東方:美鈴×咲夜
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「マスタアアアアァァァァ――――スパァァクゥゥッッ!!」

 

 聞き覚えのある女性の叫びに続き、轟音と粉塵に屋敷全体が包まれる。窓から門を見るが立ち昇る土煙に隠され状況を知ることはできない。ただ、後片付けがとても面倒だということはいつものことだ。

 そんなことを考えていると、土煙から勢いよく飛び出してきた一つの影が私の目に映る。箒に跨り空中を駆ける、黒いドレスに白のエプロン、トンガリ帽子を着用した可愛い魔法使いのいでたちをした少女は記憶を辿るまでもない、霧雨魔理沙だということを知らしめる。

 

 さて、お嬢様が当主として管理するこの紅魔館。その門には安易に人が入り込まないためと侵入者撃退のために門番がいるのだが……ハッキリ言おう、弱いのだ。

 

 門番としての役割を果たしきれず侵入を許してしまう彼女に深い溜息を吐き、私――十六夜咲夜は先回りをする。ほどなくやってきた魔理沙は私の姿を見るなり挑戦的な笑みを浮かべるが緊張の汗が頬を伝っているのが見える。そんな魔理沙に私も笑みを見せ、メイド長として存分にもてなす――。

 

   ○

 

「さて……」

 

 魔理沙に丁重にお帰りいただいたところで私は瓦礫と化した門へと近づく。侵入されるにしてもその度に壊されるのはいただけない。パチュリー様には今以上に壊れないように魔法をかけていただくようお願いするとしよう……。

 次も屋敷内に入り込まれるだろうとわかりきっていることを前提とした考えをしていたことに気づき苦笑する。

 

「それで、あなたは一体いつになったら、門番として立派に役目を果たしてくれるのかしら?」

 

 私の問いに答えるように瓦礫は震え、隙間から中国風の衣装を纏った女性が這い出てくる。

 

「あたたー……あ、咲夜さんこんにちは、今日もいい天気ですね〜」

「そうね。ところで美鈴? 空はこんなに快晴だけれど、私の心は大嵐に見舞われてるの。その理由はわかるかしら?」

「ひっ! す、すみません! 次は、次こそ追い払いますから!!」

「そのセリフを私はあと何回聞けばいいのかしら?」

「ちょっ、ちょっと咲夜さん! ナイフなんて取り出さないでください! ノー暴力っ!」

「……そうね。あなたへの罰は後に回しましょう。とりあえずはお嬢様が目を覚まされる前にここを元通りにしないといけないわね。美鈴、あなたも手伝ってくれるわよね?」

「はい喜んで!」

 

 反省のはの字もない元気な彼女につくづく呆れる。

 そんな彼女を存分に使った甲斐があり、日が沈みかける頃には門の修復作業は完了した。

 

「咲夜さん終わりました!」

 

 あれだけ動いたのにも関わらず、体力の底が見えない美鈴は忠犬のように駆け寄ってくる――が、足元が見えてなかったのか、段差に足を引っ掛けた美鈴はよろけ、バランスを崩したまま私に向かい――、

 

「あ」

「っ……!」

 

 支えを求める手は私の胸元に伸び、一気に引き摺り下ろす。絶句する私の下着から飛び出す二つの詰め物が飛び出す。転倒した美鈴の頭にぽふんと落ちた詰め物を手に取った美鈴は手にあるそれと私の胸を交互に見ながら、顔を青くしていく。

 

「あ、あの……咲夜、さん?」

「どうしたの美鈴? こんなのただの事故じゃない。気にすることなんてないわ。それより美鈴、時間はまだあるようだから、特訓でもしましょうか」

「いいいいいやいやいやっ!! いいですかつぉいっ!? なっ、ちょ、待っ! 本気で攻撃しないで――!!」

「あらあら、本気なんて欠片も出してないわよ。まだ十本だけじゃない――次は五十本いくわよ」

「いやああああぁぁぁぁ――っ!!」

 

 絶叫しながらも私が全方位から投げるナイフを、持ち前の洞察力と瞬発力、勘による回避もあるが避け続けることにつくづく溜息が零れ落ちる。

 

「どうして、これが本番で活かせられないのかしら?」

「こ、殺す気ですかっ!? ぬぉぉっ!!」

「殺す気でやらないと特訓にならないじゃない」

「怒ってますよね!?」

「怒ってないわよ」

「嘘だっ!!」

 

 二百本のナイフも避ける美鈴の必死な姿を見ているとゾクゾクするというか変な喜びが込み上げるのを感じながら、さらに数を増やしてみる。

 

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「その結果、唯一の門番を再起不能にしたってことなのね、咲夜?」

「申し訳ございませんお嬢様」

 

 華美になりすぎず他のインテリアと調和の取れた椅子に足を組んで座る子供と呼べる少女――紅魔館の当主、レミリア・スカーレットはからかいを含んだ紅い瞳を私に向ける。

 

「いいわ。そしてその門番は今どうしてるのかしら?」

「ただいま部屋で小悪魔が手当てをしています」

「全く……門番が門番ならあなたもあなたね。咲夜、罰として今夜は美鈴の世話をしてきなさい。あなたの代わりは小悪魔でも大丈夫でしょ」

「ですが、万一のことがありましたら――」

「大丈夫よ、侵入者が来たとしたら私が直々に遊んであげるわ」

 

 愉悦に笑うお嬢様にいろいろな不安があるが、決定を下した主にメイドとしてはこれ以上口を挟むことはできない。一礼してお嬢様の部屋を後にする。

 

「美鈴、入るわよ」

「え、咲夜さん?」

 

 部屋に入ると、ベッドに横たわっていた美鈴が目を丸くする。

 

「小悪魔。ここは私に任せてあなたは今夜はお嬢様のお世話をして頂戴」

「え、私が……ですか?」

 

 私の言葉に小悪魔の表情が凍る。気持ちはわかるけれど、私にはどうすることもできない。私ができることはただ一つ――生きてまた会えますようにと祈ることだけだ。

 

 処刑台の十三階段を登るかのような死んだ目をした小悪魔を見送った私は、怪我人とは思えない笑顔を浮かべている美鈴に言う。

 

「だいぶ具合はよくなったみたいね。これなら明日からまた復帰できるわね」

「はい!」

 

 もう少し痛めつけたほうがよかったかしら……。

 

「美鈴、何かしてほしいことはある?」

「そうですねぇ……でしたら、お腹がペコペコなので咲夜さんの手料理が食べたいです!」

「……お腹が空いただけ言えばいいでしょ。それじゃあ作ってくるから大人しく待ってなさい」

 

 本当に自由なんだから……。んー、風邪を引いてるわけじゃないけどお粥でいいかしら。賞味期限が切れそうなのがいくつかあったから美鈴に処分してもらいましょう。

 

「お待たせ」

「待ってました! 咲夜さんの手料理とても楽しみです!」

「静かにしなさい」

「にょぉ――っ! あっ、熱っ!! 熱いですから!! 咲夜さんの愛が熱すぎます!!」

「そうね、それだけあなたのことを思っているんだからこのぐらい耐えてみなさい」

「この愛は重すぎます――っ!!」

 

 たっぷり一分、おでこに熱々の鍋を押し付けて満足した私は美鈴に改めて差し出す。

 

「ところで、これって中華粥ですか?」

「そうよ」

「……私=中華なんですね」

「何を今さら、それがあなたの個性でしょ。いいから冷めないうちに食べなさい」

「ではいただきます。はい咲夜さん」

 

 食べるかと思いきや、レンゲを私に渡す。

 

「『あーん』して食べさせてもらえませんか?」

「喉奥まで突っ込むかもしれないけどそれでいいならいいわよ」

「咲夜さんにされるなら本望です!」

 

 訳がわからないわ……。

 

「して、くれないんですか……?」

「はぁ……しょうがないわね。今回だけよ」

「あざっす」

 

 私も小さい頃に母にこういうことをしてもらったな、と懐かしみながら、掬った粥を雛鳥のように口を大きく開けて待つ美鈴の口元に運ぶ。

 ちゅぶ、と啜る音と舌の動きがレンゲを通じて私にも伝わる。それは問題ない行為のはずなのに、あらぬ妄想をしてしまう。

 

「ん〜、やっぱり咲夜さんの料理は美味しいですね〜」

「そ、そう。それならよかったわ」

「どうかしたんですか?」

「何でもないわよ。ほら、口を開けなさい」

「はい喜んで!」

 

 尻尾が生えていたらぶんぶんと振っているんじゃないかと思うくらいの笑顔で口を開ける。

 

「そういえば咲夜さんはご飯は食べたんですか?」

「まだよ。あなたが眠ってから食べるつもりよ」

「それは駄目ですよ! ほら、咲夜さんも食べてください」

「いいわよ。これはあなたのご飯なんだからあなたが食べなさい」

「いいえ、駄目です!」

「頑固ね……あなた」

「それはこっちのセリフです。咲夜さんはもう少し人の好意を素直に受け取ることが必要です!」

「もう……食べればいいんでしょ食べれば」

「はい! では、咲夜さん、あーんしてください」

「子供じゃないんだから自分で食べるわよ」

「えー……さっきしてもらったからお返しにと思ったんですけど……」

「門番の役目を果たすことが私へのお返しになるわよ」

「うぐっ……言葉のナイフが……」

 

 わざとらしく胸を押さえている隙にレンゲと鍋を奪い食事を摂る。うん、我ながらいい出来ね。機会があったらお嬢様にも食べていただきたいわ……お嬢様のことだから『この私に○○みたいな食べ物を食べろと言うの?』なんて言いそうね。

 

「ごちそうさまです! また食べさせてください!」

「気が向いたらね。食事もしたことだしこれ以上はしてほしいことはないでしょ?」

「んー……あ、じゃあもう一つだけいいでしょうか」

「仕方ないわね……何よ?」

「一緒に寝てください!」

「それじゃあ私は帰るわね、おやすみ」

「これ以上ないくらいの優しい笑顔で拒絶しないでください!」

「して当然でしょ。何で一緒に寝なきゃいけないのよ」

「咲夜さんが好きだからです!」

「……それはライクの方かしら?」

「ラブの方です!」

 

 清々しい顔で言い切ったわね。

 

「……………………ねえ美鈴、この状況で告白される私の心境がわかるかしら?」

「さぁ、一夜を共に過ごしましょう!」

 

 人の話を聞きなさいよ。

 

「あのね……あなたのことは仕事仲間としては好意はあるけど、それだけよ。好きと言ってくれるのは嬉しいけどその気持ちに応えることはできないわ」

「――仕方ないですね。できればこういうことはやりたくなかったんですが……」

 

 そう言うと美鈴は私の服を掴み、

 

「え?」

 

 視界がぐるりと回転し、気づいた時にはベッドの上で美鈴に組み伏せられていた。

 

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「咲夜さんがいけないんですよ? 話そうと声をかけてもいつも素っ気ない返事だけで済ませて……私けっこう傷ついているんですよ」

「くっ……うっ!」

 

 時を止めようとするけれど、寸前で掴まれた腕をぎりぎりと締めつけられ、能力を使うのに集中することができない。

 

「あなた怪我してるんじゃないの!?」

「それくらい愛でカバーできます!」

 

 つくづくわからない生き物だ。

 

「下手に動かないでください。ずっと見てたので咲夜さんが時を止めようとするのがわかりますから」

「美鈴――んんっ、ふっ……んぅっ!」

 

 止めようと名前を呼ぶ私の唇が美鈴のそれと重ねられる。お嬢様が悪戯でたまにやる軽い口づけとは違い、私の口内に柔らかなものが侵入してくる。

 

「はぁ……んっ……ちゅっ、んむぅ……ちゅ、んぅぅ……」

 

 這い回る舌は執拗に私を責め立てる。知識でしか知らなかった私は受け入れることも拒絶することもできず、ただただされるがままとなってしまう。

 

「ちゅぅ……んむっ、ちゅ……ふっ……ぷはぁ……はぁ、はぁ……んっ……ふふ、咲夜さん凄く可愛い顔になってますよ」

「んんぅ……な、何するのよ……」

「何ってキスしただけですよ。あ、もしかして咲夜さん初めてなんですか? てっきりお嬢様としたかと思いましたけど」

「うううるさい! もういいでしょ、やめなさい!」

「嫌です。まだキスしかしてないじゃないですか、最後までやりますよ」

「うぅ……」

 

 美鈴にされるがままになっている自分が情けない。けど、先程のキスの時から火が点いたように身体中が熱くなり、考えがおぼつかない。

 

「それじゃあ、続きをしますよ」

「やっ、んん――っ!」

 

 私の返事を待たずに再び唇が押し付けられる。さっきよりも激しく私の中を駆け巡り、自分のものだと主張するかのようだった。

 

「んぅ……ちゅ、むぅ――ふっ! ん、ふぅ……はぁ、はぁ……んんっ」

「んふぅ――はっ、んぐぅ、むぅっ……んんっ! やっ、あぁっ!」

 

 キスだけでは飽き足らず、美鈴の手が私の服の中に潜り込み、素肌を直接触り始める。ひんやりとした彼女の熱は行為に蕩けつつある頭に新たな刺激を与えてくる。

 

「あは、咲夜さんのここ、硬くなってますね」

「ん、くぅ……い、言わないで……」

「普段はあんなに素っ気なくて強気でいるのに、こういったことは本当に弱いんですねー。お嬢様にも見てもらいましょうか?」

「だ、駄目っ!」

「冗談ですよ冗談。お嬢様の知らない咲夜さんは私だけが知っていればいいんです。さて、そろそろいい頃合ですかねー」

「ひぃっ! ん、あっ……い、嫌っ!」

「うわぁ、見てください。咲夜さんので指がこんなになっちゃいましたよ」

 

 下着を剥ぎ取り、誰にも触られたことのない秘部をあっさりと触れた美鈴は、性的な刺激により溢れ出る愛液を絡めた手をわざとらしく見せつける。羞恥心を与え、プライドを砕くという意味での行為であれば今の私には効果が強すぎる。

 今も冷静な志向を取り戻そうと努めるも効果はなく、逆に快楽に流されないよう自分を繋ぎ止めるのが精一杯だ。

 

「もっともっと気持ちよくなってくださいね」

 

 甘い声で囁くと、塗れた指先を再び秘部に這わせる。

 

「んっ――」

 

 くちゅりと淫水を交わる音にたまらず声が零れ落ちる。

 

「あぁっ、んっ、やぁっ……はっ、あぁ……」

「ほんの少し動いたのに咲夜さん感じすぎですよ……こんなに顔も赤らめて……じっくりとやりたいのに、これじゃあ私も我慢できないですよ……」

 

 獲物を前にした獣みたいに舌なめずりをすると、秘裂を触る動きを少しずつ早く、いやらしくしていく。

 

「んんぅ、はっ……あぁ、くぅ、んんっ! はぁ、あぁっ……はっ……やぁっ」

「あは、こういうことをしたいって、今まで想像してたんですけど、想像以上に楽しいですね……んっ、ふ、んはぁ……んむぅ……」

「ふっ、んんっ! ちゅ……ん、くぅぅ……ぢゅる……ん、ふぅ……ぷはぁ……はっ、はっ……胸ぇ……触るの、嫌ぁ……んむぅっ! ふっ! んっ、あぁっ!」

 

 秘裂だけでは飽き足らず、求める美鈴の手は私の胸を欲望のままに弄ぶ。堅く尖りきった芯を爪で引っ掻くたびに電気が走り、まともな言葉が返せなくなる。

 

 蜜壷をかき回す音、理性を失い本能のままに私を求める美鈴の悦びと、それを半ば以上受け入れてしまっている私の喘ぎ。二人の雌の臭いが室内を満たし、呼吸のたびに麻薬のように私という存在を溶かしていく。

 

「み……すずっ! ふっ、んんっ! あむぅ……ちゅっ、んく、んぅぅ……あぁっ!」

「んっふふ、咲夜さんのお○んこ、ビクビク震えちゃってますね。ってことはそろそろイッちゃいます?」

「んぶぅ……ふぇ? んはぁっ! はっ、はっ、は、あぁ……も、もうやめ――あぁっ!!」

「駄目ですよ」

 

 それまでより深く、蜜壷の奥に差し入れた指が与える衝撃に目の前が白黒に激しく点滅する。限界だと本能が最後の警告を発したと同じく、

 

「はっ、ひ、いぃ――ああぁぁっ!!」

 

 マグマのような熱い奔流に呑み込まれた私は激しく痙攣し尽き果てた。涙や鼻水、唾液でぐしゃぐしゃになった私は自分の今の醜い状況に軽く嫌悪感を覚えるが、私をこんな風にした張本人は子供のような無邪気に笑いながら、行為で汚れた手に付着した愛液を猫のように舐め取っている。

 

「…………」

「咲夜さーん、これで終わりじゃないですよー、ここからが本番ですからねー」

 

 いそいそと服を脱ぎ捨てる美鈴。露わになった裸身は武術を修めているだけあって無駄のない肉体であるが、筋肉が目立つなどといった女性の美を損ねる要素はなく、むしろ同性の私でもどきりとするほどにプロポーションが整っていた。

 

「うふふ。さぁ、咲夜さん一緒に気持ちよくなりま」

 

 本番を始める合図なのか、キスをしようと迫った美鈴の動きと言葉がそこで止まる。美鈴だけではない。この部屋の中を満たしていた匂いや音、時間に到るまでのいっさいが活動を『停止』していた。

 

「…………」

 

 危ないところだったけれど、美鈴が隙を見せたおかげでどうにか間に合った。

 

 弛緩しきった身体を無理矢理に起こし、美鈴の身体を拭くために用意していたタオルで自分の身体を拭き取り、乱れた衣服を正す。

 

 ふぅー、はぁー…………よし。

 

 呼吸を整え、常と同じ状態で動けることを確認した私は、今も『停止』し続けている美鈴に向き直る。

 

 全く……想ってくれるのは悪くはないけれど、こういう展開は嫌いなのよ。

 

 ――だから、

 

 取り出したナイフを、美鈴の頭上から足の先までありとあらゆる箇所に突き刺さるように配置する。

 

 ――罰はしっかりと受けなさい。

 

 そして時が動き出したと同時、美鈴の絶叫により今夜の愚かしい劇は幕を下ろした。

 

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「ん……?」

 

 青白く輝く月を眺めながら紅茶を啜っていたレミリアは眉を寄せた。

 

「あ、あのぉ……紅茶、美味しくなかった……でしょうか?」

 

 びくびくとしながら当主を窺う小悪魔にレミリアは視線を寄こし静かに答える。

 

「まあまあだけど悪くはないわね。今度咲夜に習いなさい。パチュリーも喜ぶと思うわよ」

 

 その言葉に小悪魔はほっとするも、気を抜くことはしなかった。

 

「全く……門番が門番なら咲夜も咲夜よね」

 

 ぽつりと呟いた言葉に小悪魔が首を傾げるが、お代わりを要求するレミリアに慌てて対応する。

 

 そんな彼女の様を眺めながら、さて咲夜をどうからかってやろうかしらと、紅魔館の当主は悪戯な思考を巡らせる。

説明
相方に二次創作書こうと思ってるんだけど何かお題を出してと言って、美鈴と咲夜、このシチュエーションをお題に出されたので。あまり二次創作のものは書かないからこれでいいのかどうか少し不安……。
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二次創作 東方 美鈴 咲夜 紅美鈴 十六夜咲夜 

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