ALO〜聖魔の剣〜 第40剣 色々楽しもう! |
第40剣 色々楽しもう!
ユウキSide
みんなで食べて、飲んで、騒いでを繰り広げたバーベキューパーティと第28層フロアボスとの電撃戦。
あれから数日が経つ間も、ボクはキリトとその友達が作った『視聴覚双方向通信プローブ』を使って、
毎日アスナの授業に参加した。キリトが一緒の時もあれば、そうでない時もあって、
キリトが別の時のアスナの落ち込み方はすごく可愛かったりする。
そういった楽しい日々の幾つかの場面を、今日は紹介させてもらうね…。
その1、桐ヶ谷家訪問
1月のある日曜日、今日もアスナの肩につけてもらってるプローブでボクは現実の風景を眺めている。
ただ、今日はいつもと違って、最初からアスナの家でのスタートだった。
どうやらキリトに取りつけ方を聞いて、お家のハウスキーパーさんに手伝ってもらったらしい。
そして、2人で話しをしながら移動をして、辿り着いたのは…。
「ユウキ。ここが和人くんのお家だよ」
『へ〜、ここがキリトの…』
案内してくれたのはキリトの家。
ボクの家も普通の家の中では少し大き目なほうだったけど、キリトの家もそれなりに大きいよね〜。
洋風なボクの家と違って、ここは和風な感じがするし。
まぁ、アスナの家に比べたらボクやキリトの家も小さ目なんだろうけど…(苦笑)
『でも、温かそうな家だね』
「あ、ユウキもそう思う? わたしもね、初めて来たときはそう思ったんだよ〜」
『だよね〜……わっ、あれってもしかして道場!?』
「そうだよ。和人くんは剣術と武術、妹の直葉ちゃんは剣道をやってるからね」
『そっか〜…。あれ? 妹って、もしかしてリーファのこと?』
「その通り♪」
バーベキューパーティの時にリーファと話していたら、彼女がキリトと兄妹だってことを教えてくれたんだっけ。
ボクが納得した反応を聞いてから、アスナが玄関の前に着いた時、扉が開いた。
「あ、やっぱり明日奈さんだ。それにそっちはユウキだよね? いらっしゃい」
「こんにちは、直葉ちゃん」
『こんにちは! えっと…リーファ、だよね?』
「うん、そうだよ!」
現れたのは黒髪の女の子。ボクのことも普通に接してくれたし、間違いなかったみたい。
「2人とも上がってください。お兄ちゃんも部屋で待ってますから」
「『お邪魔します』」
リーファに案内されて、アスナとボクは二階への階段を上がり、奥にある部屋に入った。
ちなみに隣はリーファの部屋みたいだね。
「いらっしゃい、明日奈、木綿季」
「ども、こんにちはっす」
部屋の中には机にある椅子に座ってるキリトと、
部屋の真ん中に置かれた小さなテーブルと一緒に置いてあるクッションに腰を下ろしているルナリオがいた。
「折角だし、スグと刻も一緒の方が話しも盛り上がるだろ?」
そう言ったキリトはサプライズが成功したような表情、これが彼らしさなのかもしれないね。
「明日奈、プローブをこっちに。木綿季、少し風景が揺れるけど我慢してくれよ」
キリトの言葉に明日奈は頷いて、ボクも『うん』と答えた。
すると彼は一台のノートパソコンをテーブルに、プローブをその前に置いてからなにやらコードを繋ぎだした。
「あとは設定を整えてっと……木綿季、1度見えなくなるけど音は聞こえるし、またすぐに見えるようにするから」
『了解です!』
「あと、折角だから明日奈とスグは眼を瞑っていてくれ」
ボクは元気よく返事をして、さらにキリトの指示に2人は首を傾げてから眼を瞑った。
風景が見えなくなる前にキリトとルナリオが笑みを浮かべていた気がするけど、なんだろう。
そして、キーボードが軽く叩かれるカタカタという音が聞こえてきた。
キリトがなにか設定をしてるんだよね? そして、2,3分くらいが経った時、ようやく終わったみたいで…。
「それじゃ、2人とも眼を開けていいぞ。木綿季もな…」
彼のその言葉を聞いてボクの視界に再びみんなとキリトの部屋が映った。
そこには驚いた表情をしたアスナとリーファ、笑みを浮かべたままのキリトとルナリオがいた。
「ユウ、キ…?」
「うそ…」
『ど、どうしたの、2人とも…?』
呆然と呟く2人にボクも少し心配になった……けど、それはすぐに心配なくなった。
「木綿季、お前はいま専用のVR空間にいるよな?」
『う、うん。そうだよ』
「そのVR空間にいるお前の顔がノートパソコンに映ってるんだよ。証拠はレンズで振り返ってみれば分かる」
『ホ、ホントに?……って、ホントだ!?』
キリトに言われたことに驚いたので、そのままレンズを動かしてノートパソコンに顔を視覚を向けると、
そこにはびっくりした表情のボクが映ってました。
『こ、これって、どうやったの!?』
「どうもなにも簡単に言えば、ネット回線によって遠くに居る人とカメラを使っての通信があるだろ?
それを現実とVR空間に置き換えただけだよ。最初の状態はVR空間から現実の様子を見るだけだったが、
これなら現実からもVR空間にいる相手の様子を見れるってわけだ」
「ま、これをするにはその都度設定を変えなけりゃならないし…デスクトップならまだしも、
ノーパソはHDの容量が大きめかつその容量がほとんど空いていないと使えないっすからね〜」
聞いてみてもキリトは簡単にこともなげにあっさりと言い放った。
ルナリオはデメリットに近いことを言ってるけど、これを簡略化できればかなり凄いことになると思う…。
「お兄ちゃんも刻くんも凄いよ!」
「うん! これならユウキと顔を見て話せるから、すっごく良い!」
「画面越しとはいえ、やっぱり顔見て話す方が良いっすからね」
「どうだ、ユウキ。お前の方にはあまり変化はないと思うが…」
『そんなことないよ、すっごく嬉しい! ありがとう、キリト、ルナリオ!』
興奮気味のアスナとリーファ、照れ笑いのルナリオ、優しい顔で訊ねてくるキリト。
ボクは2人に大きな声で感謝を告げた。
「あ、ちなみに……ユイ」
『はいです♪』
机の上にある3台のパソコンの内、真ん中の画面に1人の女の子が現れた、あの娘は…!
『えへへ〜、わたしも来ちゃいました♪』
「折角だから、通常用のカメラも用意してユイ用にも設定してみた」
出てきたのはバーベキューパーティの時にキリトとアスナに紹介してもらった2人の娘のユイちゃん。
可愛い笑顔を浮かべながら言った彼女、そしていつも通りの少し黒い笑顔で言ったキリト。
ボク達(ルナリオ含む)の驚きの声が上がるのは数秒後のこと…。
そのあとは6人で楽しく色々な話をしたり、リーファの部屋も見せてもらったりしたよ。
VRMMOや学校だけじゃなくて、こんな風に普通に友達の家にも来れて、すっごく楽しくて、嬉しかったです!
その2、学校帰りの喫茶店
1月のある日の放課後、今日はみんな揃って5コマ目で授業が終わったので、折角だから喫茶店に行こうという話しになった。
なんでも知り合いが喫茶店をしていて、そのお店に行くらしいんだ。
ボクもアスナの左肩(右肩は休憩らしい)にお邪魔しながら、喫茶店に同行した…。
それとお店に行く途中でリーファとシノンの2人と合流したよ
そして、到着しました喫茶店『Dicey Cafe』。ただ、見た目的には喫茶店というよりも酒場に近いような…。
『ここが、知り合いのお店なの?』
「そうです。ここのケーキ、すごく美味しいんですよ」
「男子達にはコーヒーが好評なのよ」
どうやら本当にここで合ってるみたいだね。
『どんな人が営んでるの?』
「ふふ、ユウキも知ってる人だよ♪」
アスナに聞いてみたけど、ボクも知ってる人…?
誰だろう……そういえば、ついこの前に誰かが喫茶店をやってるって言ったのを聞いてたはず。
そう、あれはたしか……。
「「「「「邪魔しにきたぞ(きました)(きたっす)」」」」」
入り口のドアを開けて早々に言い放ったキリト達男の子5人、
女の子一同(ボクは自分のいるVR空間で)思わずガクッとなりました。
「邪魔しにきたのか、冷やかしにきたのか……どっちにしろ、客じゃないなら帰れ」
「「「「「断る(断ります)(断るっす)」」」」」
「「「「「『あははは…』」」」」」
その反論に断りを入れる5人、ボク達は思わず乾いた笑いを浮かべます。
ん、いまの低い声はどこかで………あ、思い出した!
『エギルだ!』
「お、ようやくウチの店にも来てくれたか。いらっしゃい、歓迎するぞ、ユウキ」
わぁ〜、ALOとまったく同じだ!
髪の色とか、肌の色とか、男子は少し幼めな感じがするとかの違いがあるけど、エギルはまったく違いがないね、うん。
キリト達は固定席があるみたいで、空いてるスツールに座ると早速注文してる。
エギルも気にしないでいるからさっきの掛け合いは挨拶みたいなものだったのかも。
アスナ達もテーブル席に着いて注文をしたあとにボクも混ざって話しを始める。
しばらくして、エギルが飲み物やデザートを持ってきた。
美味しそうに食べるみんなを恨めしそうに静かにジーっと見つめていたからか、シノンが口を開いた。
「えっと、ごめん、ね…?」
『疑問形…』
「「「「「うっ…」」」」」
疑問形で謝られても……それを指摘すれば、少しダメージを受けたみたい。
まぁボクのことも考えてくれてるから、そこまで気にしてないけどね。少しはやり返せたし…。
「ふ〜む、これはVRクッキングソフトを使って店の味を再現するのもアリかもな…。そうすれば、ALOでも店が開けるか…?」
「いいんじゃないのか?現実で食べに行けない時や人には良いかもしれないし」
「太りたくない女性の皆さん、ゲームで食べれば怖くない! その代わり、味を知れば現実で太ることになるかも…」
「……誰に向かって言ってるんだ?」
「それは勿論、画面の前の皆さんっすよ」
「はい、それはメタだからダメだよ」
エギルの提案にキリトは賛成して、ハクヤはどこかに向かってなにやら話し掛けて、ハジメはそれに疑問を持って、
ルナリオは言っちゃいけないようなことを言って、ヴァルのツッコミが入る。
『ボク、エギルの作ったケーキを食べたい! あとコーヒーも飲みたい!』
「お、嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか。なら、空いた時間で練習するから、楽しみにしてな」
『うん!楽しみにしてる!』
こうして、また1つボクの楽しみが増えました。放課後にみんなで喫茶店っていうのも、いいものだね♪
その3、ALOで…
今日のボクはALOでアスナとクーハ、キリトとユイちゃん、それにシャインさんとティアさんという7人で集まっている。
スリーピング・ナイツのみんなは検査とかでまだ来てなくて、アスナの仲間達も各自の用事とかでまだ来ていない。
そんな中で、ボク達はアスナの家で話しをしている。
「じゃあ、問題はプローブ本体だよね? 形とかはいいとしても、肩に乗せてると結構疲れるんじゃないかなぁ」
「そうだな。それにバッテリーに関しても出来れば長時間使用可能にするべきだと思ってる」
「バッテリーを入れ替えたり、予備を持ち運ぶのも手間が掛かりますしね」
「そうなると、やっぱり形状も問題アリだろ? アミュスフィアみたいなタイプとか良いんじゃないか?」
「だがアミュスフィアのようなタイプなら、顔や頭に着けても負担はある。もう少し別の形状なら…」
ボクとキリトとユイちゃんとシャインさんで談笑しているんだよ、プローブについて……談笑だよ?
大事かもしれないことだから2回言ったんだよ。
「そうなるとカメラが問題だよね……マイクロカメラとか、そんな感じのが妥当かも」
「それを取り込むとすれば、アミュスフィアに近い形状にする方がいいかもしれないな」
「アミュスフィアより小型化してバッテリーを強力なものにする、ですか…」
「そうなったら何処に着けるかにまた戻るよな…。頭、眼の近く、肩、ん〜…首とか?」
「あ、それいいですね」
「確かに、首に掛ければ負担もある程度は和らげることが出来るな」
「うんうん、そうだね。第1案ってところかな」
結構話しが進むね〜、こういう話しも楽しめるものみたい。
「「じぃ〜〜〜」」
突然そんな声が聞こえてきた。
そちらをみんなで見てみれば、アスナとティアさんがジト目でこっちを見ていて、クーハは苦笑してる。
あ、そういえば話しに参加してなかったっけ?
そんな3人を見て、キリトとシャインさんの眼の輝きが変わった。な、なに…?
「どうしたんだ、アスナ?」
「キ、キリトくん、解って言ってるでしょ///?」
「んで、ティアはどうしたいんだ?」
「もぅ、シャインは意地悪です…///」
な、なんなの、この甘い空気…///
ユイちゃんを見てみれば少し呆れが混じってるけど、それでも嬉しそうに両親であるキリトとアスナを見てる。
そしてクーハは、少し意地の悪そうな笑みを浮かべて、ボクを見てる。これって、なにか言うべきなの///?
「え、えっと、あの…///」
「はは、いいよ、無理になにか言わなくても。というか、キリトさん達の真似はしない方がいいって」
クーハが意地の悪そうな笑みから一転していつもの笑顔を浮かべてくれた。
それだけで、なんだか心がポカポカしてきたりする。
「よし…俺はデザートでも作るかな。アスナちゃん、キッチン借りるよ。ティア、手伝い頼むぞ」
「はい、お任せください♪」
そう言って2人はソファから立ち上がるとキッチンに足を向けた。
そしてボク達は話題を変えて、改めて談笑を始めた。今度の題目は『ソードスキルについて』。
結果、途中まではアスナも話についてきたけど、その途中で置いてけぼりになって、
またいじけちゃったからキリトとユイちゃんが宥めていたのは言うまでもないね(笑)
ユウキSide Out
To be continued……
後書きです。
というわけで今回は日常パートでした、最後は微甘でそれ以外は日常風景という話。
マザロザ編に入ってからの話では、学校以外は日常回は少なかったですからね。
次回はクーハとユウキのイチャラブデートになります、コーヒーをスタンバってくださいw
ではまた次回で〜・・・。
説明 | ||
第40剣になります。 今回は原作で一文説明になっていた部分を日常パートで書いてみました。 どうぞ・・・。 |
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