
「…塚本君、君なら大丈夫だよ…あの練習を思い出せばきっと打てる…」
仗助と烏丸の言葉に思わずさっきまで素振りをするために握っていたバットを更に強く握りしめる天満、その目はなんだか覚悟に満ち溢れそしてうっすらとこの場で見えてはいけないような黒い炎のようなものが見えたような気がした、(それって、漆黒の意志じゃないですかーやだー)
まぁ、そんなこんなで推されるままバッターボックスに立った塚本天満、ピッチャーである億泰は仗助が出てこないとわかりなんだか拍子抜けする
しかも、よりにもよって、いかにも見た目からして運動できませんよーというオーラを醸し出している相棒である仗助が気になってるというあの塚本天満だ、そこまでマジになる相手ではない
そんな思惑があってか億泰はこの時完全にこの塚本天満を侮っていた
(まァー相手は女だしなァー!ここは手加減して投げてやるか)
下投げの実に甘いスローボールを天満に向い投げる億泰、しかしこの思惑は実は彼にとって起こる悲劇の始まりであった
「…フンッ!!」
「…な、何ィ!」
カキーン!っという高い音と共に天満のバットに吸い込まれてゆくボール、億泰は打たれるはずないと思っていた自分のボールをバットに当てられつい声を溢す
塚本はその時、ふと頭の中で回転を思い浮かべていたッ!そうそれは無限に回転する長方形の渦ッ!渦巻くそれは無限の可能性を秘める螺旋ッ!そう、言い表すなら黄金の回転である!
しかも、それに加えバットを振り回すタイミングが億泰の投げたボールに完璧と言っていいほどのジャストミートこれはもう間違いなくいい当たりである…そう本来ならば
無限の回転を加えられたボールは、なんと真っ直ぐに億泰の顔面へと直進してゆく、それはもう恐ろしい速さで…
「…へ…?」
間の抜けたような声を溢す億泰、顔面に抉るように飛んできた天満の放ったボールによって彼の悲鳴がそれからグラウンド中に木霊したのはそれから数秒もしない内の出来事だった
ちなみにスコアは二十一対二十二、天満の内野安打で仗助チームの勝利に終わった
………TO BE CONTINUED
説明 | ||
S市杜王町に住む東方仗助、虹村億泰はある日を境に空条承太郎からある高校に転入し、スタンド使いの捜査を頼まれることになる、杜王町から離れての高校生活に不安を抱える仗助はそこで一つの出会いを果たしてしまった、そうそれはスタンド使い同士が引き合うような運命のように… ラブコメにジョジョという無茶な設定ではありますが楽しんでいただけたらなとおもいます |
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