真・恋姫†無双 外史 〜天の御遣い伝説(side呂布軍)〜 第六回 在野フェイズ:陳宮@・蜂蜜と熊と袁術と(後編)
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呂布「・・・ねね・・・北郷」

 

 

 

呂布たちは陳宮たちを探していた。たかだか蜂の巣を採りに行っただけなのに、夜になっても帰ってこないのは明らかにおかしかった。

 

 

 

張遼「ほんましゃあないヤツやな」

 

高順「恐らく夢中になっていたら暗くなってしまい、道に迷ったということでしょう・・・。

 

事件に巻き込まれていなければいいのですが・・・」

 

張遼「まあ、山賊に襲われたっちゅうのはないやろな。ウチらがここらの山賊はみんな捕まえたし」

 

呂布たちは宣言通り山賊を捕まえることによって路銀を手に入れていた。

 

呂布「・・・・・・」

 

 

 

すると、探している最中、呂布が急に立ち止まった。どうやらある一点を凝視しているようである。

 

 

 

張遼「ん?どないしたんや恋?そこに何かおるん―――ぁ」

 

高順「どうかしましたか?・・・これは・・・」

 

 

 

三人の目に映ったのは、寄り添いながら気持ちよさそうに眠る北郷と陳宮の姿であった。

 

 

 

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【揚州、寿春付近のとある村】

 

 

 

朝の日差しが北郷の顔に当たり、北郷は重たい瞼を何とかこじ開けようとするが、朝日がまぶしく、思わず目を細めてしまう。

 

そして、ぼんやりした頭で、昨日結局帰れなかったことを思い出し、すぐに帰らなければと起きようとするが、

 

何かが体の上に乗っている、というか布団を着ていることに北郷は気づいた。

 

当然野宿しているわけなので布団があるわけもなく、まして、ねねが布団になるですー、なんてぶっとんだ展開なわけもない。

 

あれ?もしかして元の世界に帰ってきた?と思い、目を開けてみると、

 

目に飛び込んできた光景は見慣れない天井、というより、昨日決めた集合場所の宿であった。

 

 

 

張遼「よーやくお目覚めかいな?」

 

 

 

なぜ宿の布団で寝ているのかと、北郷が頭にハテナを浮かべていると、横で北郷のことを見ていたらしい張遼が声をかけてきた。

 

なぜかニヤニヤしていたが、取り敢えず北郷はどういうことか事情を尋ねた。

 

どうやら張遼が言うには、昨日の夜、心配した呂布たちが二人を探しに行ったところ、

 

呂布が二人寄り添って眠っているところを見つけたのだという。

 

そして、その場で起こそうとしたけど、二人ともかなり気持ちよさそうに寝ていたので、起こさず連れて帰ってくれたのであった。

 

 

 

張遼「まあまあ、仲のよろしいことで。ちゅうかアンタ、ねねみたいなんが好みなんか?」

 

 

 

張遼はニヤニヤしながら北郷をからかった。

 

 

 

北郷「いやあれはしょうがないって!それに寒さを凌ぐためって言って提案したのねねだから!何もやましい考えとかなかったから!

 

あと好みとかそんなの関係―――てニヤニヤしない!!」

 

 

 

北郷が必死に弁明を試みるが、張遼のニヤニヤは一層増すばかりで何の効果もない。むしろ逆効果と言っても過言ではないだろう。

 

 

 

張遼「まあ、見た感じ仲のええ兄妹って感じやったけどな」

 

 

 

そうは言ったものの、張遼の表情からニヤニヤが消えることはない。北郷は再度弁明を試みようと思ったが、

 

これ以上弁解しても墓穴を掘るだけだと直感し、あきらめた。

 

辺りを見回してみると、すでに起きていた陳宮が、呂布や高順と共に朝食をとりながら、

 

自分がどれだけ苦労して蜂蜜を取って来たのかを力説していた。

 

内容は聞き取れなかったが、かつての魏続顔負けのあの大げさな身振り手振りを見る限り、

 

かなりの誇張や修正が入っている模様である。

 

 

 

張遼「ちょっと、ウチも混ぜてーな!」

 

 

 

陳宮の話が盛り上がっている様子を見て、我慢しきれなくなった張遼もそこに加わった。

 

当事者である北郷は、気恥ずかしさを感じて加わろうとはしなかったが、やはり少し気になって耳を澄ましてみると、

 

 

 

陳宮「みんなぽりえすてるも知らないのですか?」

 

 

 

とかなりのドヤ顔でポリエステルについて力説しているのが聞こえてきた。

 

しかし、クマのくだりで、高順が蜂蜜を手放せばよかったのでは?と指摘したのを聞いたとき、

 

北郷は我ながら混乱状態だったなと認めざるを得なかった。陳宮も高順の指摘に返す言葉も見つからないようである。

 

 

 

余談ではあるが、後に陳宮はみんなから無修正版を話せと迫られることになるのだが、それはまた別のお話。

 

 

 

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軽い朝食を済ませたのち、さっそく採ってきた蜂の巣から蜂蜜を採取したところ、ちょうど一壺ほども蜂蜜が採れた。

 

北郷はせいぜい一瓶ほどかと思っていたため、この収穫量には、採りに行った本人も、ただ仰天するしかなかった。

 

そして、昼食を済ませたのち、寿春へ向かい、袁術の元へ向かおうとしたのだが、

 

呂布などの武官が行っては袁術が怖がって会ってくれないだろうということで、交渉には、陳宮と北郷の二人で行くことになった。

 

 

 

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【揚州、寿春袁術居城】

 

 

 

袁兵「失礼します!呂布軍の陳宮が謁見を願い出ております。いかがいたしましょう?」

 

袁術「な!ちんきゅーじゃと!?やはり生きておったか!まさか妾を殺しにきたのかの!?」

 

 

 

袁術は玉座から立ち上がり、プルプルと体を震わせている。

 

 

 

張勲「呂布さんは一緒じゃないんですか?」

 

袁兵「は、どうやら護衛は一人のようなのですが、これが妙な男でして」

 

張勲「妙な男?」

 

袁兵「は、見たこともないような服を着ておりまして、大きな風呂敷を背負っております。ですが武装をしておりません。

 

おそらく護衛というよりも文官か付き人かと」

 

 

 

風呂敷の中に武器を隠しているとも考えられなくはないが、兵の話しぶりから、そういう感じでもなさそうである。

 

 

 

張勲「なるほど、こちらに危害を加える気はない、ですか」

 

袁術「どうするのじゃ、七乃?」

 

 

 

未だ袁術は玉座から立ち上がったまだプルプル震えたままである。

 

 

 

張勲「まあ、話を聞くぐらいならいいんじゃないですか?上手くいけばまた利用できますよ♪」

 

 

 

張勲は袁術を見て、なぜかデレデレしながら適当な感じで言った。

 

 

 

袁術「おー!さすがは七乃じゃな!」

 

 

 

しかし、そんな張勲の適当な助言に感動している袁術。張勲を見る目は尊敬のまなざしで輝いている。

 

 

 

張勲「それじゃあ通しますね、美羽様♪」

 

袁術「うむ、よきにはからえ!」

 

 

 

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袁術の兵についていき、陳宮と北郷は玉座へと入室し、跪いた。

 

 

 

陳宮「謁見のお許し、感謝しますです」

 

袁術「うむ、くるしゅうない。おもてを上げよ」

 

 

 

北郷は顔を上げて改めて周りを見た。玉座には金髪幼女が座しており、その隣にはスチュワーデスっぽい服装をした女性が控えていた。

 

 

 

北郷(あの玉座に座った女の子が袁術で、その隣は・・・袁術と言えば、紀霊か、あるいは張勲?ていうかまたか・・・)

 

張勲「今日はいったい何の御用ですか〜?恨み言でもいいに来たのですか〜?」

 

 

 

張勲は笑顔で陳宮を挑発した。

 

 

 

陳宮「いえ、あの状況で我らを見捨てない方がどうかしてるです。あの時のことはもう忘れるです」

 

 

 

しかし、陳宮は張勲の挑発には乗らず、無難に返す。

 

 

 

袁術「まさか本当に呂布一人で何とかしてしまうとはの〜」

 

 

 

袁術はうんうんとうなずいて、別に自身の配下でもないのになぜか得意げになっている。

 

 

 

張勲「では、今日はいったい何の用ですか?」

 

 

 

張勲も挑発をやめてまともに話を聞いてくれそうなので、陳宮は早速本題に入った。

 

 

 

陳宮「今日は袁術殿にお願いがあってきたのです」

 

袁術「願い・・・じゃと?」

 

陳宮「これから我らは西へ行こうと思っているです。ですので、そのための路銀と食糧を賄って欲しいのです」

 

袁術「なぜ妾がお主らのためにそのようなことをしないといけないのじゃ!」

 

張勲「そうですよ〜、あの時の協定だって、下?という限定的なものだったはずですよ〜。忘れたわけではありませんよね〜?」

 

 

 

袁術の憤慨に張勲も同調した。しかし陳宮は怯まず話を続ける。

 

 

 

陳宮「もちろんその協定によって、という訳ではないです。一刀殿」

 

 

 

陳宮に呼ばれた北郷は、ようやく出番か、と背負っていた風呂敷を広げ、中から一つの壺を取り出した。

 

 

 

張勲「それは何ですか?」

 

 

 

張勲はあからさまに怪訝そうな顔をして尋ねた。

 

 

 

陳宮「蜂蜜の詰まった壺です」

 

袁術「なんと!その壺にはちみつが詰まっておると申すのか!?」

 

 

 

蜂蜜という単語を聞いた瞬間、袁術の目の色が変わった。

 

 

 

陳宮「はいです。壺一杯に詰まった極上の蜂蜜です。味は保証しますです」

 

 

 

袁術は陳宮が話している間にてててと壺に近づき、何の警戒心もなく無造作に蓋を開けて味見をした。

 

 

 

張勲「ちょ!袁術様!毒味もしないで!」

 

袁術「んん!!??」

 

 

 

袁術は壺の中の蜂蜜を指ですくって口に入れると、固まって動かなくなってしまった。

 

 

 

張勲「お嬢様!!」

 

 

 

そして、張勲が袁術のもとに駆け寄ろうとしたその瞬間、

 

 

 

袁術「ん〜〜〜〜〜まいのじゃぁ!!間違いなくはちみつじゃぁ!!」

 

 

 

袁術は手をべたべたにしたまま心底幸せそうな顔をして固まっている。

 

 

 

張勲「もう!心配させないでくださいよう♪」

 

 

 

張勲は文句を言いながらも、なぜかデレデレした表情を浮かべている。そんな二人の様子を唖然と見ていた北郷とは裏腹に、

 

陳宮は馴れたこととばかりに無視して話を続ける。

 

 

 

陳宮「もちろん、タダで路銀や食料を願うわけではないです。今日は交渉に来たのです。もし路銀や食料を賄ってくれるのであれば、

 

喜んでこの蜂蜜を献上するです」

 

袁術「うむ!わかったのじゃ!路銀や食料はまかなってやるのじゃ!」

 

 

 

 

袁術はあっさりと二つ返事で承諾してしまった。意外?なことに張勲は袁術の行動に焦っているようである。

 

 

 

張勲「ちょ!袁術様!?いいいんですか?うちだってそんなに余裕があるわけじゃないのに」

 

袁術「妾はあの蜂蜜をもっと舐めたいのじゃ!じゃからいいのじゃ!」

 

 

 

袁術は胸を張って交渉成立を高らかに宣言した。気づけば張勲が通常モードに戻って?デレデレしている。

 

 

 

袁術「余裕がないのであれば、民から税を取れば済む話じゃ!」

 

 

 

その袁術の発言に北郷が反応したのを陳宮は見逃さなかった。頭をよぎるのは下?での曹操に対する北郷の行動。

 

北郷は自身の命を顧みず平気で言いたいことを言ってしまうきらいがある。

 

 

 

張勲「もう、まったく♪蜂蜜しか頭にないおバカさんなんだから♪よっ!極悪太守っ♪」

 

袁術「そうじゃろそうじゃろ!もっと妾を褒めるがよい!」

 

 

 

そして陳宮の懸念が的中する。

 

 

 

北郷「袁術さん」

 

袁術「何じゃ?」

 

陳宮「(一刀殿!いけませんぞ!袁術に物申したい気持ちは分かりますが、ここは堪えて―――)」

 

北郷「(大丈夫だよ、ねね。曹操のときみたいなことには絶対しない)」

 

 

 

小声で北郷を制止しようとした陳宮を同様に小声で制止し、袁術に対して言葉を続けた。

 

 

 

北郷「孫策には気をつけた方がいいですよ」

 

袁術「???」

 

 

 

北郷が言ったのはそれだけであった。

 

結局、袁術も張勲も北郷が何を言いたいのか理解できず、軽く流され、路銀や食料の量の交渉に移った。

 

 

 

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交渉も無事終了し、十分な量の路銀と食糧を手に入れた陳宮と北郷は、城から宿へと向かっていた。

 

 

 

陳宮「一刀殿、先ほど袁術に言っていたことはまさか・・・」

 

 

北郷「ああ、オレの知っている歴史では、近いうちに袁術は孫策に追い落とされる。たぶんオレの予想が正しかったら、

 

オレが介入しない限り、オレの知る歴史はそのままのような気がするんだ。黄巾賊だって失敗に終わってるみたいだしね」

 

 

 

この北郷の理論が正しいとすれば、仮に北郷が董卓が討たれる前にこの世界に来ていたならば、

 

今も董卓は討たれずに生きていたかもしれない。

 

そう思うと陳宮は複雑な気持ちにならずにはいられなかった。

 

 

 

陳宮「そうですか・・・。ですが、なぜあのような助言を?袁術は我らを裏切ったのですぞ?

 

それに、あの自分勝手で民のことを何とも思わぬ振る舞い、てっきりねねは、一刀殿があの時袁術に罵声でも浴びせるのかと・・・」

 

 

北郷「ははは、確かにあの発言を聞いたらカチンと来たけどね。でも、せっかく交渉がうまくいきそうなときに、

 

さすがのオレでもそんなことはしないよ」

 

 

 

けど、と一度間を置き、北郷はどこか寂しそうな表情で言葉を続ける。

 

 

 

北郷「なんだかあの子を見てると、まだ政治とかよくわかってないだろなって思ってさ。あのデレデレしていた人も、

 

袁術を名君に導こうとしているわけじゃなさそうだし。むしろやりたい放題させてるみたいだしね。

 

そんな何も知らない子が、時代の流れに巻き込まれて死んでいくと思うと、ちょっとね・・・」

 

 

 

陳宮は目を見張って北郷の話を聞いていた。

 

この人は、自分たちのことだけでなく、周りの人々の、まして自分たちを裏切った人物の心配までもするというのか。

 

そして、そう思うと同時に、北郷の人を惹きつけるものが、何なのか少しわかったような気がしていた。

 

 

 

陳宮「・・・はやく乱世を終わらせないといけませんな」

 

北郷「だな」

 

 

 

そして陳宮はこうも思った。

 

北郷は理想的な世界を夢見るため、どうしてもこの乱世で生き残るには心許ない。

 

だが死なせるわけにはいかない。

 

自身の知略を駆使して、呂布ともども北郷のことも支えたい。

 

そして北郷にも太平の世の姿を見せたい。

 

董卓が夢見た、みんなが幸せでいられる、そんな夢のような世界を。

 

呂布や高順、張遼らと共に・・・・・・。

 

 

 

【第六回 在野フェイズ:陳宮@・蜂蜜と熊と袁術と(後編) 終】

 

 

 

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あとがき

 

 

 

第六回終了しましたがいかがだったでしょうか?

 

なんか謁見シーンがデジャブな感じですが、それはひとえにstsの発想力のなさに起因します。

 

あと補足しておきますと、最後の方でねねが北郷に仕えるみたいな感じになってますが、

 

そういう訳ではありません。

 

基本恋への忠義が絶対で、あくまで一刀君のことも放っておけない、といったスタンスです。

 

もちろん、そこには複雑な感情が絡み合っているわけでありますが、、、

 

 

 

余談ですが、美羽ちゃんは良き保護者に巡り合っていたら絶対いい子に育っていたと思うのですがどうでしょう?

 

七乃さんェ・・・

 

 

 

それではまた次回お会いしましょう!

 

 

 

 

 

今回少し短かったのでこの後おまけがあります。本編とは雰囲気がかなり異なります。

 

いろいろ実験してます。かなりやってしまった感があります。

 

キャラ崩壊とか恐らくしてるかもです。stsを見る目が一層冷たくなるかもです。

 

別に読み飛ばしても支障はない話なので、興味のある方だけどうぞ、、、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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おまけ 第一回呂布軍女子会 〜陳宮編〜

 

 

 

「じょしかい?なんですかそれは?」

 

「なんか天の国にある、女だけで集まって飯食いながら男のいる前では話せんようなことを話し合う会らしいで」

 

「ですが、なぜ今この時にそのような話題を?」

 

「なんや、わからんか?アンタこの前は北郷とお楽しみやったみたいやんか♪」

 

「ぶぶぶ!!!な、何を言ってるですか!一刀殿とは何もありませんです!この前も話したです!!」

 

「そういえば、ねねはいつから北郷様のことを一刀殿と、下の名で呼ぶようになったのですか?」

 

「せやせや!確か天の国では下の名前は親しい間柄で呼び合うっちゅうことやったやろ?つまりは―――」

 

「・・・仲良し」

 

「れ、恋殿まで〜」

 

「もう観念しいや。あの時の話が色々事実を曲げとったことぐらい、ウチでも分かったで」

 

「仲間同士、隠し事はなしでしょう?」

 

「・・・恋も聞きたい」

 

「恋殿ぉ〜〜〜〜」

 

 

 

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「つまりは蜂に追いかけられ、ねね自ら川に飛び込むのを提案したのではなく、北郷様に抱えられて落ちたと」

 

「・・・さっきの話と全然違う」

 

「あ、あの時は少し焦っていたです!普段ならねねも同じことを思いついてたです!」

 

「だ・き・か・か・え・ら・れ・て♪」

 

「うるさいです霞!」

 

「まあまあそんなん言わんと♪ささ、今日の主役はねねやで!もっとぐぐっと飲みや!」

 

 

 

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「ほ、北郷様の、目の前で・・・は、はだ、はだ―――」

 

「違うです!!裸になったのは一刀殿!!ねねは茂みに隠れて一刀殿の上着を拝借してるです!!」

 

「ちょ!あかんであかんで!若い男女が二人っきりで裸の付き合いとか―――」

 

「だ〜か〜ら〜!!違うと言ってるです!!」

 

「・・・北郷の上着、温かかった?」

 

「それはもう―――って恋殿ぉ何を言わせるですか〜」

 

「好きな男の服を身に着け、あたかも抱かれているようなぬくもりを感じながら、は、この匂いは一刀殿の〜ってすまんすまん!

 

悪かったから酒樽投げようとせんとって!」

 

「・・・匂い?」

 

「霞!今の話詳しく聞かせてください!」

 

 

 

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「ほほう、素人にしては熊を相手にやるなあ」

 

「・・・北郷は、魏続相手に勝ったことがある」

 

「まったくれす・・・ヒック、ねねはびっくりしたれす」

 

「ねね、少し飲みすぎではありませんか?」

 

「何言ってるれすか!今日はねねが主役れす!ヒック、まらまら飲むれす〜!」

 

 

 

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「だ、だだだだだだだ、抱きし、抱きし―――ゲホゲホ」

 

「・・・なな、落ち着いて」

 

「恐怖で泣き腫らす少女を優しく抱きすくめ、耳元で愛の言葉をささやく。北郷一刀、末恐ろしい奴や」

 

「愛の言葉なんか囁かれなかったれす!!」

 

「お?なんやねね、残念そうな顔してからに」

 

「霞!愛の言葉とは何ですか!?」

 

「そらもちろん―――」

 

「わーわーわーれすーーー!!!!」

 

 

 

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「若い男女が真夜中寝床を共にする・・・あかん!こっちまで恥ずかしゅうなってきた―――って、

 

ななには少し刺激が強すぎたみたいやな・・・」

 

「・・・仲良し」

 

「寒さを凌ぐためのより合理的な策であったとほめてほしいくらいれす!!」

 

「ほんでどうなんや?あれから2,3日しかたってへんけど、もう好きって言うたんか?」

 

「だ、誰が言うれすか!!」

 

「ささ、もう一杯」

 

「・・・ねねは、北郷のことが好き?」

 

「す、好きではないれす・・・」

 

「え?なんやて?聞こえへんなあ」

 

「す、す・・・・」

 

「どうせ北郷は隣の部屋で寝てるって。絶対言わんから、ほら、言うてみ?どなんや?好きなんか?ああ、やっぱ嫌いなん―――」

 

「――――――――――――!!!!!!!!」

 

 

 

【第一回呂布軍女子会 〜陳宮編〜 終】

 

 

 

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あとがき2

 

 

 

さて、初めての試み「おまけ」いかがだったでしょうか?

 

つまりは本編で少し触れた陳宮の武勇伝無修正版を仲間(主に霞)に暴かれるというお話です。

 

書き方も実験的に「」の前の名前を排除したり、地の文がなかったりしています。

 

特に名前排除については、本当は本編でもそうしたいのですが、

 

人が増えると誰がしゃべっているのか書きわけられる自信がありませんので、

 

おそらく本編では今まで通りのスタイルになるかと。

 

あとななについて補足しておきますと、彼女は色恋に興味はあるが耐性が全くないといった性質があります。

 

なので、しつこく聞いてくるが聞いたら聞いたでテンパって自滅(気絶)というパターンを踏むことになります。あわれ、、、

 

それではアホな話を最後まで読んで下さりありがとうございました。

 

 

 

また次回お会いしましょう!

 

 

 

 

 

こういう話を想像するのが結構好きだったり 汗

 

説明

お久しぶりです。相も変わらずスロー投稿で申し訳ないです。。。

そもそも前回の話で拠点フェイズとしては完結しているのですが、これは在野フェイズ。

一刀君たちには前に進んでもらわないといけないためこの話がくっついております。

雰囲気は本編みたいですすみません、、、

さあ美羽ちゃんとの交渉は成立するのでしょうか、、、!



それでは我が拙稿の極み、とくと御覧あれ・・・


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コメント
>XOP様 ご指摘ありがとうございます!同じミスしてる、、、(sts)
一つ返事で→二つ返事(XOP)
>美羽から食料と路銀…  益州までまだまだですからね〜(sts)
>ほのぼのな感じになった女子会  個人的にこういう雰囲気大好きなんですよね(sts)
美羽から食料と路銀手に入れたがこれからどこに向かうのか(兎)
ほのぼのな感じになった女子会(黄昏☆ハリマエ)
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