超次元ゲイムネプテューヌmk2BURST
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時は過ぎ、翌日。シンヤは一人でラステイション行きの電車の中にいた。

 

なぜ一人かと言うと、昨日ネプギア達のパーティから一時的に離脱したからだ。また、離脱した理由であるが、シンヤがある物を入手したかったからである。

 

そのある物を入手するのに時間が掛かると思った為、シンヤはプラネテューヌに滞在していたのである。ならばネプギア達も共に滞在すれば良かったのではないかという話になるのだが、血晶の事もあるのであまり時間を無駄にしたくないシンヤはネプギア達に先にラステイションに行き、そこで情報を集めるように指示を出したのである。

 

ネプギア達はそれを承諾し、ラステイションに向かったのである。そしてネプギア達と別れた後、プラネテューヌの教会で榊と通信し、ある物を送ってもらうよう頼んだ。本来なら大分時間が掛かる筈だったのだが、なんとたったの30秒で終わってしまったのだ。

 

博士があらかじめそれを纏めておいたのだろうか……と思う事もあったが、シンヤは予想よりも早く目的の物を入手できたので、ラステイションへ向かおうとした時、イストワールから緊急の依頼を受けた。その依頼とは、未確認モンスター……いや、アラガミの討伐である。

 

そのアラガミとは、両手に顔を模った巨大な盾を持ち、騎士のような鎧を身に纏ったサソリ型のアラガミ―――――ボルグ・カムランであった。なんでもボルグ・カムランは突如バーチャフォレストに出現し、活発な捕食活動を行いながら街に進行して来ているとの事だ。幸い、そこまで街には接近しておらず、速攻でシンヤに討伐され事なきを得た。

 

討伐も完了し、いざラステイションへ向かおうとした時、運が悪い事にモンスターの討伐依頼が入ってきたのだ。通常ならそんな依頼、直ぐに終わるはずだったが、その討伐対象がバーチャフォレストとその最深部のモンスター全て……つまり、一掃依頼だったのだ。本当は断りたかったのだが、断り切れずに依頼を受けてしまい、さらに時間が掛かってしまったのである。そして一掃が終わったのは日が沈みきったころであり、結果プラネテューヌで一晩を過ごし、ラステイションに向かうのが一日遅れてしまったのである。

 

と、昨日のドタバタを思い出している内にラステイションに到着したようだ。シンヤは黒いケースを片手に街へ向かった。

 

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街に到着したシンヤの目に入ってきたものは、所々に点在する教会の職員達であった。しかもその全員が警察官のように簡単な武装をしているのだ。何故こんなことを?と一瞬疑問に思ったが、ネプギアから説明されたことを思い出した。

 

その内容は、ラステイションは朝早くからしっかりとした対策がされており、四大国の中で一番被害が少ない、と言われていたので、対策とはどのようなものなのだろう、と疑問に感じていたが、この光景がそれのようだ。

 

(……なるほど、教会自らがマジェコンの販売防止に努めているという訳か)

疑問も解決したところで、ネプギア達と合流する場所に向かおうとした時、ある人物が職員達に指示を出しているのを発見した。その人物は、黒いワンピースの様な服を着て、黒い髪をツインテールにした少女―――――ユニであった。

職員達はユニから指示をもらい、皆それぞれの持ち場に向かっていった。ユニはその職員達を少し見た後、ため息をつく。すると

 

「よぉ」

 

「!?」

いきなり背後から声を掛けられ、慌てて後ろに振り向き身構える。そこには、先日会ったばかりのシンヤが立っていた。

 

「そう警戒しなくてもいいさ。俺はお前に何もするつもりはないさ」

 

「……何しに来たの?」

警戒を解くように促したのだが、それを無視し目的を聞き出そうとする。

「俺はここに用があったから来ただけさ。……ま、それはそれとして」

と、言葉を区切ると

 

「先日はすまなかったな」

いきなりユニに頭を下げてきた。

 

「え!?ちょ、ちょっと!アンタ何してんの!?」

いきなりの事態に困惑し警戒を解いてしまったユニ。それを無視し続ける。

 

「言ったろ、先日はすまなかったって。お前に不快な思いをさせてしまったから、それの謝罪だよ」

 

「えっ!?あ、あの事ね。あれは、もう過ぎた事だから、気にしなくてもいいわよ……」

後ろめたそうに、ユニは答える。

実はネプギア達と別れた後、ユニは何故あんなことを言ってしまったのだろう……と、自分の発言に激しく後悔していたのである。

 

「本当に気にしてないのか?」

 

「え?な、何言ってるのよ。そうに決まってるじゃない……」

 

「違うな。多分お前はネプギアに謝ろうと思っている……そうだろう?」

 

「なっ!?ち、違うわよ!そんなこと……」

だが、ユニの考えを即座に否定する。

 

「思っている。何故なら、お前はネプギアの力を認識しているからだ」

 

「……!」

ピクリ、とユニが反応する。

 

「お前はあの時、三年前に連れて行かれなかったと言ったな。戦いに挑むのなら、その時点での最高の戦力で向かうのが普通だ。だが、お前は連れて行かれなかった。何故か?それはネプギアの方が強かったからだ。だがお前は納得できなかった。何故自分を連れていってくれなかったんだ……そうだろう?」

 

「…………」

シンヤの問いに、ユニは答えない。

 

「だが結果として、女神達は敗北し、ネプギアも囚われの身となった。その事はお前も理解していただろう。そして、お前はこう思っただろう。姉達が負けるはずがない。負けたのは、ネプギアのせいだ。自分を連れて行ってくれれば勝てたはずだ……とな」

 

「…………」

 

「そして三年後の今。お前はネプギアに三年間の思いをぶつけた。何故自分ではなくネプギアが選ばれたのか、自分が行っていれば勝てたかもしれないのにとな。だがそれはお前の主張に過ぎない。仮にお前がその場にいたとしても勝てる見込みは無かったはずだ……違うか?」

 

「……たしかに、アンタの言う通りよ」

無言だったユニが反応した。

 

「アタシは、ネプギアに嫉妬してた。ネプギアの方がアタシよりずっと強かった。だからあの時も連れて行ってもらえた。でも、アタシは認めたく無かった。だからアタシはあんな事を言ったの。でも、アタシが悪いって気付いて、すぐに謝ろうって思ったの。でも、ちゃんと謝れるかどうか不安で……」

 

「……そうか」

ユニの話を聞いていて、シンヤはある事を思っていた。

 

(やっぱりこいつは、アリサに似ているな)

実はアリサも、同じような体験をしているのだ。アリサは極東支部に転属になってから初めての頃は高飛車の性格が災いしてか、周りと衝突してばかりだった。ところがアリサは一時期幼少期のトラウマを掘り返され、戦線を離脱していたのだ。そして戦線に復活した後、アリサから今まで迷惑をかけた人たちに謝りたいのだが、うまく謝れないのでどうすればいいかだろうか。と、同じような相談をされたのだ。そこで、シンヤはこう答えた。

 

「普通なら勇気を出して謝るのが良いんだがな。でも、どうしても駄目だって言うのなら、行動で示したらどうだ?」

 

「行動で、示す?」

首を縦に振り肯定する。

 

「あぁ。例えば相手が欲しがっている物をプレゼントしてそれと同時に謝るとかな」

 

「……そういう手もあるのね」

 

「ま、方法の一つだな。……おっと、そろそろ行かないと間に合わなくなるな。まぁ、応援しているよ。じゃあ、またな」

ユニに別れを告げ、シンヤはネプギア達との合流地点に向かった。

 

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そして、残されたユニはと言うと……

 

「……ネプギアが欲しがってる物……何だろう?」

と、ネプギアが求めている物を必死で考えていた。だが、一向にそれが思いつかなかった。

 

「ゲイムキャラの情報を欲しがってたけど……アタシもよく分からないし……って、ゲイムキャラ?」

そして、ここである事を思い出した。それは、ネプギアがゲイムキャラの情報を得るために素材を集めているという情報だった。(ケイの会話をちょっとだけ聞いていた)

 

「そういえばアイツ、宝玉と血晶ってアイテムを探していたわね……。なら、それを渡せば……。うん、そうと決まれば、早速行動よ!」

 

と、速足でどこかへ去って行った。

説明
更新が遅くなり申し訳ありません。また、安定の駄文です……。

第十一話 素材集めその3 ユニの気持ち
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