君こそヒーロー
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大丈夫だと君が言った。

 

腹の真ん中に大穴あけて

 

口からいっぱい血が流れて

 

それでも君は「大丈夫」だと言った。

 

何が大丈夫なのかと僕は叫んだ。

 

こんな酷い景色はないのに

 

何が大丈夫なのか

 

君は痛くないのかい?

 

君は怖くは無いのかい?

 

そばで泣きじゃくる双子の頭をやさしくなでようとして手が上手く動いていないのが見える。

 

すでに視界もおぼろげなのだろう、視線が何かを探していた。

 

みんな目の前にいるんだぜ?

 

お前のことを好きなやつばかり

 

あの時の俺は傷がとか、助かるとかそんなことしか思わなかったけど

 

今ならわかるよ。

 

お前が大丈夫だといったのは

 

他の皆が助かるってことだったんだよな。

 

自分が死にそうなのに

 

皆が助かるのを素直に喜んで、伝えようとしてた。

 

お前が死にそうなのに

 

俺は思うよお前はヒーローだった

 

ほら、国民的ヒーローは自己犠牲の塊じゃないか。

 

お前そういうとこあったから。

 

嬉しそうに笑いやがって

 

お前死んじまうんだぜ?

 

俺のこと心配だ心配だなんて言ってたくせに

 

先に逝っちまうのかよ

 

「頼むよ…そんなこといわないでくれ」

 

怖いって言って

 

助けてって言ってくれ

 

頼むから

 

そんな安らかな

 

顔なんてしないでくれ。

 

俺は全然大丈夫じゃないよ。

 

「メーデー」

 

俺がここから遭難信号を送ったら

 

お前がきてくれる気がするんだ。

 

ほら、文字通り空飛んで。

 

 

 

説明
「大丈夫。」死に逝く君が残した言葉。
書きたいワンシーンだけを書いてしまった作品。前後のストーリーは模索中、もしくは読んでくださった方の頭の中でのみぞ知る?
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コメント
華詩さん>お返事遅くなってごめんなさい、彼らの感情が伝わったことを嬉しく思います^^(とかげ。)
死んだ彼の優しさ、残された者の悲しみ、両方にやられた。おかげで読んでいるうちに文字が滲んでしまった。(華詩)
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