恋姫無双 〜〜紅と蒼の悪魔〜〜 3−10話 |
注、この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」を私の個人的妄想により都合よく改変しております。
詳しくは1話を参照してください。
対戦相手が判明した瞬間、会場が大きく沸いた。
魏武の大剣として知られる夏候惇と、先ほどから美技を見せ付けているダンテの激突である。騒がないほうがおかしいだろう。
魏陣営
「…姉者」
「ああ、大丈夫だ」
心配そうな秋蘭に春蘭は笑って見せた。
「私は、華琳様の前で無様に負けるようなことはせん。たとえ、かなわずとも最後まで必ず食らいついてくれるわ!」
「その通りよ」
そう気勢を上げる春欄の華琳が近づき
「あなたは私の一番の剣よ。でしょう?」
「はっ!必ず、全力を尽くしてまいります!」
そう声をかけると、春蘭もまた返事を返して舞台へ降りていった。
店陣営
「おいおい、あいつは…」
「…どうしたの?」
なぜか固まっているダンテを不思議そうに見上げて恋が聞いた。
「いや、以前店で絡まれたときに叩きのめしちまってよ。ま〜た、やりずれぇ」
そう、頭をかきつつダンテが答えた。
「…春蘭は大丈夫」
「あ?」
「…春蘭はいつも強くなってる」
「…成長してるってことか」
「…(コクコク)」
恋は口数こそ少ないもののそう言った。
「…分かった。なら全力尽くさないとな」
そういって恋の頭をくしゃくしゃとなでると、ダンテはいきなり観客席から舞台に跳んで降りていった。
「…(サワサワ)」
恋はなでられた頭をそっと触ると、少し笑っていた。
「ふん、相変わらず派手なのが好きなのだな!」
「ああ、似合っちまうもんでね」
中央で二人は向かい合う。
今回の審判は真桜である。
「ほな、試合かいしぃ!」
しかし、二人は動かない。
「おっ?いつもなら突っ込んでくるのにどうした?こないのか?」
「………」
挑発をかねたダンテの言葉にも反応しない。
あまりに無反応なことに少し焦れたダンテが突っ込もうとした瞬間。
「!!?」
春蘭からとんでもないほどの殺気が出てきた。
「おいおい、これ並みの人間なら失神するだろ」
ダンテの言うとおり、観客からは気絶者が相次いで発生している。
各国の重鎮の中でも軍師等には顔が青くなっているものをいるし、武人でも一瞬とはいえ、闘気を発することで対抗していたりしていた。
「…それでも、貴様はなんともないのだな」
「まあな、兄貴のほうがコエエからな」
事実、兄弟のどちらかが対戦しているとき、もう片方に説明してもらうように休憩中に依頼されたため、現在実況席で地和の隣にいるバージルは特に気にした様子を見せていない。
「では、いくぞ!」
「ハッ!イカれたパーティの始まりだぜ!」
そして、春蘭はダンテに向かって突進。大上段からダンテへ思い切り七星餓狼を振り下ろした。
ダンテもリベリオンを思い切り振り上げて対抗。
そして、激突した。
互いにはじかれた反動はあったものの、それがより大きかったのはダンテだった。
やはり、もともとの剛力に加え助走+振り下ろしを下からカチあげるのは少々厳しかったようだ。それでも多少とはいえ弾いているのだから十分おかしいのだが。
「つあああああ!」
一方の春蘭は弾かれた勢いを利用しそのまま切り上げ、さらにもう一度切り上げを行おうとした。
それに気づいたダンテは一度目を上からリベリオンをたたきつけることで逸らし、その勢いで後ろにバック転をしてかわした。
そして、二度目を空振りした春蘭にスティンガーを敢行。一気に突撃をしようとした。
しかし、
「舐めるなぁ!!」
という叫びとともに、振り上げていた剣を膂力で強引に引き戻し、スティンガーの真正面から叩きつけたのである。
これには流石のダンテも意表を突かれたようで、突っ込む軌道をずらせずにそのまま衝突した。
一瞬の交錯で二人はあれだけの激しい攻防を繰り広げたが、二人はむしろ楽しそうにニヤリと笑っていた。
「ふっ、少しお前を舐めていたようだ。ここまで着いてくるとはな」
「当たり前だ!私は同じ相手に二度は負けん!」
「二度どころじゃ…」
「う、うるさい!」
そんなやり取りもどこかじゃれあいに聞こえる。
「あんなに楽しそうな姉者は初めて見ます」
「ええ、やはり強者との戦いは武人としての誉れなんでしょうね」
「さて、ぐだぐだやってても埒があかねえな。少しはついてきてるしギアを上げるか」
「ぎあ?なんだそれは…!?」
ダンテが目を閉じてそう言い、春蘭が聞きなれない言葉に首をかしげた。
その瞬間、ダンテから先ほどの春蘭とは異質のどこか底冷えする気配が漂ってきた。
会場にあふれたその気配は、やがてダンテに収束した。
そして、それが完全に収まりダンテが目を開けた瞬間。
今までと違う、紅い目をした魔人がそこにいた。
そう、春蘭は知らないはずなのに、なぜかその言葉がふっと出てきたのである。
あれは、人の形をした人外だと。
「どうした?こっから第二ラウンドだぜ?」
「…っ!」
ダンテの声もどこか先ほどとは違う気がした。
流石に、目までは見えないものの声が聞こえた時点で会場の人たちもダンテの異変に気がついた。
「なんじゃ?あの男、突然雰囲気が変わりおったぞ。それに何かが違う…?」
「そうね、春蘭ちゃんがあれだけ緊張しているのを初めてみたわ」
「お、お姉さま、あれ」
「ああ、あんな気配初めて感じたぞ。あれは人の纏える空気じゃ…!」
「わ、私のときはあれでも手加減されていたのか…」
「し、仕方ないの!むしろ、あんなの出されたらこっちは死にかねないの!」
か、華琳さま、あれは…」
「桂花ではつらいでしょうね。春蘭ですらあの様子じゃ…」
「な、なんなのこの気配…」
「ふむ、策殿の暴走とはわけが違いますな」
「…私でもあんなにはならないわよ」
「むしろ、姉さまがあんなになったら大変です」
「あんなん、初めて感じたわ!なんや、あれ!」
「私が知るか。私だって初めてだ」
「…恋も」
「え、詠ちゃん…」
「私だって、怖いわよ…」
「…あいつはホントに同じ人間なのかの?」
「何か、ヒデェこと言われてる気がするな」
「…当たり前だろう、今のお前を見たらな」
ダンテは飄々としているが、春蘭はそれに歯を食いしばって答えている。
少しでも気を抜いたら足から崩れそうなのである。
「ま、とっとと終わらせるか。行くぞ?」
「…こい!」
春蘭が自らを奮い立たせるようにそう答えた瞬間。
春蘭の目前からダンテが消えた。
「!?」
咄嗟の勘でその場を離れた春蘭の、まさにいた位置にダンテが上空から剣を振り下ろしていた。
しかも、着地後すぐにスティンガーで突撃。
春蘭の目に先ほどよりも紅い残像が見え、速度が上がって見えた。
気配に飲まれ、わずかに鈍くなっているが、それでも剣を自分の前に構えた。
しかし、次の瞬間
「ぐわっ!」
先ほどまでと違い剣に複数の衝撃を受け春蘭は吹き飛ばされた。
どうやら、高速で突きを連続で放たれたらしい。全く見えていなかった。
手に先ほどまでとは比べ物にならないほどの痺れが来ていた。
しかし、ダンテはまだ止まらない。
その場で剣を振りかぶると、次の瞬間振りぬいていた。
「!!」
紅い衝撃波が襲ってきたのを春蘭はあわてて回避した。
その回避した先にすべるように接近し、ダンテは高速の連撃を放つ。
春蘭は、なんとかはじき返すものの再びの突きの連打でとうとう剣を弾き飛ばされて、本人もまた飛ばされてしまった。
何とか立ち上がろうとするものの、手に力が入らないようでその手は地を滑っていた。
そこへダンテはゆっくりと近づき、やがてそっと首筋へリベリオンを突きつけた。
「「………」」
両者は何も言わず、お互いを見ていたが
「…私の、負けだ」
天を仰ぎ、悔しそうに春蘭が言った。
あとがき
どうも、作者のmorikyouです。
今回はいかがでしたか?
正直やりすぎました。
一応、解説をば。
春蘭ですが、普通のダンテさんの速度ならかろうじて捕らえられる位に成長しています。
練兵場などでの霞たちの鍛錬に付き合っていて、一緒に伸びていったわけです。
そして、今回ついにダンテさんがあれを使ったわけですが、
本人も言っていたとおり、今回は少しだけギアを上げているため
目の色が変わる
雰囲気が異質なものになる
程度の違いしかありません。
全力出すと姿も変わります。これはバージルと共通です。
今回は技もかなり使用しているので、描写が大変でした^^;
もっと、精進せねば…!
ということで今回はここまで。
次回は、ちょっとしたバージルからの解説をいれて次へ進みたいと思います。
それではお楽しみに!
説明 | ||
この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」の二次創作です。 作者の妄想成分が過分に含まれているので、ご覧になる際はこのことを頭の片隅にでも置いておいていただけたら幸いです。 |
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コメント | ||
>スターダストさん そっちのほうがカッコよかったのですが、なんかやりすぎな気がしまして^^; まあ、人間の格下相手に本気をだすのもどうかとw(morikyou) 個人的には「派手に行くぜ!」とか言って欲しかったなwww トリックスターのエアトリック、兜割り、ミリオンスタブ、ドライブ結構でてますねwww ついにデビルトリガー(プチ)キタwwさすがにまだ本領発揮と決め台詞は無いかwww(スターダスト) >月牙さん う〜ん、迷いどころなんですよ^^; まあ、いちおう手加減してますからねってことでひとつ おそらく、兄弟でぶつかったらそんなこといってられないんでしょうが(morikyou) >nakuさん まあ、彼女は一回武器折られてますしね 二回目はちょっときついかと(morikyou) 個人的な意見だともっともっと圧倒的な強さで周りを黙らせるくらいの勢いでやってくれると面白そう(月牙) |
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