英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 687
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〜雨・旧市街〜

 

「待てや、コラ。」

獰猛そうな声を聞いたロイド達が振り向くとヴァルドがロイド達を睨んでいた。

「あ……」

「ヴァルドか。」

ヴァルドを見たロイドは声を上げ、ワジは静かな表情で呟いた。

(えっと、この人は……?)

ヴァルドの事を知らないノエルはエリィに小声で話しかけ

(サーベルバイパーというチームをまとめている人だけど……)

話しかけられたエリィは複雑そうな表情で答え

(ロイド、彼は知り合いか?)

(……ああ。ただ彼が用があるのは俺達ではなく恐らく―――)

リィンに小声で尋ねられたロイドは静かに頷いた後答えたかけたその時

「ヴァルド、どうしたんだい?あんまりチームの方にも顔を出していないそうじゃないか。」

ワジは口元に笑みを浮かべて言った。

「……るせえ。俺のことはどうだっていい。それよりも、てめえ……サツの犬になりやがったらしいな?どういうつもりだ……アア?」

「どういうつもりも何も……テスタメンツのみんなは納得してくれたし、他の誰にも迷惑はかけていないけど?」

ヴァルドに睨まれたワジは静かな笑みを浮かべて答えた。

「てめえ……本気で言ってんのか?このオレ様と……ヴァルド・ヴァレスと決着付けずにチームを抜けようなんざ……許されると思ってんのか、アア!?」

「…………………………」

ヴァルドの叫びにワジは何も答えず

「ヴァルド、待ってくれ!」

「その、これには事情が……」

ワジをかばうかのようにロイドとエリィがヴァルドに話しかけたが

「やめとけ、2人とも。そいつの目にお前らは写っていない。言うだけ無駄だ。」

ヴァイスが制止の声をかけ

「し、しかし―――」

ヴァイスの制止の言葉を聞いたロイドは反論しようとしたその時

「るせえ!外野はすっこんでろ!」

ヴァルドはロイド達を睨んで怒鳴り

「ワジ、てめえがどんな狙いでサツに入ったのかは知らねぇ……だがな――――まさか五体満足で旧市街(ここ)から抜けられるとは思ってねえだろうなァ!?」

自分の武器を肩に担いでワジを睨んで怒鳴った!

 

「……!」

「くっ……」

「こ、困ったわね……」

「……………………」

ヴァルドの行動を見たノエルは厳しい表情をし、ロイドは唇を噛みしめ、エリィは溜息を吐き、エルファティシアは静かな様子で目を伏せた。

「―――ヴァルド。」

その時ワジは静かな表情で言った後自分から進んでヴァルドの正面に移動し

「お、おい、ワジ!?」

ワジの行動を見たロイドは焦った。

「いいから任せて。……ねえ、ヴァルド。ひどく当たり前のことさ。テスタメンツにしろサーベルバイパーにしろ……ずっと居られる場所じゃないのは君にもわかっているんだろう?」

「なにィ……!?」

そしてロイドを制したワジの言葉を聞いたヴァルドは驚いた。

「僕がテスタメンツを結成したのは旧市街(ここ)で好き勝手をしていた君達への抑止力になるためだ。だが、最初はひ弱だったテスタメンツのみんなも成長した。僕1人が抜けたって、君達に対抗できるくらいにね。僕の役目はもう終わってるのさ。」

「……て、てめえ………」

「そして……いつかきっと他のメンバーもチームから巣立っていくはずだ。モラトリアムの季節を卒業して自分だけの道を見つけて行く……僕はそう信じている。」

「ワジ……」

「ワジ君…………」

(これも”人”が持つ”優しさ”ですか、エルファティシア……)

(ええ…………)

「……………………自分だけの”道”…………」

ワジの説明を聞いたロイドとエリィはワジを見つめ、アルは小声でエルファティシアに話しかけ、話しかけられたエルファティシアは静かに頷き、リィンは複雑そうな表情をして考え込み

「…………………………」

ヴァルドは黙り込んでいた。

「君達サーベルバイパーも同じだ。乱暴者は多いけど、マフィアの誘いに乗らないだけの気概と根性を持っている。だからヴァルド……きっと君も道を見つけられるはずだ。」

そしてワジが静かな笑みを浮かべてヴァルドを見つめたその時

「……クク…………ハハハハハハハッ!!!まさかてめぇがそんな甘っちょろい事を抜かすとはなァ!もういい、それ以上喋るな!てめえはこの『聖域』を汚した!絶対に許すわけにはいかねえッ!!」

ヴァルドは不敵な笑みを浮かべて大声で笑った後ワジを睨んで叫んだ!

「そうかい……」

ヴァルドの言葉を聞いたワジは頷いた後構え

「おい、ワジ!」

ワジの行動を見たロイドは慌てたが

「止めてやるな、ロイド。今、ワジが1人でケリを付けるべきことだ。」

「局長……」

ヴァイスが制止し

「フフ、助かるよ。さすがは局長。話がわかるね。」

ヴァイスの行動を見たワジは静かな笑みを浮かべた。

「……もしこれから起こる戦いが問題になっても特務支援課のワジ一人を指名した”模擬戦”の支援要請という事で片付けといてやる。俺達に遠慮せず、存分に戦え。」

「……何から何まで感謝するよ、局長。」

「――ただし、絶対に手は抜くな。それがお前やその男を庇う条件にしてお前がその男にできる最後の礼儀だ。」

「ja(ヤー)」

ヴァイスの指示にワジは頷いた後ヴァルドを見つめ

「クク、そのくらいは判ってるみてぇだな……徹底的に叩き潰して地面に這いつくばらせてやる…………クク、そうすりゃてめぇも少しは目が覚めるだろ。」

ワジに見つめられたヴァルドは好戦的な笑みを浮かべて言った。すると

「―――お喋りは終わりだ。」

ワジは静かな表情で呟き

「あ……?」

ワジの言葉にヴァルドが眉を顰めたその時、ワジの足元からすざましい何かの気がさらけ出された!

「!?」

(これは……!?)

それを見たヴァルドとロイドは驚き

(…………どういう事かしら?とても人間が扱えるとは思えないような力が感じるわよ……!?)

(……何物だ、あの人間……!)

(あの”力”は一体……)

(かつて私が持っていた”神”の力とわずかながら似た雰囲気を持っていますが…………)

ルファディエルは目を細め、メヒーシャはワジを睨み、エルファティシアとアルは真剣な表情でワジを見つめ

「ヴァルド―――”本気で行くよ”。」

ワジはヴァルドを睨んだ後戦闘を開始した………!

 

 

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次回はプレイヤーの皆さんはご存知のワジ無双ですww……感想お待ちしております

説明
第687話
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789 742 2
コメント
感想ありがとうございます Kyogo2012様 まあ、なんせケビンと同じ”アレ”ですもんねぇ…… 本郷 刃様 ちなみに私はその場面の時のワジのパラメーターを見て噴きましたww THIS様 まあ、同じ何を考えているのかわからない同士ですしww(sorano)
ワジとヴァイスのやり取りが好きですWW。この二人・・結構仲がいいのか、それとも通じ合う者があるのやら・・。ヴァイスも器の大きさを見せましたね。(THIS)
お、ようやくワジが本気を出しますかw(本郷 刃)
うーーーむ。ワジってひょっとして、ランディのバーサーカモードより強いの?wと思うけど・・・・。(Kyogo2012)
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