【恋姫二次創作】死神の毒 始動 |
〜一刀視点〜
大勝利で初陣を飾った俺たちは、城の一角に部屋を与えられて、請われるままに公孫賛の下に留まっていた。
その間も盗賊討伐の日々は続き、最近では愛車と鈴々たちの武名やソウの知略を知らぬ者は殆どいないってまでの活躍をしていた。
歴史に名を残す人間って、スゴイんだなぁ……と心底感心してしまう。
ソウの名前は知らないし、なんで女の子になっているのかはいまだに謎だけど。
それも最近は特に気にならなくなってきた。
まぁ、こういうのもアリだな、なんて思えてきてるから、慣れっていうのは恐ろしい。
そんな平穏な日常を過ごしている俺たちと違い、最近の大陸の様子はどこかおかしい。
匪賊の横行
大飢饉
そして極めつけは疫病の猛威
暴力に晒され、慎ましく生きようとしても、その日食べる物にも困り、あげくに病に倒れる……となれば、人々の心が安定するはずもない。
暴乱は暴乱を呼び
暴力は暴力を招き
大陸全土は混沌とした空気に満たされていた。
その空気は、日々、重く重く圧縮され、人々の心に沈殿していく。
一日に起こるもめ事の数が増加し、刃傷沙汰も増え……達を警邏する兵たちにイライラが積もっていくのが肌で分かる。
ピリピリとした雰囲気が村を覆い、街を覆い、城を覆いつくし……その範囲が大陸中へと広がっていくのも時間の問題と思われたある日。
地方太守の暴政に耐えかねた民が、民間宗教の指導者に率いられて武装蜂起し、官庁を襲うという事件が起こった。
大陸の……それも地方で起きた事件。
官軍に鎮圧され、ことはそれで終わるかに見えたが、現実はそれほど簡単にはいかなかった。
鎮圧に向かった官軍が反撃を受けて全滅。
それをきっかけに、暴徒たちは周辺の街へと侵攻を開始した。
それはまるで蝗のような勢いだった。
あっという間に大陸の三分の一が暴徒たちに乗っ取られ、世は動乱の時代を迎える。
地方の反乱と多寡を括っていた漢王朝は、討伐軍全滅に接して狼狽し、驚愕し……そして最後に恐慌に陥った。
官軍は頼りにならず……と判断し、地方軍閥に討伐を命じたのは、つい昨日の話だ。
漢王朝からの命令を聞いたとき、俺の心の中で何かが音を立てたのを覚えている。
それは、俺たちの戦いを告げる鐘の音だったのかもしれない――。
「ごめん、遅くなった。」
侍女に連れられてやってきた玉座の間には、白蓮の他に星と愛紗や、ソウ、桃香に鈴々……と、仲間たち全員が既に揃っていた。
「休んでるところ悪いな。呼び出してしまって。」
「いや、構わないよ。それよりみんな揃って……なにかあったの?」
「北郷も、この城に朝廷よりの使者が来たのは知っているよな?」
「ああ、黄巾党を討伐しろって命令を伝えに来たんだろ?」
「そうだ。私はすでに参戦することは決めているのだが……」
「白蓮ちゃんがね、これは私たちにとって好機なんじゃないかって。」
「好機?何の?」
ソウが少し呆れたように俺に言う。
「……一刀殿、僕達の目標を言ってみてください。」
「え?みんなが笑っていられる世を作ること?」
「では、その世を作るために、最初にまず何が必要か、わかりますかねぇ?」
「えっと、兵とか兵の皆の食糧とか……」
「では、兵はどうやったら……いえ、どのような人間になら、付いて来てくれると思いますかねぇ?」
「そりゃあ頼りがいがあるとか、強いとか、有名だとか……」
「では黄巾党が居る今、有名になるためにはどうすればいいと思いますかねぇ?」
「そりゃあ黄巾党をたくさん懲らしめれば……」
「じゃあ、それを今からやりましょう。」
ソウは俺の方を指を差す。
ビシッとかいう効果音が付きそうだ。
「黄巾党鎮圧で手柄を立てれば、朝廷より恩賞を賜ることになるだろう。桃香たちがその気になれば、きっとそれなりの地位になれるはずだ。」
「そうすれば、もっともっと多くの人たちを守ることができるってことか。」
「そうだ。だが残念ながら、今の私の力はそれほど強く無い。そりゃあもちろん、もっともっと力をつけて、この動乱を収めたいとは思っているけど……でも今すぐは無理だ。そんな私に桃香を付き合わせるわけにもいかない。時は金よりも貴重なんだから。」
「……なるほど。」
白蓮の言葉には一分の真理があるのだろう。
だけどそれだけとは思えないっていうのが、俺の本音だ。
白蓮はおそらく、俺たちの扱いに迷い始めているんだと思う。
客将としてすでに星が居る。
更に最近、名を上げてきた桃香たちが幕下に居るというのは、太守としては面白くない。
一つのグループの中で、リーダーよりも有能且つ名声を得ている人間は必要ないっていうのも、当然のことだろうし。
なら、功名をあげるチャンスがあるときに、自分たちで手柄を立てて独立させるのが、最も無難な対処法だろう。
……人の好い白蓮のことだ。
そこまで意地悪く考えている訳じゃないと思うけど……。
だけど俺としても白蓮の考えは良く分かるし、人として……いや人の上に立つものとしては当然のことだと思う。
なら、今まで休む場所を与えてくれ、そして名を成すためのチャンスをくれた白蓮に対し、感謝の念以外には抱きようがない。
「……そうだな。俺たちもそろそろ、自分たちの力で頑張ってみようか。」
「でも鈴々たちだけで大丈夫かなぁ?」
「それは分からないけど。でもいつまでも白蓮の世話になる訳にはいかないんだから。」
「そうですね。……しかし、我らには手勢というものが無い。そこが問題です。」
「手勢なら街で集めれば良い。な、白珪殿」
「お、おいおい!私だって討伐軍を編成するために兵を集めなくちゃならないんだから、そんなの許せるはず―――」
「白珪殿。今こそ器量の見せ所ですぞ?」
「うっ……」
「それに白珪殿の兵たちは皆勇猛ではありませんか。義勇兵のが百人や千人、友の門出に贈ってやれば良いのです。」
「む、無茶言うなよぉ……」
「私も勇を奮って働きましょう。……どうです、白珪殿」
「むぅ〜……まぁ、あまり多く集めないでくれると助かるけど……」
しぶしぶといった様子で許可を出した白蓮に、思わず苦笑が漏れそうになる。
「じゃあ遠慮無く集めさせて貰おう。桃香、愛紗。手配を頼んでも良いかな?」
「まっかせーなさーい♪」
「御意。では、早速行動します。」
「はぁ……仕方ない。こうなった以上、私もできる限りの協力はさせてもらおう。」
「ははっ、ありがと。……この恩はいつか、頑張って返せるようにするから。」
「ふふっ、期待しないで待っておこう。……星。兵站部に手配し、武具と兵量を供出してやってくれ。」
「了解した。……ではソウ殿。一緒に参ろうか。」
「わかりました。一刀殿と鈴々殿はここで待っていてください。」
「わかった」
「わかったのだー!!」
ソウは星に連れられ兵站部へと向かっていった。
「なぁ、そろそろ良いであろう。」
「周りに完全に人がいないと確信できる場所でなければだめですねぇ。」
「そのようなこと言わずに早くその大きいのをくれ。」
「もう少し待ってください。まだここでは一刀殿たちに声が聞こえるかもしれませんからねぇ。」
「むぅ、別に私は聞こえたってかまわん!!」
「僕がかまうのでダメです。」
「むむむ」
「なにがむむむですかねぇ。」
「まぁ、この辺でいいですかねぇ?」
「本当か!!ならば早くその大きいのをくれ!!」
「まったく欲ばりですねぇ。」
「むっ、私は約束を守ったのだ。次はソウ殿が約束を守る番だろう。」
「ケケッ、わかりましたわかりました。ほらどうぞ。」
「あぁ、あの夜から癖になってしまっていたのだ。早く口に入れてみたい。」
「ケケッ、本当にお好きなんですねぇ。見て早速、頬ずりするなんて。」
「ハァハァ、全身で感じたいほど好きだし、白蓮殿を説得するほど好きだ!!」
「説得するほど好きというのは、まあ良く分かりませんが、約束通りですからね。しかし、そんなにも興奮するとは思いませんでしたねぇ。」
「ハァハァ、これを見てると、女として反応してしまう。」
「それでも、こんなにも早く反応を示すのは星殿だけですねぇ。」
「むふふ、しかしこれで交渉成立ですな。」
「まあ、僕の方は殆どが得なんですけどねぇ。」
「ふっふっふ、ソウ殿。あなたもなかなか悪ですなぁ。」
「いえいえ、星殿の方こそ……」
「ふっふっふっふっふ」
「ケッケッケッケッケ」
偶然、笑い声を聞いてそこに駆けつけ、それを見ていた侍女が言うには
ソウが星に『ソウ秘伝特性メンマ入り』という札のはってある大きな壺を渡し
壺に息を荒らげ、頬をほんのり赤く染め、頬ずりをしている星と
それを見て悪い顔で笑うソウだった。
説明 | ||
ようやく本編はっじまーるよー | ||
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コメント | ||
禁なる玉さん 心に来るやり方をするのが装さんですから(ぺぺぺ) いえすメンマビッチ(イエス高〇調で)ゴーファ〇ク、白蓮が捩じれて攀じれて歪んでゆく。人間不信の経過ですね(*°∀°)=3フンス(禁玉⇒金球) 劉邦柾棟さん、nakuさん ノーアヘン、ノービッチ(ぺぺぺ) 「アヘン入り」メンマじゃ、ないよな?(劉邦柾棟) |
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