英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 540
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〜星見の塔〜

 

星見の塔付近まで来たロイド達だったが、近くに警備隊の車両が止まっている事に気付き、車両の近くにいる警備隊員に事情を聞く為に近づいた。

「う〜ん…………一体、誰の仕業なのかな……?こんな場所に入る物好きなんていると思えないんだけど……」

警備隊員――ノエルは扉の前にある壊されたバリケードを見て考え込んでいた。するとその時

「おーい!」

ロイド達がノエルに近づいてきた。

「……あなたたちは……」

「やっぱり君だったか。」

「はは、妙な所で会うもんだな。」

「ロイドさん、ランディ先輩?エリィさんにティオちゃん、セティさん達まで………」

「ご無沙汰しています、ノエル曹長。」

「その節はどうも……」

「こんにちはー!」

「フフ、おかしな所で会いましたね。」

「……お久しぶりです。」

驚きの表情で自分達を見つめるノエルにエリィ達はそれぞれ会釈をした。

 

「ふふっ、お久しぶりです。ところで……どうしてこんな所へ?あまり人が立ち寄る場所じゃないと思うんですけど……」

「ああ、少し事情があってね。それより、そこのフェンスはどうしたんだい?」

「その、どうやら何者かによって破壊されたみたいなんです。元々、この塔は危ないから警備隊が封鎖してたんですけど……あたしも定期巡回していてちょうど発見したばかりで。」

「そうだったのか……」

「このタイミングで破壊されたフェンスか……十中八九、犯人は見えたな。」

「そうね……」

「???」

「えっと、実は……」

ロイドは仲間達の会話で首を傾げているノエルに仲間達と共にこれまでの経緯をかいつまんで説明した。

「カルバードの東方人街からやって来た暗殺者……!?」

説明を聞いたノエルは表情を厳しくして声を上げた。

「ええ……そうなんです。その人物から、この塔で待っていると伝言を受け取って……」

「これでダメ元で調べに来たんだけど……どうやら本当に待ち受けているみたいだな。」

「は〜、街ではそんなことが………それで、どうするんですか?」

「まさか本当に誘いに乗るんじゃないですよね?」

「いや……あえて乗ってみるつもりだよ。」

「え、で、でも………相手は危険な犯罪者なんでしょう?どんな罠があるかもしれないし……何だったら副司令に頼んで警備隊から応援を……」

ロイドの言葉を聞いたノエルは驚いた後提案しようとしたが

「いや、相手は相当なプロだ。下手に大部隊を動かしたら感づいて逃げられるだろう。ここは少人数で行くのが正解だぜ。」

「そ、それは……そうかもしれないですけど。」

ランディの説明を聞いて、考え込んだ。

「……わかりました。だったら止めません。その代わり……あたしも助太刀します!」

「ええっ!?」

「で、でも……いいんですか?」

そして考え込んだ後提案したノエルの言葉にロイドは驚き、エリィは戸惑った様子で尋ねた。

「一応、この塔の管理はクロスベル警備隊の仕事ですし。皆さんだけを危険な目にあわせるわけには行きません。それに、いつもフランがお世話になっているみたいですし……ノエル・シーカー曹長、全力で皆さんをサポートします!」

「う、うーん……妹さんの事は、むしろ俺達が世話になってるくらいなんだけど。」

「ま、いいんじゃないか?腕は立ちそうだし、ここは手を借りておこうぜ。」

「そうですね。バックアップがいればわたしたちも助かりますし。」

「問題は”銀”が警備隊員を警戒しないかぐらいだけど………一人なら大丈夫じゃないかしら?」

「……そうだな。ノエル曹長―――よろしくお願いするよ。」

「ええ、こちらこそ!」

ロイドの言葉にノエルは力強く頷いた。するとその時

 

「フフ……面白そうね……私も混ぜてもらってもいいかしら?」

女性の声が聞こえた後、肌を大胆に見せ、まるで水着のような大胆な衣装を着ている夕焼けのような色の赤髪の女性がロイド達に近づいてきた。

「「え………」」

女性を見たエリィとティオは驚きの表情で女性を見つめ

「うっ………」

「す、凄いですね……よくあんな格好ができますね………」

「おおおおっ!?な、なんて大胆な女性だ……!それに……顔やスタイルも良い!!」

ロイドとノエルは肌をふんだんに見せている女性を見て顔を赤らめたり驚いたりし、ランディは声を上げた後興奮した様子で女性を見つめ

「貴女は……!」

「……どうして貴女のような方がここに……」

「うわ〜!久しぶりです!」

セティとエリナは驚きの表情で女性を見つめ、シャマーラは嬉しそうな表情で女性に話しかけた。

「あら?貴女達、どっかで見たような……?」

一方話しかけられた女性は首を傾げてセティ達を見つめ

「―――ウィルフレド・ディオンとセラヴァルウィ・ディオンの娘、セルヴァンティティ・ディオンです。皆さんからは愛称でセティと呼ばれているので、以後私の事はそうお呼び下さい。………あの時はユイドラに加勢していただきありがとうございました。」

「同じくウィルフレド・ディオンと睡魔のシャルティ母さんの娘のシャマーラ・ディオンです!」

「……ウィルフレド・ディオンとウィルフレド・ディオンの”使徒”の一人、”権天使”メロディアーナの娘、エリナ・ディオンです。―――お久しぶりです、カーリアン様。」

見つめられたセティ達はそれぞれ自己紹介をして、女性―――カーリアンを見つめた。

「ああ〜、ウィル達の子供達か!道理で見た事あると思ったわ。」

セティ達の名前を聞いたカーリアンは納得した様子で頷き

「えええええええっ!?あ、貴女があの………!」

(あら……噂に聞く”戦妃”とまさかこんな所で出会うなんて……)

カーリアンの名前を聞いたロイドは大声で驚いた後、信じられない表情でカーリアンを見つめ、ルファディエルは意外そうな表情をしてカーリアンを見つめ

「なんだ、知っているのか?」

「……どこかで聞いた事があるような気がするんですけど………」

ロイドの様子を見たランディは尋ね、ノエルは考え込んでいた。

 

「………ああ。―――メンフィル帝国、前皇帝にして現メンフィル大使、”英雄王”リウイ・マーシルンの側室の一人―――”戦妃”カーリアン……!」

「なっ!?あ、あの精鋭揃いのメンフィル帝国の中でも1,2を争う実力を持つとも言われる武将ですか!?」

「ハアッ!?なんでそんな大物がこんな所にいるんだよ!?」

そして真剣な表情でカーリアンを見つめながら言ったロイドの話を聞いたノエルとランディは驚いた後、カーリアンを見つめた。

「フフ、自己紹介は必要ないようね♪……それにしても……懐かしい顔がいるじゃない♪」

一方見つめられたカーリアンはウインクをした後、ティオに視線を向け

「……どうも。……というか何故、こんな所に貴女がいるんですか?」

ティオは軽く頭を下げた後、静かな表情で尋ねた。

「ええっ!?」

「ティ、ティオちゃん……まさか、カーリアン様とお知り合いなの!?」

その様子を見ていたロイドは驚き、エリィは信じられない表情で尋ねた。

「……ええ。ある”特殊な事情”でしばらく共に行動した事があるんです。」

(ま、また……)

(い、一体どんな事情なのか、本気で気になるんだけど……)

(マジで知りて〜!)

そしてティオの説明を聞いたロイドは苦笑し、エリィは表情を引き攣らせ、ランディは真剣な表情でティオを見つめた。

「フフ……ティナが生まれ変わったとかいう人間がウルスラ病院で働いているって聞いてね、その娘に会いにいってたのよ♪」

(ティナ……?生まれ変わり……?一体何の話だ……?)

カーリアンの説明を聞いたロイドは不思議そうな表情でカーリアンを見つめていた。

「―――なるほど、”あの人”ですか。……ですが、何故ここに?ここは街道から外れた場所ですが………」

「ただの暇つぶしよ♪この辺の魔獣達は弱すぎて話にならないし、たまたま目に入ったその塔にもちょっと興味が出てきてね。こうして来たって訳♪それで貴方達がカルバードの伝説の暗殺者とやらに会いに行くって話が聞こえてきてね。面白そうだからお仲間に入れて貰おうと思って、声をかけたのよ♪」

「ええええええっ!?」

「ほ、本気なんですか………?」

カーリアンの話を聞いたロイドは声を上げて驚き、エリィは信じられない表情で尋ねた。

「勿論よ♪……ん?貴女の顔………どっかで見た事があるような……?」

尋ねられたカーリアンはウインクをした後、エリィの顔をじっと見つめて考え込み

「……き、気のせいではないでしょうか………?」

見つめられたエリィは冷や汗をかいて苦笑しながら言った。

 

「ん〜……ま、いっか。それで?仲間に入れてくれるのかしら?」

「え、えっと………」

そしてエリィの言葉を聞き、頷いたカーリアンはロイドに尋ね、尋ねられたロイドは戸惑った後仲間達を見回し

(……どうする?俺は銀と戦う事も考えれば、あの”戦妃”が共に戦ってくれたら心強いし、賛成だけど……)

小声で仲間達にカーリアンを加えるか尋ねた。

(あたしは皆さんの判断に任せます。)

(俺は勿論、賛成だ!逆に聞くがあのお姉さんのどこに不満要素がある!?)

(……私も賛成。”銀”が警戒しないか心配だけど……まさかあの”戦妃”がこんな所に来るとは思わないでしょうし。)

(わたしも賛成です。あの人がいれば、冗談抜きで百人力ですし。というか断った所で、絶対に付いてきますよ、あの人の場合。)

(私達も賛成です。あの人の力があればどれだけ心強いかユイドラを守った時に知りました。)

(うんうん!銀が襲い掛かってきてもへっちゃらだよ!)

(ええ。これほど心強い助っ人はいないと思います。)

ロイドに小声で尋ねられた仲間達はそれぞれ賛成の意を示した。

「……え、えっと……それじゃあ、お言葉に甘えてお願いします……」

仲間達の意思を確認したロイドは苦笑しながらカーリアンを見つめて言った。

「ええ。よろしくね♪後、私に対しては気軽な態度でいいわよ♪」

そしてカーリアンと初対面の者達は自己紹介をした。

「……ロイドにエリィ、ランディにノエルね。………ん?ランディだっけ?貴方のフルネーム、もう一度教えてもらえないかしら?」

ロイド達の名前を確認したカーリアンはある事に気付いてランディに尋ねた。

「俺ッスか?フルネームはランディ・オルランドッスが………」

「フーン……”オルランド”ねぇ………」

ランディのフルネームを聞いたカーリアンは考え込んだ後、興味深そうな様子でランディを見つめた。

「貴方………バルデルって名前の男、知らない?」

「!!!………何で………あの野郎の事を………」

カーリアンに尋ねられたランディは目を見開いて驚いた後、目を細めてカーリアンを見つめて小声で呟いた。

「ランディ、どうしたんだ?」

その様子に気付いたロイドはランディに尋ねたが

「いや……なんでもねえ。………いや〜、生憎ながら知らないッスね〜。だから、わからないッスね〜。」

ランディは誤魔化し、そしてふざけた様子でカーリアンを見つめて言った。

「フフ、そう……………それじゃ、行きましょうか♪」

ランディの答えを聞いたカーリアンは興味ありげな様子でランディを見つめて言った後、ロイド達に促し

「え、ええ。」

促されたロイドは戸惑いながら頷いた。

 

こうしてノエルとカーリアンを加えたロイド達は”星見の塔”の中へと入って行った………

 

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という事でついに!幻燐陣営からカーリアンが星見の塔限定ですが加入です!!ちなみにカーリアン登場時のBGMはVERITAの”英雄集結”、カーリアンがバトルメンバーにいる際のBGMはVERITAの”疾風怒涛”だと思って下さい♪本来メンフィル陣営のカーリアンは”我が旗の元に”が正しいのですが、放浪中なのでそちらの方がカーリアンのイメージにピッタリかと思いましたのでwwというか、気のせいかどうかわかりませんがこの物語の”銀”のキーワードのキャラはカーリアンに酷い目にあわされてばっかりのような(汗)………感想お待ちしております。

説明
第540話
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コメント
感想ありがとうございます。 本郷 刃様 まずレベルが違いすぎますもんねぇ(笑) THIS様 まあ、カーリアンの一撃ならよくて致命傷、最悪で一撃必殺になりますものねぇ(笑) さすらいのハリマエ様 つーか、ラスボスより強いですよ(大汗)(sorano)
ラスボスを仲間にしたって感じ(黄昏☆ハリマエ)
・・・ああ・・もうこの時点で相手終わった。(THIS)
カーリアン参戦、負ける要素無しww(本郷 刃)
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