【恋姫二次創作】死神の毒 拠点フェイズ 裏
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「偉い奴を呼んで来い!!じゃねぇと、このガキをぶっ殺すぞ!!」

 

三人組の盗賊は、街でも有名な飯屋の娘を人質にとっていた。

 

盗賊は最初、普通に飯屋に入ったのだが、飯屋の娘が遊んで帰ってきた瞬間に、娘の首に刀をあてた。

 

娘を取られた店主とその嫁は当然強気に出られず、盗賊が「離れろ!!」というのに従うしかなかった。

 

「『未来』を離してくれ、俺たちの娘なんだよ・・・」

 

「だったら、偉い奴呼んでこいっつんてんだろうが!!」

 

三人組のうちの一人の男が椅子を蹴飛ばす。

 

三人組に捕まっている少女は「きゃぁっ」っと脅えて、今にも泣きだしそうになっている。

 

椅子を蹴った盗賊は、ふと思い出したように言う。

 

「確か、ここで偉い奴は・・・公孫賛だったか?」

 

すると周りの人間は心の中でホッ、と安堵する。

 

きっと公孫賛様なら何とかしてくれる

 

この街に住む人間なら、誰しもそう信じていた。

 

そんな時に警邏隊と共に公孫賛がやってくると周りの人間は確実に安心しきっていた。

 

「私が公孫賛だ!!その子を離せ!!」

 

姿はヒーローのようで、子供ならば後日真似しそうなものである。

 

「おめぇが公孫賛か…、まぁとにかく今は近付くんじゃねぇぞ!!」

 

少女に刀をあてている盗賊が、公孫賛に向けて刀を強調させつつ叫ぶ。

 

「金だ、金と逃げるための馬を用意しな!!」

 

「当然三頭用意しろよ!!」

 

公孫賛は黙って頷き、警邏隊の三人ほどを馬と金を取りに行かせる。

 

「ふひひ、なんだかうまく行きそうっすね?」

 

「そうだな、思ってたより楽なもんだぜ。」

 

「………」

 

盗賊の二人は下衆な笑みをうかべるが、もう一人の盗賊は最初から無言のままだ。

 

公孫賛は盗賊を睨み続ける。

 

通常なら街の人間も焦りだすだろうが、まだ街の人間は安心している。

 

いや、むしろ今の状況の方が安心しているようにも見える。

 

「うひひ、金が手に入ったら「そこまでだ、下郎!!」グギィッ!?」

 

突然盗賊たちの後ろの窓から槍が一閃され、

少女を捕まえている盗賊は避けたが、

椅子を蹴飛ばした方の盗賊は槍に首を刎ね飛ばされ、喋っている途中の一瞬で絶命した。

 

「全員、賊を捕まえろ!!」

 

公孫賛が叫ぶのと同時に、警邏隊は盗賊を捕まえようと賊に近づく。

 

このままこの賊は捕まり、罰される。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

はずだった。

 

無口の盗賊は刀を抜き、一瞬で賊ごと少女を斬った。

 

少女の首を刎ねるまではいかず、首の中ほどまで刃が入り、動脈から大量の血液が外に溢れ出す。

 

捕まえていた盗賊の方は胸を斬られていて、肺に傷が達しているようで、全く喋れずヒュー、ヒューという呼吸音のみ発している。

 

的確に肋骨の隙間に刃を入れつつ、

そのまま少女の首を斬るという非常に難しい方法で二人を一瞬で殺した無口の盗賊に、

周りの人間や槍で賊の首を刎ねた少女、公孫賛に警邏隊のこの光景を目にした者全員が驚きによって、

時間が止まったように一瞬動きが止まる。

 

その隙を見て無口の盗賊は、槍を持った少女が入ってきた窓から飛び出し、逃走した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後、街の人間や捕まっていた少女の親は、公孫賛に対してどのようなことを思ったのか

 

自分たちが体を張って突撃して盗賊を捕まえようとしたのに、街の人間からあまりよく思われないであろう警邏隊の人間が、いったい何を思ったのか

 

賊の逃走を許し、完全に逃がしてしまった公孫賛は何を思ったのか。

 

誰も口にはしたくないものだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ただ今戻りました。」

 

「なかなかいい手際でしたねぇ。

 

普段は人質を助けられていたのに、

 

賊の二人も殺し、

 

少女こと人質も殺し、

 

盗賊の一人を逃がしたことで怒りを公孫賛へと向ける。

 

あのアホどもには嬉しい事になるでしょうねぇ。

 

まさに計画通り(ニヤッ)ですねぇ。」

 

「はっ、計画通りに進んだようで何よりです。」

 

「褒美として国に帰っていいですよ?

 

国には確か、新しく入った元ゴミ(賊)もいますから、表面上だけでも仲良くしておくように。

 

きっと今頃生きていたら誰かの下僕にでもなっているでしょうからね。」

 

「帰ってよろしいので?」

 

「えぇ、国の殆どの優秀な忍びを連れてきましたからねぇ。

 

貴方のようななかでも優れているような忍びは、国で力を蓄えてほしいのですよ。」

 

「蓄える……もうすぐ何かするので?」

 

「貴方が知るべきことではありませんねぇ。」

 

「出すぎた真似を申し訳ありません。」

 

「許します。分かったら行きなさい。」

 

「はっ、失礼します。」

 

「ケケッ、これからいったいどうなることやら。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
次回本編

ふと張三姉妹にジーニーが仲間になったらなんて事を思いついた今日この頃。
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コメント
nakuさん 確かにそれもいいかもしれませんね。でもまずは董卓連合あたりまで嫌がらせしつつ進めたいと思います。(ぺぺぺ)
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